2010年 05月 14日
鳥海山(湯ノ台口コース) ~ 2010年5月8日
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山名      行者岳(2,159m)
山行期間   2010年5月8日(土)
山行形態   山スキー
山域      鳥海山
地形図    鳥海山・湯ノ台
天候      曇りのち晴れ
参加者    2名(L:加○さん・トラ山)
行程      駐車地点8:11~斜面取り付き8:47~休憩10:18-10:28~マタフリ沢源頭付近10:50~
         行者岳12:40-13:36~マタフリ沢源頭付近13:59~歩き開始15:15~駐車地点15:41
行動時間   7時間30分
移動距離   17.1km
累積標高差 +1,589m -1,592m
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4月20日に鳥海山の前衛峰といえる稲倉岳に登ったのだが、その時に鳥海山の本峰を眺め、あの山頂に登りにまた来ようと思った。その機会は以外に早く訪れ、週末の山スキーはどこ?と加○さんと話すと鳥海山の湯ノ台コースに行かないかとありがたい誘いをいただいたのだった。鳥海山未経験の私は早速その誘いに乗ることにした。湯ノ台コースは言わずとしれた山スキーのクラシックルートだ。鳥海山の山スキーコースには、祓川コース、吹浦コース、象潟コースなどがあり、その中でも湯ノ台コースは長い方のコースとなる。鳥海山の南側に公園道路が標高1200m地点まで通じていて、この道路を車で行けるところまで行った地点から行動開始となる。





午前5時に自宅を出て加○宅に寄り、一路鳥海山へ向かう。東北道に乗りジャンクションで山形自動車道に入れば、鳥海山までは思ったより近い。酒田みなとICを降り鳥海山に向かっていても、なぜか鳥海山の方向だけは雲がかかり山容が見えない。午後から晴れることを期待するとしよう。鳥海山家族旅行村の手前を右折しすぐ左折、牧場の中の公園線を走るとやがてヘアピンカーブがあり、2個目のカーブ手前に4台ほどが駐車していた。いずれの車もスキーの人達らしく、まさに何人かが路上で準備中だった。そこから上の路面には雪が残り車は進めないようで、こちらの車も道路脇に駐車する。我々の後からも車が上がってくるので、今日の入山者は多いのかもしれない。

駐車地点には既に車が数台。
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準備をし8:11スタート。しばらくは道路歩きが続くのだろうと思ってはいたが、雪の残るカーブを過ぎるとその先の路面に雪は無く乾燥状態。途中少し雪のある箇所もあったが、結局ずっと舗装道路の歩きが続くのだった。2km以上もスキーを担いで兼用靴で歩き、いい加減嫌になってきた頃やっと斜面の雪がつながってきた。スキーを履いて8:47に斜面に取り付くことができた。

ここからスキーで登り始める。
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林間を登っていく。
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しばらくは木の枝がうるさくて、右へ左へあるいは乗り越えて歩くハメになる。加○さんは宮様コースといわれるルート上を歩いているようだ。所々ルートを示す赤テープもあるが、結構自由にラインを取り登っていく。加○さんは湯ノ台コースはこれで4回目だというが、山頂まで到達したことは1回も無いという、今回は山頂タッチも目標のようだ。しばらく登っているとガスがかかってきたが見通しはきく。

標高を上げるとしだいに周囲の木が少なくなり、前方に山頂に至る雪の大斜面が見えてきた。さすがに鳥海山の雪渓は広い。この素晴らしいロケーションを滑ることに期待感があると同時に、山頂へと昇っていくように続く斜面に、自分のスキーの腕では少々不安もある。

標高1200mを過ぎると森林限界だ。
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滝ノ小屋という夏山期間中のみ営業する山小屋があるようだ。小屋には寄らず200mほど東のラインを取ると、小屋は起伏の向こうになり見えない。ここで初めての休憩を取った後、マタフリ沢の源頭を左からトラバースしていく。後続のパーティーはトラバースせず左にそれていった。さらに何組かのパーティーが登ってきているのが見える。いつの間にか先行していた数パーティーは抜いてしまって、行者岳に直登するルートに取り付いているのは我々がトップになってしまったようだ。

