2015年 06月 26日
小粒でも面白い蔵王・大鍋沢 ~ 2015年6月21日
f0170180_22305630.jpg

前日に続いて今期の沢登り2本目、蔵王の大鍋沢を登ることにした。大鍋沢は北蔵王にある短い沢だが、いつか登ろうと思いながらそのままになっていた。今回2人とも初めて登ることになる。それほど難しい沢ではないが、右俣に30mの大滝があるという。右俣の遡行だけでは半日で終わりそうなので、下降に左俣を使うことにして計画してみた。


  山域山名   蔵王・大鍋沢(名取川流域北川小屋の沢支流)
  山行期間   2015年6月21日(日)
  山行形態   沢登り
  天候      曇り
  参加者    2人(L:トラ山・◯樹)
  行程      駐車地点8:00~入渓8:23~二俣8:26~30m滝9:14-9:37~二俣10:06~登山道11:07-11:24~駐車地点12:45
  行動時間   4時間45分
  移動距離   7.0km (GPS計測)
  累積標高   ±945m (GPS計測)
  装備      日帰り沢装備(ロープ50m×1)





                         林道の岩崩れ箇所
f0170180_23292491.jpg


                         林道終点(以前はここまで車で入った)
f0170180_2330018.jpg


                         入渓点
f0170180_23305396.jpg


国道286号から小屋の沢林道へと進み、ブドウ沢登山口を過ぎさらに奥へと入る。車で入れる最終地点まで行ければ行くつもりだったが、道にトラロープがあったので左手の空き地に車を置くことにした。沢支度をして歩き始めると、岩が崩れて林道をふさいでおり乗り越えて進む。もう復旧されることはないと思われ、やはり先ほどの場所が車での最終地点ということだ。以前の車での最終地点の先はかなりヤブ化している。行き止まりから先の廃道は年々ヤブが濃くなっていることもあり、うっかり大鍋沢を通り過ぎてしまい戻り入渓する。大鍋沢は林道下を橋ではなく、パイプで小屋の沢へと流れている。それほど水量は多くないのだろう。

                         左右から滝で落ちる二俣
f0170180_23332428.jpg


                         右俣の4m滝を登る
f0170180_2339342.jpg


                         3mCS滝
f0170180_23483378.jpg


                         続く5m滝は直下からは登れず左岸から
f0170180_2349366.jpg


                         滑りやすい左岸を登る
f0170180_2356178.jpg


                         倒木の4m滝
f0170180_23571416.jpg


                         4m斜滝
f0170180_23585888.jpg


                         6m滝
f0170180_05243.jpg


入渓から少し歩くとすぐ二俣になり、右俣4m、左俣6mの滝で合わせる。思ったよりも滑る岩なので慎重に登る。初心者がいる場合はロープを出したほうが無難だ。次の3mCS(チョックストーン)滝もちょっと嫌らしい。自分は左岸を登って灌木にランニングを取り落ち口に乗り、続く◯樹さんにランニングを回収してもらった。ここも滑りやすい岩なので、状況によりロープを出したほうがいいだろう。続いて倒木の4m滝、4m斜滝、6m滝と越えていくと、倒木と岩屑で荒れた印象の沢床が少し続く。

                         荒れた沢床を歩く
f0170180_0101123.jpg


                         6m滝は右から登る
f0170180_0144565.jpg


                         8m滝
f0170180_0182750.jpg


                         暗い4m滝
f0170180_0193486.jpg


                         30m滝
f0170180_026533.jpg


                         左壁から人工登攀で登られている
f0170180_02596.jpg


6m滝を右から登ると、8m滝、暗い4m滝と続く。やがて右に屈曲すると、この沢で最大の30m滝に突き当たる。この滝は記録によると左壁より人工で登られている。残置は見えなかったが、上部にはボルトが何本か打たれているらしい。登攀ルートの観察はしたが、今日の我々は巻くことにした。〇樹さんの腹痛、ハーケンの手持ち枚数、濡れて滑りやすい岩など理由はあるが、結局はその気になれなかったのだが、どんよりとした天気もテンションが上がらない原因だったかもしれない。いずれにしても登らなかった言い訳だ。いくつかの記録ではこの滝の高巻きは左岸からとのことだが、今回はあえて右岸から巻いてみた。取り付きの岩壁をクリアすれば小さく巻くことができるので、左右は状況により判断すればいいだろう。

                         3段15m滝は水流右から登る
f0170180_0272885.jpg


                         8m滝
f0170180_034526.jpg


                         二俣を左俣へ
f0170180_0364544.jpg
                         
                         倒木のある2段10m
f0170180_0382163.jpg


                         4m滝
f0170180_0401164.jpg


                         倒木が多い
f0170180_0411547.jpg


                         沢は狭まり倒木が重なる
f0170180_0452070.jpg


                         狭V字9m滝
f0170180_0463865.jpg


                         体も入らないほど狭い4m滝
f0170180_055975.jpg


3段15m滝は角度が寝ているのでフリーで登る。続く8m滝も高さはあるが問題無い。小滝をいくつか越え、岩屑で埋まっている沢床を歩くと二俣になる。ここを左俣へ進み高度を上げていく。2段12m滝は倒木利用で越える。沢の斜度が緩むと岩屑と倒木があり、また滝があるという状況が続く。いくつかの滝は埋まっていて、判らずに上を通ったかもしれない。やがて両岸は狭まり、岩に彫刻刀で彫り込まれたような狭角のV字となる。これが難しいというより、アスレチックのようで面白い。手足が長ければ突っ張りで、自分のような手足であればそれなりの登り方を工夫するのが面白い。まずはトライしてみよう。手でも足でも何でも動かせるものがあれば活用する。というわけで、芋虫のようにじりじりと溝を登りクリア。それでも楽しいのだから、沢屋は普通の人に理解されにくいのだろう。

