2010年 03月 16日
村山葉山(1,211m峰まで) ~ 2010年3月12日
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山名      葉山(1,461.7m)
山行期間   2010年3月12日(金)
山行形態   山スキー
山域      月山
地形図    葉山・富並
天候      晴れのち曇り
参加者    2名(L:トラ山・○谷さん)
行程      駐車地点8:48~除雪終了点9:06~合流点の橋10:48~尾根取り付き12:36~
        1,211m峰14:26-14:43~尾根取り付き15:35~除雪終了点16:48~駐車地点17:05
行動時間   8時間17分
移動距離   15.7km (沿面距離)
累積標高差 +1,080m -1,074m (GPS計測)
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村山葉山での山スキーは情報が少ないのだが、東北アルパインスキー日誌によると月山山域だけに、雪が少ない今年でも雪が豊富らしい。
しかも山スキーに適した斜面があるようで、パウダー好きにはたまらない山ということだ。
そんなわけで行ってみたいと考えていたが、12日に休みが取れてやっと行くことが出来た。
先週9~10日に降った新雪も期待して、朝6時15分頃に自宅を出発した。

相方の○谷さんと道の駅「かほく」で待ち合わせ。
○谷さんとは昨年に不忘山に登って以来だから、約1年ぶりになる。
お互い偶然に今シーズンから山スキーを始めた。
山形はさすがに宮城側よりは雪が多いだろうと思っていたのだが…雪が少ない。
9日から10日にかけて降った雪は山形側にはさほど降らなかったようで、それさえ融けてしまったのだろうか。

ちょっと期待はずれだが、山に入れば違うだろうと村山市の岩野地区に向かうことにした。
2人とも葉山は初めてなので、ナビの誘導で現地へと向かう。
除雪終了地点と思われる熊野神社付近に駐車する予定だ。




小集落があり、葉山登山口の看板のあるところで左折して小道に入る。
ほどなく右手に社が見えたので熊野神社かと思ったら寺だった。
そしてそのすぐ先で雪のため進めなくなった。
地図で確認した熊野神社はもう少し上のはずだがおかしいな?
疑問に思いつつも少し戻って道路脇のスペースに駐車した。
後で調べてわかったが、この寺は葉山大円院という葉山信仰の中心となっていた寺らしい。

路面はあちこち地面が見えているので、スキーを持って歩くことにして8時51分にスタート。
少し歩くとなんと完全に路面が露出している。
しかも先の方で左手から除雪された道路が合流している。
なんとそっちの道を来れば熊野神社まで行けるようだ。
しかしもう戻る気もせずそのまま歩く。

10分以上歩いてようやく除雪終了地点だ。
熊野神社の少し先まで除雪されていて、4駆が1台止まっていた。
渓流釣りの男性が1人ワカンを履いて歩き始めようとしていた。
我々もスキーで歩き始める。
前日のものなのかスキーのトレースがあった。

除雪終了地点(モデルは○谷さん:以降同じ)
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石造のめがね橋を渡り林道の奥へと向かう。
千座川沿いの林道をひたすら歩いていく。
天気が良くて暑いので2人とも半袖になる。
山用の薄いTシャツ1枚でも汗が出てくる。

林道の斜面が大きく雪崩れて路面を埋め尽くしていた。
状態から見ると昨日今日ではないようだ。
スキーを外してデブリの上を歩いて越えた。
湿った雪が降って気温の上がる今日は雪崩のリスクの高い日といえる。
その後も小規模の雪崩がところどころあり、少々緊張して通過した。

林道を埋めるデブリ
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いつしかスキーのトレースは無くなったがワカンの跡はあちこちにある。
釣り人に出会ったので聞くとサイズが小さくダメだという。
彼らはワカンを履いて沢筋に沿い歩いているが、そんな場所こそ雪崩のもっとも危険な箇所。
雪崩についてどう思っているのだろうか聞いてみたいものだ。

標高500mほどになるとやっと雪が増えてきた感じがする。
支沢との合流点近くの橋を渡ったところで休憩する。
カーブミラーが鏡の部分だけ雪の上に出ていたので、積雪深は2mほどだろうか。
飯豊朝日連峰の麓からによると、合流点の少し上で尾根に乗るようだが、既に斜面の雪はあちこち口を開けていてとても登れる状況ではない。
雪が埋めていれば沢を歩くルートも取れるようだが、もちろんそれも無理だ。
仕方ないので、またしばらくほぼ林道なりに歩くことにした。

