2010年 05月 27日
山名 七高山(2,229.2m) 山行期間 2010年5月23日(日) 山行形態 山スキー 山域 鳥海山 地形図 鳥海山 天候 薄曇り 参加者 2名(L:トラ山・加○さん) 行程 自宅4:00=登山口7:20-7:40~小松沢トラバース8:55~唐獅子平避難小屋10:20~ 七高山11:45-12:40~唐獅子平避難小屋12:57~小松沢トラバース13:17~登山口13:46 行動時間 6時間6分 移動距離 12.4km 累積標高差 +1,486m -1,485m ============================================================ 鳥海山は5月8日以来だからほぼ2週間ぶりだ。この時期雪はどんどん融けていくので、1週間も空けばずいぶんと状況が変わる。2週間ならなおさらだ。シーズンの終了も近いこの時期、加○さんから百宅(ももやけ)コースはどうかとの提案があった。前回の湯ノ台コースは鳥海山の南裾からのアプローチだったが、百宅コースは東裾からのアプローチとなる。今は由利本荘市となった旧鳥海町の百宅地区から、さらに未舗装の林道を13.5kmも登ったところに広い駐車場があり百宅コースの登山口になる。この林道は登山口からすぐの大清水園地を6月上旬から利用できるように除雪を進めるらしい。ちなみに大清水園地には避難小屋、山荘、キャンプ場などがある。過去の記録を見ると、5月23日~30日あたりにかけて登山口まで開通しているようだ。だが何日が開通と決まった日はないらしく、行ってみないと状況が解らないということである。もし開通していなければ祓川コースに変更することにして、加○さんと早朝の高速道路に乗った。 2人とも百宅コースは初めてで、案内板に助けられながら少々わかりにくい道を登山口へと向かう。心配した除雪の状況だが、幸運なことに除雪は先週辺りに終わっていたようで駐車場まで到着することが出来た。 駐車場の手前1kmほどは両側に雪壁があった。 私の車は腹が低いので、林道では何度かガリガリとこすってしまった。春先など林道の整備がまだの時期は要注意である。除雪は駐車場まででその先の林道はまだ雪の下だ。かなり広い駐車場(地図には80台)には由利本庄市の除雪車が2台あるだけで他に車は見あたらない。駐車場からは鳥海山が真正面に見上げるようだ。登山口の近くに車を停める。天気は快晴ではないが薄曇りでまあまあの天気だ。かえって太陽に焼かれるよりはいいかもしれない。 7:40にスタートする。登山口からすぐ雪が出てくるのでスキーで歩ける。 少し行くと大清水(おおしず)園地で、うっすらとスキーのトレースらしき跡えお追いかけ山荘と避難小屋の間から登り始める。登山道のある尾根の辺りは既に雪が無くなっているようだ。なるべくスキーで歩きたいので、尾根の北斜面の雪をつないで歩くことにする。 こぢんまりした大清水山荘。 ブナの新緑がまぶしい中を登っていく。 ブナの森を振り返る。 しばらくは斜面のトラバースのような歩きが続くが少々枝がうるさく、ルートを探したこともあり思いのほか時間がかかってしまった。ここはもう少し右手に下がって、ブナの樹間の広いところを進んだ方がよかったようだ。標高1000m辺りでブナ林を抜ける。右前方に大倉滝を見ながら、左手の尾根へ登り上げる。雪の下にあるはずの登山道をまたぎ、左手の灌木の林をスキーを履いたままヤブこぎし、尾根の左側の平坦な斜面に出る。少し進むと左に赤沢川の支沢の小松沢が見えてくる。蒲生さんの記録によると、その時の雪の状況により登山道を歩いたり沢を歩いたりしているようだ。我々は加○さんが尾根をそのまま進み、私が小松沢に入って登り少し先で合流することにした。 小松沢のトラバース箇所(上部より撮影)。 小松沢には急斜面をトラバースして入ることになる。地形図で見ると滝があるらしいので急斜面もうなずける。支沢であり深い沢ではないのだが、それでも急斜面から落ちたくはないので慎重にスキーを運ぶ。斜面に雪には既にクラックが入っているので、1週間後だったら登るのは困難になるかもしれない。雪で滝が埋まっている斜面を登ると、あとは普通に沢床を歩くようになる。加○さんは右手の尾根を歩いているはずだ。しばらく進んだところでお互いの姿が見えて声を掛け合う。加○さんは登山道の雪が切れていて2度ほど板を脱着したらしい。6月ともなれば、この辺りまではずっとスキーを背負って登山道を歩くことになるのだろう。 沢の源頭の手前、標高1270mの辺りで沢の右斜面を登り加○さんのラインと合わさる。地形図では屏風岩という岩がゴロゴロしているらしい地点も、今はまだ雪の斜面でしかない。登山口からずっと山頂を眺めながら歩いているのだが、まだまだ山頂は遠いようだ。それもそのはず、山頂までは標高で700m以上登らなければならない。休憩してもうひと頑張りすると唐獅子平避難小屋が見えてくる。名称の由来となった獅子形岩は小屋の近くにありすぐ分かった。登山道の方は地面が出ているので小屋のすぐ北側を通るが、それでも5mほど雪が切れていて板を脱がなければならなかった。あとは目の前に広がる大斜面をひたすら登るだけだ。 避難小屋と獅子形岩を見下ろす。 大斜面を登る加○さん。 雪渓の上の方で2人ほど人影が見えるが、祓川からの人達のようだ。 テレマーカーが1人滑り降りてきて我々の左手を下っていった。彼は百宅コースを登ったとは思えないのだが、また登り返すのだろうか。斜度が増してくると小休止が多くなってくる。加○さんは膝の調子がイマイチのようで遅れがちだが頑張っている。振り返れば眼下に展望が広がっているが、雲のため遠望がきかないのが残念だ。右手に見える人影が多くなり、山頂にもちらほら見えるようになってくる。 外輪稜線には11:45到着。 大物忌神社が見える。 ここは七高山の手前の鞍部になる。加○さんの到着を待ってスキーをデポし、外輪稜線を右へ回り七高山へと向かう。百宅コース側とは違い、七高山には大勢のスキーヤーや登山者がいてにぎわっていることに驚く。