                         登山道は近い
f0170180_144146.jpg


                         最後のカレ滝
f0170180_173697.jpg



                         短いヤブ漕ぎで登山道に出る
f0170180_07094147.jpg


                         登山道で下る
f0170180_115839.jpg


4m滝を登り小滝を越えると、二俣を本流の左へ進む。もはや源頭であり、やがて水流は消える。このまま登山道まで上がることにして、徐々に狭まる沢を詰めていく。最後のカレ滝を登ると、僅かのヤブこぎで登山道に出た。登山道で昼食休憩としたが、どうも早めに天候が崩れそうだ。協議の結果、左俣の下降を中止して登山道を下ることにした。歩く距離は長くなるが、沢を下降中に雨に遭うよりはマシだ。登山道を下り始めると雷鳴が聞こえてきた。登山道から林道を経て1時間20分ほどで駐車地点に戻った。担いでいったロープは結局使わずじまいだったが、左俣を下降すれば必ず使ったであろう。温泉で汗を流しての帰宅途中、雨が本格的に降り出した。早めに切り上げたのは正解だった。

大鍋沢は短い沢だが、滝の数が多く飽きさせない。しかも、30m滝以外はいずれの滝も直登可能である。メンバーにもよるが、そのつもりであれば半日でも十分遡行可能な沢である。初心者同行であっても、ロープを出せばそれほど困難な沢ではない。今回は曇天で岩も濡れ暗い沢という印象だったが、晴れて岩が乾いているときならかなり違った印象となるだろう。この頃はメジャーな沢に遡行者が集中する傾向が見受けられるが、大鍋沢のような地元の地味な沢に入り記録を公開するのは、地元の沢屋の務めであるのかもしれない。そうでなければ、いずれ大鍋沢のような小さな沢は、遡行者がいなくなってしまうような気がしてならない。こうして記録を公開することにより、続く者が現れることを期待したい。なお、ロープは30m1本で十分だが、沢を下降する場合は50mがあればより安心できる。

                         GPSトラック (登り:赤 下り:青 )
f0170180_14853100.jpg


                         遡行図
f0170180_16062709.jpg



by torasan-819 | 2015-06-26 02:02 | 沢登り | Comments(4)
Commented by tabi-syashin at 2015-06-26 08:40
ブドウ沢登山道のトレース、お疲れさんでした。 文中、芋虫のような沢ヤ、、、これにピピピッと反応しました(笑) ふつう読者は、大滝沢などの明るい沢を登ってみたいと思って ページを捲るんじゃないでしょうか? 湯檜曽川本谷や、大行沢の「天国のナメ」を求めてやってくる都会の沢ヤさんと同じでしょう。

ヌルヌルとした岩角にわずかなフリクションで粘り、ジワリとクリアできる一歩を跨ぐ、体を持ち上げ「苦労させられたぜ」と ニヤリ?・・・「異常な快感」という電気的シビレを感じる人にしか理解されないでしょう(笑) じつに 沢ヤは"狭き門"です。沢登りがポピュラーになればなるほど、枝葉が分かれていくんだと思ってます。軽いノリで、装備という形から入門して、遡行全体が明るく楽しくて、どこまでも天空に登るようなライトな沢が流行して、、、

ヌルヌル、ジトーッとした、命を懸けるような悲壮感めいた、尖鋭性、登攀性の高い沢と言うのは一般受けしない、毛嫌いされるものと思っています(笑) というか 山岳会の中でしか価値そのものが認められないのだと思ってます。 だからこそ 沢ヤの生きる道が遺されてるんだろうと思います。
Commented by utinopetika2 at 2015-06-26 21:05
アスレチックジムのような沢登りのようですね。
相変わらず、果敢に攻めているように思えます。
先日、大朝日に一泊してまいりました。
稜線に咲くヒメサユリを愛でようという企画でした。
その山行の際、トラさんが高巻した沢の話題で盛り上がりました。
もし、キビシイ沢に疲れて、たまには癒し系の沢に登ろうなんて事がありましたら、お声掛けください。
ご一緒させていただきたく思います。
よろしくです。
Commented by torasan-819 at 2015-06-27 10:52
tabi-syashinさん
ワタクシ明るくて爽やかな沢も好きですよ(笑)
多くの方はライトな沢をイメージして「やってみたい」と思うのでしょうし、取っかかりはそれでいいのだと思います。その中からじわりじわりと加減を見ながら、こちらの領域に引っ張ってこれそうな人を見つけていくのも面白いのですが、なかなかいませんね。

「沢登りもする山好き」と「沢屋」との違いは、ヌルヌル、ジトーッを受け入れることが出来るかどうかにもあるような気がします。明るく爽やかな沢登りのイメージとは対極とも言えるほど、沢屋は汚くて臭いのが実態ですから(笑)
Commented by torasan-819 at 2015-06-27 11:17
utinopetika2さん
あまり攻めてはいないのです。このところ体重が高値安定(笑)でして。
昨年の朝日での大高巻きと6時間ヤブ漕ぎで盛り上がったのですか?恥ずかしいです(^^ゞ
そういえばutinopetika2さんとは沢登りご無沙汰ですね。今シーズン必ずやご一緒しましょう!


<< 搬出訓練のはずだったが…      安達太良山・杉田川を遡行する ... >>