2012年 04月 21日
蔵王丸山沢バックボウルからの峩々温泉下り ~ 2012年4月21日
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山域山名   蔵王連峰 熊野岳(1,840.5m) 丸山沢
山行期間   2012年4月21日(土)
山行形態   山スキー
天候      曇り/晴れ
参加者    3名(L:トラ山・和○さん・河○さん)
行程      すみかわスキー場9:00~ゲレンデトップ10:00~刈田岳直下11:40~熊野岳避難小屋12:28-12:58~滑降開始13:06~
         かもしか温泉跡13:42~東北大左ェ門小屋13:52~濁川出合15:02~峩々温泉16:06=すみかわスキー場16:23
行動時間   7時間6分
移動距離   13.4km (GPS計測)
累積標高差 +830m -1,178m (GPS計測)
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このところの山スキーは蔵王エリアが続いているが、今度もまた蔵王の丸山沢だ。2年前に初めて滑った丸山沢だが、その時は連れて行ってもらいやっと滑ったという感じだった。しかし、この時に沢を滑ることの楽しさを知ったと言ってもいいだろう。丸山沢を滑る場合、かもしか温泉跡まで滑ると濁川を渡渉し、ひよどり越えの壁を160m登り上げて戻るのが一般的だ。しかし、濁川沿いに峩々温泉まで下るという手がある。距離が少し長くなり車のデポも必要になるが、登り返しがない分楽にはなる。ナマステさん達が先々週に、熊野岳東面からの峩々温泉下りをやっていた。最後までスキーで滑ることができたようだ。しかし既に2週間も過ぎたので雪の状況が心配だが、可能性はあるかもしれない。ひよどり越えか峩々温泉か。結局現地の状況を見て決めることにした。





                         観光道路を登る
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前日の深酒のせいもあり、うっかり寝過ごして待ち合わせに遅刻してしまう。峩々(がが)温泉に1台デポすることも考え、2台で蔵王へと向かう。峩々温泉に着くと、いくら雪が多い今年とはいってもやはり春は春で、急速に雪が無くなっているのがわかる。峩々温泉までスキーで滑るという企ては、早速と諦めざるを得なかった。しかし、雪が無ければ歩けばいいという和○さんの助言もあり、峩々温泉に1台デポすることにした。もしひよどり越えルートで戻ったとしても、帰りがけに車を回収して帰ればいいだけのことだ。すみかわスキー場に上がって、ホテル前の駐車場に駐めさせてもらいスタートする。標高を上げても気温が下がらない感じで、空気がもやっと暖かく、そのせいかガスがかかっている。誰もいないゲレンデをゆっくりペースで登る。雪はザラメでいい感じだ。先行者のトレースもある。ゲレンデトップにはちょうど1時間で到着。中央コースを辿るため、ゲレンデトップから樹林帯へ入る。歩いているうちにガスが薄くなってきた。観光道路を横断する頃には、すっかりガスも晴れて青空が見えてきた。

                         エコーラインを横断する
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                         雪の回廊もあと少しで開通
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                         刈田岳を目ざして登っていく
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                         下界は雲海が広がる
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                         井戸沢源頭の雪庇が崩落
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雲ひとつ無い空からの直射日光は強いが、それがまた心地よい。大黒天のあたり1480mでエコーラインと接する。すっかり除雪も完了していて、雪壁の高いところでは10m以上もありそうだ。ちなみに今年は27日がエコーラインの開通日だ。エコーラインの横断箇所を探し、竹ポールを追っていくと雪壁にステップが切ってあり、難なく横断することができた。刈田岳東の支尾根を登って行くと、左手の井戸沢源頭の雪庇が崩落し始めているのが見える。

                         刈田岳山頂をトラバース
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                         馬の背を非難小屋へと進む
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                         まだ凍っているお釜
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                         湖面に人がいた
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刈田岳は山頂を踏まず北斜面をトラバースし、直接馬の背を目指す。風が強いことの多い馬の背だが、今日は殆ど無風で歩きやすい。しかし、この馬の背は長いので飽きてくるなどと、贅沢なことも口にしてみたくなる。先行者が結構いるらしく、スノーシューやスキーのトレースが幾筋もついている。お釜を見下ろすと、まだ氷結しているお釜の湖面に人の姿が5つ見えた。

