2009年 09月 05日
小阿寺沢は蔵王連峰の前烏帽子岳と後烏帽子岳に源を発する沢だ。 3日に3人パーティーで登ろうと計画していたが、天候不良のため延期。 5日の今日は予定していなかったが、予報では天気もまずまず、オイラはうずうずで、朝の天気次第で行くかどうか決めることにした。 朝起きたら曇ってはいるが問題ないので行くことに。 急に思い立っての沢登りなのでオイラ一人の単独行。 無理はできないが、行けるところまで行こう。 この沢はネットで調べてもほとんど記録が無かったが、この8月に2つのパーティーが遡行して、各々ブログに掲載した。 我が家からも30分と近い地元の沢なので、これは是非とも登ってみたいと意欲がむくむく湧いていた。 グレードは2級程度との情報もあり、それならオイラでも何とかなるかなと思ったのだが… 9時30分道路脇の駐車スペースに車を停め歩きだす。 すぐに沢へ下りる道があり入渓した。 しばらく歩くと一本目の滝(F1)が現れ、高さは10Mと見たがどうだろうか。 さっそく滝登りとばかりに、水流の中やや右よりを登る。 水は冷たいが気持ちがいい! F1の上からはしばらくナメが続く。 ナメまたナメでナメを堪能。 ナメが終わるとF2(6M)が現れる。 この滝も水流の中を登ろうと滝に寄ったが、結構水の勢いが強い。 単独でもあるし登り切れないと判断、滝の右側の草付きを登った。 F2を登るとこの沢にしては大きい釜があり休憩とする。 しばしの休憩後歩きだしてすぐ、斜瀑が目に入ってきた。 F3(2段滝15M)としたがどうだろうか。 滝を2段の一つの滝とするか各々別の2つの滝とするか、あるいは高さをどう見るかは主観によるので、人によりかなり異なる。 だから遡行記録もあると助かるが、あくまでも参考としてとらえねばならない。 1段目は緩やかなので普通に歩き、2段目は滝の右側草付きを途中まで登り、残りは水流の中を登った。 さらにしばらく歩くとF4(6M)だ。 ここはネットの記録で見たとおり、右から取り付いて上3分の1にあるバンドを左へトラバースした。 トラバースではもろに水流の中に入ったが、いやはや冷たかった。 20分ほど歩くとF5(5M)だ。 この滝は上部がハングしているので左側から巻いた。 すぐF6(6M)が現れたが、この滝は中央突破。 黒いパイプ(ポリエチレンパイプ)が現れた。 おそらくスキー場に水を引いているのだろうと思ったが、ネットにあった2つの記録には特になにも記載がない。 もしかしてここまで登ってない?登りすぎたか? 遡行図でもF6のあと右の枯沢へとなっているが、それらしい沢が見あたらない。 これは戻るしかないと少し下りたら支沢があった。 でも枯沢ではなく水が流れているが、ここしかないと登り始めた。 大きな岩がゴロゴロしていて登りづらい。 大きな岩が目の前に現れてきたが、岩を見上げながら休憩とする。。 ここからが岩山地帯の始まりだったのだが、ここの岩は登れない。 左から巻くことができるとネットの記録があったので巻く。 ネットの情報はこういうときに助かる。 巻いて沢に戻ると少し平らな部分があり、その先はさらに遙か上まで岩が続いている。 ここを登るのかと思うと、はたしてオイラに登れるのだろうかと不安になる。 しかしもう戻ることはできない、登るしかないのだ。 覚悟をきめて登るが緊張の連続だった。 最期の10Mほどは直登し木をつかんで体を引き上げた。 ホッとして下を見ると、背筋がゾクゾクするような高度感だった。 高さ100Mはないが、ゆうに50M以上はありそうだ。 やれやれと思う間もなく、その上もさらに岩山が続いている。 ここもまた見上げるほどの勾配というか崖だねこれは。 ここも50Mくらいにはなりそうだ。 手も足も滑らせてはいけないので、ホールドとスタンスを探りながら慎重に登る。 登り終えたときはやっと緊張の糸を緩めることができた。 岩山登りは計30分ほどであった。 このあとさらに沢を登ったが、このまま登るとスキー場から離れていきそうだ。 それではヤブこぎが長くなってしまうと思い、適当なところで右側のヤブへ突入することにした。 かなり密度の濃いヤブと格闘すること約20分で登山道に出ることができた。 そこを少し下るとスキー場ゲレンデのトップに出ることができた。 沢靴を下山用のトレッキングシューズに履き替え、しばしの休憩後に下山した。 小阿寺沢は滝もナメもあり、支沢では岩登りまでありと変化に富んだ面白い沢だった。 地元でこんな沢があるとは知らなかったなぁ~ もっと地元の沢を知る必要がありそうだ ただし自分で行っておいてなんなんですが、単独行はリスクが高いので避けるべきですね。 出発9:30~入渓9:34~F1(10M)10:09~F2(6M)10:27~F3((2段滝15M)10:44~F4(6M)11:14~F5(5M)11:40~F6(6M)11:43~支沢12:00~岩山地帯12:24-12:54~ヤブ入り13:07~スキー場ゲレンデ13:30~到着14:43
by torasan-819
| 2009-09-05 23:47
| 沢登り
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Comments(14)
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pot
at 2009-09-06 19:19
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岩登りは緊張の連続でしょうね。
次はパーティでおねがいします
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マロ7
at 2009-09-06 21:16
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興味津々で拝読しましたよ。
夏道登るだけでも大変なのに、いつかはドボンもしたいね。(^○^)
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utinopetika2 at 2009-09-06 22:02
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yossy1904 at 2009-09-07 20:33
おっ、行ってきましたね!
