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2009年 03月 29日
石見堂岳と赤見堂岳 ~ 2009年3月21日
石見堂岳と赤見堂岳 ~ 2009年3月21日_f0170180_10102393.jpg


山行記録(ミクシィ日記の焼き直し版だが)

3月21日(土)は最高の天気となったが太平洋側は風が強い予報。
なので風の穏やかな山形側に逃げ、赤見堂岳と石見堂岳という山に登ってきた。

この山は近年まで地元の岳人の知る人ぞ知ると言う山だったらしい。
登山道があるわけではなく積雪期限定のルートだ。
この頃はネットでの山行記録も増えてきて、月刊誌の「岳人」に紹介されたこともあって徐々に登る人が増えてきたようだ。
そういうオイラもネットであちこち山行記録を探しているうちに見つけたのだ。

山形県西川町大井沢地区の桧原集落から登る。
大井沢は朝日連峰の登山口で雪の多い山形でも豪雪地帯だ。
今日のコースは桧原~赤見堂岳~石見堂岳~桧原という右回りのコース。
今は冬季休業中のそば屋の裏、標高425mから午前8時16分に登り始める。
この標高では宮城県なら雪など残っていないが、さすがにこのあたりは道路以外は雪で覆われている。

先行する4人パーティーのトレースを追いかけると、初っぱなからよじ登るような斜面だ。
スノーシューでは困難かとも思ったが、雪がザクザクでスノーシューを蹴り込めるのでクリヤーできる。
あっさりと4人パーティーに追いつき挨拶をして追い越す。
この4人パーティーは仙台からで3人がカンジキで1人がショートスキーだった。
テレマークスキーの単独行者が1人いることを教えてもらう。

細かい尾根を伝っていくのだが今年は雪が少ないのだろう、あちこちで尾根の両側の雪にクラックが入り口を開けている。
いやはやスリリング、今にも雪崩落ちそうだ。
ビビリつつ尾根を外さないように慎重に登る。
木に掴まったり手を雪に突き刺したりして体を引き上げなければならない箇所もある。
そんな尾根を登る途中でもずっと右手に月山、左手に朝日の山々を眺められる。
贅沢な眺めだ~

標高1000mを超えるとやがてブナの疎林となり、さらに森林限界を超えると一気に景観が広がる。
えっと思うようななだらかな雪原が広がっている。
追いついたテレマークの単独行者に挨拶をしたら仙台からだという。
その後この人とは赤見堂岳で分かれるまで追いついたり離れたりだった。
このあたりは馬場平というらしいが、なるほどと思わせるなだらかな平原が東西方向に広がっている。
左前方には朝日の山々が、右手には月山と湯殿山が。
「最高~」と思わず叫んでしまう。

1327mのピークへの緩い登り斜面は表面が凍ったクラスト状態。
しかしスノーシューのクランポン(歯)が効かない程ではないので快調に上れる。
このピークから右手方向に転進してしばらく行くと赤見堂岳だ。
この間もアップダウンはあるもののなだらかな雪原が続く。
こんなにも広がりのある尾根だとは、細尾根を上っている途中では想像すら出来なかった。

赤見堂岳(1445.5m)には12時頃到着。
画像を撮ったりで立ち止まることが多かったが、3時間45分ほどで登ることが出来た。
赤見堂岳からは素晴らしい景観が広がる。
小朝日岳・大朝日岳・以東岳・障子ヶ岳の朝日連峰の山々が一望だ。
南に目を向ければ鳥海山が思いの外近く見え、湯殿山・月山はそれこそ目の前でその右手に葉山が見える。
東に目を向ければ船形山から蔵王の奥羽山脈の山々から吾妻連峰が見える。
あまりの景観にに30分もゆっくりしていると指が痛くなってきたことに気づく。
登り用に薄い手袋にしていたのをすっかり忘れていた。
さて下るとするか。

テレマーカーはここから登ったルートを下るという。
ここからの石見堂岳~桧原はオイラ単独となり、今度は左手に月山を独り占めしながらの下りとなる。
眼下に広がるスキーで滑りたくなるような広い雪原を下る。
いったん鞍部に下りまた登り返したりを何度か繰り返す。
今日はこっち側からは誰も登ってきていないようでトレース跡もほとんど無い。

途中昼食休憩を挟んで石見堂岳(1286m)に到着。
岳というには拍子抜けするほどの平らな雪原だ。
ここは山頂らしき場所に2mくらいの石がある。
石見堂岳という名称の由来なのかもしれない。
月山が大きく見える!
平原の東側に進んでいくとやがて傾斜がつき月山湖が見えてくる。
湖面はまだ大半が凍結しているようだ。

ここからは一気に下っていく。
かなりの急斜面もあるが雪が溶け始め柔らかいので滑落という心配もそれほど無く下れる。
シリセードもずいぶんやった。
子供の頃の滑り台の気分♪
こんな雪の急斜面をスノーシューで下るときのちょっとした「技」も開発できたし。
下るにしたがい細く細かい尾根になり右に左に選びながら下っていく。

さて850mあたりまで下ってきたところで、左に尾根が曲がっているように思えたのでそちらに進んだ。
ところがこれが間違いだった。
実は右にも尾根が分岐していてそちら下るのが正解だった。
危険を感じるような細尾根&傾斜になって初めて自分のルートミスを疑い、予定のルートを外れたと気づいた。
見上げれば先ほどの分岐はずっと上だ。
トホホ…随分下ってしまったではないか。
強引に下ろうか?しかし進退窮まったらどうする?沢に落ち込むのは避けねば。
こんな時は登り返すのが鉄則だ。
ということでそこからまた標高差100mほども登り返し分岐ミスのところに戻る。
合計で40分のロス。
体力にまだ余力があったからいいがそうでないなら…
こういう明確な道や踏み跡が無いルートは下りが難しい。

さて下るにしたがいグズグズな腐れ雪に足を取られ、バックリ口を開けた雪をおっかなびっくりで渡り、ルート選定に悩みながら何とかかんとか県道まで到着。
やれやれやっと下山できたと思ったが、県道脇は1.5mほどの雪壁となっているではないか。
スノーシューを脱いで雪壁の上部を崩し県道まで下りる。
そこから駐車場所までは10数分の歩きだ。

7時間25分の山行でGPSによると歩行距離17.6km、累積標高差1,403mであった。
オイラのスノーシュー山行としてこれまで最高の歩行距離と累積標高差となった。
下山時のミスも含めてだけど。
帰る前に大井沢温泉「湯ったり館」で汗を流す。
300円でシャンプーもあるしお勧め。
朝日登山の帰りらしき一行も湯につかっていた。
高速を使えば1時間半で自宅から大井沢に来ることができる。
思いのほか近い。
来月は湯殿山の予定だ。

コースタイム
桧原(蕎麦屋裏)8:16~赤見堂岳11:59~石見堂岳13:33~桧原(県道脇)15:41

※このルートは雪の落ち具合から見て今月いっぱいが限界ではないだろうか。
あとはもっと雪が落ちてからになるがそうすると藪がうるさくなりそうだ。
また来シーズン登ることにしよう。

by torasan-819 | 2009-03-29 09:58 | スノーシュー | Comments(0)


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