人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2010年 06月 21日
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_414933.jpg

============================================================
山域山名   飯豊連峰・梅花皮岳(2,000m)
山行期間   2010年6月18日(金)
山行形態   一般登山
地形図    飯豊山・長者原・えぶり差岳
天候      曇り
参加者    3名(L:トラ山、Uさん、八○さん)
行程      天狗平6:56~温身平分岐7:18~雪渓8:43~石転び沢出合9:33~梅花皮小屋13:15-13:26~
         梅花皮岳13:53-14:07~梅花皮小屋14:26
行動時間   7時間30分
移動距離   10.1km
累積標高差 +1,731m -288m
============================================================
昨年7月に初めて飯豊に登った。梶川尾根から登ったのだが、途中の滝見場から石転び沢の雪渓を眺めたときに、そこに小さく点々と登山者の姿を見つけた。あんな壁のように見える急斜面を登るのかと驚くとともに、いつか自分も登ってみようと心密かに思ったのだった。そして今年は石転び沢に登りたいと周囲にも語っていたのだが、とあるきっかけで点描2というブログをやっておられるUさんも一緒に登ることになり、いつもの八○さんも加えた3人パーティーで6月に実行することにした。5月には門内沢に山スキーで入り石転び沢を間近で見てくる機会もあったので、より具体的なイメージで準備を進めることが出来た。




17日はいろいろあり、八○さん宅に着いたのがなんと午後10時半頃。さっそく八○さんとザックを載せて予定より2時間の遅れで出発。出だしからこれでは先が思いやられるが、とはいえ焦りは禁物。夜道をいつものペースで飯豊へと向かう。飯豊山荘の先にある駐車場に着いたのは午前1時だった。駐車場には既にいつもお世話になっている和○さんの車とテントがあり、寝静まっているようだ。和○さんは4人パーティー(男2人女2人)で、たまたま同じ日に石転び沢を登ることになったのだ。明日いや今朝まではあまり時間がないので、車中泊の我々も急いでシュラフに潜り込む。

午前6時前には自然に目が覚める。和○さん達は既に起きている。今回の山行メンバーUさんらしき車がいつの間にか近くに止まっていた。Uさんとは初顔合わせだがブログで交流していることもあり、親しみのある笑顔に旧知の間柄のような感じさえする。朝食は出発までに各自が適当に取ることにして準備をする。和○さんのパーティー(以後、和Pと書く)は出発のようで、見送ろうとしているとちょっとしたサプライズがあった。元気なおばさんがしきりに話しかけてくる。聞くと小国出身で久しぶりに飯豊に来たら登山スタイルの我々を見かけ、なぜか感激したらしい。これ上げると言われ、なんと大吟醸を含む酒3本と鯉の甘煮までいただいてしまった。えっいいの?とは思ったがせっかくの好意を無には出来ないのでありがたくいただく(笑)

湯沢のゲート前にて
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_2565461.jpg


和○Pは6:21に出発。我々はおばさん(御自分が言うにはもうすぐ後期高齢者とか)との交流?の後、6:56に出発した。登山届出所に登山計画書を提出し湯沢の橋を渡る。20分ほど平坦な林道を歩くと温身平の分岐があるので右に進むと、正面に烏帽子岳と梅花皮岳そして石転び沢も一部見える。さっそくUさんは感激しているようだ。ここからすぐの砂防ダムの脇の階段を登りしばらく進むと、やがて道は細くなり登山道へとつながる。

険しい登山道を歩く
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3125950.jpg


サンカヨウ
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3163820.jpg


雪解け水で水量の豊かな梅花皮沢を左に見ながら登山道を歩く。この辺りは梅花皮沢の下流で勾配も緩やかなので、沢沿いの登山道は進めどいくらも標高は稼げない。しかし繰り返すアップダウンは結構キツイものがあるので舐めてはいけない。滝沢の出合の少し先で梅花皮沢に降り雪渓の上にのった。まだ勾配は緩いのでアイゼンは必要ない。少し歩くと先行する和Pの姿が見えたが、アイゼンを付けているようだ。追いついた我々もここでアイゼンを付けることにする。Uさんはおニューの12本爪、八○さんは年代物の12本爪、私は2年前購入した10本爪で三者三様。アイゼンを付けるとスリップが少なくなり歩きやすい。雪渓の先に門内岳と北股岳の一部が見えているが、まだ石転び沢は見えてこない。

雪渓の上を歩きはじめる
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3175030.jpg


石転び沢の出合
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3323747.jpg


いよいよ石転び沢へと入っていく
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3361050.jpg


石転び沢の出合が近づくとやっと石転び沢が視界に入ってくる。今日は心配無用だが、ガスがかかっている場合は石転び沢出合からそのまま進み門内沢へと迷い込んでしまうことがよくあるらしい。出合から左へ転進しないと石転び沢には入れないのだ。ややオーバーだが目の前には雪渓が空へと向かって延びている。出合から稜線までは標高差が1000mもあるので、勾配もがぜん急になってくる。Uさんが踵が靴擦れになりかけのようだという。勾配が急なためどうしても踵に荷重がかかるのでなりやすいのだ。実は私も少し踵に違和感を感じていたので、2人でテーピングをすることにした。八○さんは問題なし。

