2012年 05月 24日
ワンデイ2ルート(祓川・百宅)の鳥海山 ~ 2012年5月20日
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山域山名   出羽山地 鳥海山(七高山)(2,229.2m)
山行期間   2012年5月20日(日)
山行形態   山スキー
天候      晴れ
参加者    単独
行程      白石3:04=祓川駐車場6:07-6:45~七ッ釜避難小屋7:41~鳥海山(七高山)9:04-9:31~唐獅子平避難小屋9:38~
         大清水山荘10:02-10:24~唐獅子平避難小屋13:06~鳥海山14:46-15:07~祓川駐車場15:49
行動時間   9時間4分
移動距離   21.7km(GPS計測)
累積標高差  ±2,460m(GPS計測)
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鳥海山は裾野の広い独立峰。四方八方からの登山ルートがあり、山スキーのルートもしかりだ。その中でも矢島口からの祓川(はらいかわ)コースはアプローチも良く、距離と標高差の点で一番登りやすいとされている。とは言っても山頂までの標高差は1000m以上あるので、体力的に楽というわけではない。鳥海山はこれまで4回、山スキーで滑っているのだが、2010年に湯ノ台口ルート百宅口ルート、2011年に吹浦口ルート、そして今シーズンは鳥越川(中島台)ルートを滑ることができた。しかし、なぜか祓川はまだだったので、次の鳥海山は祓川を滑ろうと考えていたところ、20日に時間が取れ行くことにした。しかし、相方が見つからず単独行ということに。1人であれば祓川だけではもったいない。よく参考にさせてもらっているgamouさんのところで、祓川と百宅を1日でやっていた記録があり、以前から気になっていたのだ。いつかはと思っていたが、この機会に思い切ってやってみることにした。百宅ルートは、登山口の大清水(おおしず)園地までのアプローチが林道でかなり長い。除雪が登山口まで到達するのは例年5月下旬になり、それまでは通常登ることはできない。その百宅ルートを山頂から下り、また登り返そうというのが今回の計画だ。山頂から百宅ルートの中間にある唐獅子平避難小屋までは、鳥海山東側の魅力的な大斜面が広がり、ここまでは滑り降りて登り返すという人は多い。しかし、大清水まで降りる人は滅多にいない。10:00まで大清水に到達しなければその時点で戻る計画とし、鳥海山に向かうことにした。




                         祓川からスタート
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                         七ッ釜避難小屋
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                         ソリを引く大パーティー
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予定より遅れて午前3時過ぎに自宅を出発。鳥海山までは大きく3つのルートが考えられるが、今回は高速からR108経由とした。約3時間で祓川駐車場に到着。既に満車に近いことに驚く。快晴の空をバックに鳥海山が眼前に大きく見え、既に登っている人達が点々と見える。準備をしているとすぐ前にカップルがいて、格好を見てもしやと思い「Tobyさん?」と声をかける。当たり!ブログでリンクさせてもらっているが、直接会って話すのは初めて。なんとも嬉しい偶然。彼らは友人と3人で祓川を滑りに来たという。先にスタートしたTobyさん達を追いかけるように自分も6:45スタート。計画では5:00出発だったがかなりの遅れ。どこまで挽回出来るだろうか。自分は左寄りのラインを取り、Tobyパーティーとはお別れ。先週は雪が積もったらしいが、今日の雪はザラメで歩きやすい。快晴ゆえ太陽がじりじりと照りつける。何組かの先行者を抜いたが、どうにも暑くてたまらなくTシャツ1枚になる。七ッ釜避難小屋を過ぎた標高1600m辺りで、30人ほどの大パーティーを追い越す。見るとなにやら重そうなソリを引いているが、乗せている物は人でもザックでもなく割りと小さい。何だろうと不思議に思う。

                         舎利坂へと登っていく
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                         続々と登ってくる
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                         七高山山頂
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                         新山
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                         山頂と新山の間から稲倉岳が見える
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振り返り下を見ると、斜面を登ってくる人が点々と見える。ふと鳥海山は信仰の山であることを思い出し、その姿が急坂に喘ぐ行者のようにも見える。やたらと速いツボ足の登山者もいて刺激されるが、この後が長いので意識的にペースを抑える。それでもさすがに山頂への最後の急登となる舎利坂では、何度か立ち止まり息を整える必要があった。最後は何度かジグを切って山頂に到着。10数人の登山者がいて思い思いの時を過ごしている。こちらも眼下に広がる雄大な景観を楽しみ、向かいに見える新山に目を見やる。近くでひとりの男性が29日に北斜面を滑ったと話していたので、声をかけるとやはり本庄山の会の方であった。今日は震災復興を祈念するための新しい山頂碑を上げていて、それを待っているのだという。それで合点がいった。あの大パーティーはその山頂碑を引き上げていたらしい。山頂碑は60kgあるというから、舎利坂を引き上げるのは大変だろう。