                         熊野岳避難小屋
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                         左から月山・葉山・鳥海山が見える
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熊野岳避難小屋に着くと、大所帯の先客パーティーが休憩中。若者(自分から見れば)が11人もおりスキーとボードの混成。こちらも昼食休憩とする。コンビニのパンだけの昼食でも、眺めが最高なら最高のランチとなる。飯豊に朝日、月山に鳥海山までも眺められ、しかも下界は雲海で覆われ、まさに雲上の別世界だ。

                         大パーティーが先行していく
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                         滑降開始ポイント
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                         撮影会をしているようだ
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                         丸山沢バックボウル
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                         雲海が近づく
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                         雲海の中に入る
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大パーティーが出発したのを見て、我々も腰を上げ丸山沢の滑降へ向かう。雪のない尾根を東に100mも行かないうちに雪が現れ、そこが滑降のスタート地点だ。丸山沢の源頭へザラメのゆるやかな斜面を滑ると、眼前の斜面が切れ落ち、視界に入るのは下界の雲海だけとなる。まさにボウルのような大斜面を見下ろすと、先ほどのパーティーが撮影会をしていた。しばらく待ってから我々も滑り降りる。大斜面を一気に滑り降りるのはなんとも爽快。最初の大斜面の下で、沢は喉のように狭まる。ここを抜けるとまた斜面が広がるのだが、ガスの中に突入(約1,550m)してしまうこととなった。上から見えた雲海の中に入ったのだ。もう滑りを楽しむというわけにはいかない。安全を確認しながらゆっくり滑ることとなったのは残念だが、山とはこんなものだ。

                         東北大学左エ門小屋
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                         雪があちこち口を開けている
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                         沢を渡渉する
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                         林道にかろうじて残っている雪
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                         この橋を渡ると後少し
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                         峩々温泉と濁川
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標高を下げれば雲の下に抜けるかと思ったが、カモシカ温泉跡まで下りてもガスは相変わらずだ。雪もそこそこあるので、峩々温泉へと下ることにした。ひよどり越えへと向かう先行パーティーのトレースと別れ、丸山沢の左岸へと渡渉する。すると今日のものらしいツボ足のトレースを見つける。ほどなく小さな小屋に行き当たるが、これが東北大学の左エ門小屋だ。ここからは概ね夏道沿いに下るのだが、近年歩く人も少なくなりヤブ化し始めていると聞く。雪も少なくなり、あちこちで踏み抜いたり、雪が途切れているのでやむなく沢を渡ったりする。お陰でブーツは中まで濡れてしまった。濁川出合の手前で高巻きを強いられるなど、苦労しながらも濁川沿いの林道に到着。残っていた雪を拾いながら1キロほど滑ると、約900m辺りの標高でついに雪がつながらなくなった。ここからはスキーをザックに付けての徒歩となる。峩々温泉までの残り2キロ弱をてくてく歩くと、ようやく秘湯の峩々温泉へ到着した。

今回はひよどり越えの登り返しを嫌い、峩々温泉へと下るルートとしたが、時期的にはギリギリだった。もうこれ以上遅くなれば、左エ門小屋から下はほとんどスキーの出番はなくなるだろう。デポしておいた車でスキー場へと戻ると、何やら見たことのある人達がいた。ひよどり越えをして戻ってきたあの大パーティーだ。聞くと今着いたばかりだという。パーティーの人数など条件は違うが、結果的にかかった時間は同じだったということになる。さて、この丸山沢はダイナミックな斜面で滑りごたえがある。ひよどり越えや峩々温泉下りなど無しに楽に滑ることができるのなら、もっと多くの人が滑りに来るだろう。しかし、ある程度ハードルが高くてちょうどいいのかもしれない。本当に滑りたい人はその苦労をしても来るのだから。我々のように。

※丸山沢を厳冬期にパウダーを求めて滑る人がいるが、当然雪崩のリスクが高いので注意が必要だ。時期によってはひよどり越えの急斜面が凍っていて、アイゼン・ピッケルが必要な場合がある。峩々温泉下りは沢の処理、ルート判断など総合力が必要とされる。それらを承知のうえで行くのなら、面白いルートと言えるだろう。

                         ルート図 ( 登り:赤 下り:水色 )
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by torasan-819 | 2012-04-21 22:25 | 山スキー | Comments(17)
Commented by ナマステ at 2012-04-23 11:23 x
雲上の風景別世界ですね、
峩々温泉下り、内面の満足感がヒシヒシと伝わってます
無雪期の峩々温泉コース、キノコ屋感覚からすれば、それ程荒れてる感はありません、
運が良ければ熊ちゃんに会える事で有名なエリアです
又ロバの耳コースも通行禁止ですが、明瞭になってました、



