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2013年 08月 12日
蔵王の無名沢を探検的遡行 ~ 2013年8月10日
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夏祭りと花火大会に挟まれた土曜日は軽い沢をやりたいと思っていたところ、加○さんから蔵王の二ツ石沢の支沢を提案された。遡行記録も見あたらないことから、沢登りの対象になる沢ではないのだろうと思った。でも未知の領域を踏んでみるのも面白いかもしれない。八○さんと3人パーティーで蔵王へと向かうことにした。
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 山域山名   蔵王 白石川横川流域二ツ石沢支流無名沢
 山行期間   2013年8月10日(土)
 山行形態   沢登り
 天候      曇り
 参加者    3名(L:加○さん・八○さん・トラ山)
 行程      林道入口8:30~一枚石沢取水堰9:13~二ツ石沢出合9:34~二ツ石沢取水堰10:00~10m滝10:30~
          無名沢出合10:42~右沢出合11:20~二俣12:27~沼13:21~登山道13:56~刈田峠登山口14:39~
          刈田駐車場15:00
 行動時間   6時間30分
 移動距離   10.5km (GPS計測:30秒毎)
 累積標高差 +1,102m -685m (GPS計測:30秒毎)
 装備      日帰り沢装備(ロープ30m×1)
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                         出発(2人とも細いね)
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                         取水堰の管理路を歩く
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                         一枚石沢取水堰
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                         一枚石沢を下降
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                         二ツ石沢出合
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エコーラインを登って、ほぼ最高点の南蔵王縦走路の入口に自転車を1台デポする。ガスっていることもあり、下界とは違って肌寒いくらいの気温だ。山形側へと下り、標高1190mのヘアピンカーブ頂点から山道に入る。途中薄くなる踏み跡を辿って45分ほど歩くと、一枚石沢の取水堰に到着する。取水堰から15分ほど一枚石沢を下降すると二ツ石沢に出合う。小休憩してから二ツ石沢を遡行する。

                         ナメ小滝
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                         2段5m滝
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                         3m滝
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                         8mナメ滝
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                         二ツ石沢取水堰
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しばらくゴーロを歩くと釜のあるナメ小滝、釜のある2段5m滝、3m滝と続く。いずれも楽しく越えていける。沢は急に左にほぼ直角に、8mナメ滝で曲がる。ナメを登ると取水堰堤で、ここから先ほどの一枚石沢の取水堰までは、人工的な水路が通じている。二ツ石沢の水はこの取水堰で、かなりの割合が山形側へ流されている。明治初期に作られた横川堰と呼ばれるこれらの施設によって、山形県上山市の水田が潤っている。ちなみに、県境を越えてかんがい用水を流しているのは、全国でもこの横川堰だけだそうである。

                         12m滝
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取水堰から30分弱歩くと、二ツ石沢では最大の滝である12m滝が現れる。滝手前にはイワナをさばいた跡があったので、釣り師も入っているようだ。この滝は水流右をフリーで越えたが、岩がもろいので慎重に登りたい。水流左からも登れるようだが、水量にもよるだろう。

                         1220m地点で目的の支沢が出合う
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                         支沢に入る
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                         3m滝
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                         目的の沢は見落とすほどの小沢(黄色方向)
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                         ヤブっぽくなり先行き不安になる
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やがて標高1220mほどで左岸から支沢が落ちる。ここが今日の目的の沢だ。名称はないのでとりあえず無名沢とする。流量はそれなりにあり、地形図でも水線が引かれている。無名沢を登り始めるとすぐ3m滝。右から流量の少ない支沢が合わせ、もちろん流量の多い今歩いている方が本流と思いそのまま遡行する。しかし、右からの支沢が3本目となったところで、どうも変だなと思いGPSで確認すると見事に間違っていた。2本目の支沢が地形図で水線のある、今回我々が目的とした沢だった。150mほど戻ることとなった。あらためて見ると、えっここが?と思うような小沢で水量もわずかだ。水量比は5:1くらいだろうか。どうしようかと考えたが、予定どおり遡行することにした。

