2013年 02月 12日
北蔵王 茶畑尾根から水無沢滑降 ~ 2013年2月9日
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先月下旬から仕事が忙しくなり、毎日の残業に少々疲れ気味。この3連休も仕事がどうなるかわからず、具体的な山行計画はなかった。いろいろあったがとりあえず休めるようになったので、不忘山にでも登ろうと思った。寒気が残り風は強いようであり、ソロでもあるので行けるところまで行こうと。しかし、加○さんとナマステさんの山行計画を聞きつけた。北蔵王の雁戸山のすぐ東隣の茶畑を目指して登り、水無沢を滑るというもの。なにやら面白そうなので、パーティーに加えてもらうことにした。
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 山域山名   蔵王連峰 西茶畑(1,410m)※中退
 山行期間   2013年2月9日(土)
 山行形態   山スキー
 天候      晴れのち曇り(稜線強風)
 参加者    3名(L:加○さん・ナマステさん・トラ山)
 行程      白石6:40=笹雁新道入口8:02~斜面取り付き8:18~656mピーク9:01~1160m地点11:22-11:32~
          休憩11:47-12:04~堰堤12:13~象ヶ沢噴水12:18-12:33~笹雁新道入口13:14
 行動時間   5時間12分
 移動距離   7.4km (GPS計測:記録間隔10m)
 累積標高差 ±802m (GPS計測:記録間隔10m)
 装備      山スキー日帰り装備
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                         笹雁新道入口
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                         笹雁新道の積雪量は多くはない
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                         山形自動車道の脇を通る
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国道286号を山形県境へと向かっていくと、セントメリースキー場のすぐ先、山形自動車道笹谷ICの1キロちょっと手前に笹雁新道の入口がある。ちょうど車2台分くらい除雪してあり駐車することができた。笹雁新道はかなり前に、水無沢の堰堤(砂防ダム)を築造するために造られた道らしい。車からスキーを降ろして準備を始めるが、先日ビンディングが壊れた板に替え、以前の板を今日は持ってきた。しかし、この板のシールは糊がかなり弱くなっていた。おそらく歩いているうちに剥がれるだろう。予防的にビニールテープで4箇所ずつ巻いて押さえることにした。

                         尾根までの急斜面を登る
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                         谷の対岸尾根にはリフトが見える
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                         656mピークの送電線鉄塔
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                         雪庇から離れて歩く
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                         雪庇が崩落した
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歩き始めるとすぐ山形自動車道の下をくぐり、少し先で右手の植林地に入り斜面に取り付く。登るほど密度の濃くなる樹林と傾斜に、ちょっと手こずりながらひと汗かいて尾根に出る。水無沢を挟んで対岸の尾根には、セントメリースキー場のリフトが見える。ここからはずっと明瞭な尾根を辿ることとなる。これから目指す脊梁山脈のほうは雲に覆われ風も強そうだが、まだこの辺りは穏やかだ。地形図にある656mピークには送電線の鉄塔があり、その下をくぐって進むと雪庇の発達したなだらかな尾根だ。雪庇ではついこの間、吾妻山若女下りでのヒヤッとした経験があるので、注意深く樹林の中を歩いていく。自分がトップで歩いていると、後で重く鈍い音がした。振り返ると雪庇が崩落しているではないか。後続も雪庇から離れて歩いていたので問題なかったが、やはり雪庇は油断ならない。

                         ブナの2次林を登る
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                         徐々に樹高が低くなる
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ブナの2次林の登りが続く。樹林帯の中では風にも吹かれず、なんとも穏やかな空間だ。2次林のまだ細いブナでも、なぜか心を和ませる。ふと右側の沢状にトレースがあるのが目に入った。おやこんなところを登ってくるとは。我々以外にも物好きはいるものだと関心?する。もしかするとあの人かもしれない。やがてそのトレースはこちらの尾根に上がってきて、標高900mほどで我々の進路と合わせた。そのトレースはスキーで2人パーティーらしいが、ありがたく拝借して楽をさせてもらうことにする。ペースも上がり先行者に追いつくかと思われたが、そのトレースは標高1060mほどで右にそれ下山していったようで、再びラッセルを始める。

                         雪庇となった細尾根(向こうは無名ピーク)
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                         強風となり雪も吹き付けてくる
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                         視界が悪くなる中での急斜面トラバース
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やがて標高1100mほどで雪庇のある細尾根になり、風がまともに当たるようになる。晴れていれば右前方に雁戸山が見えるはずだが、雲に覆われまったく見えない。寒気も厳しく、指が痛くなってくる。年齢のせいか、この頃はすぐ指が痛くなる。茶畑まではまだ250mほど登らなければならないが、この風の中を歩くのはちょっときつい。今日の目的は水無沢を滑ることでもあり、3人の気持ちももういいだろうという感じになった。こういうことは以心伝心、なんとなくわかるものだ。風を避けて風下へ斜面をトラバースし、水無沢の源頭部、標高1160mで中退とした。