よくご無事で(笑) GPSのトラックを見ると、支流に入るとことろで迷ったのが良くわかります。 自分のブログで枯沢と書きましたが、写真を再確認すると、たしかにチョロチョロと流れはありました。また、会の報告書ではパイプの記載がありましたが、自分の遡行図では省略してます。 もうすこしちゃんとした情報を記載すべきでした、ゴメンナサイ。 支流の2段は会の記録で80mとありましたが、GPSのログでは60mほどでした。でも、見た感じはもっとありますよねー。 小さい沢ですが、とても楽しめるいい沢です。
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ゆ~いち
at 2009-09-07 21:26
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torasan-819 at 2009-09-08 07:31
potさん
はい~わかりました~ オイラも単独行ではビビリました。 今度はパーティーで行こうと思ってます。 話したら行こう行こうという好き者がいました(笑) それからオイラは加藤文太郎の言葉、「飛躍のともなわないところの「単独行」こそ最も危険が少ないといえるのではないか。」ということも考えています。
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torasan-819 at 2009-09-08 07:35
マロ7さん
いらっしゃいマロ7さん。 滝は別として、沢はけっこう楽しく高度が稼げます。 一本道の登山道と違って、沢の場合は次はどこを歩くかと常に考えながら歩きますんで。 ドボンは是非やってみてください。 50代のオヤジでも童心に帰っちゃいますから(笑)
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torasan-819 at 2009-09-08 07:38
utinopetika2さん
いつもドキドキさせてすみません(笑) ネットで小阿寺沢を検索すると渓流釣りの記録ばかりで、沢登りの記録はほとんどありません。 そういう意味でも遡行意欲が湧いてきた沢でした。
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torasan-819 at 2009-09-08 08:10
yossy1904さん
会の報告書見てから行きたかったです(笑) でも大丈夫です遡行図は全部信用しているわけではないですから。 自分で考え判断し行動することに集中している時間が好きです。 どの沢でも必ず初めて登った人はいるし、1人目が途中敗退しても2人目がその記録を参考に再度アタックしてルートを見つけるということで、その沢が一般化されていくのでしょうね。
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torasan-819 at 2009-09-08 08:16
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ゆ~いち
at 2009-09-08 21:42
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あ、やっぱり・・・
やっぱり、あのジャブジャブは秋山ですね
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torasan-819 at 2009-09-11 06:42
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miyagi1305 at 2009-09-11 10:08
小阿寺沢の一部分は渡渉などで身近な存在ですが、自分では知ること
など到底できない部分を堪能させていただきました。 前烏帽子からえぼしスキー場に抜ける道では沢音が大きくて、 はたして渡れるのかドキドキしながら近づきましたが、あれは 滝の音だったのでしょうね。 さらに上流のゲレンデトップまで行かれたんですね。 「飛躍のともなわないところの単独行こそ最も危険が少ないといえるので はないか」は私もそんな感じがしています。
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torasan-819 at 2009-09-19 09:09
miyagi1305さん
すみませんレスし忘れてました~ 最近自分は少々飛躍してまして気を付けなければと思っていたので、あえてそう書きました。 沢登りにどこまでのめり込むのか、今のところ自分ではわからない状態なんですよね。 こんな面白いことがあったのかって言うぐらいに。 でも突然興味を失うこともあるかもしれませんし、それまでは登り続けるでしょう。 |
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