2013年 03月 16日
快晴の蔵王での南屏風滑降 ~ 2013年3月16日
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先週の余韻も醒めやらぬうちにまた週末が近づいた。時節柄なにかと送別会などの飲み会が多く今週も2件あり、その間をぬって吾妻縦走の記事も睡眠時間を削って何とかアップした。今週末は蔵王辺りでショートをと思っていて、条件が良ければ南屏風か北屏風かと思っていたところ、ちょうどYoshikiさんが南屏風に行くのを聞きつけて便乗することにした。南屏風は昨年4月にソロで滑っているが、その時より1ヶ月早い時期なので、昨年と比較し斜面や沢の状況など興味深いところである。
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 山域山名   蔵王連峰 不忘山(1,705m)
 山行期間   2013年3月16日(土)
 山行形態   山スキー
 天候      晴れ
 参加者    4人(Yoshikiさん・加○さん・河○さん・トラ山)※1700m地点より別行動
 行程      白石スキー場6:17~ゲレンデトップ6:50~不忘山トラバース8:43-9:07~1700m地点9:22-9:57~
          トラバース開始10:02~1680m地点より滑降開始10:37~権現沢出合10:57~白石スキー場11:28
 行動時間   5時間11分
 移動距離   9.7km (計測:GPS10m毎)
 累積標高差 ±991m (計測:GPS10m毎)
 装備      山スキー日帰り装備
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                         朝焼けに染まる南蔵王
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                         ゲレンデはあちこち地面が見えている
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                         安達太良と吾妻がクッキリと見える
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                         不忘山もご機嫌な様子
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                         徐々に斜度が増してくる
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白石スキー場のゲレンデはあちこち土が見えていて、この週末で営業終了という感じ。まだ朝早いのでカリカリに凍っているゲレンデを登る。歩みは早く33分でAコースゲレンデトップ脇からブッシュに突っ込む。枝をかわしながら徐々に開けた斜面へと。今日は視界がクリアーで、左手には安達太良と吾妻の山々がよく見える。特に吾妻は先週縦走したばかりであり感慨深い。斜度が出てくると凍った斜面は滑るようになる。Yoshikiさん・加○さんはスキーアイゼンを装着。こちらもと言いたいところだが、明日は必要だねと河○さんと話していたにもかかわらず2人とも忘れるという失態。それでも何とかジグを切りながら東尾根まで登り上げた。河○さんは途中で諦めてスキーを担いでツボ足で登ってくるが、だいぶ遅れているのでスキーアイゼン組には先行してもらう。東尾根で河○さんと合流する。ここからは河○さんもスキーで登る。

                         東尾根を登る
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                         太平洋まで見えている
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                         トラバース中の2人
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                         どっしりとした姿の南屏風
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                         トラバース中の自分(加○さん画像)
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                         コルを目指して点線ラインでトラバース中
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                         コルに到着しトレースを振り返り見る
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尾根に出ると風がかなり強い。先行した2人を見ると、風で加○さんが倒され、その先ではYoshikiさんが10mほど落とされた。今日は風との闘いになるようだと気を引き締める。南屏風へは不忘山頂を経由せず、標高1660mの水平トラバースで、直接不忘山とアイハギの峰のコルを目指す。効率的なルートだがこれがかなりしょっぱい。不忘山の北斜面はカリカリのアイスバーンで、斜度35度の急斜面が300m下まで一気に落ちている。東尾根を登りながら見ると、先行する2人が今まさにトラバースしていて、やがて回り込んで消えた。10分ほど遅れてこちらもトラバースを始める。エッジを外せばかなり落ちる(要するに滑落だ)だろうから、一歩一歩慎重に歩く。この状況では、スキーアイゼンがあったとしても少しましな程度。スキーのエッジが命だ。手のひらに汗がじわっと出てくる。河○さんも続いてくるが、さほど進まないうちに進めなくなったようだ。ツボ足で尾根を来るように伝え、こちらはまた進み始める。集中を切らさないようにすることが肝心だ。やっとコルに到着しホッと一息をつく。
※このトラバースは直接コルに出るので効率的だが滑落のリスクもあるので、この記事を見て安易に踏み込まないで欲しい。進退窮まる可能性もある。

                         左から安達太良・吾妻・飯豊の素晴らしい眺め
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                         安達太良・吾妻を拡大
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                         2人がアイハギの峰を降りてくる
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                         トラバース地点へ向かう2人
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                         トラバース中
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                         河○さんが登ってきた
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先行していた2人がアイハギの峰から降りてくる。稜線を南屏風岳へ向かおうとしたが、風が強く飛ばされそうになり撤退してきたのだという。今日は南屏風岳からの滑降は諦めることとなった。壁をトラバースしてコガ沢源頭へ向かうという2人が先行するのを見送る。こちらは不忘山頂を越えて登ってくる河○さんを待ち、ゆっくり行くことにする。1700m地点で河○さんを待って合流。少し登ってから壁のトラバース開始。

