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2010年 03月 05日
船形山遭難
地元に愛され登山者が多い船形山だが、毎年のように遭難が発生している。
今年もまた起きてしまった。
標高は1500mでさほどではないが、地形からそうなりやすいのか道迷いが多い。
しかし無事助かったのは幸いだった。
遭難の記録として、地元の新聞記事を転載する。

船形山遭難_f0170180_234196.jpg







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船形山で4人遭難 宮城・大和
3月2日 河北新報

 1日午後5時10分ごろ、宮城、山形県境の船形山(1500メートル)に登山した男女4人グループが下山途中に道に迷ったと、家族が宮城県警大和署に届けた。同署は2日午前5時から4人を捜索する。

 大和署によると、下山していないのは仙台市Nさん(70)、仙台市Tさん(73)、多賀城市Sさん(63)と女性1人。

 4人は1日午前8時ごろ、船形山旗坂キャンプ場(宮城県大和町)から入山。午後5時ごろ、庭野さんが家族に、道に迷ったことを携帯電話で伝えてきたという。
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船形山遭難「3人全員無事」と連絡 捜索開始
3月2日 河北新報

 宮城県警大和署に入った連絡によると、宮城、山形県境の船形山(1500メートル)で遭難した宮城県内の登山グループの男性から2日午前7時ごろ、家族に「全員無事でいる」と携帯電話で連絡があった。同県警は午前6時50分ごろから23人態勢で捜索に入った。

 遭難したのは仙台市Nさん(70)、仙台市Tさん(73)、多賀城市Sさん(63)。県警は当初、遭難したのは男女4人と発表したが、3人に訂正した。
 県警大和署によると、Nさんが2日午前7時ごろに家族に連絡。3人は雪洞を掘って夜を過ごし、船形山の山頂から登山道で南に約4キロの蛇ケ岳(1400メートル)付近にとどまっているとみられる。

 県警などの捜索隊は午前中に三光の宮経由で蛇ケ岳付近を到着、周辺を捜索している。県警ヘリも出動したが、天候悪化のため引き返した。旗坂キャンプ場周辺は1メートル以上の積雪がある。

 3人は1日午前8時ごろ、船形山旗坂キャンプ場(宮城県大和町)から入山。Nさんは同日午後5時10分ごろ、「下山途中に道に迷った」と家族に携帯電話で連絡していた。

 Nさんの知人男性は「Nさんらは年100回以上登山するベテラン。普段なら迷うはずはないのだが、よほど霧や吹雪がひどかったのだろう」と話した。
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遭難は3人 発見できず 「全員無事」と家族に連絡 船形山
3月3日 河北新報

 宮城、山形県境の船形山(1500メートル)で遭難した宮城県内の登山者3人について、宮城県警は2日、早朝から23人態勢で捜索に当たったが、3人を発見できなかった。県警と自衛隊などは3日、約200人態勢で範囲を広げて捜索する。

 遭難したのは仙台市Nさん(70)、仙台市Tさん(73)、多賀城市Sさん(63)。県警は当初、遭難者は男女4人と発表したが、3人に訂正した。

 県警大和署によると、Nさんから2日午前7時ごろ、家族に「全員無事」と携帯電話で連絡が入った。雪洞を掘って夜を過ごしたという。その後、3人からの110番は計5回あった。午後0時50分ごろの通報が最後で午後8時現在、連絡は途絶えている。

 県警は2日午前5時50分ごろ、捜索を開始。船形山山頂から登山道で南東へ約4キロの蛇ケ岳や三峰山周辺を捜し、午後6時15分ごろに終了した。捜索隊の一人は「霧がひどく、視界が50メートルくらいになった」と話した。

 Sさんの夫Aさん(71)によると、2日午後2時ごろにSさんから「すみません 本日も帰れません」と携帯でメールが届いた。Aさんは「3日は天気が良くなると聞いた。無事に見つかれば」と語った。

 Nさんらの知人という宮城県大和町の無職男性(68)は「3人は毎週山登りするようなベテラン。普段なら迷わない。よほどひどい天候だったのでは」と案じていた。

 3人は1日午前8時ごろ、船形山旗坂キャンプ場(大和町)から入山。Nさんが1日午後5時10分ごろ、「下山途中、道に迷った」と家族に携帯電話で伝えてきた。
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船形山遭難の3人発見 2日ぶり全員無事
3月3日 河北新報