                         外輪山より七高山山頂(右端)を望む
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                         ここから滑る
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                         中腹で見上げる大斜面(対象物がないのでスケール感がない)
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                         この大斜面を独り占めだ
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                         唐獅子平避難小屋
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                         大清水園地が近づく
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祓川コースから登った七高山山頂から百宅コースへは、斜面をトラバースして合わせることが出来る。しかし、2年前と同じポイントから滑りたかったので、外輪山を南に歩いて移動する。百宅ルートとなる東斜面もまた素晴らしい斜面だ。フラットな大雪渓が広がり、どこでも自由に滑り放題である。自分はシュプール跡の多い直下の斜面を避け、右へ大きくトラバースして小尾根を越えた。するとこちらまでは誰も来ていないらしく、ノントレースのきれいな大斜面が広がっているではないか。スキーヤーなら誰しもがわかる、思わず歓声を上げながらの滑降となる。しかし至福の時間も長くは続かない。あっという間に唐獅子平避難小屋まで下りてしまった。小屋前にはスノーモービルが2台あり休憩中の様子。こちらは休まずに、さらに下へと滑降を続ける。小屋の前まではあったトレースはもう1本もない。自由に気の向くまま滑っていく。とはいっても登りのトレースがないので、うっかりするとルートを外してしまうので注意が必要。時折止まってはラインを修正し、下方に見えてきた大清水園地を目指す。左手に見覚えのある大蔵滝が見えると、ブナの新緑が眩しい樹林帯に入っていく。尾根を滑って行くと、落ちているブナの枝がうるさくて少し左に逃げたが、ここは尾根を忠実に下りた方がよかったようだ。

                         大清水園地
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                         大清水避難小屋と大清水山荘
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約6kmの滑降を終え、10:02大清水園地に到着。スタートが計画よりかなり遅かったが、なんとか引き返し予定時刻に追いつく。大清水園地の新緑の中で仰ぎ見る鳥海山は、青空を背にして穏やかにたたずんでいる。自分の他は鳥のさえずりしか聞こえず、美しい風景の別天地でしばしの休憩とする。大清水園地には山荘と避難小屋、トイレにキャンプサイトがある。いつか小屋を利用させてもらってのスキーツアーもいいだろう。靴擦れの予兆が出てきた左足のメンテをして、水分とカロリー補給をする。ここは山荘の真ん前に水場があるので有り難い。

                         駐車場(標高850m)はまだ1mほどの雪の下
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                         ブナの新緑が眩しい
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                         夏道が一部出ていた
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                         山頂はまだまだ遠い
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さて、いよいよ復路のスタートだ。距離は残り1/2でも、登りの割合は復路が多く約6割になる。まずは登山口の駐車場の様子を見に行く。2年前の5月23日は除雪が完了していた駐車場も、今年はまだ雪に埋もれている状態。除雪が近づいている様子もなく、月末まで開通は無理かもしれない。尾根に上がり登り始めると、太陽が照りつけるうえ、気温も上がってきたのかとにかく暑い。ダラダラと汗が流れ、疲労感を感じ少し登っては休むという状態になる。これから山頂までの標高差1400mを考えると、はたして登れるのだろうかと気が重くなってしまう。カロリー補給したのに、シャリバテのような状態に少々焦る。もしかすると熱中症気味かと思い、雪で頭や首筋を冷やしながら歩く。とにかくペースをゆっくりにし、しばらく辛抱することにする。そうこうしているとエンジン音が聞こえてきた。避難小屋にいたスノーモービル2台が下りてきたのだ。禁止されているわけではないが、今日のこのシチュエーションにうるさいエンジン音はそぐわない感じがする。とはいえそう感じるのも自分の勝手な思いなのだが。

