2011年 03月 03日
山岳事故(ヘリコプター搬送) ~ 2011年2月27日
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山岳事故でヘリコプターが出動し負傷者を救出するというのは時々聞く。
山岳事故は車輌の進入できる場所での事故とは異なる。
負傷者は自力にせよ他力にせよ、医療機関まで行くことが容易ではなく時間がかかることがほとんどだ。
特に自分で歩けないような怪我を負った場合は、なおさら困難になる。
治療を受けるまで時間がかかることにより、重大な結果となる場合もあるだろう。
そのような場合にヘリコプターは非常に有効な搬送手段となる。
山に入り登山をしている限り誰しも怪我をする可能性はあり、自分もまたしかりである。
そんな時に場合によってはヘリコプターに吊り上げられることもあるだろうと、漠然とだが考えてはいた。
しかし、まさかこの日に自分たちのパーティーが、ヘリコプターでの救助要請をする事態になるとは思ってもいなかった。

27日に私を含めた4人パーティーで山スキーに行った。
午前10時30分頃、山中を滑走中にメンバーの1人が立木にぶつかり負傷した。
その人は自力では移動出来なくなったので、3人で降ろそうと考え実行した。
時間も早かったし安易にヘリコプターを要請することがためらわれたのだ。
しかし事故発生場所から車の駐車場所までは標高差650m、距離6km以上だった。
標高差400m、距離2kmを6時間かけ、負傷者を人力で搬送したがそれが限界だった。
応援に下から上がってきた仲間の状況判断もあり、自力下山は諦めてヘリコプターでの搬送要請となった。
夕暮れが迫る午後5時35分頃、ヘリコプターで吊り上げてもらった。
有視界飛行ができるギリギリのタイミングだった。
あと少し遅ければビバークとなるところだった。
しかし、おそらくビバークして翌日自力下山を試みても無理だっただろうと思われる。
ヘリでの搬送後に自分たちは下山のため林道を歩いたが、雪崩により人力搬送はかなり厳しいことがわかった。
メンバーの怪我は右足脛骨(すねの骨)の骨折で、手術が必要と診断された。

実は今回のルートにおいて、ヘリでピックアップできるポイントは限られていた。
なぜならピックアップするためには樹林帯ではダメで、上空の開けた場所が必要だからだ。
この日何か条件がひとつ欠けていても、当日中の搬送はできなかっただろう。
いろんな意味で幸運であったのかもしれない。
この山スキーの記録は近いうちにまとめようと思う。
このような出来事は、ならば黙っておきたい気にもなる。
恥をさらす?いやいやそうではない。
たしかに我々が未熟だった部分については恥じ入るばかりだ。
しかし、このような事例を記録し読んで貰うことによって、事故を未然に防げることもあるかもしれない。
事故があったときの対処の仕方について考えるきっかけになるかもしれない。
なぜなら自分も他の記録から、大いに学ばせて貰っているからだ。
実際当事者になってみなければ、その場にいなければわからないこと気付かないことは多い。
それにしても山形県消防防災航空隊、警察署、消防署及びその他関係者の皆さんには感謝申し上げるしかない。