 宮城、山形県境の船形山(1500メートル)で遭難した宮城県の登山者男女3人が3日午後0時17分ごろ、捜索隊によって発見された。全員無事で外傷もなく、捜索隊とともに自力で登山道を下りた。

 3人は、仙台市Nさん(70)、仙台市Tさん(73)、多賀城市Sさん(63)。

 発見されたのは、蛇ケ岳(1400メートル、宮城県大和町)と後白髪山(1422メートル、仙台市青葉区)の中間にある登山道付近。午前11時50分ごろ、捜索ヘリコプターから現場に降りた自衛隊員が足跡を発見。足跡をたどり、付近で警笛を鳴らしたところ、反応があった。

 3人は登山道の3メートル下の雪洞に待避しており、無事救助された。3人は捜索隊とともに三光の宮まで自力で移動した。
 この日は午前6時ごろから宮城県警、自衛隊、宮城県山岳遭難防止対策協議会などの約200人が順次入山、捜索を再開した。ヘリコプター計6機も出動し、上空から捜索していた。

 県警大和署によると、3日午前6時5分ごろ、Tさんから「3人とも無事にいる。尾根にいる。雪洞を掘って待っている」と携帯電話で110番があった。山形県警が受信した。Tさんは「高度1200~1400メートルにいる。近くに二つの広場が見える」と話したという。

 3人は1日午前8時ごろ、旗坂キャンプ場(大和町)から入山。同日午後5時ごろ、庭野さんが「下山途中に道に迷った」と家族に携帯電話で連絡した。3日午前の現地の天候は、キャンプ場入り口付近は晴れ間がのぞき、船形山山頂周辺は霧が濃い状態だった。
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船形山遭難「よく生きていた」 家族再会無事を喜ぶ
3月4日 河北新報

 宮城、山形県境の船形山(1500メートル)で遭難した宮城県内の登山者3人は3日、無事生還を果たした。幻聴も聞こえたという雪山での2晩を、励まし合いながら耐えた3人。疲れた様子ながら、「助けていただき、ありがたい」と下山の喜びをかみしめた。再会した家族は「よく生きていてくれた」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 3人は捜索隊に守られ、自力で下山。午後4時前、旗坂キャンプ場(大和町)に待機した救急車に乗り込んだ。リーダーのT(73)は「現在地が分からなくなった。動かず、穴を掘ってビバークした」と山中の様子を語った。

 Nさん(70)は「頭上を飛んだヘリが見えないぐらい霧が濃かった。助けていただきありがたい」とはっきりとした口調。Sさんは「皆さんにご迷惑をおかけし、申し訳ない。ありがとうございました」と繰り返した。

 3人は軽い脱水症状と血流不全のため、大事をとって入院。診察した仙台オープン病院の茂泉善政救急センター長によると、2日夜に「救急車の音が聞こえる」とSさんに幻聴が現れたが、励まされ、大事には至らなかったという。山中では携行していたチョコレートやあめを分け合い、空腹をしのいだという。

 遭難の一報から丸2日。携帯電話でのやりとりで生存は確認されていたものの、眠れぬ夜を過ごした家族は、病院で再会を果たした。

 Nさんの長女(43)は「駄目かとくじけそうになったが、よく頑張って生きていてくれた」と笑顔。Tさんの長男(43)は「ゆっくり休んでほしい」と体調を気遣った。

 Sさんの夫Aさん(71)は「ずっと不安だった。捜索に当たってくれた方々にただただ感謝したい」と頭を下げた。

◎濃霧や吹雪、救助難航

 船形山で1日に遭難した男女3人は、発見されるまで2日間かかった。3人は雪洞の中にとどまって体力の消耗を防いだが、吹雪や濃霧にはばまれ、救助は難航した。関係者は「天候が悪い時は、ベテランでも登山はやめて」と苦言を呈している。

 3人がいた雪洞を最初に発見したのは、陸上自衛隊第22普通科連隊(多賀城市)の佐々木祐二3等陸曹。「横殴りの吹雪で視界が10メートル程度しかなかったが、斜面に黄色いシートが見え、雪洞だと分かった。救助できて本当によかった」と振り返る。

