2011年 02月 28日
蔵王・不忘山権現沢 ~ 2011年2月26日
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山域山名   蔵王連峰 不忘山(1,705m)
山行期間   2011年2月26日(土)
山行形態   山スキー
地形図    不忘山
天候      曇り
参加者    単独
行程      スキー場6:43~ゲレンデトップ7:20~不忘山8:53~滑降開始9:13~スキー場10:38
行動時間   3時間55分
移動距離   約9.0km(図上計測)
累積標高差  不明
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不忘山の北斜面を源頭としているのが権現沢だ。一昨年はここを沢登りしている。1年前なら不忘山の稜線から一気に落ちていくその斜面を滑れるとは思えなかったが、この頃は何とかなりそうだと思えるようになっていた。コンパクトなルートなので午前中にやってしまおうと考え、26日に実行することにした。予定よりもだいぶ寝坊して家を出る。白石スキー場は我が家からゲレンデが見えるほど近く、20分少々でスキー場に着く。準備をしてスタートしたのは6:43になっていた。



ゲレンデの南にあるAコースを登ることにした。この時間帯はコース整備の真っ最中で、数台のゲレンデ整備車がグルーミングしている。遠慮して端を歩き、約300mの標高差を40分弱で登る。スキー場から上に出ると冬山の世界だ。今日は北寄りのラインを登り、早めに東尾根に乗ることにする。徐々に勾配が増すとクラストした雪でシールが滑り始める。昨シーズンに買ったが使うのは今日が初めてになるスキーアイゼンを装着する。しかしクライミングサポートを最大に上げてしまうと、スキーアイゼンの歯が届かなくなるので、結局ジグを切って登ることになる。風は吹いているが、この時期の不忘山としてはさほどではない。

                         凍り付いている山頂
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山頂が近くなると尾根が細くなってくる。ガリガリに凍りついているし風も強いので、早めにツボ足に切り替える。ガスで何も見えない山頂にはもちろん誰もいない。権現沢は不忘山から南屏風へと続く稜線下が源頭になるが、不忘山の山頂直下は急傾斜なので山頂のすぐ西にある祠へと向かう。ここから権現沢右俣源頭のオープンバーンへトラバースする方法もあるが、ほぼホワイトアウトで下方がまったく見えない状況で急斜面のトラバースはためらわれる。今日のウインドクラストして固い雪面では滑落の恐れがある。もう少し稜線を南屏風の方へ進んだ鞍部なら、斜面もやや傾斜が緩むので滑り出しをそこにしよう。しかし何も見えないことに変わりはなく、時折ガスが少し薄くなるとぼんやりと木の枝が見える程度。

                         何も見えないので自分のスキー板を撮る
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                         権現沢へと下降する
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休憩を兼ねて待ったが好転しそうにないので意を決して滑降を始めた。だがホワイトアウトではすぐ感覚がおかしくなり酔ったようになってしまう。しかたなく斜滑降とキックターンで少しずつ高度を下げていくが、何度も転倒してしまう。左手のオープンバーンがぼんやりと見える。今日はサンクラストしたガリガリの上に、うっすらと雪が乗った雪面で、寒さが戻った今日は雪崩の危険は少ないと思われるが、視界のない状態で入り込むことはためらわれた。おのずとルートを樹木の見える右寄りに振っていったのだが、かえって斜面は急になってしまった。何度か転倒しながらやっと権現沢に滑り降りると、視界もだいぶ効くようになってきた。

                         権現沢を滑る
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                         トラバースには厳しい斜面
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沢の底はいくらか雪が良いかと思いきやそうでもない。すっかり腰の引けてしまった私はよたよたと樋状の沢床を滑っていく。やがて大きく落差があり、ここが沢登りをしたときの10m瀧だろうと思われた。すっかり雪で埋まった瀧を、左岸から少し巻くように滑り降りる。両側は急斜面だがコガ沢出合付近で斜面を登り加減にトラバースし、不忘山の東斜面に回り込みそのままスキー場へと滑り降りるつもりだ。コガ沢出合の少し手前からトラバースを始める。しかしクラストした雪と格闘したがどうにも具合が悪い。なかなか高度を上げられず、滑落の危険性も感じ始めてきた。今日はソロなので無理はできない。トラバースを諦めてコガ沢に降りることにした。ここでも転倒しながらコガ沢まで降りる。山スキーのフィールドはゲレンデと違ってスキー板が痛みやすい。特に今日のような所を滑ることのある私のスキー板は、まだ買って2年目だがかなり傷みが目立つ。やれやれ来年は新調しないといけないかもしれない。

