2015年 01月 08日
山登りアーカイブス 2009年2月1日~スノーシュー登山(吾妻高山)中退
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スノーシューで冬山を歩き始めてから2シーズン目となり、長い距離にもチャレンジしてみたいという気持ちが沸いてきていた。あれこれ考え吾妻の高山という比較的マイナーなルートを選んだのは、自分らしいと言えば自分らしい。初心者のしかも単独ではあまり褒められることではないが、この時は未知の山域へ向けてやる気満々であった。結果的には敗退になったのだが、それもまた次への意欲になるのだった。6年前でしかないのだが、今読み返しても我ながら気力溢れていたなあと思ってしまう。



= 2009年2月1日 =
 2月1日は吾妻連峰の一山である高山(たかやま)1804.8mを目指し、いつものスノーシューで土湯温泉側から登った。高山は吾妻小富士の約2.5km南側に位置するが、それほど登山者が多い山ではないようだ。吾妻スキー場(2006年3月閉鎖)があった頃は、高湯温泉から一切経山を越えて山小屋に泊まり、翌日は高山から滑降を土湯温泉までというのが山スキーのクラシックルートとして楽しまれていたらしい。今もあちこちにコース看板が残っていたが、今はその縦走コースもスキー場の閉鎖により距離と登りが増えた分(リフトの分500m以上)コースとしては時間と体力的にハードルが高くなり、一般的ではなくなったようで、ネットでも調べたが冬に土湯温泉から高山を目指す者はよっぽどの山スキー好きのようだ。その高山にスノーシューで登れないかと考えていたが、昨日までの荒れ模様の天気も回復したようだし、思い切って挑んでみることにした。



地図で見る限りでは、登りが標高差1200mほどで水平距離も9kmほどあり、標高差もさることながら距離の長さが気になった。今までの経験から、コースが明確でない山(道があっても冬山は雪で隠されてしまう)は、実際に歩くと地図で考えるより距離が延びてしまうからだ。仮に1割増えると考えると往復で20kmにもなってしまい、登りも考えるとスノーシューで歩く距離としては現在の自分の体力では限界に近いだろう。日帰りでは無理なのかもしれない、でもだからこそ挑戦してみたいのだ。

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意気込んだものの出発が遅くなってしまい、今日は無理と感じたらすぐ引き返そうと考えつつ高速を走り、土湯温泉に着いたのは8時30分過ぎだった。そこから登り口となる男沼という沼までは、積雪&凍結の狭い道を走らなければならないが、道を間違えたりネットで確認していたつもりの駐車場所を見つけられなかったりで、結局仁田沼という別な沼への遊歩道の入り口に駐車場所を見つけてやっと停めることが出来た。この時点でさらに歩く距離が延びることが確実となり、走破するのは既に怪しくなっていた。前途多難の雰囲気ではあったが、GPSで標高595mの駐車場所から歩き始めたのは9時頃だった。雲はあるが日も差し穏やかな天気だが、目指す高山方向は雲の中で何も見えない。

男沼を目指して林の中の遊歩道を歩き17分ほどで男沼だ。水面は氷結していて、反対側の岸近くにワカサギ釣りらしいテントが3つ見えた。男沼を反時計回りに1/4ほど回り込んでから林の中に分け入る。初めての土地で雪に覆われ道など見えないので、ここから先はGPSと地図頼りで進み上にあるはずの林道目指して進んでいく。だが木立やヤブに阻まれ思うような方向に行けるわけではなく、林道の手前で崖のような急斜面に出てしまうが迂回するのも大変なので強引に登った。少々ロスをしてしまったが、なにぶん初めての場所なので致し方ない。

林道に出てからはほぼ林道の通りに歩いてゆくが、前日の荒れた天気でこの標高でもみぞれが降ったようで、水分を含んだ雪が異様に重い。今日は先行者もいないのでオイラがトレースをつけてゆくのだが、踏み込むと30センチほども沈む雪に歩む速度も遅くなり疲労が蓄積していくのがわかる。自分の足跡を振り返ると、まさにスノーシューのツボ足状態である。踏み込んだスノーシューを上げるときに雪の重みで足に負担がかかるようで、かかとに違和感があり靴擦れの前兆も出てきた。同行者がいれば先頭を交代したり、先行者のトレースを利用できればかなり楽になるのだが今日はどちらも無いのだ。