                         再びの唐獅子平避難小屋
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                         残り500mのハイクアップ
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                         あと100mほど
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そのうち徐々に体も楽になってきた。マイペースでコンスタントに登っていける。滑るとそれほど長く感じない百宅ルートも、登るとその長さを否が応でも足で実感することとなる。ボーダーのグループが休憩中の唐獅子平避難小屋を通過すると、山頂までの標高差は残すところ500mほどとなる。斜面の上の方では何人か滑っているのが見えたが、途中からトラバースして祓川のほうへと戻っていく。小屋にいたボーダーも登りだしたようだ。そのうち自分以外は誰も斜面にはいなくなった。きつい登りに耐えながら、ゆっくりと歩を進める。歩いているとただでさえ重量のあるスキー板にザラメ雪が乗り、さらに重くなるので時々大きく足を振って払い落とす。疲れてくると重い足かせを付けられているような気分になる。自分も今後は年々体力低下していくわけだから、ブーツ、板、バインディングのトータルでの軽量化も考える必要がありそうだ。

                         外輪山稜線に到着
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                         最後の滑降開始
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                         竜ヶ原湿原からの鳥海山
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外輪山に14:46到着。やれやれ登りはこれで完了。朝登ってきたときのにぎわいは既に無く、ひとり静かに休憩とする。しばし展望を楽しむと最後の滑降だ。スキーのシールを外しワックスを塗ると、斜面に飛び込む。ザラメの斜面を飛ばして左へトラバースする。祓川ルートはトレースが多くて荒れているが、柔らかいザラメなのでそれほど板を取られることもない。それでも気持ちよく滑りたくて、トレースのなるべく少ない雪面を追う。快調に滑っていると思っていたところミスってしまった。いつの間にか沢をはさんで祓川ルートの対岸側の、猿倉口ルートに入ってしまった。最後の最後に凡ミスで、リカバリーに余計な労力を費やす。ルートに戻りスキーを走らせれば、祓川ヒュッテまでは近い。まだ雪に覆われた竜ヶ原湿原で鳥海山を振り返り見る。快晴で風もなく本当に良い1日だった。ヒュッテ前を通り駐車場に戻ると、本日の単独ツアーを終了した。

※最後の最後のルート修正の時、一部ヤブを横断したのだが、そこで結構な金額と免許証の入っている財布を発見。現地で探しヒュッテにも聞いたがそれらしき人物は見つからない。仕方なく下りてから交番に届けたが、その後無事持ち主に戻った。間違えたうえ同じ場所でヤブを横断しなければ発見出来なかったこと。怪我の功名か?(笑) しかしそのため温泉に入る時間が無くなったのは残念だった。
※Tobyさんのレポート動画