 悪天候が発見を送らせた。遭難の連絡が入った翌日の2日、船形山周辺を風雪と霧が包み、ヘリコプターは近づけなかった。3日は天候が回復。佐々木3等陸曹ら自衛隊員12人は、ヘリで後白髪山周辺に降下、3人の発見につながった。

 大和署は、3人が入山した旗坂キャンプ場登山口近くの廃校に対策本部を設置。県警、自衛隊、県山岳遭難防止対策協議会大和支部などから延べ221人が投入された。

 捜索を指揮した対策協大和支部の上田進隊長(72)は「3日朝の110番を山形県側で受信したので、山頂周辺で唯一、山並みが山形方面に開けている発見場所付近にいると踏んだ」と話す。

 冬山の登山について上田隊長は「遭難した時は雪洞を掘り、動かないのが一番。だが、1日は天候が悪化するのは分かっていた。冬は、ベテランでも悪天候が予想される時は絶対に入山しないでほしい」と強調した。
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船形山遭難の3人無事下山 雪洞掘り2晩耐える
3月4日河北新報

 宮城、山形県境の船形山(1500メートル)で遭難した宮城県の登山者男女3人は3日正午すぎ、捜索隊に発見された。遭難から2日ぶりに救助された3人は自力で旗坂キャンプ場登山口(宮城県大和町)まで下山し、救急車で仙台オープン病院(仙台市宮城野区)に搬送された。いずれも目立ったけがなどはないが、経過観察のため入院した。

 救助されたのは仙台市Nさん(70)、仙台市Tさん(73)、多賀城市Sさん(63)。

 県警大和署によると、3日午前11時55分ごろ、ヘリコプターで降下していた陸上自衛隊の隊員が、船形山山頂から南東の後白髪山(1422、仙台市青葉区)近くで足跡を発見。約20分後、後白髪山から北約500メートルの登山道東側斜面の雪洞内でNさんとTさんを見つけ、Sさんも近くにいた。

 3日の捜索は県警、自衛隊、県山岳遭難防止対策協議会などの約200人態勢で午前6時ごろから再開した。午前6時5分ごろ、Tさんから「3人無事にいる。尾根にいる。雪洞を掘って待っている。高度1200~1400メートルにいる」と110番があり、山形県警が受信した。

 3人は1日午前8時、旗坂キャンプ場登山口から入山。Nさんが午後5時ごろ、家族に「下山途中に道に迷った」と携帯電話で連絡した。捜索隊員によると、3人は「ブナの原生林を見に行こう」と予定のルートから外れたという。

 Nさんによると、3人は1日から発見された場所にとどまっていたという。Nさんは「雪洞で身を寄せ合って救助を待っていた。多くの方に迷惑を掛けて申し訳ない」と話した。
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「生還に感謝の思いでいっぱい」船形山遭難・救助の3人退院
3月5日河北新報

 宮城、山形県境の船形山(1500メートル)で遭難し、3日に救助された宮城県の登山者男女3人が4日、入院先の仙台オープン病院(仙台市宮城野区)を退院した。3人のうち男性2人が記者会見し、「生還でき、感謝の思いでいっぱい。ご迷惑をかけました」と述べるとともに、遭難時の状況などを説明した。

 3人は仙台市Nさん(70)、仙台市Tさん(73)、多賀城市Sさん(63)。いずれも健康状態は良好という。

 Nさんらによると、3人は雪洞の中で助けを待ち、ホイッスルを交代で吹き続けた。Nさんは「捜索隊員から返事が来た時は、胸がいっぱいになった」と振り返った。

 リーダーのTさんは毎年同じ時期に、今回遭難した周辺を登っていたが、今回は霧の状態が違ったという。Tさんは「天気が崩れるとは知っていたが、1日なら大丈夫だろうと登った。下山時は既にガスが濃く、右も左も分からなくなっていた」と語った。

 雪洞で迎えた2日目の夜は、吹雪で寒さが厳しかった。3人は体温を上げようと足踏みを繰り返したり、趣味の話をしながら励まし合ったりして、救出を待ったという。
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by torasan-819 | 2010-03-05 12:45 | | Comments(0)


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