2013年 12月 08日
雪崩に冷や汗の刈田岳 ~ 2013年12月8日
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日本海側と比べて降雪量の少ない太平洋側では、12月上旬にスキーで登ることの出来る山となるとあまり無い。特に宮城県はほとんど無いので、我々は月山に足を伸ばすことが多い。蔵王の刈田岳へのスキー登高も、普通は12月下旬、早くても中旬という感覚であった。しかし、8日は時間的に遠出が出来なかったので、歩くだけでもと思い試しに登ってみることにした。
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 山域山名   蔵王連峰 刈田岳(1,758m)
 山行期間   2013年12月8日(日)
 山行形態   山スキー
 天候      曇り時々晴れ
 参加者    4名(L:トラ山・加○さん・高○さん・odamakiさん)
 行程      すみかわスキー場8:28~ゲレンデトップ9:26~大黒天10:22~刈田岳12:00~刈田岳避難小屋12:03-12:13~
          大黒天13:07~ゲレンデトップ13:25~すみかわスキー場13:40
 行動時間   5時間12分
 移動距離   約13.4km (GPS計測)
 累積標高差 約±870m (GPS計測)
 装備      山スキー日帰り装備
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                         すみかわゲレンデを登る
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                         通称「あとみの壁」を登る
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すみかわスキー場は人影もなくひっそりしている。レストハウス前のゲレンデに雪はあるが、所々ブッシュが見えている。積雪深は30センチほど。オープンは13日のようだが、もうひと降りふた降り欲しいところだ。滑るにはブッシュや雪の薄いところが気になるが、歩く分には問題ない。朝のうちとあって雪も軽いので、何となくハイキング気分。振り返ると、後から誰か1人歩いてくるのが見える。ゲレンデやリフト下を歩き、あとみゲレンデの急斜面を登るとゲレンデトップでひと息つく。ここからは観光道路を歩く。、樹林帯の中の中央コースはまだまだ歩けない。

                         スノーシューの若者は速い
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                         観光道路を歩く
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                         大黒天は路面が一部露出
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さて行こうかとすると、後続の男性が現れた。スノーシューで刈田岳を目指すという若者だった。しばらく一緒に歩いたが、若い彼は足が早いので先に行ってもらう。「あの若さとパワーが羨ましい」とか「若さは戻ってこない」などと、我々中年部隊は実感を込めてつぶやく。吹きだまりでは少し沈むが、ラッセルというほどの深さではない。大黒天でエコーラインに出てからも、ずっと道路なりに歩くしかない。見れば若者が刈田岳への登山道を登っているところだ。

                         井戸沢源頭部を回りこむ
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                         まだブッシュも埋まらず取り付けない
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                         ハイラインを登る
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カーブを曲がると、刈田岳山頂の東斜面になる井戸沢の源頭部が見えてきた。上の方はガスってよく見えない。雪があればショートカットして、樹林帯寄りの斜面に取り付き登るのだが、ブッシュも埋まっていないので諦める。エコーラインからハイラインに入り登っていくと、左ヘアピンカーブのところから取り付けそうだ。odamakiさんは足の調子が今ひとつのようで、ビバーク訓練を兼ねて待っているというので、3人で斜面に取り付く。

                         モンスターはこれから成長する
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                         山頂を目指す
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                         刈田岳山頂の刈田嶺神社
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ガスが薄れると、すっきりとした雪の斜面が上へと延びているのが見える。左手を見れば井戸沢源頭部の急斜面だ。雪庇を避けて左から回り込む。山頂部はガスっているが、刈田岳山頂の刈田峰神社まで行ってみる。刈田岳避難小屋に戻ると、あの若者がいたので話をする。この頃ようやく東北の山でも、若者を見かけるようになったのは嬉しい。