                         トラバース中に見る不忘山
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                         トラバース中の河○さん
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                         やはり雪の量は少ないか
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                         ここからコガ沢へと滑り込む
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回り込んだ風が背中を押すので、水平なのにスキーが走るのには驚いた。途中の尾根で河○さんを待つが、少しバテ気味なのか河○さんがなかなか来ない。立っていると風で飛ばされそうで寒いので、斜面に寝て南屏風の壁など見ていると、自分が今、数年前は考えもしなかったような場所にいることが不思議に思えてくる。河○さんが追いついてきてトラバースを続ける。先行の2人のトレースも、ガリガリのバーンには浅くしか付かず途切れがちだ。痺れるトラバースを続け、南屏風岳直下の斜面まで来た。1680m地点より滑降を開始することにした。

                         南屏風の壁にシュプールを刻む
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                         河○さんも調子が上がってきた
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                         トラ山の滑り(河○さん提供画像)
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                         こちらはYoshikiさん(加○さん提供画像)
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                         振り返り見る南屏風
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                         コガ沢へと滑り込む
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                         ハーフパイプのようだ
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                         沢の大穴をトラバースでクリアする
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ずっと下まで見えるのでかなり急に感じるが、おそらく30数度だろう斜面を滑り始める。初めはガリガリで、やがてウインドパックとガリガリのミックスバーンに変わる。斜面の変化に合わせて無事壁の下部まで滑りきる。河○さんも滑降となると息を吹き返したかのように滑り降りてきた。壁を見上げると、途中からだったとはいえ滑ることのできた満足感に浸る。ここからはコガ沢を忠実に滑ることになる。狭い沢はまるでハーフパイプのようだ。所々にある滝も埋まっていて、まるでジェットコースターのアトラクション。権現沢の出合いも難なく通過。しかしコガ沢の滑降には注意しなければならない。1130m辺りで先が見えない右カーブを回り込むと、沢に大穴が開いていた。漫然と滑っていると穴に落ちることもあり得る。そこから下はあちこち穴が開き始める。先行する2人のトレースも、右岸の斜面に上がって続いている。雪も緩んできてシャーベットになってきた。

                         穴が多くなり右岸のトラバースになる
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                         第3リフトの前に出た
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                         今回の滑降ライン(視点は水引入道の山頂から)※グーグルアースで作成:クリックで拡大
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斜面をトラバースして下降中に携帯に連絡が入る。仕事の呼び出しだ。1時間後に着くと応えて先を急ぐ。標高950m辺りで右岸斜面の斜度が緩むので、スキー場へと向けてトラバースする。緩斜面なのでシールを付けずに階段登高で登りスキー場に出た。薄くなったゲレンデの雪を惜しむかのように、それなりにスキー客がいる。ひと滑りでセンターハウスに着くとスキーを外した。昨年は時期的に遅かったと感じた南屏風滑降だが、それより1ヶ月早い今年もあまり印象としては変わらなかった。やはり今年は雪が少ないことも影響しているのだろうか。寒気が戻り、雪がもうひと降りしてくれればまた滑りたいものだ。先行した2人は10:20頃にスキー場に到着したという。いやはやなんとも、蔵王を知り尽くした2人ならではだ。

ところで、コガ沢滑降中に雪のブロックに引っかけ転倒した。結構勢いよく転倒して、イタタタと起きあがったのだが、何やら左のビンディングのスキーブレーキが変な形になっているのに気付いた。よく見るとプラスチック部分が割れて欠けているではないか。試してみるとブーツの固定には支障がないようで、その後の滑降にも問題は無かった。しかしこのままで使用することは、山スキーの場合特に危険だろう。ということで、1月の破損に続き、短期間で2つの山スキービンディング(ディアミール)が壊れるという、世にも珍しい人になってしまった。もうこれでまともなスキーは無くなった、急いで何とかせねばならない。使い方が激しいのではという人もいるが、自分としてはそうも思わない。壊したのか壊れたのかは別としても、手痛い出費になりそうだ…ああピンチ(T.T)

※急斜面や沢のトラバースと滑降はかなりのリスクが伴います。この記事はあくまでも個人の記録です。実際に行こうとする方は、困難な状況に陥る場合もあるということを自覚のうえで、自己責任でお願いします。