Commented by lc4adv at 2012-04-23 20:07
雲海が綺麗ですね。
盆地じゃない宮城って雲海が期待できないと思ってました。
Commented by torasan-819 at 2012-04-23 20:42
ナマステさん
まさしく下界とは一線を画した別世界を味わえました。
つくづく「山は行ってみなければわからない」ものだなと思いますね。
たいした距離でもないし無雪期に峩々温泉から歩いてみようかと思います。
山菜も採れそうですしね。
Commented by torasan-819 at 2012-04-23 20:47
lc4advさん
この日は上空に気温の逆転層があったようで、終日雲海が居座ってました。
蔵王ではこれまでも何度か、こんな雲海を眺めることが出来ました。
Commented by マロ7 at 2012-04-23 21:31 x
いいですねぇ~。
その昔、丸山沢で雪上訓練したことを思い出しました。
スキーならばあっという間に滑るのでしょうが。
56歳でスキーを覚えた田部井さんからみれば、まだまだ行けると思っていますが、ツボ足専門でやり通しますど。(^o^)
Commented by utinopetika2 at 2012-04-23 21:42
山行もさることながら、一枚目の写真はすばらしいですね。
こんなシーンに惹かれます。
トラさんの場合、どんな厳しい山行でもおどろきません(笑)。
因みにワタクシ、峩々温泉から刈田岳まで歩いています。
Commented by torasan-819 at 2012-04-24 02:27
マロ7さん
その昔とはかもしか温泉の建物が実際にあった頃ですね。
ワタクシもその頃に行ってみたかったです。
今では考えられませんが、山には全然興味がなかったんですよ(^^ゞ
ところで来シーズンあたりスキーで滑っているマロ7さんがイメージ出来ます(笑)
Commented by torasan-819 at 2012-04-24 02:33
utinopetika2さん
この時は眺めが素晴らしくてしばらく雲海を眺めてしまいました。
宮城県側は見渡す限り雲海が広がっていました。
下界ではどんより曇っていても、登っていくと雲海の上に出るということがありますよね。
峩々温泉から刈田岳まで歩いたのは、ん十年前でしょうか。
Commented by Toby at 2012-04-24 08:57 x
うほっ、すげえとこ行ってる。
丸山沢いいですねぇ。今年は行こうかなぁと思っていたんですけど、なかなかあわせられずにいます(T_T)
それにしても熊野岳からの眺めは絶景ですね。
延々峨々温泉まで歩くのは厳しそうだけど…
Commented at 2012-04-24 09:39 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 加ト幹事長 at 2012-04-24 11:46 x
素晴らしい雲海の下で私はバイトをしてましたとさ(泪)。ところで授業参観は・・(爆)
4度目にして丸山沢に悪いイメージができてしまいました・・悪条件でこそ実力が出るということですね。修行します。。
Commented by yossy1904 at 2012-04-24 23:08
丸山沢も、その前の屏風も、まだ滑ってません。
遠くに行かなくても、すばらしい場所がいくらでもあるんですね。
Commented by torasan-819 at 2012-04-25 07:02
Tobyさん
いいですよ~丸山沢。
今年はGWも十分滑れると思いますから、まだチャンスはありますよ(^^)v
さすがに峩々温泉は無理ですが、ひよどり越えを楽しみましょう。
Commented by torasan-819 at 2012-04-25 07:05
加ト幹事長さん
あららバイトでしたか。
先日地デジ化相談コーナーに高○さんがいて話しをしましたよ。
授業参観…そんなのありましたっけ(爆)
丸山沢にもう一度行きませんか悪いイメージ払拭のためにも。
Commented by torasan-819 at 2012-04-25 07:10
yossy1904さん
ワタクシの場合、福島方面が多いのですが意外と蔵王が良いと言うことを再認識しています。
自宅から近いというのもいいですね(^_-)-☆
来シーズンも新ルートにチャレンジしてみようと思っています。
Commented by ranger3yuji at 2012-04-26 18:58
すばらしい雲海を見せていただきました。ありがとうございます。
丸山沢で残雪の時期に雪上訓練をしたことがあります。また行ってみたくまりました。
Commented by torasan-819 at 2012-04-26 21:46
ranger3yujiさん
マロ7さんも丸山沢での訓練のことをコメントしてましたが、当時の山岳部定番の場所だったんですね。
蔵王はともすれば何となく分かったような気になってしまうのですが、実は懐深くまだまだ知らない所があることに驚きます。
まだ歩いたことのないあのルートやこのルートを、今年も歩いてみようと思っています。


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