※画像はその時のもの。

by torasan-819 | 2011-03-03 23:36 | 山スキー | Comments(14)
Commented by Toby at 2011-03-04 08:51 x
あらら、厳しい週末だったんですね。
ぼくらはまだ山スキー始めたばかりで全てが試行錯誤状態です。楽しい情報だけでなく、雪崩や事故の情報はとっても勉強になります。事故の体験を記録するのはおもしろくないと思いますが、機会があったら教えてください。
今週末ぼくらはルート取りをベテランの方に注意していただきました。気をつけて遊ばないといけないなぁと反省していたところでした。
Commented by 煙突おじさん at 2011-03-04 12:40 x
私は、何時も単独なので、同じような事故にあったら
たぶん生きて帰れないと思っています。
私が一番大事にしていることは、スピードを出さない
ことです。
自信が無い時は、キックターン、斜滑降の連続です。
事故報告など、これからいろいろと大変でしょうが
お友達の、早期の回復を祈っています。
Commented by maro4070 at 2011-03-04 20:12
トラさん
大変でしたね。私もこれまで通りがかりですが2度ほど体験。
1回目は男性の足骨折の方に会い、強風でヘリは飛べないと判断しおんぶして雁戸山を下山しました。笹谷峠まで救急車1台を要請したのですが宮城防災ヘリ、フライトして来てくれましたよ。2回目は、桑沼急登での落石患者に遭遇しました。
携帯通報できる範囲ればいいのですがね。
いかに的確な通報をするかです。GPSでの緯度経度を連絡すれば自動で位置確認し一発で到達する仕組みです。要は、ホバーリングで降下できるかの位置ですね。山形ヘリの名前は「もがみ」。山形県を流れる最上川から名付けられたそうですね。
Commented by utinopetika2 at 2011-03-04 20:37
負傷された方がいるとは言え、他の皆様が無事で何よりです。
事故後の判断も間違いないと思います。
27日は月山道で雪崩があり、仙台空港から向かっていますが、基本的に有視界飛行ヘリは、冬のこの時期、日本海側に向かえない日の方が多いのです。
次の日の28日の山形の天気は雪でしたので、防災ヘリは山形空港からのフライトとはいえ、厳しい状況になったのかもしれません。
搬送に6時間を要したトラさんのパーティ。
また下から救助に向かわれた方々。
素晴らしい仲間をお持ちです。
煙突おじさんにいたりましても、万が一の場合、遠慮なく救助要請してほしいと思います。
Commented by lc4adv at 2011-03-05 00:44
大変でしたね。
山スキーでの骨折は結構多いですから、お気をつけて下さい。
自分はほとんど単独登山なので、こういう話を聞くとぞっとします。気をつけねば。
Commented by yossy1904 at 2011-03-06 22:10
楽しいツリーランですが、あらためて危険と隣り合わせだと実感しました。
知人で立ち木に頭を強打し、障碍を負った方がいるのでいつもヘルメットを被ってますが、足はまったく無防備ですね。
骨盤を折った知人も居ます。
こちらも回復まで相当長い時間がかかったようですが、今も果敢に林間に突っ込んでいきます。
Commented by torasan-819 at 2011-03-08 11:40
Tobyさん
何でもそうですが、予想もしない現実はある日突然やってきます。
だからこそ備えが必要なんですね。
そういう意味では我々も備えが足りなかったようです。
良い意味でこういった事故の情報も共有したいものですね。
Commented by torasan-819 at 2011-03-08 11:47
煙突おじさんさん
私はブログの題名にもしたようにソロの山行が好きです。
ソロの場合は事故った時は命にかかわる可能性が高くなりますが、パーティーの場合は今回のように人数分だけ事故に遭遇する確率が高まるともいえます。
事故は起こさないのが一番ですが、どんなに注意しても時には起きてしまうのも事故です。
煙突おじさんさんもお気を付けください。
Commented by torasan-819 at 2011-03-08 11:57
maro4070さん
山形県消防防災航空隊の「もがみ」にはお世話になりました。
山形県内を20分でカバー出来る速力なのだそうです。
飯豊や吾妻、鳥海山などを抱える山岳県らしく、山岳救助での出動が多いようです。
いや~上空に飛来したヘリは頼もしかったですね。
もちろん隊員の方も!
Commented by torasan-819 at 2011-03-08 12:04
utinopetika2さん
私も文に何か条件が欠けていたらと書きましたが、雪が降っていればヘリの飛行は厳しいことになったのでしょうね。
utinopetika2さんはヘリの経験が豊富だから、その辺のことはご承知なんですね。
なにぶんパーティーの全員初めての経験で戸惑いもありました。
事故に遭遇したときのシュミレーションはしておくべきだと痛感しました。
Commented by torasan-819 at 2011-03-08 12:09
lc4advさん
山に限らず周囲に人にいない状況での事故は、いかに連絡出来るか、いかに見つけてもらうかですね。
それらがかなわない場合は自力で何とかするしかないわけですが、今回のように足を骨折した場合は厳しいですね。
私は以前、車の転落事故で肩を骨折したまま崖を夜間によじ登ったことがあります。
Commented by torasan-819 at 2011-03-08 12:14
yossy1904さん
今や山スキーでヘルメットは常識のようですね。
でも足は保護のしようがないので気をつけるしかないです。
昨年スキーのインストラクターをやるくらいの方が、山スキーで立木に激突して亡くなったというニュースを見ましたが、ちょっと間違えばそんな重大事故になってしまいます。
でもリスクをなるべく低くする努力をしながらも山スキーは続けたいですね。
そう思うほど山スキーは魅力がありますから。
Commented by ULT at 2011-03-08 15:18 x
そうですか 大変だったんですね。当日はわたしは湯殿山のツアーに参加強風で肩のところで引き返しました。6日は澄川の駐車場で悪天候のためスキーを車から降ろさずに戻りました。
体力のないものとして、バックカントリーはあくまで安全第一、無理は禁物と思っています。それでも単独は怖いです。
お仲間が周りにおられたからそしてヘリが出動できるコンディション故の幸運だったですね。ともかく良かったです。
Commented by torasan-819 at 2011-03-09 07:05
ULTさん
天候が悪くならなかったがゆえのヘリ救出でした。
当日少々の雪が降っていたとしても山スキーはしたでしょうから、その場合はビバークの可能性大でした。
湯殿山は私も昨年ULTさんと同じように強風で撤退しました。
自然相手の山スキーは「謙虚」さが必要なことを痛感しています。


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