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2015年 09月 16日
飯豊連峰1day周回 ~ 2015年9月5日
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飯豊連峰の全山縦走を1日でやりたいと思っていた。一昨年からの目標である。しかし、天気などに阻まれ機会を捉えることが出来ないままとなっていた。全山縦走の場合ネックがある。縦走後にどうやって戻るかだ。協力者に頼むのが一番良いのだが、急きょ9/5のトライを決めたので見つけることが出来ない。やむなく全山縦走は諦め、周回ルートの自己完結型とすることにした。コースはダイグラ尾根から飯豊本山~大日岳~丸森尾根とした。自分にとってダイグラ尾根は今回が2度目。初めて登ったのは6年前になる。


  山域山名   飯豊連峰 飯豊山(2,105.1m) 御西岳(2,012.5m) 大日岳(2,128m) 烏帽子岳(2,017.8m) 梅花皮岳(2,000m)
          北股岳(2,024.9m) 門内岳(1,887m) 扇ノ地紙(1,880m) 地神山(1,849.5m)
  山行期間   2015年9月5日(土)
  山行形態   一般登山
  天候      曇り時々晴れ
  参加者    単独
  行程      飯豊山荘上駐車場4:17~桧山沢吊橋4:55-5:01~休場ノ峰6:33~宝珠山8:19~飯豊山9:39-9:44~御西小屋10:24~
          大日岳11:19-11:30~御西小屋12:17~御手洗ノ池13:14~烏帽子岳14:14~梅花皮岳14:29~梅花皮小屋14:44~
          北股岳15:06~門内小屋15:42~地神山16:23~地神北峰16:32-16:39~飯豊山荘上駐車場19:01
  行動時間   14時間44分
  移動距離   33.6km (GPS計測)
  累積標高差 ±3,538m (GPS計測)






                         スタート
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                         桧山沢吊橋
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                         休場ノ峰よりの宝珠山
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                         対岸の枝沢には雪渓が残る
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                         千本峰を振り返る
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目覚ましが鳴ったとほぼ同時に目が覚める。睡眠時間は短いが体調に問題なし。自宅から飯豊山荘まで130kmほど車を走らせる。飯豊山荘上駐車場に午前4時過ぎ到着。4:17にヘッデンを点けて歩き始める。今日は長丁場、しかもアップダウンの多いダイグラ尾根なので急がずあわてずだ。温身平十文字を過ぎ玉川沿いに歩き、途中から右手の登山道に入る。自分は暗いこともあり、うっかり行き過ぎてしまった。左岸をへつるように進み河原に下りてヘッデンを消す。桧山沢吊橋の手前で休憩中の単独男性と少し立ち話。桧山沢吊橋を渡るとダイグラ尾根に取り付く。早朝で涼しいとはいえ、急登にたちまち汗が出てくる。休場ノ峰まで登ると前方が見渡せるようになる。切歯尾根とも言われるアップダウンを繰り返す尾根が姿を現す。先はまだまだ長いことを実感する。何となく見覚えのある場所も出てきて、6年前に歩いたときの場面がよみがえる。千本峰の先は岩場の急斜面で慎重に下る。沢を挟んで右に見える尾根はクライグラ尾根だ。沢には雪渓が目立つ。

                         ナナカマドの実
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                         マルバコゴメグサ
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                         道のわかりにくい箇所もある
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                         本山が見えてきた
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                         宝珠山を振り返る
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                         ダイグラ尾根
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                         飯豊本山
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宝珠山の肩から宝珠山のピークをトラバース道で過ぎる。道は片斜面についていて、露岩の歩きが増えてくる。数人が下山してきたので聞くと、昨日は本山小屋泊まりとのこと。やがてガスで見え隠れする本山が近づいてきた。さすがに疲れを感じてくるが、足を止めて休むことはしない。ペースを少し落として歩き続ける。9:39に山頂着。出発が少し遅れたこともあるが、計画では9:00着としていたので挽回せねば。自分以外には登山者3名。うちひとりはここで100名山達成なのだという。記念写真を撮って差し上げる。こちらは先が長いので先に歩を進める。