                         井戸沢源頭で表層雪崩が発生                       
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                         コントラストを補正
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                         すっぱりと切れた破断面がわかる ※クリック拡大
                         加○さんのスキーカットは画像のほぼ中央
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                         雪崩発生状況を推測
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シールを外して下山を開始する。下りの滑降も登ってきたとおりに滑るつもりだった。しかし、先行した加○さんは、井戸沢源頭部寄りに滑り降りていった。次に右へターンしたが途中で止まり、ストックを×に示してなにやら叫んでいる。自分はまだ上にいたのでよく見えないが、アクシデント発生のようだ。滑り降りて近づき状況を理解した。雪崩が発生したのだ。見ると雪面のスキーカットを発端とし、その下が広範囲に雪崩れたように見る。とりあえず慎重に下り、トラバースしてきた加○さんと合流する。加○さんは雪庇を下から回り込もうとしたようだが、そのスキーカットが表層雪崩を誘発したのだ。雪崩の破断面を見ると、厚いところでは50センチ以上もある。幅は50mほどで、デブリの末端はそれ以上流れ下っているようだ。加○さんは雪崩の上端だったこともあり流されなかったが、もし巻き込まれていたらと思うと冷や汗ものである。先日、立山で雪崩事故があったが、規模は違うものの同じような条件ではなかったかと思う。無事でほっと一安心だが、たまたま運が良かっただけとも言える。直接的には加○さんのミスだが、自分も下りのラインをメンバーに確認しなかったミスがある。また、加◯さんがたまたま何事も無く通過していれば、自分も追随して同じラインを滑ったかもしれない。そう考えると、なおさら反省多々である。
※画像でよく観察すると、加○さんのスキーカットにより誘発された雪崩よりも、その下方でより幅広く雪崩れていることがわかる。推測ではあるが、加○さんの雪崩とほぼ同時か、あるいは少し前に発生した雪崩があるようにも思える。登っているときは雪崩れていなかったので、我々が登って下る短時間の内に雪崩れたのだと思われる。雪崩れた斜面の上部に加○さんが滑り込み、さらに上部からの雪崩を誘発した可能性もある。いずれにしても、雪崩れるのは時間の問題という状態の斜面だったようだ。

待っていたodamakiさんと合流し、登った時とは逆にエコーラインを下る。午後になっても雪は軽くスキーは走るが、平坦なところは推進滑降となり腕が疲れる。ゲレンデまで降りてくると、自分たち以外の何本ものシュプールが残っている。オープンを待ちきれないスキーヤーやボーダーが滑りに来たのだろう。我々も思い思いにシュプールを描き、滑りを楽しむとレストハウス前に戻った。今回は雪崩というアクシデントがあったが、十分想定できることであっただけに、回避できなかったのが残念だ。少しでも油断とスキがあれば、あっけなく雪崩に巻き込まれてしまうことを、身にしみて感じた山行だった。自分を戒め今後の教訓としたい。それでもなお、スキーは楽しい。今シーズンも、あの山この山へと滑りに行こうと思う。
※この記事の画像は、加◯さん撮影の画像を多数使用。