下に目をやれば、急斜面を連なり続々と登っている人達がゴマ粒のように見える。祓川コースはアプローチが比較的容易なので人気のコースなのだろう。 続々と登ってくる。 七高山の山頂。 七高山から外輪山の中を見れば、溶岩が盛り上がって出来たドームのような新山が見え、山頂に登っている人達が小さく見えた。新山にも登ってみたいがまた次の機会としよう。しばらく景色を眺めた後、元の場所に戻り行動食を口に入れる。そうしていると何人かがこちら側の斜面から滑るため移動してきたが、いずれも斜面の途中で左にトラバースして祓川コースに戻っていったようだ。雲が目線より下を浮かんで流れている。 テレマーカーの4人。目線より下を雲が流れていく。 さて我々も滑降開始だ。 加○さんが斜面へと滑り込んでいく。直下の斜面を少し滑り降りると右へトラバースし、百宅コースへの斜面へ移る。広々とした斜面を好きなように滑り降りるのは爽快だ。雪はザラメ雪で滑りやすく一気に高度を下げていく。登るのに時間のかかった斜面もスキーではあっという間だ。 広々とした斜面は気持ちが良い。 唐獅子平避難小屋が近づくと雪面に溝が増えガタついてきた。こうなると板を押さえるのに足に余分な力が入り疲れてしまうので、斜面を適当に刻みながらの滑降となる。避難小屋から下は登ってきた小松沢に間違わず滑り込めるよう注意して下る。登ってきたラインどおりではなかったが小松沢に入ることが出来た。滝のところの急斜面トラバースは加○さんが一気に行ったので私もそれに続いたが、幸い落ちることもなくクリア。少し下って灌木帯に突入し、斜め左方向にスキーを履いたままヤブこぎをする。尾根の北側に出ると大倉滝が見えた。あとは新緑の美しいブナ林の中を大清水園地まで下るだけだ。加○さんが先行して下るが、ラインを左に振りすぎたようで大清水避難小屋から離れてしまった。私は苦労して枝をかいくぐり、斜面の裾を右に回り込んで小屋へと着いた。 しっかりした作りの大清水避難小屋。 まだ水芭蕉が咲いていた。 加○さんが先行していると思っていた私はそのまま登山口の駐車場に14:30到着。しかし加○さんがいないので引き返し呼ぶと応答がある。私よりさらに左下へ行き過ぎてしまい、登り返したので時間がかかったという。やれやれである。加○さんと今日の核心部はここだったねと笑いあう。避難小屋前に出ている冷たい水を飲むと生き返るようだ。小屋の中を覗いたりしてからまた駐車場に戻る。帰り道は林道の道すがらフキノトウを採りながら下る。 大清水駐車場から見上げる鳥海山。 除雪が終わっているか確認できないまま向かった百宅コースだったが、幸運にも登山口まで車で行くことが出来た。昨日もここを登った人がいるかもしれないが、結局今日は我々だけだったようで、はからずも静かな鳥海山を楽しむことが出来た。これで今シーズンの板納めとなるのかどうかわからないが、出来ればもう一度来たいものだと思いながら鳥海山を後にした。 GPS記録 赤=登り 青=下り(電池切れに気付かず記録できない区間があった)
by torasan-819
| 2010-05-27 02:04
| 山スキー
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Comments(4)
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おおさとくん
at 2010-05-27 17:58
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う~ん、トラ山さんのパワフル全開!新緑がすごくきれいですねー。自分は20年前に一度だけ鳥海山に登っただけです。避難小屋の雰囲気も素敵ですねー、ぜひ今年、鳥海山に行きたいと思ってしまいました。ありがとうございます。トラ山さんの車、シルバースッテップワゴンですか?自分は山形ナンバー、シルバーサーフです。モンベルシールをくっつけています。どちらかでお見かけしたら声かけさせてください。楽しみにしています。
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torasan-819 at 2010-05-27 21:52
おおさとくん
鳥海山は花の時期にも登ってみたい山です。 マイカーはおっしゃるとおりです。 林道では何でこの車にしたのかと後悔したくなるほど腹を擦りまくりデス(笑) でも積載量は抜群で山スキーでは4~5人分のスキーと荷物を軽く呑み込むので重宝しています。 山形ナンバー・シルバーサーフ・モンベルシールですね。インプットしました。 自分の車は月山シールくらいです。 どこかでお会いするかもしれませんね。
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utinopetika2 at 2010-05-27 23:02
5枚目の写真良いですねぇ~。
宮城では中々みれませんね。 それにしても、パワフル&アクティブです。 ちょっと真似できません(笑)。 飯豊のレポート拝見して、イメージトレーニング???しています(笑)。 時に、ICIに発注中のアイゼンがまだ届きません。
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torasan-819 at 2010-05-28 07:58
utinopetika2さん
画像の辺りはブナの大原生林がもっとずっと裾野まで広がっていたそうですがことごとく伐採されてしまったそうです。 少し残ったり後から成長したりしたものが画像の部分かもしれません。 東北はブナを大切にしないといけませんね。 ブナは東北の気候風土にあった木で豊かな水の守り神なのですから。 ブナはオイラの住んでいる市の市の木でもあるのです。 アイゼン届くのが楽しみですね。 |
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