2010年 02月 11日
============================================================ 山名 家形山(1,877m) 山行期間 2010年2月5日(金) 山行形態 山スキー 山域 吾妻連峰 地形図 板谷・土湯温泉・吾妻山 天候 曇り 参加者 5名(L:和○さん・佐○さん・柳○さん・石○さん・オイラ) 行程 除雪終了点8:13~磐梯吾妻スカイライン9:13~水飲場9:25~賽の河原10:10-10:21~ 山鳥山10:34~井戸溝11:05~慶応山荘分岐11:33-11:43~大根森12:17~五色沼(大岩)12:56~ 五色沼(不動沢右俣上部)13:04-13:16~慶応山荘13:45-14:00~慶応山荘分岐14:09~ 井戸溝14:23~山鳥山14:40~元吾妻スキー場トップ14:56~磐梯吾妻スカイライン15:13~除雪終了点15:33 行動時間 7時間20分(休憩等含む) 移動距離 14.0km 累積標高差 +1,102m -1,122m ============================================================ 2月5日(金)は高湯温泉から家形山を目指した。天気は曇りだが、上の方は雪雲の中だ。寒気が入り前日から雪が降っていたので、いやがうえにもパウダースノーへの期待が高まる。高湯温泉は磐梯吾妻スカイラインの入口でもある。もちろん冬期間は閉鎖なのだが、料金所の300mほど先までは除雪されているので、そこに駐車するため向かう。しかし、ちょうど料金所の上を除雪作業中だったのでしばらく待つしかなかった。 除雪車が折り返してきたのを見て車を進め、除雪終了点でUターンして車を路肩に寄せた。平日ということもありまだ他には誰も来ておらず、オイラ達の車2台だけだ。吾妻スキー場が3年前に閉鎖となってから、山スキーのクラシックルートである高湯~吾妻小舎~高山~土湯温泉はハードルが高くなり歩く人も少なくなったという。いずれにしても以前のことを知らないオイラにとっては、初めてのルートなので心躍るばかりだ。準備をして除雪終了点の雪を乗り越えるといよいよスタートだ。 柳○さん(女性)をトップにラッセルする 磐梯吾妻スカイラインを歩き始めるとすぐ右カーブになり、左側にテープの目印があるところが夏道だ。まだトレースの無い雪の上をシール登高する。最初のトップはオイラが務めるが、前日の雪がフカフカでそこそこ深いラッセルが続く。でも5人パーティーだと交代要員も多いので安心して頑張れる。ラッセルを交代しながら登っていたが、佐○さんがトップの時にちょっとしたアクシデントが発生。佐○さんが少し斜面を滑り落ちたが事なきを得てホッと一安心。 スキーツアーの古い案内板が木の幹に呑まれようとしていた 日が差すと暑いくらいだ 登高を再開してしばらくすると青空が見え日が差してきた。晴れると今度は暑くなる。小休止の時にオイラはジャケットとフリースを脱いでアンダーウェア1枚になった。それでも登っていると汗ばんでくるほどだ。再度トップに替わりグイグイ登っていく。オイラは知らず知らずペースが速くなり汗をかいてしまうので気を付けなければと思う。やがて再び磐梯吾妻スカイラインに出た。ガスがかかってきたが風は無い。スカイラインを横切り、再び樹林の中の夏道へと入る。このあたりはスノーシューで歩いても気持ち良さそうだと思う。 いったんスカイラインに出て横切る 沢を横切る場所があり、ここが水飲場だと和○さんに教えてもらう。おおむね夏道沿いに登っているのだが、緑色のテープが適切な間隔であるので、新雪でノントラックであったとしてもルートに何の心配もない。このテープは、慶応山荘の管理人さんが付けてくれたものと聞いてよく見たら、たしかにマジックで慶応山荘と書いてあった。ありがたく目印とさせていただく。 勾配が緩くなるとほどなく、賽ノ河原という場所に着き休憩とする。吾妻スキー場が営業していた頃は、リフトに乗れば賽ノ河原の少し下まで労せずして登ってこられたらしい。休んでいると汗が冷えてきて肌寒くなりフリースを着込む。ここから山鳥山までは、しばらくほとんど登りのない平坦な場所となる。山鳥山からは前方に家形山が見えるらしいのだが、残念ながら雪雲の中でほとんど見えない。体が冷える前に歩き始める。 