2013年 03月 30日
大パーティーでの蔵王丸山沢 ~ 2013年3月30日
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今年は青森の酸ケ湯で国内最高を更新する566cmの積雪を記録するなど、各地で観測史上最大の積雪深となった。だがそれは日本海側や青森などのことであって、東北の太平洋側は逆に例年より積雪量が少ない。宮城蔵王もそうで、雪解けで地面が露出するのが驚くほど早い。いつもなら4月に入ってから考える丸山沢も、今年は既に終盤が近いという情報があり、これは急いで行かなければと週末の山行を考えていた。そこへナマステさんから丸山沢のお誘いメールが届いた。このほど北海道に転勤するメンバーの壮行山行だという。グッドタイミングとご一緒させてもらうことにした。
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 山域山名   蔵王連峰 丸山沢
 山行期間   2013年3月30日(土)
 山行形態   山スキー
 天候      晴れ
 参加者    16名(L:ナマステさん・その他大勢)
 行程      すみかわスキー場9:20=ゲレンデトップ9:51-9:56~刈田岳避難小屋11:00~熊野岳避難小屋11:47-12:00~
          休憩12:16-12:43~新噴気口12:50~濁川13:06-13:17~索道跡13:49-14:12~すみかわスキー場14:56
 行動時間   5時間
 移動距離   11.0km (計測:GPS10m毎)
 累積標高差 +855m -1,130m (計測:GPS10m毎)
 装備      山スキー日帰り装備
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                         すみかわスキー場のリフトを利用する
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                         ゲレンデトップ
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前日泊まりがけの所用があり、集合に間に合わない自分だけ別行動となった。蔵王へ向かう車から見ると、刈田岳には傘雲がかかっている。晴れている平地とは違い、稜線はガスって強風ということもありそうだ。すみかわスキー場に車を止めると、隣に何やら見たことのある人達。なんと先週24日に一緒になった、仙台YMCA山岳会の皆さんだった。今日は4人パーティーで丸山沢を滑りに来たのだという。やはり考えることは同じかと思うと、何やら可笑しくなってしまう。3回券(1,200円)を購入しリフトに乗る。上空は青空で風は穏やかだが、やはり山頂方向はガスっているようだ。ゲレンデトップで仙台YMCA山岳会は右へ、自分はシールを付けてから左の観光ルートへと別れる。700mほど歩いてから左の斜面を登り中央コースへと入る。仙台YMCA山岳会はまだ来ていないようだ。ナマステさん達は30分ほど先行しているはずなので、ピッチを上げて追いかける。

                         中央コースを様々なパーティーが登ってくる
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                         ワカンのパーティーに追いつく
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中央コースを登っていくと、前方にはスノーシューのボーダー達、ワカンの団体、スキーのグループと様々なパーティーが見える。それらを次々とごぼう抜きにしながら登っていく。エコーラインの除雪はハイピッチで進められていて、もう大黒天の辺りまで来ている。尾根に乗ると、点々と山頂を目指しているパーティーが見える。上の方にナマステさんのパーティーらしきものが見えたが、まだだいぶ距離がある。今日はペースが速いようで、なかなか近づかない。勾配が急になると、いつもどおりのガリガリの斜面だ。登山者が多くて、ちょっと渋滞気味になる。ワカンのパーティーに追いついてしまったが、かといって追い越せるほどでもなく、仕方がないので後に付いて登る。少し間を開けようと思い、ザックを降ろしてスキーアイゼンを装着する。いつもは山頂まで登らずにトラバースするので、先行するパーティーの姿を探すが見あたらない。雪が少なくハイマツが邪魔で歩きにくそうでもあり、トラバースはせず山頂経由していると判断。刈田岳避難小屋到着はゲレンデトップから1時間少々。ここで白峰会の高○さんとはち合わせする。今日はここまでにして下山するという高○さんから、ナマステさん達は10分ほど先行しているとの情報を得る。