                         水流のない4m滝
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                         平坦部ではヤブが被る
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                         ガスっていて稜線は見えない
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                         標高1600mにある沼
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                         登山道に出た
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水流は4m、2m、4mと滝を越えるほどに細くなり、次の4m滝では消えてしまった。地形が平坦になるとヤブが被さるようになり、また水が現れてきた。1574m小ピークの先で二俣があり、地形図の水線には実際は水は無く、水のある方へ真っ直ぐ進む。やがて沢形も無くなりヤブに突入する。 1時間ほどヤブをこぐと小さな沼に突き当たった。地形図にもある沼だ。神秘的という雰囲気でもないが、この沼までたどり着いた人間は数少ないだろう。さらにヤブをこぎ続け、急斜面のハイマツとシャクナゲに苦労すると、杉ヶ峰と前山の中間辺りで登山道に飛び出た。

                         シャジン
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                         アキノキリンソウ
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                         車を回収に向かう加○さん
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縦走路をエコーラインへと歩き、デポしていた自転車で加○さんが車を回収に走る。我々は刈田峠駐車場まで歩いて車が来るのを待った。待っていると風もあり寒くなってくる。下界の暑さとは別世界だ。それにしても汚れたしなにより沢臭い。軽い沢で爽やか水遊びのつもりだったが、まったく逆の結果となった。加○さん、次回こそは爽やかな沢だね(笑)

今回の無名沢は沢登りとしては「ハズレ」の部類だろう。しかし、記録の無い沢を遡行するのは、探検にも似た面白さがある。ヤブをこぎ続けた末にたどり着いた沼も、もう2度と訪れることは無いのかもしれないと思うと、なにか感慨深いものがある。いずれにしても、今回のルートは今後も歩こうと思う者はいないであろう。大人の「探検ごっこ」で楽しんだ1日だった。

                         GPSトラック ※クリック拡大
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by torasan-819 | 2013-08-12 07:22 | 沢登り | Comments(6)
Commented by utinopetika2 at 2013-08-13 22:22
いくつになっても探険はワクワクしますね。
外れかもしれませんが、写真では楽しそうです。
来月の沢登り講習会は参加ですか?
Commented by maro4070 at 2013-08-14 06:41
このコース、この前に計画したんですよね。
1574ピークは踏まずでしたか。
出た沼はナマステさんが言う天狗平でしょうか。
「ハズレ」の部類でも満足ですね。
Commented by torasan-819 at 2013-08-14 09:27
utinopetika2さん
子どもの頃の探検、冒険と同じですね。
いくつになっても男の子です(笑)
来月は同じ日程で息子のサッカー合宿でした、なんと宿泊が同じ自然の家なんです。
ちょっと無理ですね~
Commented by torasan-819 at 2013-08-14 09:34
maro4070さん
ガスガスでしたし、ヤブヤブなのでピークはご免でした。
天狗平もいまいち場所がわかりません。
情報ありましたら教えてください。
Commented by 加ト幹事長 at 2013-08-14 18:04 x
もうたくさんの修行ヤブこぎでした。
二叉に入った時点で速攻「詰め」の雰囲気となり、そのまま・・
水量が多い方に行ってみたいですね今度、って多分行かないですよね。
maroさん、天狗平の3つの沼の最北のやつですね。ぶち当たるのも案外難しいかもですよ。思った以上にちょっと辛い(下りだとどうかな)。。
まぁそう言わずに、何も考えてない暇なときおつきあいくださいね。
Commented by torasan-819 at 2013-08-15 01:15
加ト幹事長さん
お世話様&お疲れ様でした。
ヤブこぎは八○さんが頑張ってくれたので楽できましたね。
彼はヤブこぎが何故か上手いので使ってやってください(笑)
予想ですが水量の多い方に行っても、意外に早く水流が無くなるのではないでしょうか?
次回は冬に行ってみたいですね(^^)V


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