                         源頭部を滑降を開始する
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                         水無沢を滑る
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                         50センチほどある雪崩の破断面
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                         雪崩れて弱層となったガリガリの雪面が現れているところをトラバース
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                         デブリが沢床を埋める
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シールを外して滑り始めるが、雪が重くて自分の技術では滑りにくい。沢床はパウダーで快適滑降と思ったのだが、世の中そう上手くはいかない。下ると沢の両岸が迫り、狭いトイ状となる。トップを滑る加○さんがアッと言う声とともに突然消えた。見れば数メートル下で沢床に頭から刺さっているではないか。よくよく見れば雪崩の破断面の段差から落ちたようだ。右岸の斜面が見事に雪崩れて沢床をデブリで埋めている。先日気温が上がって雨が降った時の雪面が弱層になり、その上に積もった雪が雪崩れたのではないかと思われる。破断面は50センチほどあったが、加○さんは怪我も何もなかったのでホッとする。滑っている時にちょうど雪崩に遇ったらと想像するだけでゾッとする。バックカントリーの必需品として、ビーコン・ゾンデ・スコップは各自持参しているが、実際の現場ではどうだろうか。訓練はしても実際の経験は未だないのだ。露出したガリガリの弱層をトラバースし、デブリで埋まった沢床に降りて凸凹の雪を滑る。デブリが柔らかいところをみると、雪崩れてからそんなに時間は経っていないだろう。100m以上あったように思えるデブリを通過してやれやれひと息つく。

                         象ヶ沢噴水の表示板
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                         象ヶ沢噴水まで降りる
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                         象ヶ沢噴水
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                         崩落箇所のトラバース
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さらに下降を続けるとやがて堰堤に着いた。左岸から巻いて少し滑ると笹雁新道に合わせる。すぐ「象ヶ沢」の真新しい表示板がある。ここから水無沢に降りる斜面に伏流水が噴き出ていて、象ヶ沢噴水と呼ばれている。
水無沢はその名のとおり通常は水の流れていない沢だが、この伏流水から下は水の流れる沢となっている。厳冬期の象ヶ沢噴水を見に急斜面を下ったが、斜面が雪崩れて危うく沢に落ちてしまうところだった。沢は浅いが、ブーツが水没するのはご免被りたい。登り返しもひと苦労なので、冬季の見物はあまりお勧めできない。笹雁新道は道幅もそこそこあり冬季でも概ね問題ないが、1箇所崩落箇所があり通過には注意を要する。やがて登りのトレースに合わせ、スキーを走らせるとゴールだ。予定より早めの終了となったので、登りの時に右から合わせたトレースの調査に行くことにした。国道286号冬期通行止めのゲートから歩き、登り口は「阿古耶の松」からであることを確認できた。しかし、下りのトレースを捜したが見当たらない。登りのトレースを寸分違わず下りも辿ったのだろうか。不思議な思いが残ったが、調査を打ち切ることにした。帰りは青根温泉じゃっぽの湯で汗を流し帰宅した。
今回はちょっとマニアックなルートだったが、開拓の山スキーも地元の岳人ならではのものだろう。水無沢の滑降は雪質次第。今日のような雪質なら、登った尾根のような樹林帯の方が雪は軽く、かえって滑降を楽しめたかもしれない。今回登った尾根の反対側になる、坂元沢も気になる存在であり、いつかチャレンジする機会があればと思う。

                         GPSトラック ( 登り:赤 下り:青 )
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by torasan-819 | 2013-02-12 06:20 | 山スキー | Comments(10)
Commented by ナマステ at 2013-02-13 06:29 x
トラさんがブログにすると、凄いドキュメンタリーになりますね、感心してます、
幹事長は、デブリに落ちるし、トラさん、象ヶ沢に落ちるし、
笑いコケてました、
坂本沢側から登り、良いほうのブナ林、滑るのも興味あります、
Commented by マロ7 at 2013-02-13 19:06 x
茶畑尾根からの展望もいいでしょうが、凄い天気でしたね。
3人のうち2人も落ちましたか、濡れなくて良かった。(^o^)
Commented by ranger3yuji at 2013-02-13 22:11
このコース、夏道しか経験ないです。
天候しだいで雁戸山を往復できるのでしょうか。それにしても雪崩の危険がつきまといますね。
Commented by SONE at 2013-02-13 22:49 x
雪崩た場所、急に喉状に細く急斜面になるところではないですか?
以前滑った時に雪崩そうなところだと感じました。
山滑りには最高の天気だと思いましたが、雪質はあまり良くなかったようですね。
Commented by torasan-819 at 2013-02-13 23:46
ナマステさん
どうしてもこんな文体になってしまいます(^^ゞ
いろいろありましたが無事帰宅が何よりでしたね。
この辺りはまだまだ開拓の余地がありそうです。
Commented by torasan-819 at 2013-02-13 23:47
マロ7さん
行けば何かしらやらかす今日この頃です(笑)
笑い話にできるうちが花です。
今度は落ちないようにします(^◇^;)
Commented by torasan-819 at 2013-02-13 23:52
ranger3yujiさん
雁戸山のピストンも可能です。
自分は2008年の12月に、笹雁新道~西茶畑~雁戸山~笹谷峠の周回をスノーシューで歩きました。
雪崩は雪質に大きく影響を受けるので、一概にはいえませんが場数を踏んで嗅覚を鍛えるのが一番かなと思っています。
Commented by torasan-819 at 2013-02-14 01:42
SONEさん
まさしくおっしゃるとおりです、喉状に細く急斜面になるところです。
雪質は期待したほどではありませんでしたが、それでも楽しんできましたよ。
雪質選ばず滑れるようになりたいものです。
Commented by Mt.Racco at 2013-02-15 12:24 x
今回も何事もなく(?)良かったです。
これから3月になると、日没時間は長くなりますが、雪が悪くなって思わぬところで時間を要したりしますので、要注意ですね。
Commented by torasan-819 at 2013-02-15 23:39
Mt.Raccoさん
今回も何とか生還?しました(^◇^;)
毎回が勉強であり、あらたな経験をさせてもらってます。
行動時間を長く取れるようになってくると、いよいよロングルートへ踏み込んでいけますね。


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