                         御西小屋へと向かう
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                         御西小屋
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                         大日岳へ登る
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                         大日岳の山頂
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空には雲が多く稜線にはガスが流れるが、歩くには暑くなくてちょうど良い。本山からなだらかな尾根を歩いて御西小屋へ向かう。縦走路なので登山者も見かけるようになる。御西小屋到着は  。大日岳に登るかはここの時刻で判断することにしていた。30分以上遅れていればカットする計画としていたが、分なので大丈夫と判断し大日岳に登ることにする。何度も登っている飯豊だが、連峰最高峰の大日岳は未踏だったのでこの機会にという思いがある。足を止めずに御西小屋で縦走路から外れて大日岳へと向かう。何人もとすれ違うが、山頂を踏んで下山してきた人ばかり。いったん下って200m近くの登りが辛い。小屋から1時間ほどでようやく山頂。大学生らしき集団が休憩中の脇でこちらも一息入れる。これまでは稜線から大日岳を眺めてばかりだったので、逆から眺める稜線の風景が新鮮に感じる。主稜線にはガスが湧きまとわりついているが大日岳は晴れている。ゆっくりしたい気持ちを抑え、10分ほどの滞在で山頂から下ることにする。

                         主稜線より眺める大日岳
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                         烏帽子岳方向
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                         アキノキリンソウ
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                         梅花皮小屋へと下る
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大日岳を時折振り返りつつ御西小屋に戻る。時刻は12:17。水の補給が頭をよぎるが、梅花皮小屋まで大丈夫だろうと、歩を止めずに縦走路に戻り北進する。休憩を取っていないこともあり、予定より17分遅れまで挽回している。出発が17分遅れたことを差し引けば、ここまでの所要時間は計画と同じ8時間である。今日の行程からすれば、まだ距離的には半分を少し過ぎた辺りだが、登りは既に3/4を消化しているので気持ちは楽になる。しばらくは穏やかな稜線歩きを楽しんでいたが、徐々に足どりが重くなってきた。御手洗ノ池を過ぎた辺りで疲労感が強くなり、初めて腰を下ろしての休憩を取る。行動食を口に入れ残り少ない水を飲む。再び歩きだすがペースがまったく上がらない。烏帽子岳への登りはかなりのスローペースになる。烏帽子岳から梅花皮岳にかけての稜線ではガスがかかり、5月に滑った滝沢もホン石転び沢も見えなかった。梅花皮岳を下り梅花皮小屋に到着。水場でカラになったボトルに補給する。すぐに北股岳の登りにかかる。残りの体力と相談しながら頑張る。山頂で先客と言葉を交わすと次の門内小屋へと向かう。

                         扇ノ地紙
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                         地神北峰
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                         丸森尾根を下る
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                         登山口に到着
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平坦な尾根なのでそこそこのスピードで歩けるが、今度は左膝に少し痛みが出てきた。記憶の限りでは、膝の痛みは過去に1度だけ。何もこんな時にと思う。門内小屋を通過し、胎内山、梶川尾根の分岐になる扇ノ地紙、地神山まで坦々と歩く。会の山行管理者に下山が遅れることを伝える。少し下ると丸森尾根分岐の地神北峰に到着。予定より30分以上遅れているうえ、ガスがかかり少し暗くなってきた。しかし、ここからは丸森尾根を下るだけなので、ちょっと気持ちが楽になる。下山途中でのヘッデン点灯を覚悟し、最後の休憩を取る。丸森尾根の下りは忍の一字。初めは涸れ沢のようなゴーロを歩き、その後は大きい段差がやたら出てくる。暗くなり足元がおぼつかなくなり16:10にヘッデンを点ける。ガクッとペースが落ちるが、慎重に歩くことにする。岩場混じりの急斜面を下り、やっと登山口に降り立つ。飯豊山荘上駐車場着は19:01。予定より1時間オーバーだが、無事歩き通せたことが素直に嬉しい。楽ではなかっただけに充実感はひとしおである。

さて、今回は特にトレーニングもせずにトライした。また、行動食はいつものクッキーとドライフルーツで、水もいつもどおりの真水である。素のままの自分の今現在の体力を試してみたかったのだ。また今度同じコースで歩くとしたら、サプリメントなどの摂取も考えた方がよいだろう。体力の低下をカバーする工夫が必要になるということだ。膝の痛みは歩き方もあるだろうが、やはり体重の問題が大きいと思える。身長174センチで体重80キロは、あきらかにウエイトオーバーだ。こんな体重で沢登りしたりロングトレイルをする人を、自分は自分以外に知らない。とにかく自分の軽量化が必要なのだ。