                         GPSトラック (往復ほぼ同ルート)
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by torasan-819 | 2013-12-08 15:24 | 山スキー | Comments(14)
Commented by utinopetika2 at 2013-12-10 08:09
ヒィィ~ w( ▼o▼ )w 
皆さんご無事で何よりです。
夏の見慣れた景色は、ひっそりですね。
雪をまとった蔵王、今シーズンはどんな山の表情をみせてくれるのか、楽しみです。
今月下旬には行ってみたいなぁ~なんて考えております。
Commented by torasan-819 at 2013-12-10 19:50
utinopetika2さん
生きている幸せを噛みしめています…特に加○さんは(^◇^;)
天気の良い風の穏やかな日に登れれば最高ですね!
Commented by maro4070 at 2013-12-10 20:13
加◯さん危機一髪でしたねぇ~。
もう雪山ですな、じっとコタツでガマンしましょうかな。
odamakiさん、もうすぐ完全回復ですね。(^^)
Commented by torasan-819 at 2013-12-10 20:43
maro4070さん
そうなんですよ危機一髪!
普段ならあのラインでは滑らないのですが、魔が差すってことあるんですね。
コタツでミカンはまだ早いですぞ~
odamakiさんは前日も山形蔵王スキー場で滑ってきたので、もう完全復活ですよ。
Commented by odamaki at 2013-12-10 21:47 x
お世話になりました。
ビバーク訓練、たまには必要ですがそれ以上に皆さんに付いていける体力が課題です。
何よりみんなで無事下山出来た事は幸いでした。
今後も怪我や事故の無いよう楽しみたいですね。
Commented by torasan-819 at 2013-12-11 08:00
odamakiさん
そうですね怪我と事故は無いのが一番、無事下山が何よりです。
歩きのペースはついつい自分のペースになってしまうので、もう少しゆっくりとか遠慮なく言ってくださいね。
さて今シーズンもガシガシ登って滑りましょう(笑)
Commented by superdioaf27 at 2013-12-11 22:11 x
こんばんは、刈田岳では数分差のニアミスだったみたいですが、まさに「知らぬが仏」とはこういうことなのでしょう。
だって、山頂でもう少し視界が良かったら確実に井戸沢に行ってましたもん・・・(大汗)。しかも、宮城県側は意外と晴れていたのですね。
まあ、持ち前の悪運の強さだけでは長生き出来そうも無いので(苦笑)、私もこれを教訓にして用心深く山に入ることにします~。
Commented by torasan-819 at 2013-12-12 07:31
superdioaf27さん
いや~ホントにちょっとの差でした!
今日はスキーは我々だけかと思いながら山頂を離れたのです。
あの日の井戸沢は、誰が滑っても雪崩れたと思います。
入ってはいけなかったのですね、雪崩に埋まらなくて幸いでした。
ビーコン、ゾンデ、スコップを使うところでした。
我々も話したのですが、単独で埋まると致命的ですので、お互いに気を付けましょう。
パーティーでも、ひとりだけ離れて見えないところでの行動は、避けなければと思いました。
Commented by NON at 2013-12-13 21:45 x
雪崩怖いですね 無事でなりよりです。
刈田岳山頂未だ未踏です、今シーズンこそ刈田峰神社に手を合わせたいです。
odamakiさん復活ヽ(^◇^*)/ ワーイ
太めの板買いましたので、是非ご一緒させてくださいませ。
Commented by yossy1904 at 2013-12-13 23:53
シーズン始めは寒暖差が大きく、弱層ができやすいのではと思います(素人考えですが)。
昨日から今朝にかけ、山ではかなりの積雪があったようですね。
夏油スキー場のHPを見ると70cmぐらい増えてます。
これからも相当積もりそうなので、週末は注意が必要かも・・。
Commented by torasan-819 at 2013-12-14 13:41
NONさん
はい雪崩は恐いです。埋まったらなんて考えるとガクガクブルブル(x_x)
刈田岳は条件が悪くなければサクッと登れますので、何といってもタイミングですね。
樹氷にこだわらなければ3月になって天候が安定してからがお勧めです。
板は細くても太くても大丈夫なので、とにかくいらっしゃいまし。
Commented by torasan-819 at 2013-12-14 13:43
yossy1904さん
そうなんです弱層ができていたんです。
それを解ってはいたのですが…
昨日からドカッと降りましたので、この土日はかなり気を付けないといけませんね。
私は所用で山に行けない週末ですが。
Commented by sharizaka at 2013-12-14 21:08 x
いやあ、雪崩は怖いですね(当たり前ですが)。ご無事で何よりです。
今日はすみかわのゲレンデでお茶濁してましたが、雨の後にガッツリ降ってますので、ちょいと危険な臭いがします。明日もゲレンデでお茶してきます。
Commented by torasan-819 at 2013-12-15 13:17
sharizakaさん
2日連続のすみかわスキー場のようでいいですね~
雪崩はホント恐ろしいです。
巻き込まれれば為す術もないです。
山はガスってるこの週末ですが、土曜日はこちらの会のメンバーが刈田岳に登りましたよ。


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