2012年 04月 10日
ロングルートの吾妻山大沢下り ~ 2012年4月8日
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山域山名   吾妻連峰 中大巓(1,963.6m) 藤十郎(1,825m) 東大巓(1,927.9m)
山行期間   2012年4月8日(日)
山行形態   山スキー
天候      曇り
参加者    3名(L:和○さん・佐○さん・トラ山)
行程      天元台駐車場8:28=天元台高原駅=リフト終点9:30-9:40~人形石10:23-10:39~明月荘12:14-12:37~
         忠ちゃん転ばし13:20~渋川13:48~砂盛14:10~吾妻山麓放牧場15:14-15:30~大沢・大小屋15:54=天元台
行動時間   6時間14分
移動距離   17.6km (GPS計測)
累積標高差 約+330m -1,720m (カシミール計測)
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4月から仕事の担当が変わることになり、残務整理や引継で忙しく山どころではなかった。しかし、今週末は幸い時間がとれたので、和○さんの計画に参加させてもらうことにした。今日のリーダー和○さんは、会津駒ヶ岳か大戸沢岳を考えていたようだが、都合により吾妻の大沢下りに変更したのだという。自分にとっては大沢下りは2010年の2月以来なので2年ぶりとなる。吾妻の数あるクラシックルートの中でも、大沢下りは天元台ロープウエーを使うことにより労せずして標高を稼ぎ、17キロに及ぶロングルートとして知られている。福島で午前7時に集合し、2台で今日のルートの終点となる米沢市の大沢集落へと向かう。今週末は真冬並みの寒気団が流れ込んでいて、土曜日からの降雪で県境越えの国道13号は、4月にしては珍しい積雪路となっている。途中にある2つのスキー場は既に今シーズンの営業を終了したのだが、ゲレンデは新雪で覆われまだまだ滑ることが出来そうだ。大沢集落への道も新雪が15センチほど積もっていて、辺りはまだまだ雪深い風景だ。大沢集落には車を置く適当な場所が無いので、和○さんはいつも大沢集落から少し離れた大小屋集落に車を置くことにしているが、迷惑にならないよう注意が必要だ。幸い三叉路の路肩が広めに除雪してあり、邪魔になることなく置くことが出来た。もう1台に乗り合わせ、天元台ロープウエーに着くと結構車が多い。他のスキー場はあらかたクローズしたので、天元台スキー場に集まってきたのだろう。ロープウエーとリフト3本を乗り継いで(料金2100円)ゲレンデトップへ運んでもらう。




                      リフトでゲレンデトップへ
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                      ガスのなか人形石を目指して登る
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                      古いツアー標識が残っていた
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雪がたっぷりあるゲレンデでは、スラローム大会が開催されていた。リフトで登るにつれ薄くガスがかかってきたが、視界を奪われるほどではない。自分がトップを任され斜面に取り付くと、20センチほどの新雪ラッセルとなる。今日はまだ寒気が残っているので真冬並みの寒さを感じるが、ラッセルを続けると暑くて汗が噴き出てくる。片斜面のトラバースで人形石を目指すが、少し早めに高度を上げてしまったようで、中大巓のすぐ東に出てしまった。ガスでぼんやりとした平坦な稜線を、和○さんの誘導で東へ進んで人形石に到着。稜線はさすがに風が強いので岩陰でシールを外す。ここから1860mピークとのコルまでは下りだが、視界がないので和○さんをトップにゆるゆると滑る。吾妻の稜線は地形がなだらかで、見通しがきかないとどこをどう歩いているのかわからなくなる。視界の効かない状態では何よりもルートファインディングが重要であり、コンパスかGPSでしっかり確認したい。コルからはわずかに登りとなるが、シールは付けずに歩行を続ける。稜線では風で飛ばされるのか、新雪ラッセルはそれほど深くない。それでもスキーが走らないことには変わりなく、ストックを使って強引に推進滑降も試みるが、すぐ疲れてしまうので長くは続けられない。1860mピークの真横までくると、頂部にいる2人のスキーヤーが目に入った。米沢山岳会のパーティーで大平集落に下りるというが、そういえばそのルートも2年前に滑ったことを思い出す。ここからは自分がトップとなり、藤十郎(1825m)ピークの右脇を通り、右前に見える小ピークを左から回り込むと東大巓とのコルとなる。

                      平坦な弥兵衛平を歩く
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                      1階部分が見えない明月荘に到着
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                      明月荘をスタートするも視界と雪質が悪い
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                      古いツアー標識があった
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                      クジラの大斜面
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東大巓とのコルでシールを付け明月荘を目指す。弥兵衛平への登りで足の早い5人パーティーが追いついてきた。弥兵衛平は平という地名だけに、視界の範囲は平坦な雪原が広がっている。方位を見失えば容易に迷ってしまうだろう。東大巓へと向かう夏道のラインからは外れ、ショートカットして明月荘を目指すのだが、少し東へ進みすぎたので方向修正する。明月荘に到着すると雪は2階まであるが、1階周辺の雪は窪みになっているので、風を避けて休憩とする。厳冬期並みの寒気に痛いほどだった指と頬が、少しは暖まってくれるだろう。パンをぱくついていると、違うラインを取った5人パーティーが通り過ぎていった。明月荘からはシールを外し、いよいよ長い滑降が始まる。ところがなぜか雪がまったく滑らず、シールを付けているかのような錯覚にさえなる。まだ視界が悪いので慎重に北へ進むと、古いツアー標識があり進行方向が正しいことがわかる。最初の緩斜面を過ぎて渋川の源頭を左にトラバースすると、通称クジラと呼ばれる大斜面となり、すぐ下の方に休憩中の5人パーティーが見えた。

