2015年 07月 15日
山遭協夏山訓練 ~ 2015年7月12日
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7月12日は山遭協(山岳遭難防止対策協議会)白石支部の夏山訓練だった。訓練といっても、各登山口から南蔵王縦走路をエコーラインまで歩くことがメインである。訓練は警察や消防と合同なのだが、蔵王に登ったことすらない署員が多く、ヤマ勘というか土地勘もない。だから実際に自分の足で歩くのも、ひとつの重要な訓練になるのだ。山遭協は歩くだけではなく、各班が5つのコースに別れて登山道の点検をしながら、支障になっている枝や倒木等の処理も行う。自分は2班だが、昨年同様白石スキー場から登る不忘山コースが割り当てとなった。




                    ヘロヘロになって登った不忘山
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                    不忘山より南屏風岳へ続く縦走路
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                    本隊に合流
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しかし、早朝にどうしても外せない田んぼ仕事(笑)があり、皆から45分ほど遅れて単独スタートすることになった。始めのうちはいいペースで登っていたが、徐々に足取りが重くなりバテてきた。今日もかなり気温が高いうえに、昨日の沢登りと朝仕事の疲れがたまっている。不本意にも太ももが軽く攣ってしまった。記憶の限りでは人生で初めての攣りである。記念すべきといえるかどうか。ペースはダウンし続け、ヘロヘロになりながら不忘山の山頂に到着。それでもまだ本隊の姿は見えないので、休まず追いかける。ペースが遅いので追いつけるか心配になったが、南屏風岳の山頂で休憩中の本隊にやっと合流することができた。

                    手鋸で倒木処理
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                    芝草平にてチングルマの実
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                    太い倒木はチェーンソーの出番
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                    要救助者をスケッドストレッチャーで包む                    
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                    エコーラインの登山口へ抜けて終了
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南蔵王縦走路の状態は概ね良好。何箇所か枝を切ったりしたが、チェーンソーの出番は1回しかなかった。前山の下り斜面では要救助者の搬送訓練ということで、消防署がスケッドストレッチャーを持ち込んでいた。実際に人をスケッドストレッチャーで包み、登山道での搬送作業を体験してみた。人力での搬送は6~8人で行ってもかなり大変である。特に登山道が狭く足場の悪い箇所や斜面ではさらに困難になる。スケッドストレッチャーでの長い距離の搬送は他に方法がない場合は別として、通常はヘリコプターでピックアップできる場所までの搬送が現実的な使い方になるだろう。

山遭協には70代のメンバーが何人かいる。今回の訓練にも参加していて、同じペースで歩き疲れも見せないでいる。自分も将来かくありたいものだ。たとえ体力は衰えようと、山遭協の隊員の役目はその山域を知っていて土地勘があり、詳しい案内ができることにもある。そのためには登り歩いて、自分の足で山を知っていることが必要になる。

昨年も多いと思ったが、今年はさらに行き交う登山者が多いように感じた。梅雨の合間の晴天ということもあったのだろうが、こんなに人気のコースだったのかと思うほど多かった。若者も着実に増えている。登山者のほとんどは、山岳会などに入っていない未組織登山者とツアー登山者だろう。登山届は出しているのだろうか。今はメールでも出せるので、是非提出してもらいたいものだ。山を甘く見ることなく、山を楽しみ山により深く親しんでもらいたい。

ところで、天候などで山頂に立てなかった場合、よく「リベンジする」と言う人がいる。リベンジの本来の意味は「復讐」や「仕返し」なのだが、日本では「借りを返す」とか「雪辱」との意味で使う人が多いようだ。しかし、自分はどうにも違和感がある。ちょっと違うのではないだろうか。我々は山の機嫌の良いときに登らせてもらっているのであり、山に対して借りを返すなどと言えるはずはないのだ。せいぜい言えるのは、再挑戦とかリトライだろうと思う。自然に対しては謙虚に向かうべきであろう。

