2010年 04月 05日
蔵王山(丸山沢) ~ 2010年4月3日
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山名      熊野岳(1,840.5m)
山行期間   2010年4月3日(土)
山行形態   山スキー
山域      蔵王連峰
地形図    蔵王山
天候      晴れのち雪
参加者    2名(L:加○さん・トラ山)
行程      白石7:05=スキー場8:00-8:16~ゲレンデトップ8:56~刈田岳直下10:14-10:22~
         熊野岳11:14~丸山沢源頭部11:30-11:45~噴気口12:20~休憩12:39-12:54~
         濁川渡渉13:02~索道跡13:50~スキー場14:50
行動時間   6時間34分(休憩等含む)
移動距離   13.6km
累積標高差 +1,061m -1,061m
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何度か一緒に山に行っている加○さんにどこかに行こうコールをした。
そしたら蔵王の丸山沢はどうかとの提案があった。
自分としてはスキー技術的にちょっと不安もあったが、丸山沢はいつかは行きたいと思っていた。
それがたまたま今回になったということだと思い行くことにした。

丸山沢は熊野岳の東側を源頭として濁川に流れる沢だ。
刈田岳からお釜を見ると、お釜の北側の斜面の向こう側がその源頭部になる。
アプローチそのものは山形蔵王からの方がずっと容易だが、問題は帰路である。
夏道に沿って濁川のひよどり越えを登り返し賽ノ磧に出るか、濁川沿いに峩々温泉まで下るか、かもしか温泉跡から丸山沢の左岸尾根を登り返すか。
今回我々はひよどり越えを登り返す、スキー場循環ルートにすることにした。

7時過ぎに加○さんを乗せたので途中コンビニに寄っても、8時にはスキー場(すみかわスノーパーク)に着いてしまった。
ゲレンデトップまでは3本のリフトを乗り継ぐが、リフトの運転開始は9時からだ。
待つより早いとばかりに、下から歩いて登り上げることにした。
スキー場に登山届けを出し歩き始めたのが8:16。
ちなみにスキー場は明日までの営業のようだ。




何度か山スキーを共にしたとはいっても、2人だけの山行は初めてだ。
何となく年齢不詳のナイスガイ?な雰囲気の加○さんだが、実はお互い年齢も近い(体型はだいぶ違うが)。
加○さんはテレマーカーなのだが、長い手足も相まってストライドが大きくいいペースで登っていく。
このところ続いている寝不足もあって、いまいちピッチの上がらない自分は後を着いていくのがやっと。
それでも快晴の蔵王は素晴らしい景観で、思わず「これだから山はやめられない」などと言ってしまう。
先行してスノーシューで登っていた男女2人パーティーもほどなく抜いてしまう。

スキー場のゲレンデを登る(被写体は加○さん)
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途中でエコーラインを横断するが、除雪が大黒天の上まで進んでいたことに驚く。
積雪量が少ないので、除雪の進捗が早いのだろう。
今日は刈田岳山頂に登る必要もないので、10時頃に東尾根の途中からトラバースして馬の背方向に抜ける。
雪が少なく、ハイマツなどが露出し始めており歩きにくい。
風が強くなってきたので、刈田岳直下でジャケットを着て行動食を口に入れる。

除雪が急ピッチで進んでいた
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刈田岳直下のトラバース
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登山道の雪は飛ばされて岩もあちこち出ており、スキーで歩くのは難しいようだ。
風も避けたいので、馬の背の稜線より斜面をお釜側に少し下がった位置をトラバースしていく。
ずっと同じ角度での長いトラバースは疲れる。
先の方を単独行者が歩いているのが見えた。
クラストした大斜面を一気に登り上げると熊野岳(1,840.5m)だ。

地蔵山は見えるが遠くは雲の中で見えない
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飯豊や朝日の眺望を期待した熊野岳だが、遠方は既に雲の中でどんよりとしていて見えない。
天気予報では昼頃から曇るということだったが、山ということもあり天気の変化が少し早いようだ。
となれば長居は無用だ。

熊野岳避難小屋までは雪がついてないのでスキーを外す
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避難小屋で昼食休憩のつもりだったが、加○さんがこのまま滑り出しの地点まで移動するという。
天気の変化が早いので、早めに滑降に移ろうということらしい。
避難小屋から東に少し下ると、丸山沢源頭の広々としたバーンの上端だ。
しかし左手の自然園から名号峰へ延びる尾根は、だいぶ岩が露出している。
準備をしている最中にも風が強くなり細かい雪が舞ってきた。
ヘルメットを被り、11:45に滑り出す。

源頭のアイスバーンを滑る
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ガリガリのアイスバーンに手こずる。
場所によっては青い氷状になっている部分もあり、これが続くのかと不安になる。
幸い斜度が緩いので何とか滑ると徐々に先すぼまりになり、喉のようなところに自然に滑り落ちる。
その先は斜度が増しているようで状況がわからない。

先に着いて待っていた加○さんのところに行くと、そこから先が丸山沢の核心部の始まりだった。
スキーのエキスパートには何でもなくても、今シーズンから山スキーを始めたばかりの自分にはまともに滑られるとは考えられない急斜面。
思わず唾を飲み込んでしまった。(笑)

加○さんが優雅にテレマークターンで先行するので、覚悟を決めて斜滑降&横滑りを駆使?
クラストしてはいたものの幸いアイスバーンではないが、場所により雪質がまだらに変化し滑りにくい。
それにしてもゾクゾクするような高度感がある素晴らしいバーンだ。

