2016年 07月 12日
二口山塊 大行沢・カケス沢 ~ 2016年7月10日
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宮城県の二口山塊にある大行沢は「天国のナメ」で知られたメジャーな沢だ。気持ちの良いブナ林が両岸にあり、ナメをひたひたと歩いていると確かに美しいと思うが、天国と言うほどのものかどうかは人それぞれの感じ方だろう。癒やしのデート沢とも言われる大行沢だが、自分は過去2回の遡行は男とばかりである。今回も男3人で遡行することになったのは、自分の男運がありすぎるからなのかもしれない。ところで、自分以外の2人はなんと大行沢が初めてである。2人ともこれまで機会が無かったということだが、1回は遡行しておいた方が良いだろうという、なにやら宿題をやっつける感じの今回となった。さて、癒やしのイメージの大行沢だが、二口沢との出合から遡行すると印象はかなり違うものとなる。ゴルジュに巨岩に滝と、なかなか遡行しがいがあり楽しめる沢登りとなるのだ。今回はさらにカケス沢右俣のオプションも付け、大サービスの計画とした。


  山域山名   二口山塊 名取川支流大行沢・カケス沢
  山行期間   2016年7月10日(日)
  山行形態   沢登り
  天候      曇り時々晴れ
  参加者    3人(L:トラ山・◯樹・八◯)
  行程      二口渓谷駐車場8:05~入渓8:06~ゴルジュ8:10~4m滝8:45~ 6m滝9:38~2段10m滝11:09~
          カケス沢出合12:10-12:34~北石橋14:04~カケス沢出合14:32~樋ノ沢避難小屋14:56-15:10~駐車場16:24
  行動時間   8時間19分
  移動距離   12.0km (GPS計測)
  標高      始終点360m 最高点835m
  装備      日帰り沢装備(ロープ30m)





                 1分で入渓
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                 ゴルジュのへつり
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                 岩はツルツルで滑る
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                 4m滝
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二口駐車場から1分で入渓。広いナメを少し歩くとゴルジュになる。昨日の降雨で水量が多めのゴルジュは流れも速い。岩は水流でツルツルに磨かれ、しかもぬめっているのでかなり滑りやすい。それを見て登山道に上がろうという声も出たが、聞こえないふりをしてゴルジュに突入する。バランスと沢靴のフリクション頼みの微妙なへつりが続く。平水なら泳いでしまえば簡単だが、今日は水量が多く容易ではない。時には胸まで水に入ったりもしたが、誰もドボンはせずに通過した。今回は楽しめる程度の水量だったが、状況ではカットしたほうが良いだろう。ゴルジュの先には釜のある4m滝。前回は左岸を巻いたのだが今日は直登にトライする。取り付きでちょっと苦労したが、水流右の直登は容易である。

                 6m滝(駒止の滝)
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                 左壁からシャワーで登る
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                 巨岩帯
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                 2段10m滝1段目
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                 2段10m滝2段目
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                 ナメが続く
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その後しばらくゴーロ歩きが続くと、右岸に大きな岩屋のある6m滝が現れる。容易に登れるはずの左壁だが、今日は水流に覆われている。巻きたいとの声もあったが無視し、シャワークライミングで登る。遡行を続けると沢にある岩が大きくなり巨岩になる。苔ばかりか高木まで生えている岩を上下左右に、まるで天然のアスレチックコースのようである。こんな所は関節の硬い自分は不得手だ。それでも手足を目いっぱいに使って動くのは理屈抜きに楽しい。巨岩帯が終わると2段10m滝に突き当たる。1段目は水流左からバンドを容易に斜上。2段目は水流左を登れるが今日は水量が多く断念。他の2人と同じくスリップ要注意の右壁を登ったが、メンバーにより積極的にロープを出したいところだ。沢は穏やかな流れになり、焚き火跡なども見つかるようになるとナメ床になる。「天国のナメ」の始まりだ。ナメをヒタヒタと歩いていくと癒される様な気がする。まさにデート沢なのだが、今日は男3人とは何とも色気がない。ナメを30分ほど歩くと左からカケス沢が合わせる。近くでは3人パーティーが休憩中。我々も右岸の登山道で昼食とした。

                 カケス沢出合
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                 3m滝
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                 2段10m滝
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                 ちょっと難しい2m滝
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                 右岸のスラブ
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                 3mCS滝
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カケス沢は思いつきで選んだのだが、他の記録はろくに見てこなかった。中間部に北石橋があるので、見に行くのにカケス沢を遡行しようという程度の考えである。カケス沢に入るとすぐ二俣になり北石橋のある右俣を進む。カケス沢はナメの小沢という印象で、始めのうちは小滝が出てくる程度。10分ほど歩くとゴルジュになり、右に曲がると3m滝となる。2人は右壁を登ったが、自分には無理と思い左岸から小さく巻いた。次の2段10m滝は右壁のバンド状にラインが見えるが、濡れている岩を嫌って左岸から巻くことにした。その後も右に左にと曲がりながら小滝が続く。右に曲がる2m程度の小滝は、右壁を微妙なへつりでクリアする。右岸に大きなスラブが見えると3mのCS(チョックストーン)滝。2人は開脚でクリアしたが足の短い自分は厳しいので、背中と足で突っ張ってにじりあがる。