林道を歩く
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沢も春の様相だ
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林道のカーブミラー(積雪は2mくらいか)
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自然のアーチをくぐる
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ここからは登れなかった
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それにしても林道歩きが長い。
いい加減林道歩きも飽きてきた頃、やっと尾根へ取り付きできそうな場所が見えた。
そこそこの急勾配で樹間も狭く、細かくジグを切りながら登る。
しかし地図によると本当の急勾配はもう少し先になるようだ。

やっと林道を離れて登る
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雪の水分が変わったのか気温が変わったのか、2人ともシールに雪が付着して歩きにくくなってきた。
こんな調子ではさっぱりペースが上がらない。
こんな事もあろうかとシールワックスを持ってきたので塗ることにする。
ちょうど昼時なので、止まったついでに昼食休憩とする。

○谷さんには大変なところに連れてきてしまったねと話す。
彼は蔵王の熊野岳に行こうと考えていたのだが、葉山に行こうと誘ったのは自分なのだ。
もう少し雪がマシだと良かったのだが、今日のこの雪質では下りの滑りは期待できそうもない。
今シーズンも大雪の日もあるにはあったが、通してみれば結局暖冬であり少雪だったということだ。

休憩後また林道に合流し少し歩くと、前方に斜面が見えてきた。
1,211m峰への斜面らしい。
近づくと正面手前はゲレンデのようなバーンで、その先は急勾配で左右からの尾根と合わさっている。
左右はかなりの急勾配の尾根だが、斜面の木の根元はところどころ黒い口を開けていて、あまり条件が良さそうではない。
眺めててもしょうがないので、近い右手の尾根に取り付き登り始めた。

ここからが本格的な登り
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かなりの急勾配で始めは細かくジグを切って登っていたが、すぐにジグを切っても高度を稼げなくなる。
横への移動量が多くなるばかりで、方向を変えるのさえ一苦労の状況。
挙げ句の果て水分の多い新雪はスキーのエッジでカットされると、下のクラストした固い面の上をいとも簡単に滑り落ちる。
ごく小規模ではあるが表層雪崩なので、一緒に滑り落ちてしまわないように神経を使う。
しかし、このままではさっぱり登れないので、ついにツボ足で登ることにしてスキーを脱ぐ。

スキーを担いで登る
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仰ぎ見るような斜面をキックステップで登る。
○谷さんが地力を発揮して先行するので後から追いかける。
あまりに急なところは手も使ってよじ登る。
尾根の取り付きから約1時間を要し、やっと肩に乗り上げ一息つく。
振り返ると眼下に村山の市街地が見え、遠く霞んで船形連峰が望める。
この先は勾配もいくぶん緩くなったブナの疎林が、1,211峰へと続いている。

手も使う何でも使う
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既に予定よりだいぶ遅れているが、ここまで来たので1,211m峰を目指すことにする。
明るく気持ちの良い斜面が広がっている。
パウダーなら素晴らしい滑降を楽しめるだろう。
今日の湿った重い雪が残念だ。

魅力的な斜面だ
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1,211m峰からは平坦な稜線が北へ続いていた。
葉山の山頂は1,358m峰の陰になって見えない。
時間もないのですぐシールを外して滑降の準備をする。
14時44分に滑降を開始するがスキーを回すのに苦労する。
山スキー4回目の○谷さんも大変そうだ。
しかし、この思うとおりにいかない滑降もまた山スキーなのだ。

葉山への稜線
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滑降を開始する
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登ってきた急勾配の尾根は我々には下れない。
反対の南側の尾根を下ることにする。
それでも急勾配には違いなく、斜滑降+キックターンもやむなしだ。
斜面のトラバースではミニ表層雪崩も引き起こす。
確認しながらゆっくり下るので、かなり時間がかかってしまった。
それでも下部のバーンは程よい斜度で、うっぷん晴らしのように飛ばすことができた。

