2010年 02月 23日
============================================================ 山名 馬ノ神岳(1,560m) 山行期間 2010年2月21日(日) 山行形態 スノーシュー 山域 蔵王連峰 地形図 不忘山 天候 晴れ 参加者 単独 行程 スキー場7:45~支尾根取り付き8:20~馬ノ神岳10:46~林道11:48~スキー場12:22 行動時間 4時間37分 移動距離 11.7km 累積標高差 +910m -899m ============================================================ 南蔵王にある馬ノ神岳(まのかみだけ)は、途中までの林道はあるものの山頂までの登山道は無い山だ。 植生の学術調査などで入る場合もあるようなので、ヤブこぎすれば登れないこともないのだろう。 昨年一昨年と残雪期に登っていたのだが、今年は雪が少ないようなので早めに登ろうかと考えていた。 21日は午後から息子のサッカーに付き合わなければならないので山は諦めていたのだが、前日の予報で天気が良いと見てはじっとしていられなくなった。 自由な時間が半日では地元の山しか行けないが、そうだこの機会に馬ノ神岳に登ろうと思った。 朝家を出るのが遅くなってしまった。 単独行だとどうしても時間に甘くなってしまうのは悪いクセだ。 自宅から白石スキー場までは20分ほど。 この時間ではもちろん駐車場はガラガラだが、スキーするわけではないので遠慮して一番端の隅に停める。 準備といっても大した装備もないのですぐ終わり、林道を歩き始める。 駐車場から林道に入ってすぐの所に、いわきナンバーの四駆があった。 林道には単独後者の足跡があったが、スノーシューやワカンは履いていないようでツボ足だった。 もしかすると馬ノ神岳かなと思ったが、馬ノ神岳は知る人ぞ知る山で登る人は少ないのだ。 そんな山にいわきあたりから登りに来る人がいるのだろうか? こっちは始めからスノーシューを履いて歩く。 しばらく林道を歩くと左手に枝線があり馬ノ神岳の方に登って延びている。 この枝線は白萩山林道といい、標高1,050mあたりで行き止まりになっているが、足跡はこの林道へと入っていった。 前方にはこれから登る馬ノ神岳が見えている。 こちらはもう少し進んで沢にかかる橋(馬神橋)を渡り、すぐ左手の斜面に取り付く。 馬ノ神岳の東南尾根を登ると東尾根にあわせて山頂へ登り、下りには先ほどの足跡が消えていった白萩山林道側へ下るというルートだ。 雪は例年より少ない感じで、2月というのにもう春山の雰囲気がする。 天気が良いので暑くなる前にアウターを脱いで軽装になる。 しばらくはカラマツや雑木の枝がうるさくて、スキーだったらちょっと難儀しそうな林が続く。 ノントレースの雪面を踏みしめて登っていくのは爽快だ。 雪は重めのパウダーで30~40センチほど沈むので、スノーシューといえど足への負担は大きい。 ところどころ比較的新しい赤テープがあるが、それにはとらわれず自由に歩く。 適当に歩いても尾根を外さず登れば、いずれ東尾根にあわさる。 標高を上げるにしたがい徐々にブナが増えてくる。 雪の時期のブナの森というのは、なんとも気持ちが良いものだ。 東北人の血なのか、いや、人間としてブナ林は心安らかに落ち着くことが出来るような気がする。 標高900mあたりで暑いのでフリースを脱ぐ。 もうTシャツ1枚だ。 少し軽くなってきたパウダーが、気温が氷点下何度かであることを示している。 それでも汗だくになりながら登る。 パーティーを組んで行く山も好きだが、ソロで静かな山もいいものだ。 ずっと単独のラッセルを続けている足は疲れてきている。 午後からの用事に間に合わせることを考えれば、途中で引き返すことも選択しなければならない。 その辺は自分の体力と山の雪の状況など総合的に考え、判断しなければならない。 いつもは3月の残雪期に登る馬ノ神岳だが、小雪の今年はなにか追い立てられるようにして登ってしまった。 でも今日のラッセルをからするとやはりちょっと早かったかもしれないが、これもラッセルのいい経験だ。 標高1,290mあたりで東尾根に乗ると展望が開ける。 尾根は雪庇にはなっていないが、風で運ばれた締まった雪が深い。 この乾いているが密度の高い重い雪がまた大変だ。 まだ距離は1キロ以上あるが、黙々とラッセルを続ける。 右手には後烏帽子岳に前烏帽子岳が見える。 うねった尾根のスノーロードが見えてきた。 ここは好きなアングルのひとつだ。 馬の背に見えないこともないような… 山頂手前の急斜面は要注意だ。 クラストして固い雪面の上に30センチほどの新雪があり、勾配が急になると新雪ごとズリ滑り落ちてしまう。 足の置けるポイントを探しながら慎重に登る。 やっと肩に登り上げて落ち着き振り向くと、眼下の眺めが気持ちいい。 