山鳥山から家形山は雪雲の中で見えない やがて井戸溝に着いた。ここの小沢に単管で出来た橋があり渡るが、いつもの年ならこの橋も沢も雪で埋まるのだそうだ。小沢を渉ると勾配がきつくなり、深くなってきた雪をラッセルしながら進む。斜面を登り切って平坦になると慶応山荘への分岐だった。ここで小休憩とするが、リーダーの和○さんから予定より30分遅れているので家形山までは無理だが五色沼までは行きたいとの話があった。 深雪をラッセルしながら登る 分岐を右へ分かれると家形山避難小屋へ行く追分を過ぎると急斜面となり、新雪のラッセルに苦労しながら登る。今日パーティーでは年齢が一番上の石○さんだが、急勾配で深雪のラッセルをものともしないでトップをやってくれた。オイラも負けじとトップを買って出てひと汗かくと、大根森に登りあげた。大根森は風で雪が飛ばされ付かないところのようだが、この日はスキーで歩く分には支障がなかった。風が強くなり気温も低くなってきたので、ジャケットを着てフードを被る。 大根森への急登 大根森から家形山は見えなかった 家形山は目と鼻の先の筈だが、ガスのため手前にある小ピークしか見えない。その小ピークに向け斜面を登り、さらにトラバースするように南へ登りあげると大岩が見えてくる。大岩とは正式な名称ではなく、五色沼の目印としてそう呼んでいるという。大岩からは雪に覆われた五色沼が眼下に見下ろせる。西には家形山が手の届きそうな近さで見えているが、山頂までは往復1時間かかるとのことで、今日はキャンセルとなった。GPSによる最高到達地点は1,817mだった。一切経山もガスで霞んではいるがおぼろげに見える。火口湖である五色沼の縁を進み、不動沢右俣源頭の上部の辺りで滑降準備に入る。 大岩より後続のメンバーを見る ようやく家形山が見えた 一切経山と五色沼 五色沼の東斜面を慶応山荘に向けて滑り始める。深いパウダーへドロップインだ、などど書くと格好いいようだがオイラはそうはいかない。よたよたと後からついていくが早速ヤブにつっこみ転倒(笑)。その後もド派手に前転して転倒、雪に潜ったスキー板を探すのに時間がかかったりとみんなに迷惑をかけてしまった。でもパウダーだとこんなことも楽しくて笑顔になるから不思議だ。 パウダーを思い思いのラインで滑降する この日唯一のテレマーカーの佐○さん 皆滑降し残るはオイラだけ(^◇^;) 慶応山荘 慶応山荘に着いたが無人だった。今日は宿泊者もいないから管理人も上がってきていないのだろうか。山荘前で休憩とし行動食を口に入れる。休んだあと腰を上げ少し歩くと慶応山荘分岐だ。ここからはしばらく自分たちの登ってきたトレースを辿って滑っていくこととなる。ここでもオイラは深雪に突っ込み転倒2回。もうこれ以上雪は食えません(笑)。 途中で登ってきた単独者と先頭を滑っていた和○さんが話をしていた。相手は慶応山荘の管理人の大○さんだった。新しいテープを付けながら登ってきたとのことで、今年はまだ雪が少なくあと1mは欲しいと言っていた。大○さんと別れ先に進むが、傾斜の少ない斜面でスキーもあまり滑らず、歩くか推進滑降の多い区間が山鳥山まで続く。 山鳥山からは登ってきたトレースから北側に別れ、元吾妻スキー場のトップへと下っていく。トップの和○さんのルート取りは全幅の信頼が出来るし、樹林の中にはテープもあちこちにあるので心配がない。やがて周りが開けたところに出ると、そこがゲレンデの最上部だったところだ。オイラはこのスキー場が営業していた頃にも来たことがないので初めてなのだが、目の前には緩やかな傾斜のゲレンデ跡が続いている。他のスキー場であればゲレンデのトップ直下は、傾斜も急な中・上級者のコースになっていることが多いと思うのだが、このスキー場は違っていたようだ。 なだらかなゲレンデ跡 いったんパーティー全員がそろってから、各自思い思いに滑降していく。営業していないスキー場のゲレンデは、邪魔になる樹木やヤブもほとんど無く、まさにパウダー天国といえる状況になっている。しかし、そう思ったのは最初のうちだけで、やがて太いトレースが何本も現れた。どうもスノーモービルのトレースらしい。パウダーの下にあるクラストした雪も一緒にかき混ぜられてしまい、はなはだ滑りにくく興ざめとなる。仕方がないので避けながら滑ろうとするのだがそうばかりもいかず、下手なオイラはトレースを横断するたびにバランスを崩しそうになる。それでもノントレースの斜面を見つけては飛び込んでいく。