                         馬の背で先行するパーティーを追う
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                         氷結しているお釜
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                         最後尾に追いつく
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刈田岳からは馬の背を経由して熊野岳避難小屋を目指すが、地面が露出している箇所が多く、何度もスキーを履いたり外したりを繰り返す。ガスは流れてくるが、徐々に晴れてきているようだ。やがて前方に点々とナマステさん達らしいパーティーが見えてきた。右下に見えるお釜はまだ氷結しているが、だいぶ緩んできたような印象。熊野岳避難小屋の手前数百メートルで、やっと最後尾の川○さんに追いついた。最後の急登を一気に登ると小屋に到着。ブログではお世話になっているが、実際に合うのは初めてのsharizakaさんとあいさつ。小屋前にはスキー場から一緒になったsharizakaさんの知り合い2名も含めて、なんと17名の大パーティーとなった。

                         緩斜面を源頭部へと
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                         一気に視界が広がる
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                         ロバの耳岩(画像中央)と大斜面
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                         大斜面を見上げる
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                         「喉」を通る
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                         「喉」の下で休憩
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小屋から丸山沢の源頭部への緩斜面は、ガリガリのアイスバーン。いったん斜面は狭まり、また広がると丸山沢の大斜面の上だ。丸山沢のバックボウル、吸い込まれるような急斜面が、どこでも滑れとばかりに手招きしている。とはいえ少し緩んできてはいるがまだ固いバーンなので、ラインを見ながら慎重に滑り始める。しかし、それも2・3タ-ンすれば滑降の快感に身を任せるしかない。フォールラインに従い漏斗状の底へと一気に滑り込む。見上げれば大斜面を思い思いのラインで滑り降りてくる仲間達。何とも爽快だ。喉状部を通りすぎ、急斜面を降りたところで昼食休憩となる。ゲレンデトップより歩き始めてからまだ2時間20分しか経っていないのだが、変化に富んだルートゆえかずいぶん時間が経ったような感じがする。沢底なのでまったく風も無く、暖かい日差しが嬉しい。

                         テレマーカーのsharizakaさん
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                         通過には注意を要する
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                         噴気が上がっている
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                         丸山沢ツアーの面々
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                         濁川へと少し登り返す
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                         濁川を渡る
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再び滑り出すと斜面は少しザラメになってきたが、日蔭のバーンもありまだまだ油断はできない。また両岸が狭まり、喉を通過するが、だいぶ雪解けも進み斜面は大きくうねっている。ここは滝が雪で埋まっているだけであり、クラックがいつできるかも知れず、通過には注意したいところだ。斜面が広がり右上に噴気が見えると、楽しい丸山沢の滑降も終了となる。濁川へとトラバースし、登って下ってスノーブリッジで濁川を渡る。

                         ひよどり越えを直登する
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                         索道跡に到着
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                         熊野岳東面と丸山沢
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                         新滝沢を滑る
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さて、ひよどり越えのキツイ登り返しだ。固い雪にブーツを蹴りこみ、キックステップでほぼ直登していく。途中まではYoshikiさんが、その後は自分がトップとなり登っていく。振り返ると16人もが一直線に繋がって登ってくる。誰かが芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のようだと言ったが、まさにそんな風に見える。いやはや凄いと思うと同時に、しっかりステップを刻まなければと気を引き締める。160mを登り上げひと汗かいたので、索道跡で休憩。ここからは滑り降りた丸山沢が一望でき、次はあの斜面はどうだろうかなどと思いをはせる。帰路は何度か雪が切れ、スキーを履いたり外したりする。新滝沢に降りてスキーを走らせ、下部の大穴を左岸からクリアーするとスキー場に到着。

大人数だとどうしても個人差が大きくなってしまうものだが、今回は大パーティーにもかかわらずいずれも山慣れた面々で、足並みも揃い楽しい山行であった。それにしても雪解けが早い。来週以降に丸山沢を滑ろうとすると、クラックに注意するとともに、スキーで移動できない区間が増えることを覚悟しないといけないだろう。それでも丸山沢は、こんなダイナミックな山スキーが楽しめるのだから、少々の苦労はいとわない価値があるといえるだろう。