縦走ルート
白石スキー場8:56~不忘山11:08~南屏風岳~屏風岳~杉ヶ峰~前山~刈田峠~エコーライン15:10

by torasan-819 | 2015-07-15 18:51 | | Comments(8)
Commented by ranger3yuji at 2015-07-15 19:59
toraさん、訓練お疲れ様でした。
自分は前日(土曜日)に刈田峠から水引入道をピストンでした。
「訓練は警察や消防と合同なのだが、蔵王に登ったことすらない署員が多く、ヤマ勘というか土地勘もない。だから実際に自分の足で歩くのも、ひとつの重要な訓練になるのだ。」
自分も同感です。山を知らないから、遭難者からの少ない情報を間違えて聞いて、間違えて伝えることになります。せめて涼しい時期にでも歩いて地域を知ってほしいです。
Commented by torasan-819 at 2015-07-15 22:17
ranger3yujiさん
お久しぶりです。警察・消防さんは日常の仕事が忙しくて、山を歩くことまではなかなかということでしょう。そのためにというとおこがましいのですが、山遭協があるわけですよね。お役に立つ機会が無いのが一番ではありますが、備えはしておかなければいざというときに役に立ちませんので、微力ながら頑張らせて頂きます。もし個人的にでも歩きたい警察・消防さんがいるのであれば、是非お付き合いしたいとも思うのですが、オファーないかな?(笑)
Commented by maro7 at 2015-07-16 08:42 x
この時のニュースを見てましたが、探し当てられなかったね。
やはり地元のお山でも、仕事で歩くとなると日常業務から大変でしょう。
山遭協の支えは重要な任務ですね。
お疲れ様でした。
Commented by tabi-syashin at 2015-07-16 20:53
お疲れさま! リベンジってのは「復讐」の意味があるんだねぇ。復讐?仕返し??? 登山が競技だと言うなら、悔しさも生まれるんだろうけど、、、もともと競技じゃないんだし。登山を山岳スポーツという一面でとらえると リベンジという言葉も使っちゃいそな傾向なのかな?
山を「総体的にとらえる」僕なんかは 写真も風景も花も 登山の対象となっちゃうわけですが たとえば写真は、山頂手前から山頂を撮る、その時に満足を得られれば もう 登らずとも充分なんだよね。
スポーツ性の高い滝や岩登りなんかでは リベンジって言葉を使っちゃう(笑) そういう言葉の使い方かな・・・。まあ、もっとも リベンジという言葉を使ってこなかった自分としては 、今後もないと言えるけど。
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なんて書いてしまってから 自分のブログを読み返したら 御神楽岳岩稜登攀で敗退とリベンジを使ってました。すみません。。あの時は恥辱的敗退でしたから・・・(笑)
Commented by torasan-819 at 2015-07-16 21:32
maro7さん
遅れて単独スタートしたので、ニュース映像には写ってません。撮影が終わって下ってきたカメラマンとすれ違いました(笑)
山遭協はお役に立つときが無い(遭難事故が無い)のが一番ですが、人が動けば必ず何かは起きる訳ですからね。
あ、その辺りはmaro7さんの方がご専門でした(^^ゞ
Commented by torasan-819 at 2015-07-16 21:51
tabi-syashinさん
皆さん比較的軽い感じでリベンジと言っているので、あまりカドを立てる必要もないのですが、英語圏の方にとっては日本人はなぜこれほどまでに山に復讐しようとする人が多いのか?となりませんかね。あ、リベンジを使うのは山に限ったことではありませんが。
和製英語だからかまわないとの意見もあると思いますが、英語で伝えようとするときに、そのまま翻訳すればリベンジはやはりrevengeになってしまうのではないかと思います。その辺りを汲んで、言葉を置き換えて翻訳すればいいのでしょうが。
なわけで、やっぱりRetryとかじゃないのかなと一人思う訳です(笑)

でも自分自身に腹が立ち、自分自身への腹いせとか仕返しとかという意味でのリベンジという使い方はあるのかも知れません。おそらく極めて日本人的用法かと思いますが。
Commented by snowlight48 at 2015-07-16 22:19
はじめまして。
いつも楽しみに拝見させていただいています。
「リベンジ」、全く同感で驚きました。
たぶん皆さんそんなつもりもなく使っている言葉なんでしょうけど、
山や自然に対して「リベンジ」という言葉を使うことに私も違和感を感じます。
あと、「制覇」という言葉も同様ですね。
山に親しめば親しむほど、そういう言葉は自然と出てこなくなるような気がします。
(昔は私もどうだったか、ちょっと記憶が・・・。)
Commented by torasan-819 at 2015-07-18 02:06
snowlight48さん
初めまして。リベンジには今でこそ違和感ありありなんですが、以前は自分も時々使っていました(^^ゞ
制覇とか征服についても同じですね。考えてみると自分の場合、山をよく知らないうちは使っていたようです。山を知れば知るほど、使わなくというか使えなくなってきたのですね。
あ、貴殿のブログをお気に入りにさせて頂きます。


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