徐々に晴れてきた。
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加○さんが標高1620mあたりでブッシュを越え東隣の雪渓に登るラインを移した。それまで登っていた雪渓は上部で岩が露出して雪が切れているようなので、雪渓を乗り換えたというわけだ。そこからはもうほとんど真っ直ぐに、見上げるような斜面を登っていく。あとは行者岳までほぼ一直線に登るだけだ。さえぎるものが無く見通しの利く斜面を登りながら振り返ると、眼下には視界いっぱいに地表の風景が広がり、その高度感はかなりのものがある。下までずっと続く斜面を見下ろしていると、滑ったら止まるのだろうかと何となく不安感が湧く。しかしこの辺りはまだザラメ雪なので心配はなさそうだ。空は快晴といっていいくらい晴れ渡ってきた。

眼下に広がるパノラマ。
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山頂までもうひと頑張りだ。
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ハイマツにはびっしりと氷が。
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標高を上げると雪渓の表面が次第に固くなってくる。しばらく前から直登は無理になりジグを切って登っている。加○さんは途中でスキーアイゼンを装着していたので幾分楽だが、私はスキーアイゼンを持っていないのでそのままシールだけで頑張る。山頂近くでは一部ブルーアイス気味のところもあり、エッジが少し滑ってバランスを崩した私はは冷や汗をかくハメになり、最後の10mほどは階段登高になった。しかし何とか行者岳の50mほど西側の外輪山に12:40登頂成功。後でGPSで確認してみると、標高差600mほどをコンスタントに100m当たり16分(375m/h)のペースで登っていたようだ。

新山をバックに。
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蟻ノ戸渡の先に先月登った稲倉岳が見える。
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危険を感じるほどではないが、山頂はやはり風が強い。行者岳に移動し眺めを楽しむ。外輪山の縁を右にたどれば七高山に至るが、今日は眺めるだけにしよう。向かいには新山が見え、大物忌神社の建物も見える。蟻ノ戸渡でつながった向こうの山は、先月登った稲倉岳だ。右に回り込み風を避けられる場所で昼食休憩とする。結局山頂にはほぼ1時間もいてしまった。今日ここまで登ったのは我々だけだった。

千蛇谷を歩いているスキーヤーがごま粒のようだ。
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登ってきた雪渓は山頂直下が固くていやらしいので、滑降に使うには自分の腕では危険さえ感じるほどだ。ここは降りたくないと思っていた。ところが雪質の良い雪渓があったのだ。昼食休憩したのは登った雪渓の東隣の別な雪渓なのだが、この雪渓の雪は最上部でも凍ってなくザラメ雪だった。50mほどしか離れていないのに、この雪質の違いはどうしたことだ。おそらく風が吹き付ける方向によるのだろう。我々はここから滑ることにした。下部でトラバースし、ハイマツを越えるポイントを注意すれば大丈夫だ。

13:36滑降開始。
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加○さんがドロップし自分も後を追いかける。ザラメ雪なので気持ちよくターンが決まる。まるで自分が上手くなったかのような錯覚をしてしまいそうだ。ノントレースの斜面にシュプールを描くのは実に気持ちが良いものだ。一気に滑り降りるのはもったいなく思い、眺めを楽しみカメラで撮影したりと刻みを入れながら滑り降りる。しかしそうしても高度はどんどん下がっていく。何とも名残惜しいような気持ちになる。

滑降その1
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滑降その2
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滑降その3
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滑降その4
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海が見える。
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途中でテレマークのご夫婦なのかご年配の男女パーティーに追いついた。我々は登ってきたラインをほぼトレースして下ろうかと思っていたが、このパーティーは西へと逸れていく。鳥海山に慣れたパーティーだろうと考えた加○さんが後を付いていこうという。これが正解だった。こっちの斜面あっちの斜面と短いが美味しい斜面をつないで滑って行くではないか。話しをすると秋田市からの方で随分と鳥海山には通い、このラインを見つけたのだという。その後も沢に降りたりして縦横に自由なルートで下るので面白かった。樹間が狭くツリーホールの大きくなった宮様コースをパスできるルートを知ったことは収穫だった。感謝感謝である。