                         今回の滑降ライン(視点はひよどり越え索道跡から)※グーグルアースで作成:クリックで拡大
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                         GPSトラック ( 熊野岳避難小屋まで:赤 避難小屋から:青 )
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by torasan-819 | 2013-03-30 18:12 | 山スキー | Comments(14)
Commented by utinopetika2 at 2013-04-02 20:36
ここに集結した方々は、皆強者なのでしょう。
こんな景色を堪能しながら滑り降りる楽しさを共有できるなんて、とても素晴らしいですね。
これまた羨望です。
斜面にならんだ強者たちのカットは圧巻です。
16人もの人が繋がって見える、ひよどり超えのカットは面白いですね。
Commented by torasan-819 at 2013-04-02 22:20
utinopetika2さん
そんなことはないと思いますよ。
ただ山がスキーが好きな度合いがちょっと強い…いや、かなり強いかな(笑)
仰るとおり「こんな景色を堪能しながら滑り降りる楽しさを共有できる」なんてことは、日常生活の中ではなかなか経験できることではありません。
まさしくそこに山登りや山スキーの醍醐味があると思いますね。
このルートは歩いても登れるので、utinopetika2さんも同じ景色を見ることができますよ。
でもまずは無積雪期にロバの耳岩などはいかがでしょうか。
Commented by ナマステ at 2013-04-03 08:51 x
盛り上げれいただき有難う御座いました、
話しは逸れますが、
17日、同じ熊野岳から、名号峰へて峩々温泉まで滑り込みました、
想像以上ロングの楽しい滑りが出来ました、サブメニューでこちらもお奨めです、
Commented by mt.racco at 2013-04-03 12:28 x
それにしても凄い人数ですねぇ~
これだけ人数がいてもスムーズな行動が出来るのは流石に皆さんベテランですねぇ!
Commented by ranger3yuji at 2013-04-03 16:00
すごいですね。これだけの人数分の気配りもたいへんですね。
丸山沢の訓練を考えていますが、早めがよさそうですね。
Commented by 加ト幹事長 at 2013-04-03 17:37 x
美声は戻ったでしょうか?
ちったー山も静かになったって案配ですかね(爆)。
とにかく付いていくのが精一杯(いや、置いていかれたナ)でした・・写真を撮る余裕なんてとてもとても、というメンツも中にはおりましたので。。
Commented by Toby at 2013-04-03 20:07 x
16人のひよどり越えやばいですね\(^O^)/
ある意味恐怖の行列。
ついつい写真のsharizakaさんを「えい!」って下の方につつきたくなります。しっかしこんなにおおがかりなツアーになっちゃってたんですね。いやぁ参加したかったぁ。また今度おつきあいください。
Commented by torasan-819 at 2013-04-04 03:19
ナマステさん
こちらこそ素晴らしい機会を作っていただいて感謝です。
峩々温泉下りはやってみたいですね。
来シーズンの楽しみにしようと思います。
Commented by torasan-819 at 2013-04-04 03:23
mt.raccoさん
ひとりひとりがソロで行動できるスキルがある人達が揃うと、人数は問題にならないという好例でした。
休憩中でも何でも次の行動を予測して動くので、無駄がないのですね。
Commented by torasan-819 at 2013-04-04 03:25
ranger3yujiさん
気配りはあまり無かったような(笑)
リーダーは人数確認程度で、後は各自の判断に任せていました。
今年はとにかく雪解けが早いので、早めにされた方がいいと思います。
Commented by torasan-819 at 2013-04-04 03:29
加ト幹事長さん
火曜日に耳鼻咽喉科に行ってきました。
何十年ぶりでしょうか。
そういえば加ト幹事長さんは珍しくカメラを構えていなかったですね。
余裕無いなんて言っても底力があるのは知ってますよ。
なんたってタネ馬軍団の一員ですから(笑)
Commented by torasan-819 at 2013-04-04 03:32
Tobyさん
普通はやらないですね、あんな人数での直登は。
でもこの日はそれほど不安はなかったのです。
上にも書きましたが皆さんソロでやれる力量のある方達でしたので。
Tobyさんがいればさらに楽しいツアーになったことでしょう。
また機会を作りますのでその時は是非!
Commented by sharizaka at 2013-04-04 20:53 x
遅ればせながら、丸山沢ツアーご案内ありがとうございました。
いやあ、後で考えてみると、皆さん早いこと・・・・。着いていくのがやっとでした。
天気にも恵まれ、素晴らしい景色も堪能できてました。
またぜひご一緒させていただければ幸いです。
Commented by torasan-819 at 2013-04-04 22:14
sharizakaさん
丸山沢を楽しめていただけたようで何よりです。
70歳オーバーにしてあの速さですから驚きでしょ?
ワタクシも追いつくのが結構大変でした。
さて今度は飯豊山はいかがですか?


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