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このまま歩き続けられるだろうかと心配になってくるが、今日はとにかく行けるところまで行こうと思いとても長く感じられる林道を黙々と歩み続ける。800mを超えたあたりから雪が少し軽くなってくるがスノーシューも余計潜るようになってくるし、ラッセルしながらの歩きとなるので疲れはあまり変わらない。勾配の緩い平坦な林道歩きが辛く感じ、これなら急勾配の斜面を登っている方が楽だとさえ感じる。いい加減イヤになってきたところで「高山入り口この先右」の看板を見つけ「やれやれやっと登山口だ。これからが本番だぞ。」と自分に気合いを入れる。

登山口から道らしきところをトレースして歩くが相変わらず足取りは重い。所々で見当をつけてショートカットで登り、地図上の1025mのピークに着いた頃は既に12時近かった。昼食休憩は後にしてもう少し登ることに決め、天然の疎林の斜面をラッセルしながらひたすら登る。やがて勾配の緩やかな広がりのある疎林地帯に出たので昼食休憩としたが、時刻は12時半近かった。それにしても疲れた。これまでのスノーシューイングでももっとも疲れているように感じる。靴擦れも本格的になってしまったようで歩くたびに擦れて痛む。30分近く休みながらいろいろと考えた結果、14時まで登りどの地点であろうとそこから戻ることにした。

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昼食場所から緩い斜面を歩くと程なく痩せ尾根に出た。やっと視界が開けた場所に出たのだが、今日は下界も霞んでいるし高山方向はガスで何も見えず残念だ。痩せ尾根を過ぎるとまた緩い勾配の針葉樹林の斜面を歩いた。天気が荒れてきて風が強くなってきたが、林が風から守ってくれるのでそれほど苦にならない。14時にちょうどGPSで標高1400m地点に到達し、ここで引き返すことにした。相変わらず山頂とおぼしき方向は何も見えない。

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帰りは疲れはしているが登りよりはずっと楽だ。昼食休憩場所の近くでスキーのトレースを発見した。自分より後に登ってきて、ここから滑降していったようだ。急にスキーがうらやましくなる。なんといっても下りの機動力はスキーにはかなわない。下りの時間を大幅に短縮できる。下りは無理してショートカットせずに林道をトレースし、男沼周辺も遠回りしたので距離も時間も延びてしまった。やっと駐車場所に到達したのが午後5時頃。往復15km、累積標高差1000m以上の計8時間の山行だったが、ヘトヘトで体力的にはかなりきつかった。自分の持てる体力の8割以上を使った感じがする。山で10割の体力を使ってしまったらその時点で「遭難」なわけだから、もし本当に8割というなら山行としては限界だろう。

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この日は結構いいところまで到達していた。しかし山頂まではまだ2.5km以上の距離と400m以上の登りがある。この1400m地点からは、山頂での時間も含め往復で3時間はみなければならないだろう。出発時間を午前6時頃にしてロスの少ないルートを歩ければ、スノーシューでも1日で高山往復が可能だとは思う。しかしそれは体力や気象など諸条件が整うことが必要で、アクシデントの可能性も考えておかなければならない。というわけでリトライするときの同行者はいないだろうか?2人以上でラッセルすればずっと楽になるし。なるべく…いや絶対に自分以上の体力脚力と冬山技術の人にお願いしたいのだが。



by torasan-819 | 2015-01-08 22:31 | 山登りアーカイブス | Comments(2)
Commented by tabi-syashin at 2015-01-12 09:27
昨年の高山遭難事故、 吾妻山の会が拾った遭難者のストックの位置から だいぶ谷のほうへ下がった沢で白骨化した遺体で見つかって解決したのですが・・・、車仲間の友人とのことでした。いつもはご夫婦で山に登っておられて その時だけ旦那さんが単独で高山を目指し 帰らぬ人となったわけでした。残雪時に滑落するとすれば どのあたりか?ヤセ尾根の上か?
Commented by torasan-819 at 2015-01-13 22:54
tabi-syashinさん
昨年の高山での遭難者が見つかったというのは知りませんでした。遭難するときは得てして、なぜこんな所でというような場所で発生するのかもしれませんが、真相はヤブの中ですね。
ところで今シーズンは高湯温泉から高山下りでの土湯温泉を考えていたのですが、噴火警戒レベル2に対して福島市が行った入山禁止措置により当面できなくなりました。


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