2020年 05月 08日
タラノメを採っているとトゲの違いがあることに気づく。トゲがやたらに多いものがあったりほとんど無いものがあったりするのだ。同じ場所でどちらも見つかることから生育環境によるものではないことは分かる。それが個体差なのか品種のような固定された特徴を持つ系譜なのかは不明だ。トゲが少ないか無いほうが採りやすいのは言うまでもない。トゲの無いタラノ木は防御力が劣るので、人間の採取圧力により徐々に淘汰されてしまう気もする。しかし、タラノメを採っていてもそんな傾向は感じられない。所詮人間は広大な山野のごく一部を歩いてタラノメを採っているに過ぎない。ほとんど影響が無いのであろう。トゲのあるタラノメはこれで食べられるのだろうかと思うような姿をしているが、このトゲはまだ固くないのでまったく問題ない。トゲのある無しで味わいが異なるという人もいるようだが、自分にはどちらも同じように思える。トゲのある無しにかかわらずタラノメを存分に味わいたいものである。 ※追記 トゲのあるタラノメをオスと呼び、トゲの無いタラノメをメスと呼んでいる人(地域?)もいるようだ。あくまでも呼び方としてならそれも区別の付け方としてはありなんだろう。
タラノメのトゲのあるなし比較 野生のタラノメはごつごつとしてたくましく野趣溢れる姿をしている。採ろうと狙っている人間の思惑などどこ吹く風ですっくと立っている。伐採などで日当たりが良くて他の植物がまだ少ない土地が現れると、真っ先に生えてくるのがタラノ木だ。しばらくは我が世の春を謳歌するが、他の樹木がタラノ木より高くなり陽を遮るようになると急速に衰えやがて枯れて無くなってしまう。それでなくともタラノ木は短命のようだが、陽を求めて高く伸びることができたものは寿命を延ばす。調べるとタラノ木の樹高は最大で5m程度までのようだが、自分がこれまでに見たタラノ木もそのくらいである。 高くなったものは幹が太くなり先端には大きなタラノメが出る。当然高くなるに従い採るのは困難になってしまう。タラノメ採りの人の中には高枝バサミを使うのはまだ良いほうで、無理をしてあるいはあえて折ってしまったり挙げ句はノコギリで切ってしまう輩もいる。自分は引き寄せ棒は使うことがあるがその他に道具は使わない。高い位置にあるタラノメを採る場合、ゆっくりと折れないように少しずつ幹を曲げていきタラノメを引き寄せる。タラノ木はとても折れやすいので細心の注意が必要だが結構幹の高さ=長さを利用するとかなり曲がるものである。自分はこの方法で樹高4m以上のタラノメでも採っている。ただし、ある程度の腕力は必要であり幹はあまり太くなっていないものに限られる。太いものはそもそも曲げることが出来ない。 タラノメは急斜面にも生えているが、その高低差を利用すると比較的容易に樹高のあるタラノメを採ることができる。足元が不安定なので注意が必要なのであまり無理をすることは無い。怪我をしては元も子もない。歩いていけばいずれ採りやすいタラノメが見つかるだろう。高いタラノ木には種子を飛ばしてもらう役割がある。山菜は足で採るものというのが自分の持論である。 中央のタラノ木は樹高約3.5m 幹をゆっくりとしならせ引き寄せて採る
by torasan-819
| 2020-05-08 21:25
| 山菜・木の実
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Comments(2)
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米沢の高橋です
at 2020-05-10 22:02
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お晩でございます。
登山自粛と健康維持と収穫と、バランス良い生活様式のようでさすがですね。 タラノメは、書いてらっしゃるように、トゲのあるオスと、ないメスの樹があるものと思っていました。栽培物は、当然作り手にも買う側にも好ましいメスの樹だけが選ばれている、とも。 今回記事を拝見して少し調べてみましたが、ハッキリとイチョウのように雌雄異株だと書かれた情報は見つけられず、通称だけなのかもしれませんね。トゲの有無の理由も見つけられず、です。 40歳代前半の頃に、タラバガニはカニではないことを知って、オレは40年間何を信じてきたんだー、と軽い衝撃を受けたことがありますが、今さらながらのタラノメに謎が生じました。
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torasan-819 at 2020-05-11 00:41
米沢の高橋さん
これがワタクシなりのステイホーム(グラウンド)でございます。 さすがに本当のホームグラウンドの蔵王に登るのはちょっとというわけで苦肉の策ですけどね(笑) タラノ木のトゲですが栽培種では品種としてのトゲ無しタラノ木がありますね。 自然種のトゲ無しが山域問わずに見られることから、何らかの要因により発現したりしなかったりする遺伝的特質なのではないかと思っています。 そうなんですタラバガニはカニではないんですね。足8本のヤドカリの仲間とか。 ワタクシの大好きな花咲ガニも8本ですが美味しければカニでもヤドカリでも構いません(笑) それにしても月山や鳥海山は今どんな残雪の状況なんでしょうね。飯豊も朝日も気になります。 早く堂々と行くことができる日を一日千秋の思いで待っているところです。 |
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