2015年 03月 09日
蔵王・南屏風岳からコガ沢への滑降 ~ 2015年3月7日
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コガ沢は南屏風岳の東斜面を源頭とする沢である。南屏風岳の東斜面は、まるで大きな衝立というか壁のように見える。「屏風」と名付けられる所以であろう。冬に下界から見上げる白い壁はなんとも魅力的で、あの壁を滑ってみたいと思ってしまうのである。実際、普通の斜面では飽き足らないスキーヤーやボーダーに滑られているが、その数はそう多くない。その理由は、アプローチの標高差が大きく大変だということに加え、帰還ルートが通常はコガ沢となることも、足を遠ざける要因となっているのだろう。もちろん雪崩のリスクも考えなければならない。コガ沢は時期が早くても沢が埋まりきらず、遅ければ沢が口を開けて危険が増し、滑ることの出来る期間は意外に短い。

  山域山名   蔵王連峰 不忘山(1,705.3m) 南屏風岳(1,810m)
  山行期間   2015年3月7日(土)
  山行形態   山スキー
  天候      曇り
  参加者    3人(L:トラ山・藤◯・黒◯)
  行程      白石スキー場7:10~ゲレンデトップ7:52~不忘山9:46~南屏風岳10:47-11:17~回復待ち(約25分)~滑降(1700m地点)12:20~
          権現沢出合12:50~950m地点13:14~白石スキー場13:31
  行動時間   6時間21分
  移動距離   10.8km (GPS計測)
  累積標高差 ±1,132m (GPS計測)





                         遠慮がちにゲレンデ脇を登る
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                         標高1350m付近
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                         東尾根(山頂はまだ見えない)
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                         1630mでガスが薄れ山頂が見えた
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                         細尾根を辿る
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                         1690m付近
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蔵王周辺は終日曇りとの予報だが、風は穏やかのようだ。車を走らせながら蔵王を眺めると、どんよりとした雲に覆われている。しかし、登ればその上に出ることもあり、山は行ってみなければ分からない。白石スキー場の駐車場で同行者2名と合流。リフト運転開始前のゲレンデを登り、ひと汗かきながら40分ほどでEコーストップへ。そのまま東尾根を登る。トレースは無いが、薄い新雪を踏んで快調に登っていく。自分はこの頃、この東尾根を登ることが多い。樹林帯である程度風を避けられること、右手にコガ沢の右岸を意識していればルートを外れることがないこと、Bコース上部のようにヤブがうるさくないことが理由だ。ただし、山頂を見ながら広い雪面を登りたいときは、Bコース上部からの方が良い。1350mを越えると樹林帯を抜け、明瞭な尾根になると視界が広がる。ここまで登ってもほぼ無風なので、自分はいつものようにアンダー1枚。思ったより視界があり、下界が明瞭に見える。しかし、上を見るとガスがかかり不忘山頂はもとより、そろそろ見えてくるはずの南屏風の壁はまったく見えない。回復することを期待して登ろう。

                         コルへと下る
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                         時折日が差す
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                         1732m標高点からの南屏風岳
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                         左手は出戸天神沢
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                         雲海で幻想的な雰囲気
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                         南屏風の壁
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                         平坦な南屏風岳の山頂付近
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                         あっという間にホワイトアウトに
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1690mまでスキーで登り、そこから先はスキーを担ぎ稜線を辿る。アイゼンは付けていないが、スキーブーツを蹴り込めば問題はない。山頂を踏むと休まず先へと歩を進める。ちなみに同行者は2人とも不忘山初登頂だ。転倒に注意しながらいったんコルへと降り、再び登っているとガスが薄れて南屏風岳が見えてきた。よし、何とか滑ることが出来るかもしれないとの期待が出てくる。斜度が緩んだところで再びスキーで登り、南屏風岳山頂で休憩とした。稜線には薄くガスがかかっているが、雲海は稜線の下の方でまだ斜面は見えている。昼食を素手で取っていても風が無いので冷たくないほどだ。さらに回復も期待していたのだが、そのうちあっという間にガスが濃くなってしまった。ほとんどホワイトアウトの状態になり、滑る準備をしてガスが薄れるのを待つことにする。3分でいいので、斜面がある程度見えればその機を逃さずに滑るつもりだ。幸い雪は安定している。

