2016年 12月 04日
読書「富山県警レスキュー最前線」
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山岳レスキューに関しては日本一といわれる富山県警察山岳警備隊だが、その隊員の手記をまとめた本が「富山県警レスキュー最前線」だ。遭難事故について、救助する側の視点で書かれているのだが、彼らがどんな思いで捜索に当たっているのかが読むほどに伝わってきた。昭和40年に発足した富山県警山岳警備隊だが、これまで約5千人を救助してきたという。彼らに助けられた者は多いのだが、その一方、救助や訓練活動中の事故で3人の隊員が殉職しており、そのことについても触れられてる。山岳警備隊員は体力も技術も一級のレベルが求められるので、隊員を志す人は登山をある程度やっていた人達なのだろうと漠然と思っていた。しかし、本書を読むとまったくやっていなかった人もいることが分かりちょっと驚いた。体力には少々自信があった若者も、初めての訓練で打ちのめされ自分の不甲斐なさを思い知ることとなる。しかし、決意と覚悟と厳しい訓練によって、一人前の警備隊員になっていく。読んでいて胸が熱くなった。



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自分は山岳遭難防止対策協議会の末席に加わっており、要請があった場合などに救助活動に参加している。守備範囲の蔵王周辺は、それほど遭難の多い山域ではないのだが、それでも年平均にすれば数件程度の遭難事故が発生する。今年10月にはキノコ採りの方が遭難したとのことで、要請があり出動した。現地はロープで下降するような急斜面で、捜索2日目に発見することができたが残念な結果となってしまった。一緒に現場に入っていた宮城県警機動隊や消防レスキュー隊の隊員は20代で若い。息子のような年齢だが、現場での彼らは頼もしくプロ意識にあふれている。遭難者を発見したのは我々ロートルの民間救助隊だったが、その後の処理はもちろん彼らが主体となる。ヘリでピックアップするまで手伝い、遭難者を見送った。山で事故は起こしたくない、起こせないなとつくづく思う。しかし、山に限らず人間が活動している限り事故は必ず起きる。大切なのは、その発生を出来うる限り減らす工夫をすることだろう。



by torasan-819 | 2016-12-04 23:23 | | Comments(2)
Commented by tabilogue2 at 2016-12-07 10:12
そうんなんですよね 
長野も富山も通常の辞令交付で任務につくんですよね  
ずうっと以前にテレビで放送されて それで知りました

Commented by torasan-819 at 2016-12-08 22:59
tabilogue2さん
この本を読んでみると、登山をやってない人が山岳警備隊を何かの機会に知ってあこがれ、富山県警に入ってから志願して警備隊員になる場合も結構あるようです。
ワタクシも35歳若ければ…なんちゃって(^_^;)


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