2014年 10月 31日
10月下旬から11月中は外せない行事が重なり、なかなか山にも行けずにモンモンとしています。 気晴らしに読書ということで、7月から読み始めてまだ半分ほどだった書籍を読み進めます。 「究極のサバイバルテクニック」などという、B級ハウツー本にありがちな題名。 岳人に広告があったので、そう酷い内容ではないだろうと何とはなしに注文してしまった。 著者のベア・グリス氏はSAS(英国陸軍特殊部隊)にも在籍していたことがあるという、冒険家にして作家なのだという。 また、ディスカバリーチャンネルでは人気の出演者なのだともいう。 SAS出身というのが門外漢には何やら凄そうに思えてしまう。 しかし、世の中○○出身ということは当てにならないということも、経験上知っている。 そんな訳で期待半分冷やかし半分で読んでみた。 様々な状況におけるサバイバルテクニックが紹介されている。 この著者は本当にこんな様々な環境に遭遇したのかとも思うが、SASのサバイバル訓練ではそれが普通らしい。 著者はSASでサバイバルの基本から、夏山・氷点下・ジャングル・砂漠・海など、それぞれの状況で遭遇する危機に応じたテクニックの多くを身につけたようだ。 テクニックの大半は目新しいものではなく他のサバイバルハウツー本にもあるものだが、各所に著者独自の考えやコメントが載っていて面白い。 本書の中の「サバイバルの心理学」では著者の考え方が表れていて興味深い。 いわく、驚異的なサバイバル物語は「人間の気力」から生み出されている。 いわく、知識と気力のどちらかを選べといわれれば気力を選ぶ。 いわく、サバイバルできると確信することがサバイバルの最大の強み。 いわく、科学ではなく信仰が必要になるかもしれない。 なんだ最終的には気力かと思ってしまうが、やはりそうなのかもしれない。 極限状態での生と死を分けるものは。 いずれにしても自分は経験したくはないのだが、少々山をやっている自分にとって「覚悟」は必要なのだと思う。 著者は「世界は美しく広大で、力強く多様性に満ちている。それらを理解し守り楽しむ責任がある。」という。 すなわちそれが「冒険」であり、その冒険を行うがために必要なツールがサバイバルテクニックなのだ。 そういう意味では単なるハウツー本ではなく、啓蒙の書のような感さえする書籍であった。 とここまで感想を書いたが、あまり構えないでハウツー本として読むのが気楽なのかな(笑)
by torasan-819
| 2014-10-31 22:18
| 本
|
Comments(7)
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M
at 2014-11-02 08:26
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ディスカバリーチャンネルの「MAN vs WILD」(邦題サバイバルゲーム)シーズン1が最寄りの○タヤさんでレンタルしてますよ。シェルター作りは参考になりそうですが…某所では「サバイバル芸人」としての評価が高いようです。書籍もあったのですね。今度読んでみます。
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torasan-819 at 2014-11-02 16:54
Mさん
あまりテレビを見ないので、ディスカバリーチャンネルという番組があるのは知ってましたが、見たことはほとんど無いワタクシです。 サバイバル芸人ですか…日本でも芸人さんはサバイバルごっこの番組でよく使われるようなので、ベア・グリルス氏もそんな扱いだとするとちょっと哀しいですね。 とりあえず先入観なしに読んでみるのも一興かと思います。
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M
at 2014-11-02 17:12
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私は大好きなんですけどね。ちょっとテレビ的な演出が強くて「マジかよ!?」っていう場面が多いです。そうそう、雷鳥荘のお風呂で話したのはこの人のことです。本の方が役立ちそうですね。
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torasan-819 at 2014-11-02 19:59
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bbex259739
at 2014-11-03 18:10
山に行けない週末は、本の山もまたいいものですよね。
ところで、やはり最終的には「精神力」らしいですよ。 その健全な精神は健全な肉体にしか宿らないので、トレーニングを積むことによって心が安定し、自信もついてくるのだと、ロシアだかスイスだかの登山家が言っていました。 「山は力技で登るものではない。心で登るものだ」と、アメリカの登山家も言っていました。 「アンナプルナ南壁」はこんな名言が散りばめられた啓蒙の映画?でした。 仙台でも上映されるみたいなので、機会がありましたらご覧くださいませ。 http://7400-movie.com/ 願わくば、そのハウツーがお役に立ちませんように。
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madokau
at 2014-11-03 18:20
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↑すみません。名前が表示されなかったようです。
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torasan-819 at 2014-11-06 07:29
madokauさん
本が読めるのは良いのですが、山の空白期間が続いてますと登ろうというモチベーションが薄れてくるようです(^^ゞ さて、「アンナプルナ南壁」山形で見れば良かったと思いましたが時既に遅し。仙台での上映を待ちましょう。 そうそう、もう1冊読み終えましたので近日アップします。 |
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