振り返り見る鳥海山。
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湯の台温泉鳥海山荘の露天風呂からは残雪の月山が真正面だった。
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雪をつないでギリギリまで道路脇を滑ったが、また朝と同様にスキーを担いでの歩きとなった。日差しが暑くて肌が焼かれるが、どのみちもうこれ以上黒くもなるまい。雪で車が通れなかったところは、この半日で雪が融け通れるようになっていた。明日湯ノ台コースに来る人達は、随分上まで車で上がれるからかなり楽になるだろう。駐車地点には16:00到着。その後は鳥海山家族旅行村を見学し鳥海山荘の湯ノ台温泉に入りに行く。なんと浴室で下りルートを拝借したパーティーの男性と一緒になってしまう。さっぱりした我々は、青空をバックにくっきりと優美な姿を見せる鳥海山を後にし、心地よい余韻に浸りながら帰途についたのだった。

GPS記録
赤=登り  青=下り
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by torasan-819 | 2010-05-14 07:09 | 山スキー | Comments(8)
Commented by 加ト幹事長 at 2010-05-20 12:35 x
おかげさまで登頂することができました、ありがとうございました。トラさんの後からの強烈プレッシャー光線が効果抜群でした(爆)。意外に長かった車道歩きで半分諦めてましたからね。
Commented by おおさとくん at 2010-05-20 12:36 x
青空、すばらしいロケーション、何よりもトラ山さんの冒険心、健脚には驚かされます。私も是非、見習いたいと思います。(私への「さん付け」はご面倒と思いますので、おおさとくんでお願いします。一方的なお願いですみません。)
Commented by torasan-819 at 2010-05-20 18:01
加ト幹事長さん
あっ分かりましたプレッシャー光線を放射していたの(笑)
でもその割にはオイラを置いてけぼりにしてサクサク登ったじゃーないですか。
こっちは固い雪面に四苦八苦してましたよ。
車道歩きは長かったですね。あれがなければ往復で1時間は短縮できたはずですから。
翌日以降に登った人たちはだいぶ楽だったでしょう。
こんな記録も見つけましたし→http://f32.aaa.livedoor.jp/~yamayama/100511choukai.html
ではまた遊んでください。
Commented by torasan-819 at 2010-05-20 18:11
おおさとくん…でよろしいのですか?
ちょっと気安すぎるような気がしますが、ご希望であればそうさせていただきます。
あの~オイラの書き方は少しオーバーな表現を使ってますが、やっていることはたいしたことではありません。
世の中にはオイラよりはるかに健脚な方が、ネットの世界を見ても沢山いますから。
しかも湯ノ台コースは普通の春スキーコースですし。
とはいえ「冒険心」という面でいえば確かにプチ冒険であります。
何にしても始めての事をやるときは大なり小なりドキドキ感があります。
この感覚はまさに少年時代裏山を探検したときと同じ感覚です。
男は永遠の少年なんですな(笑)
これからも人と比べてどうのではなく、自分の「冒険」を楽しみたいと思っています。
Commented by utinopetika2 at 2010-05-20 20:50
やはり、標高の高い山は魅力的ですね。
それにしても、この時期は大分下から登るのですね。
地図をみているだけで、汗が出てきそうです。
スキーが出来ると、山の楽しみ方も増えますね。
そそ、ピッケルゲットしました。
アイゼンは未だです。
ジュラルミンのアイゼンが店に無くて・・・。
Commented by yossy1904 at 2010-05-20 22:20
今年、まだ鳥海に足を踏み入れてないのです。
それに、湯ノ台コースはまだ滑ったことがないのです。
先週板洗いを済ませましたが、このレポートを見ていたら行きたくなりました。道路が上まで開通するのは、いつごろでしょうね?
Commented by torasan-819 at 2010-05-21 06:42
utinopetika2さん
タイミングですね。翌日ならずっと上まで来るまで上がり、歩き無しですぐスキーを履けたのではないでしょうか。
天気にしても何にしても行ってみなければわからないところがあるのが山ですね。
ピッケルゲットされましたか。
アイゼンは取り寄せですかね。
着々と準備されているようで来月が楽しみです。
Commented by torasan-819 at 2010-05-21 06:47
yossy1904さん
そろそろ開通するのではないでしょうか?
現地に確認するのが一番でしょう。
公園線の行き止まりの駐車場まで登れればかなりの時間短縮が可能です。
今度の日曜日は百宅コースの様子を見に行ってこようと思います。


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