平均年齢50代後半!の我々パーティーだが思わず歓声があがり、この時ばかりは年齢など関係ない至福の時間となる。 テレマークの姿は絵になる 廃墟となった日経ロッジまで来ると、ゲレンデのバーンも残り1本を残すのみとなる。5人で滑っているとこのスキー場がまだ営業していて、稼働を停止したリフトさえも動いているような錯覚になる。そうかと思うと真新しいスキーのトレースがあり、我々の前にもこのゲレンデを楽しんだ人がいることを知る。廃業したバニーハットというレストランまで来ると、楽しいゲレンデの滑りも終わりとなった。すぐ前が磐梯吾妻スカイラインで、帰りは道なりに下ることにする。 充実感いっぱいのメンバー 先行者のトレースはあるものの、勾配の無いスカイラインではスキーも走らないので推進滑降が多く、腕が疲れてしまった。一部はショートカットして林間を下ったが、もっとショートカットを利用すると楽になるかもしれない。そろそろ漕ぐのもイヤになってきた頃、今朝登った夏道の入口と除雪終了点が見えてきた。日帰りとしては少々ロングコースだったが、パウダーを満喫し無事下山できたことを仲間と喜び合った。結局、今日山で会ったのは慶応山荘の大○さんだけだった。 今回は条件が比較的良くラッセルも5人で行えたので、それほど苦労もせず五色沼まで行くことが出来た。また今度同じメンバーで来ることがあったとしても、ちょっと条件が異なればコースタイムは大きく変わることだろう。そこが冬山の難しさと怖さでもあり、逆に面白さでもあると思う。オイラのような初心者を受け容れてくれた仲間と山に感謝しつつ、今回のスキー山行を終了した。 GPS記録(登りは赤、下りは青)
by torasan-819
| 2010-02-11 00:03
| 山スキー
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Comments(6)
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pot
at 2010-02-11 02:29
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リフトが無いと、スタート地点まで行くのも大変ですね。
元気な50代の方がいらっしゃると、はげみになります。
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yossy1904 at 2010-02-11 22:12
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torasan-819 at 2010-02-12 05:35
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torasan-819 at 2010-02-12 05:40
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utinopetika2 at 2010-02-12 22:28
今回のレポート、いつもにも増して楽しませてもらいました。
家形山といえば、十数年前、大量遭難があったあった所ですね。 その翌年、トラさんとほぼ同じコースを通り、一切経山から吾妻小屋で一泊、翌日高山を経由するつもりが、吹雪になり、吾妻スカイラインを下ってきた事があります。 当時はカンジキでしたが、スキー場は営業していましたので、それほど辛くは感じませんでした。 当時はパワーがありました。 吾妻小屋は冬季もやっていましたしね。
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torasan-819 at 2010-02-13 06:39
utinopetika2さん
平成6年に5人が亡くなった遭難事故ですね。 ネットで記録を読んだことあります。 それほど標高が高くなくてもそこは東北の山、荒れればやはり厳しいですね。 オイラもいつか高山下りもやってみたいと思っています。 吾妻小屋は管理人さんが病気で休んでいると聞きました。 未確認情報ですが。 |
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