                         急斜面をトラバースしてここから滑降することに
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                         テレマーカーの藤◯さんがドロップ
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                         黒◯君はまだ山スキー5回目
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しかし、しばらく待っても回復しそうにない。もう待っても無理と判断し、稜線を北へと回り込むことにする。こんな場合の時のエスケープルートである。かすかにしか見えない稜線を、GPSとコンパスを頼りに進む。稜線が水引入道分岐へ近づき少し登りになったところから、斜面に出てトラバースをうかがうと、かすかに急斜面のラインが見える。意を決して急斜面へ踏みだしトラバースを始める。下が見えないので急斜面がより急に感じ、緊張のトラバースが続く。高度を下げていくと、ようやくブッシュが見えてきた。白一色の雪面の中に黒い物が少しでもあると、遠近感が得られるようになる。よし滑降開始だ。トラバースで高度を下げたとはいえ、急斜面の下部まで300mの標高差がある。各々自分のスタイルで滑降するが、重めのパック雪に何度か転倒したのは自分だけで、2名の同行者はスキーが上手くガンガン滑り降りてしまう。南屏風の壁下、放射状に広がるコガ沢源頭部支流の合流点まで滑りひと息つく。

                         コガ沢を滑る
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                         沢が口を開けているので要注意
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                         慎重に通過する
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                         ハーフパイプ状で面白い
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                         沢の穴が多くなってくる
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                         笑顔でミッションコンプリートの2人
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ここまで来ればやれやれであるが、次はコガ沢を滑っていかなければならない。沢の中でもガスは濃くなったり薄くなったりと変化する。慎重に前方の状況を観察しながらの滑降が続く。沢の滑降は楽しいのだが、口を開けている場合があり要注意なのだ。この時期の水量は多くないが、穴に落ちてしまえば1人で脱出するのは甚だ困難になる。今日30mロープと10mロープを持ってきているのは万が一のためである。安全と思うときは沢床を滑るが、斜面寄りにラインを取っておいた方がリスクが少ない。滑っていて、沢が口を開けている箇所が多いように感じた。もしかすると今年の雪解けは早いのかもしれない。標高を下げても沢の雪はあまり重くならず、スキーを走らせて下降を続ける。標高950m辺りまで来ると滑降も終了。それまでより緩やかになった右岸斜面を、トラバースしながら登っていく。シール登高にしてもよいが、我々はそのまま登った。小尾根を越えてゲレンデに出ると、ガスが濃いゲレンデにはほとんど人がいなかった。

                         GPSトラック ( 登り:赤 下り:青 )
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by torasan-819 | 2015-03-09 20:54 | 山スキー | Comments(6)
Commented by fck_mototyan at 2015-03-10 12:40
うっひゃー、沢に穴ぼことは怖いですね。山スキーには沢越えがつきものですがいつも怖いです。
Commented by torasan-819 at 2015-03-10 19:45
fck_mototyanさん
そうなんです沢は怖いです。
でも怖がってばかりでもいけません。
慎重かつ大胆に滑ることが肝要かと思います。
Commented by utinopetika2 at 2015-03-10 22:22
雲海で幻想的雰囲気を醸し出している稜線に痺れます。
トップカットも素晴らしいです。
まだ樹氷がみられるようでね。
Commented by torasan-819 at 2015-03-11 06:42
utinopetika2さん
そうなんです幻想的でした。
その時そこにいた自分はシャッターを押しただけです。
今年はもう少し樹氷が見られるようですね蔵王も吾妻も。
Commented by NON at 2015-03-11 09:21 x
南屏風稜線 素晴らしい景色、感動的です。
皆さんのパワフルな登りと滑り素晴らしい!
爪の垢を煎じて飲みたい(笑)
Commented by torasan-819 at 2015-03-11 18:00
NONさん
たまたまですが雲と光が織りなす景色に出会うことが出来ました。
その後のホワイトアウトは余計でしたが(笑)
こちらこそアクティブなNONさんのヘソのゴマを煎じて飲みたい(^0^)/


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