                 4m滝
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                 北石橋
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                 見事な自然の造形
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                 7m滝
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                 樋ノ沢避難小屋
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次の4m滝は○樹さんが右壁から試みたが、結局右岸を高巻いて最後は5mほどの懸垂で沢に戻った(後で他の記録を見ると右壁の直登が多かった)。小滝がいくつかあり、右に曲がると北石橋が目に入った。北石橋は天然のアーチ橋で、長い年月をかけて水流が岩に穴を穿って出来たものだ。自然の造形の素晴らしさには感嘆するしかない。二口山塊では他にも、鳴虫沢の南石橋ムジナ森沢のムジナ森石橋が知られている。石橋の下をくぐりカケス沢を登って石橋の上に出ると、左岸の分かりにくい踏み跡が登山道だ。いったん下りてから急斜面を登るが、踏み跡は草に隠れて分かりにくい。途中では崩壊箇所もあり、一般登山者にはあまりお勧めできない現況である。石橋から大行沢へは20分ほどで戻った。もう下山しようという声が聞こえたような気もしたが、気にせずさらに上流へと遡行を続けナメを堪能する。滝で出合う二俣の右俣7m滝を登ると、右上に樋ノ沢避難小屋が見えてきて遡行終了。樋ノ沢避難小屋で沢支度を解き、登山道を早足で下山した。

※今回は思いつきで大行沢とカケス沢を組み合わせた。しかし、帰宅後に検索してみるとこの組み合わせが多いことにちょっと驚いた。ガイド本(自分も持っているが見ていなかった)にも載っているようで、沢泊か避難小屋泊の2日間で遡行しているパーティーがほとんどで、ゆっくりと癒しの沢を楽しんでいる。大行沢は登山道が並走しており、上下降のポイントが多く、ナメ区間だけの遡行も可能で色々なパターンが考えられる。しかし、いいとこ取りだけでなく、1度は下から通して遡行してみるといいだろう。カケス沢は左俣も遡行対象になるので、周回ルートなどもできそうだ。

                 GPSトラック
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by torasan-819 | 2016-07-12 06:36 | 沢登り | Comments(8)
Commented by tabilogue2 at 2016-07-15 11:27
おお、正統派で行きましたね(´艸`) 最近、「天国のナメ」ばかりを追い求めがち。
一気に駒止の滝から入渓なさるんで 大行沢本来の醍醐味であるヘツリを満喫せずに皆さんお帰りになる(笑)
暑い夏はドボンもありですな。

その後の4m滝? 
以前は右から水面下の岩棚を使って簡単に上がれたのですが 
崩れて渓相が変わり、難しくなりました。

二段の滝
同様に左から上がるのが常套ですが 反対側の右からバンドに上がることも頭に入れておかないと・・・です
増水したら・・・左からはアプローチできませんので。。。
Commented by torasan-819 at 2016-07-16 06:42
tabilogue2さん
ナメだけではあまり遡行する気になりません。
やはりゴルジュや滝を越えて行ってこそのナメかなと思います。
ところで、過去記事を確認していたら2年前の5月、北石橋渡渉点でtabilogue2とそうと知らずにお目にかかっていたことに気がつきました。
今さらですがご挨拶もしませんで失礼しました。
Commented by tabilogue2 at 2016-07-16 19:50
いやいや 何ともはや あの時はどうもでした。
既にお知り合いのようですよ 二人は・・・(´艸`)
よく ゆうゆう館やICI石井に行ってて 隣り同士でも
気づかないもんですよ(笑)
今後とも 宜しくお願いします。
Commented by torasan-819 at 2016-07-16 20:34
tabilogue2さん
まずもって上の私のコメントで、 tabilogue2さんに敬称の「さん」が無かったことに今になって気がつきました。
謹んでお詫びいたします。

私は山で会って気がつかずに、後であの方だったということが何度かあります(^0^;)
要するに天然で自己中なのかなと思っています。
こんな私ですがよろしくお願いいたします。
Commented by NYAA at 2016-07-18 12:27 x
まあ、大滝沢と比較しちゃうと、「天国のナメ」というほどじゃないとは思いますが、そこそこ楽しめますね。

昨年は、ハダカゾウキ沢を遡行しましたが、ゴルジュで怖かったです。単独行で、情報のないゴルジュを遡行するのは、怖いですね。まあ、ハダカゾウキ沢もそこそこ楽しかったですが。

カケス沢は、右俣、左俣を軽く偵察しただけですが、北石橋は私も行ってみたいと思っています。

Commented by torasan-819 at 2016-07-19 01:47
NYAAさん
ナメ自体は大滝沢など、他にも素晴らしいナメの沢がありますね。
大行沢のナメは、低い両岸のブナ林の演出もあるのかなと思っています。
北石橋は登山道でも行けますし、是非見に行ってください。
一目見る価値はありますので。
Commented by mt.racco at 2016-07-19 10:27 x
私も一度は行ってみたい沢の候補なんですが、日帰りで行かれたのですね~
Commented by torasan-819 at 2016-07-19 18:38
mt.raccoさん
この日に会った3人パーティーは東京からのとのことでした。
関東から2日間かけてくる方も多いのですが、我々は地元の強みで余裕の日帰りです。
でも大行沢とカケス沢を遡行するなら、沢泊でゆったりがいいですね。
南石橋のある鳴虫沢もいかがでしょうか。


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