急斜面はドキドキものだった
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天然のゲレンデが広がる
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尾根の取り付きまで下れば核心部も終わる。
今滑ってきた天然のゲレンデを見ると充実感が湧いてくる。
あとは長い林道下りが待っている。
勾配のあるうちはスキーも走るが、やがて沢沿いになると勾配が緩く走らない。
腐れ雪ではずいぶんと推進滑降もしなければならなかった。

かなり融けている所も
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デブリを越える
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今日は暖かい1日だったので、午前中につけたトレースは定かではなくなっていた。
やっと除雪終了地点に到着。
ここからスキーを脱いで歩き、駐車場所に着いたのは午後5時過ぎだった。

葉山はまだ山スキーのフィールドとしてはあまり知られていないと思う。
冬に入山するのも地元の人が主で記録も少ない。
だが、時期を選べば豊富な積雪量とパウダーで山スキーらしい山スキーが楽しめる1本になる。
だが距離が長いので、健脚であっても時間には十分余裕を見ておきたい。
来年はぜひ2月中に来てみよう。

※○谷さんはこの後ライブハウスで、午前2時頃までドラムを叩いたというから恐るべし。
※この12日に蔵王で遭難事故があり一人の方が亡くなった。どうもバリエーションルートを滑っていて雪崩に巻き込まれたらしい。かなりベテランの方だったらしいが、やはり山に「ベテラン」はいないのだ。我々もちょっと危なっかしい場面があった。危険は予知し避けるのが鉄則と再認識。

GPSデータ(記録が欠落していたところは補正して作成)
GPS記録(登りは赤、下りは青)
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by torasan-819 | 2010-03-16 07:22 | 山スキー | Comments(8)
Commented by 加ト幹事長 at 2010-03-20 08:57 x
「ここで雪崩が起こるとは思わなかった」「ここで雪崩は起こったことがない」という台詞を言わないように、常に小心でありたいものです。このごろの妙な天気が不安にさせますね。葉山、私もまったく近づいたことがないので今度連れて行ってください。
Commented by kaiya at 2010-03-21 10:31 x
葉山では本当にお世話になりました。
下りの滑降では自分のあまりの未熟さに途方に暮れてしまいました。
体力的にも精神的にもへとへとでしたが、LIVEは気力で乗り切ったという感じです。
めげずに山スキーもがんばりますので、是非またよろしくお願いします。
Commented by torasan-819 at 2010-03-22 19:42
加ト幹事長さん
気候がどんどん変化しているように感じてます。
冬山に入っていると、雪の量や質、融け方などの変化に否が応でも敏感になります。
雪崩れも今まで起きなかったところが雪崩れるようになってきているのではないかと思います。
今までの「常識」は通用しないのですね。
村山葉山には来年行きましょう。
誘いますからね。
それとも夏に歩いてみますか?
Commented by torasan-819 at 2010-03-22 19:44
kaiyaさん
こちらこそお世話様でした。
難しい雪質でしたから慣れていないと全然滑れないと思います。
そういうオイラだってやっとやっとでしたから。
21日の吾妻山では転けまくりでした(笑)
また行きましょう!
Commented by utinopetika2 at 2010-03-22 21:05
すっかり春山の様相ですね。
もうスノーシュー無しで歩けるかな?
3月12日とありましたので、さらに雪解けが進んでいることでしょう。
稜線は素晴らしい景色ですね。
今年はさっぱり登っていませんので、いつも羨ましく思っています。
Commented by yossy1904 at 2010-03-22 21:19
手元にある「東北山スキー100コース」では、畑から山頂までのルートが紹介されています。
評価は4つ星(5つ星が最高)。
いつか頂上から月山を眺めてみたいです。
Commented by torasan-819 at 2010-03-22 21:56
utinopetika2さん
この時期は1日とはいえないほど雪解けが進みますね。
でも山形の雪深い山々はまだスノーシューで楽しめますよ。
たしかに周囲が呆れるくらい貪欲に山に行ってます。
登れるときに登ろう作戦です(笑)
Commented by torasan-819 at 2010-03-22 22:42
yossy1904さん
アマゾンで「東北山スキー100コース」を探したら古本しかなく、しかも5千円近い値段でした。
ん~ちょっと買えない(>_<)
畑からだと葉山山頂も近いのですが除雪はしてるのかな?
オイラも山頂に行ってみたいです。


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