                         GPSトラック ( 登り:赤 下り:青 )
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by torasan-819 | 2013-03-16 19:39 | 山スキー | Comments(16)
Commented by Toby at 2013-03-17 21:46 x
おぉ!なんと南でしたか。
ワタクシ本日sharizakaさんと一緒に屏風でした。
今日もスンバラシイお天気。最高の一日でしたよ。

コガ沢はけっこう怖いもんですね。
間違いなく新しい武器を手に入れられるんでしょうけど。
お財布が痛いですね(;´д`)トホホ…
Commented by torasan-819 at 2013-03-17 22:10
Tobyさん
あれっ!今日は北屏風でしたか!!
何もなければご一緒したいところでしたが…
どうでしたか屏風は?さぞかし最高だったでしょうね。
くうー(><)滑りたかった~
Commented by utinopetika2 at 2013-03-18 00:07
真の岳人は違うなぁ〜。
昨日なら間違いなくUターンしてました。
本日の天気なら、アイゼン装着で、トラさんの後を付いていけたかもしれません。
皆様強者ぞろいですね。
Commented by torasan-819 at 2013-03-18 04:24
utinopetika2さん
何をおっしゃいますかutinopetika2さんも17日は不忘山とのこと。
やっぱりお山は青空ですね。
雪もいいですけど(笑)
Commented by mt.racco at 2013-03-18 09:15 x
屏風の壁を滑られたのですか!
さすが!!
大昔、仙台YMCAの方にお話を伺い興味はあったのですが、とてもそんな脚前でないと思いずっと皆さんの記録を拝見していました!
Commented by sharizaka at 2013-03-18 12:48 x
南屏風いいですね~。前から気になっているところなんですが、
沢が結構怖いかなと、さすがに一人で行くこともできずお預けです。
来シーズンは連れてってください。
で、昨日の屏風はホント良かったです(自分は滑るというより降りました)!
Commented by torasan-819 at 2013-03-18 18:09
mt.raccoさん
南屏風は斜面の斜度自体はさほど問題無いと思います。
40度を超えるようなところは一部ですから、ワタクシはそこは滑りません(笑)
あとは天候と雪質、それからコガ沢の処理ですよね。
昨年ソロでいきなりやった時は、かなりドキドキでした。
mt.raccoさんも是非条件の良い時にお出でください!
Commented by torasan-819 at 2013-03-18 18:13
sharizakaさん
蔵王では南屏風より北屏風の方がグレードが高いとされています(^^ゞ
sharizakaさんなら斜面自体は何の問題もなく滑ることでしょう。
おっしゃるとおりコガ沢は要注意です。
沢に開いた穴に落ちればただではすみません。
来年行きましょう!
Commented by ranger3yuji at 2013-03-18 22:26
やりましたね。
不忘に上がらずに北斜面をトラバースですか。そして南屏風からの滑降。あこがれます。
こんなにも天気の良い日でよかったですね。
Commented by 煙突おじさん at 2013-03-18 23:11 x
頑張っていますね
東吾妻蒲谷地山スキーを計画しました
Commented by torasan-819 at 2013-03-19 07:05
ranger3yujiさん
この南屏風はもっと滑られてもいいと思うのですが、北屏風に比べて滑る人は少ないようです。
北斜面のトラバースは直接コルに出るので効率的なんですが、やはり滑落の危険性があるので他人様にはお勧めできません。
というかやらない欲しいですね(^^ゞ
雁戸の細尾根とまではいかないですが、不忘山もなかなかですよね。
Commented by torasan-819 at 2013-03-19 07:06
煙突おじさん
山スキーMLで東吾妻蒲谷地山スキー計画を見ました。
日程がなかったようですがいつでしょうか?
その前にビンディングを何とかしないと(^◇^;)
Commented by NON at 2013-03-19 13:13 x
なんとも厳しそうな登りですこと!
>エッジを外せばかなり落ちる。この状況では、スキーアイゼンがあったとしても少しましな程度
↑厳しい~先週阿寺でそれに少しにてる状態を経験しました、なんどもズリズリしてたり、転んだりして今まで一番苦労しました。がそんなもんじゃないですね!
Commented by torasan-819 at 2013-03-19 19:08
NONさん
山は場数踏むのが大事ですけど、冷や汗はあまりかきたくないですよね。
ここのトラバースは結構かけますよ(笑)
アイスバーンでなければ大丈夫なんですが、ここはアイスバーンの時が多いのです。
来シーズン体験してみますか?
Commented by NON at 2013-03-19 20:41 x
アイスバーンは勘弁を~~(^ ^;)ゞ イヤー
もっと、山に行って技術を磨いてかにします。
Commented by torasan-819 at 2013-03-19 22:38
NONさん
はいアイスバーンでないところですね。
了解∠(@O@) ビシッ!


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