                         口を開けたコガ沢
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                         下降するとさらに水流が見えてくる
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コガ沢を下っていくと沢床の雪が口を開けていて水流が見える。穴に飛び込んではかなわないと、右岸の沢より高い位置をトラバースしていく。滑りやすい所を探して左岸に移るが、昨日までの高い気温で解けた雪がガチガチに凍ったものだから転倒に次ぐ転倒。いやはや今日はいったい何度転倒したのだろう。右岸の傾斜が緩くなったところで、斜行しながら尾根に登る。藪のうるさい作業道を滑ると神嶺林道に出た。右に向かうとスキー場の駐車場はすぐだった。今日は午後から母を連れて樹氷を見に行く予定があったが、十分間に合う時間に戻ることができホッとする。

今回はいろいろな意味で課題の多い山スキーとなってしまった。結論から言えば滑るべき日ではなかったかもしれない。条件の良いときに再チャレンジしたいと思う。しかし温暖化の進む昨今では、南東北の山でそんな日を捕まえるのは簡単なことではなくなってしまった。

                         ルート図(概念) 赤:登り 青:下り
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by torasan-819 | 2011-02-28 22:52 | 山スキー | Comments(8)
Commented by maro4070 at 2011-03-01 07:11
おーホワイトアウトなのに凄い。
この日も澄川に向かいましたが荒天を遠刈田で判断し亘理に行きました。こんな日も誰かが…と思ったら単独でトラさん。
無理しないでねぇ。(^_^)
Commented by 煙突おじさん at 2011-03-01 08:34 x
沢筋の滑降は、沢が開いていると難行苦行になりますね。
私も地図上でいい沢を見つけて、下りましたが、沢が開いていて、結局上り返したことが何度かあります。
それでも,そこをバリエーションルートに使えないと
確認できただけでよかったと思っています。
Commented by torasan-819 at 2011-03-01 22:00
maro4070さん
この日は午後から雪上車で樹氷ツアーでした。
ガスがかかってましたが風もなく穏やかでしたよ。
帰路エコーラインを下っているときに振り返ると晴れて山頂がクッキリと見えました。
「ガスった山は下りてから晴れる」マーフィーの法則です(笑)
Commented by torasan-819 at 2011-03-01 22:07
煙突おじさんさん
はいコガ沢は楽ではないルートです。
少なくとも楽しめるルートではないのですが、滑ってみたいルートでした。
沢が口を開けているのはある程度予想してました。
コガ沢は知っている人は下降ルートのひとつとして使います。
急斜面のトラバース、口を開けた沢、ん~まさに前門の虎、後門の狼ですね(笑)
Commented by NON at 2011-03-02 10:58 x
おひとりで、山スキーそれもホワイトアウト 凄い!
夏と冬 全く違う姿を見せてくれる山、
気をつけて、楽しんでください。
Commented by torasan-819 at 2011-03-03 21:40
NONさん
下ればどっちにしても沢に下りることになるので行けたのです。
平坦部のホワイトアウトではこうはいきません。
方角さえわからなくなりますから。
Commented by Toby at 2011-03-04 08:43 x
勝手の分かる沢ならではの滑降ですね。沢筋を下ればゴールがあるというのは安心感もありますけど、下りていったらパックリ口を開けて待っていたというのは想像するだけでガックリ来ますね。
ひとのこと言えませんけど無理しないでくださいね。
Commented by torasan-819 at 2011-03-04 13:38
Tobyさん
夏でも冬でも沢は基本的に危険です。危険を予測して進むところに魅力があるとも言えますが。
山スキーと沢登りの両方やる人が多いのは、沢の情報がお互いに役立つということがあるでしょうね。
性分ですかねついつい突っ込んでしまいます(^_^;)


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