山頂ももうすぐというところで、スノーシューの足跡に出会う。 山頂方向から下りてきてここで引き返したようだ。 おそらく白萩山林道側から登った人のものだろう。 馬ノ神岳の山頂は平らになっていて表示板等もなく、どこが山頂なのか今ひとつよく分からない。 山頂からは北屏風の眺めが素晴らしいのだが、今日はガスがかかっていてほとんど見えない。 水引入道がぼんやりと見えた。 山頂では男性が1人休憩中だった。 先ほどのスノーシューの人のようで、話しをするとやはり今朝林道にあった車&足跡の方だった。 今日は白萩山林道側からのピストンだという。 馬ノ神岳をどこで知りましたかと聞くとネットだという。 自分もそうだがネットの情報は大変有用で、それで登った山も結構多い。 ただしすべてが正しいわけではないので、そのつもりで参考にしなければならない。 時間が無いので、休憩も取らずにすぐ下山することにした。 登ってきた尾根の沢をはさんで南向かいの尾根へと、山頂からの南斜面をトラバースしてショートカット。 左手に見えるようになった馬ノ神岳の山頂はのっぺりしている。 先ほどの男性のトレースを踏んだり、別なラインを歩いたり気ままにラインを取る。 スノーシューは急斜面を駆け下りるというか飛び降りるというか、雪のクッションを生かして歩くのが面白い。 登りのトレースと下りのトレースを並べてみると歩幅の違いが歴然だ。 下っている途中、かかとが靴擦れになってしまった。 靴擦れしやすいのでいつもはテーピングして予防するのだが、今日はうっかり忘れてしまい失敗した。 そんなわけで少々つらい帰路となったが、急がないと午後からの用事に間に合わない。 白萩山林道もショートカットして神嶺林道に飛び出た。 あとは林道をスキー場まで歩くだけだが、この林道が平坦だけど長く感じて一番つらかったかな(笑) 白石スキー場の駐車場は珍しく満杯になっていた。 結局、ザックに入れた食料や飲み物はそのまま持ち帰りだ。 帰り道に振り返ると歩いてきた馬ノ神岳がくっきり見えた。 画像にルートをトレースしてみた。 馬ノ神岳は健脚向けで玄人好みの1本だ。 累積標高差900m以上の単独ラッセルはなかなかきついが、雪が締まっている3月ならもう少し楽に登れるはず。 このブログを読んでくださっている貴方も登ってみてはいかがかな? GPS記録(登りは赤、下りは青)
by torasan-819
| 2010-02-23 04:02
| スノーシュー
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Comments(6)
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utinopetika2 at 2010-02-25 23:08
う~ん、1000M近いラッセルを一人で・・・無理だわ。
なんて、一度は体験してみたいです。
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tom
at 2010-02-26 00:01
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悲しいかなシューズ修理中です。今週末は長靴で出撃するか思案中です。
3月からはスノーシュー持って釣りに行きましょうか(笑)帰路の林道がラッセルだったりするので。
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マロ7
at 2010-02-26 06:44
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torasan-819 at 2010-02-26 07:12
utinopetika2さん
こんなソロの山がオイラは好きなんです。 ちなみに馬ノ神岳のカラマツは日本国内に天.然で自生する北限(植林したカラマツは北海道にもありますが)のものだそうです。 機会があれば登ってみてください。
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torasan-819 at 2010-02-26 07:14
tomさん
壊れたのは登山靴?スノーシュー? 長靴にワカン履いてもいいし、ツボ足でもいいし。 冷たくなるので靴下2枚履きがいいかも。 もう少しで渓流も解禁ですね。 オイラも今年は釣りやってみようかな。
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torasan-819 at 2010-02-26 07:16
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