眼下に広がるバーン
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上部の急斜面をなんとか下りとホッとする。
明日ここを滑る人がいたら、苦労が偲ばれるなんとも不格好なトレースを目にすることだろう。
しかし画像にすると、雪質と曇りのせいかトレースがほとんど見えない。
幸いと言うべきか(笑)
右下方にロバの耳が見え、そこの稜線から刈田岳方向を見ようとトラバースする。
こちら側から見るのは初めてで新鮮な眺めだ。

手前が五色岳、向こうに刈田岳
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また沢の中心に滑り込むと、沢はすり鉢状にすぼまる。
これがボウルというものだろうか。
先が見えないので喉の部分で止まり、ゆっくり先に進むと急斜面が待っている。
さらにその先は次の喉へ続く斜面が見える。

喉の部分は雪が無ければ滝なのだろうから急なのも当たり前だが、この時期は雪で埋まっているから滑ることが出来る。
しかし雪解けが進めばいつ口をパックリと開けるかわからず、細心の注意が必要だ。
急斜面をなんとか滑ると、その下の斜面は雪質が良いのか気持ちよくターンが決まる。

喉から斜面を見上げる
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加○さんがテレマークターンで沢に滑り込む
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トラ山の滑降(加○さん提供)
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調子に乗っていると、2番目の喉の入口で大転倒。
岩の直前で止まり、ヒヤヒヤものである。
何やら硫化水素臭がしてきたと思いながら喉を通過すると、パッと視界が開け何やら見たことのある景色。
かもしか温泉跡の上にある噴気口の脇に出たことに気づくと同時に、ドキドキした滑降の楽しみも終わりとなる。

3年前にここの野湯に入りに来たことが思い出される。
かもしか温泉の建物は噴気口より下部の平坦な場所にあったようだが、昭和55年(1980年)の雪崩で建物が全壊したという。
当時そのようなことを聞いた覚えがあるが、山は自分とは別世界のことと思っていた当時はあまり関心がなかった。
それなのに今はここにいてそんなことを考えているのが不思議だ。

噴気口からは蒸気が吹き上げている
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さて帰りだが、噴気口より500mほど下ったところから右に90度転進して濁川へ向かう。
雪が降ってきたが、途中で昼食休憩を取りながら濁川側に下りる。
水量の少ない沢を難なく渡ると、いよいよ対岸の崖を登るひよどり越えだ。

濁川に下る
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覚悟していたがひよどり越えは苦労した。
今日は気温が低く雪が堅いので、キックステップが上手くいかない。
アイゼンを持ってこなかったのは失敗だった。
たった数センチの足がかりに体重を載せ、滑落に気をつけながら慎重に登るしかなかった。
ずっとつま先立ちを続けているようなもので疲れる。
もっともトップは加○さんなので、自分はずいぶんと楽させてもらった。

もう少し後であれば夏道も現れるのであろうが、実際この場に来てみなければ状況はわからない。
濁川から標高差160mほどを登り上げ、かもしか温泉の荷物搬送用のケーブル跡までは約40分だった。
晴れていれば今滑ってきた丸山沢が一望できるはずだが、ガスの中で見えないのが残念だ。

緊張のひよどり越え
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スキーを履いて賽ノ磧までのほぼ平坦な夏道を歩く。
後は出発点に戻るだけだったが、灌木がうるさくて余計な時間を要した。
それでも予定より早く、14:50に駐車場到着。
充実感のあるスキー山行だったと、お互いの健闘を讃えあう。
帰路はいつものあづまや旅館で温泉に入り、さっぱりしてから帰った。

丸山沢はバーンの変化に富んで、岩稜の景観が素晴らしい沢だ。
残雪期であれば雪崩の心配も少なく、ひよどり越えも登ることが出来る。
この頃はパウダー狙いで1月~2月の厳冬期にも滑る人がいるようだが、リスクを的確に判断できるエキスパートの世界だろう。
なぜなら降雪の状況や雪質によっては、雪崩の危険がかなり高い沢と思われるからだ。
残雪期以外に安易に入ることは慎むべきだろう。
それにしても、また行きたくなる魅力のある沢であることは間違いない。

GPS記録
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by torasan-819 | 2010-04-05 03:51 | 山スキー | Comments(4)
Commented by utinopetika2 at 2010-04-05 20:07
完全にエキストリームスキーですね。
今回も見応えありました。
丸山沢源頭の滑りは圧巻ですね。
カモシカ温泉の上部は岩だらけでしたでしょうに…冬場は違うのかな?
そしてきつい登り返し…お疲れ様でした。
大黒点まで除雪していましたかぁ~・・・あ、明日は休みだった!
Commented by maro4070 at 2010-04-05 22:08
凄いですネェ、むかしここでグリセードの練習をやっただけですが、丸山沢を下りましたか…。
スキーができなくても羨望の眼。
雪のカモシカ温泉は冷たいかな。
Commented by torasan-819 at 2010-04-06 07:57
utinopetika2さん
いえいえエクストリームまではいきませんがダイナミックな面白い1本でした。
滑っているときはかなりの緊張ものでしたが(笑)
滑ってくるとかもしか温泉の真上の岩場でなく、脇からストンと飛び出るような感じです。
地元の好き者は2日連ちゃんでこの丸山沢を滑る輩もいるのです。
オイラはまだまだですね。
Commented by torasan-819 at 2010-04-06 08:02
maro4070さん
昔とはかもしか温泉の建物があったころですか?
以前は温泉の辺りがテン場になっていて、大学山岳会とかテントの華がが咲いていたといいますね。
maro4070さんもその中の1人だったのですね。
噴気口のところにある天然温泉に入ろうかと一瞬思いましたが(笑)
冬に入っている猛者もいるようですが真似はしない方がいいですね。


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