                      天気が良くなり陽が差してくる
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                      米沢山岳会と
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                      忠ちゃん転ばし斜面上部
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                      忠ちゃん転ばしを滑る和○さん
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天候が回復してきたのかガスの下になったのか、頭上には徐々に青空が見えてくると、雪質も少し重いが滑りやすい雪に変わってきた。徐々に樹林地に入っていくと、始めのうちはうねりがあり少々滑りにくかったが、やがて快適なツリーランとなる。追いついてきた5人パーティーは米沢山岳会のようで、彼らにとってこの山域は庭のようなものだろう。5人の中にはかなり高齢と思われる方も1人いて、ここまでのハイペースの行動には驚く。1500mあたりの樹林帯で左へトラバースする米沢山岳会(和○さんによると立岩を経由するらしい)と別れ、忠ちゃん転ばしの斜面に出る。ここは30数度の急斜面になるが、先行した和○さんが「雪崩れそうなのでもっと下がる」といい、斜面の中腹より滑り込んだ。上で見ていた自分は、スキーで斜面の肩の新雪を何度か踏んでみる。するとクラックが入り表層の新雪がズルズルと雪崩れていった。自分も和○さんと同じポイントまで下りドロップするが、少々重くても新雪を滑るのは楽しい。後ろにいた佐○さんによると、私が滑った後を追いかけて小規模の表層雪崩になったらしい。忠ちゃん転ばしは斜面が短いので、つい安易に滑ってしまいたくなるが、降雪直後の急斜面が危険なことに変わりはない。

                      砂盛の滑りを楽しむ佐○さん
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                      同じく和○さん
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                      砂盛をバックに緩斜面を下る
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忠ちゃん転ばしの斜面から少し下ると林道に出る。すぐ左に見える尾根にトレースがあり、先ほどのパーティーのものだろうが、どういったルートで下りていったのか知りたいものだ(終点まで彼らのトレースを再び見ることはなかった)。林道は渋川を渡り砂盛(1400m)を左から回り込むので、そのままトレースしてもいいが、我々は砂盛のすぐ右へと登り返すルートを取る。なぜかというと、砂盛の斜面でもうひと滑りできるからだ。今日3回目のシール装着でひと登りすると、砂盛ピークを左に見て大小屋川支流の源頭に出る。新雪で真っ白ないかにも美味しそうな斜面に、思わず一番乗りの手を上げる。4月も8日の吾妻で、雪煙を上げてシュプールを刻めるとは望外であり爽快だ。沢の上部を滑り、トラバースして左の尾根に上がりまた滑る。2年前この尾根はガリガリで、山スキー初心者の自分は難儀しながら下りたのだが、新雪ということもあり今日は楽しく滑ることができる。林道まで下りると大小屋川右俣を横断し、少し登ると右岸のなだらかな地形に乗る。天気は快晴となり、この分では稜線も青空だろうと思うと、天候の回復が遅れたことがちょっと恨めしい。

                      牧場に出る
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                      ふり返るとトレースが延びている
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                      牧場の建物
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                      大小屋集落の終点
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やがて右からスキーのトレースが現れたのでラインを合わせる。トレースがあるお陰で、スピードに乗り楽に進めるのは有り難い。やがて林道のラインに乗ると、スノーモービルで踏み固められた道になる。スキーが走るのはいいのだが、デコボコなのでスキーを抑えるのに足が疲れる。樹林地を抜けると吾妻山麓放牧場となり、広々とした緩斜面の雪原を、直線的にスキーを走らせる。しばらく滑ると牧場の建物が見えたので、少々疲れた我々は日向ぼっこしながらの小休憩とした。後はひたすら道なりにスキーを走らせていると、後方から3名のテレマーカーが現れて、しばらく前後しながら下っていく。するとその3人は大沢駅への分岐を通過し、我々と同じように大小屋集落へと下りていく。聞くとやはり大沢駅へ下りたかったようで、分岐にある表示板に気付かず道なりに滑ってしまったという。大沢駅への表示板は小さく目立たないので注意が必要だ。もっとも大小屋集落から大沢駅までは歩いても30分ほどなので、いざとなれば歩けばいいだけのこと。しかし我々は見過ごせず、大沢駅まで送ることにした。そういえば2年前も同じように、東京からの6人を駅まで送ったことを思い出す。その後は天元台に車を回収に行き福島へと戻った。

大沢下りは滑降派には少々物足りないかもしれないが、自分としてはロングルートなりに充実感のあるルートだった。例年ならこの時期の大沢下りは、ザラメ雪の快適ツアールートなのだろう。しかし、今日は時ならぬ寒気のせいで降雪があり、特に気温の低い午前中は厳冬期並みの山スキーとなった。終わってみればそれはそれで楽しいもので、思いもがけず新雪を滑ることが出来たのは、ラッセルとの引き換えだとしても嬉しい誤算だった。さすがに今シーズンのこんな日は最後だろう。この辺りもやがて雪が消え、緑に覆われる春が来る。

                      ルート図
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by torasan-819 | 2012-04-10 07:38 | 山スキー | Comments(2)
Commented by Mt.racco at 2012-04-13 18:39 x
こんばんは。
大沢下り行かれたのですね~羨ましい!
しかも、下部は好天。相当普段のオコナイが良いのですね。
Commented by torasan-819 at 2012-04-13 19:22
Mt.raccoさん
おばんです!3月25日に大沢下りで撤退されていたんですね。
8日はアイスバーンを新雪が上手くカバーしてくれたようです。
所々はバーンがのぞいてましたが、ガリッガリでした。
今年は降雪のタイミングがひと月ほど遅いようで、しかも週末は天気が良くなかったりと、思うように滑ることが出来ませんでした。
なのでこのくらいは滑らせてもらわないと(笑)
ところでそろそろフィールドは月山に鳥海山ですね。


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