                         ルート図 ( 往路:赤 復路:青 )
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by torasan-819 | 2012-05-24 12:34 | 山スキー | Comments(20)
Commented by sharizaka at 2012-05-24 16:25 x
トラ山さんが、鳥海山にいらっしゃったことは、フォレスタ鳥海のお風呂でTobyさんとお会いして知りました。私は少し先を歩いていたようです。
それにしても百宅コースを大清水園地まで降りちゃうとは脱帽です。登り返しなんてレベルじゃないですよね。私も真似してみたい(笑)ですが・・・・・。
Commented by torasan-819 at 2012-05-24 17:45
sharizakaさん
こちらもsharizakaさんが来ているのはTobyさんから聞いて知ってました。
sharizakaさんも新山に上って千蛇谷滑って外輪山を登り返してもハードではないですか。
実は板納めに今回と同程度あるいはそれ以上かもの山行を考えていたので、今回は自分の体力確認の意味もありました。
Commented by utinopetika2 at 2012-05-24 19:13
これだけ豊富に雪があると、中々板収めとはならないようですね。
それにしても、登り返して累積標高差±2.5Kですとぉw(゚o゚)w
トラさんは、また一段と遠い所に行ってしまわれた。
Commented by 山助平 at 2012-05-24 19:22 x
トラ山さん
先日ははじめまして、Tobyさんとジョイントしていた山助平と申します。
トラ山さんどんだけ飛ばすんだぁ~?と眺めながらハイクアップしてました。
下山後、唐獅子平まで行ったかな?なんて話してましたが、まさか大清水までとは、恐れ入りました。
またお会いする事あればよろしくお願いします。
Commented by Toby at 2012-05-24 19:28 x
楽しみに待ってました。
いやぁ、ほんとトラさんもsharizakaさんもすんごいなぁ(゚○゚*)
祓川を1日で2本なんてのを想像したことはありますけど実行はしませんでした(^_^;)トラさんのこのルートは2本分以上のお楽しみですもんね。いやぁほんとすげぇ。
それにしても百宅のほうよさげですね。滑るのは唐獅子平まででも充分だけど…新緑もきれいだし、楽しそうだ。今週のお天気はどうかなぁ…
Commented by torasan-819 at 2012-05-24 23:08
utinopetika2さん
そうなんです板納めの踏ん切りがつきません(笑)
ところで今年はまた一緒に飯豊にでも登りたいですね(^^)V
Commented by torasan-819 at 2012-05-24 23:18
山助平さん
先日はひょんなところでお初でした。
先が長いので先行させていただきました。
自分の歳も忘れ(たふりして)こんなことばかりやっていますが、お見知りおき願います。
結構おっさんなワタクシですが、機会があればたまにでいいのでジョイントしてください。
ところで「やます○べい」さんとお読みするんでしょうか?
Commented by torasan-819 at 2012-05-24 23:26
Tobyさん
祓川1日2本はワタクシも考えてました。
1度で2度美味しいお得な?コース取りなので機会があれば是非お試しを。
百宅ルートはうちの会のパーティーが今度の日曜日に登ります。
除雪が終わってない場合は湯ノ台ルートに転進の計画です。
Commented by ナマステ at 2012-05-25 07:37 x
鳥海は一本でも大変なのに、2本ですか、凄い・・・!
Commented by 加ト幹事長 at 2012-05-25 17:28 x
ん~と・・どんなコメントが良いですか?(爆)
このままでは誰も同行しませんよ、つーか望むところ?
また来年暇なときに遊んでください。
Commented by torasan-819 at 2012-05-26 04:09
ナマステさん
交通費の元を取らないと(笑)
まあ欲張りもたまにはいいでしょう。
さすがに単独日帰りは忙しかったですが。
Commented by torasan-819 at 2012-05-26 04:12
加ト幹事長さん
今回単独の場合はこの計画を実行するつもりでした。
でも相方がいても加ト幹事長さんならやっぱり2ルートかな(笑)
来年といわずに板納めにいきましょう♪
Commented by yossy1904 at 2012-05-26 09:07
この日のsharizakaさんの記録も凄いと思いましたが、torasanもその上を行ってますねー。
これは単独だからできた記録では?
これだけの体力のメンバーを集めてパーティで行くのはムリだと思ふ・・。
Commented at 2012-05-26 11:11 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by torasan-819 at 2012-05-26 15:16
yossy1904さん
おっしゃるとおりです。
上にも書きましたが今回は単独の場合の計画でした。
でもパーティーが無理かといえばそうではないと思いますよ。
ワタクシの知っている方でも、何人も出来そうな体力の方がいます。
あとはやる気ですが、こればかりは本人がその気にならないと(笑)
でもはるかに上をいく方はどの世界にもいるもので、福島のしぎはらさんはこんなとんでもない山行をしています↓
http://yamayama.warabimochi.net/090521choukai.html
Commented by torasan-819 at 2012-05-26 15:33
こんたろう@本荘山の会さん
早速の書き込みありがとうございます。
もしかしたら山頂で話しをした方かと思い、書き込みさせていただきました。
貴会のHPは鳥海山周辺に関して地元ならではの情報が載っており、時々訪問しては参考にさせていただいてます。
また、間違い箇所のご指摘ありがとうございます。
「おしず」→「おおしず」
「唐獅子避難小屋」→「唐獅子平避難小屋」
以上訂正いたします (;^_^A アセアセ…
たいした内容のブログではありませんが、紹介していただけるのでしたら光栄です。
今後もよろしくお願いします。
Commented by tobusan at 2012-05-27 02:13 x
大清水の小屋まで滑る人も少ないと思うけれど、短いとはいえ、こだわって駐車場まで行ってしまう人は、torasanぐらいではないですか・・・(笑)。
torasanのやる気とスパーな体力にはいつも脱帽です。
Commented by torasan-819 at 2012-05-27 22:10
tobusanさん
お久しぶりです。
会の仲間に百宅ルートの計画があったので、駐車場の除雪状況を見ておきたかったもので(^^ゞ
さてこの土日は仕事でしたので、板納めはいつしたものか思案中です。
Commented by ranger3yuji at 2012-05-28 20:59
行って見たい所ばかりです。
残雪と新緑のまぶしいこと。いいですね。
いい写真を見せていただきました。
Commented by torasan-819 at 2012-05-29 01:00
ranger3yujiさん
スキーでなくとも残雪と新緑の鳥海山歩きもいいと思いますよ。
是非鳥海山登ってください。
これから花も咲き始めると最高のシーズンがやってきます。


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