                          GPSトラック
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by torasan-819 | 2015-09-16 02:52 | | Comments(12)
Commented by utinopetika2 at 2015-09-16 08:02
大変お疲れ様でした。
一筆書き踏破のグレートトラバースを拝見しているようです。
キツイダイグラ尾根を登ると聞いただけでも、眩暈がしそうです。
私にはとても真似できない偉業のようにも思えますが、でもいつか、また飯豊の尾根をゆっくり歩きたいと深く思います。
Commented by torasan-819 at 2015-09-16 20:04
utinopetika2さん
今回あらためて6年前のダイグラ尾根からの縦走記録を読み返しました。
そしてその時の自分も現在も自分も、まったく変わっていないことに我ながら大変感慨深いものがありました。
やはり私が求めるのはロングトレイルなんですね。
1日でも2日でも、ひたすら歩み続けることそれ自体に、自分の人生さえ重ね合わせてしまいます。
飯豊の尾根を坦々とひとり歩くのは特別な時間です。
もちろん2人でも3人でもそれぞれの時間があるわけで、共有することにより深まることもあります。
いつかといわず、今年歩いてみませんか?マイグレートトラバースを…
Commented by tabi-syashin at 2015-09-16 20:08
すごいですね! 50代の鏡! 僕も朳差のみいこうかな? 
僕は今夏に向けて体重を5kg落としました。174cmで69kgです。
昨年と比べて無駄なぜい肉を落とし 軽量化の効果が出ております(笑)
Commented by torasan-819 at 2015-09-16 21:23
tabi-syashinさん
5キロ減量とは素晴らしいですね。
私の場合はたぶん毎日の晩酌を止めれば5キロ減量は簡単かと思いますが、これが極めて困難なのですね(^◇^;)
でも軽量化しなければこれからの山人生にかかわりますから、何とか頑張ってみようと思う訳です。
ライ●ップではありませんが、2ヶ月後を見てくださいです(笑)
Commented by fck_mototyan at 2015-09-17 10:46
記事を読んで飯豊に登りたくなりましたね。装備は普通の日帰りザックに足元は普通のズックですか?
Commented by torasan-819 at 2015-09-17 19:31
fck_mototyanさん
記事を読んで登りたくなったというのであればブロガー冥利に尽きます。
mototyanさんなら私以上のパフォーマンスで飯豊を駆け抜けられるでしょう。
この日はトレランの方と大日岳で会いましたが、小さなザックにトレランシューズでした。
普通のズックで大丈夫ですが、石がゴロゴロしている個所もあり、私はぶつけて右足小指の爪を痛めてしまいました。
また、今回のようなロングルートではビバークも考えられ、ツェルトなども持ったので小さなザックというわけにはいきません。
まずは飯豊山荘から梶川尾根~稜線~丸森尾根~飯豊山荘(またはその逆コース)の周回コースでの日帰り山行をやってみてはいかがでしょうか?
ただし、10月中旬になるといつ冬山になってもおかしくないので、天気には十分注意が必要です。
Commented by maro7 at 2015-09-18 07:22 x
若い頃、御西小屋からダイグラ下り(ヘベレケ二日酔い)ましたがそれでも大変だった。
相変わらずトラさんの耐力は凄いなぁ~。
今度は神室全山縦走ですかな。
Commented by sharizaka at 2015-09-18 19:29
ダイグラ尾根から本山、大日岳、梅花皮小屋を通って丸森尾根を1日で降りるとは恐れ入りました。
今年はお預けですが、来年はダイグラ尾根登りたいですね。
Commented by torasan-819 at 2015-09-18 21:14
maro7さん
飯豊の中でもダイグラ尾根は特別ですね。とにかく登っても下ってもキツイです。
神室全山縦走もやってみたいのですが、さすがに来年かなと思います。
Commented by torasan-819 at 2015-09-18 21:17
sharizakaさん
アルプスにはなかなか行けないので(^^ゞ
ぜひ来年ダイグラ尾根で遇いましょう!
Commented by morino1200tb at 2015-09-26 17:53
なんと1日とはねー(驚)
久しぶりに本山からダイグラ尾根を見てきましたが、やはり歩きたいとは思いません(^^;)
お疲れ様でした。

Commented by torasan-819 at 2015-09-26 23:07
morino1200tbさん
歩いてみようという意欲をかき立てられるんですダイグラ尾根は。
アップダウンを繰り返し、山あり谷ありと、まるで人生のようです(笑)
いずれ自分もワンデイでは無理になるので、その時は小屋泊まりで歩きたいと思ってます。


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