先行する和○Pが小さく見える
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3402517.jpg


左からホン石転び沢が合わさる
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3393871.jpg


そうしているうちに、いったん追いつきかけた和Pはまた離れてしまった。石転び沢は飯豊連峰の中ではもっとも重大事故の多い区域といわれ、その原因は落石や滑落といわれている。もともと険峻な山肌を削り下る沢の中を歩いているわけで、その傾斜は滑落の危険があり、両側の岩肌からは落石が沢を目がけて集まってくるのだ。ガイド本などには、途中で腰を下ろし長い休憩をしてはいけないとされているくらいだ。実際雪渓の上には大小様々な石が転がっている。人の頭くらいの石も多く、もし直撃を食らえば大変なことになるので上と左右に注意しなければならない。とはいっても急斜面に喘いでいると自然に顔が足下を向いてしまうのだが。

Uさんもアイゼン歩行に慣れてきた
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3461518.jpg


カメラのズームで先行する和Pを追う
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3472085.jpg


落石が雪渓の上にゴロゴロしている
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3494128.jpg


見上げれば空に吸い込まれそうだ
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3503150.jpg


下を見れば高度感がすごくてこれまた吸い込まれそうだ
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3514771.jpg


先行する和Pのトップは和○さんだが、どうも足取りがかなり辛そうに見える。風邪の熱が下がったばかりで体調が今ひとつなのでなおさらなのだろう。先ほどからUさんのサポートは八○さんがやっているので、私は単独で和Pの上に出るためペースを上げた。そうなるとピッケルを片手で突いてキックステップというスタンダードスタイルではなく、自然に足をハの字に開く得意のガニ股歩行になりアイゼンの側面を有効に生かして登る。ピッケルは両手で体の中心前方に突き体を引き上げるという形になる。しばらく頑張ると、左手前方だった和Pが左横になり、そして左下になっていった。和○さんからも声がかかったので私が先行してステップを刻み、その後をトレースしてもらうことになる。本来なら梅花皮小屋を目指しもっと左を登るらしいが、我々はどうも雪渓を真っ直ぐ登ってしまったようで、そのため左にトラバース気味に登ることにした。

急斜面が足にこたえる
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3532862.jpg


和Pの横に並ぶ
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3551596.jpg


和Pの上に出る
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_3573038.jpg


登り切ったぞバンザイ(和Pの女性2名頑張りました)
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_513263.jpg


八○さんは飄々と登り切った
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_2125958.jpg


Uさんも頑張った
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_2128045.jpg


梅花皮小屋に到着
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_411098.jpg


やがて梅花皮小屋が屋根から順に見えてきた。やれやれやっと到着だ。雪渓の上端近くで和Pを迎え、Uさんと八○さんが登ってくるのを待った。しばらくして3人が揃い、これで我がパーティーも全員無事登り切った。Uさんと八○さんは飯豊そのものが初めてで石転び沢なのだ。特にUさんはあこがれの飯豊だっただけにとても嬉しそうだ。小屋の前にザックを下ろし一息つく。先客が2人ほどいたが小屋泊まりではないようだ。稜線からは大日岳が大きく見える。さて落ち着く前に梅花皮岳に登ろう。小屋から山頂までは指呼の距離だ。空身での登りのなんと軽快なことか。チングルマ、オヤマノエンドウなどの花を見ながら山頂へと。飯豊本山から大日岳などの雄大な眺めをしばし楽しむ。

ハクサンイチゲと大日岳
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_417458.jpg


梅花皮岳へと登る
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_4191239.jpg


かわいらしい花たち
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_4204980.jpg


北股岳と梅花皮小屋
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_422250.jpg


スキーでここから滑る人もいる
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_4232352.jpg


烏帽子岳の向こうに飯豊本山が見える
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_4245491.jpg


ところでこの梅花皮岳の直下はホン石転び沢という沢の源頭にもなっている。この沢は石転び沢に合わさるのだが、ここをN山岳会の面々は先月末にスキーで滑っていたので、実際にどれだけの斜面か興味があった。山頂直下は50度を超えようかという斜面で、もうこうなると崖にしか見えない。ただただ凄い人達もいるものだと唖然とするばかりである。ちなみに動画はこちら

稜線から大日岳を望む
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_4262643.jpg


小屋前のミヤマカラシナ
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_4285831.jpg


フリハタザオ
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_4304261.jpg


ミヤマキンバイ
飯豊day1(石転び沢篇) ~ 2010年6月18日_f0170180_4354189.jpg


小屋に戻り和Pと我々7人で1階に陣取る。まだ午後3時にもならないので他には誰もいない。遅い昼食というか早めの夕食を準備する。3日間の縦走なので食料は簡単に調理できるものだけだが、アルコールは2.5kgは担いできた(笑) とある場所で採った山菜のボンナ(ヨブスマソウ)もおひたしにしたがこれがまた美味い。飲みながら食べ、食べながら飲むと話が弾む。単独行者が小屋に入ってきて2階に上がった。今日はこれで全員だろう。睡眠不足と石転び沢の疲れから午後6時半頃には1人また1人と寝てしまった。明日はどんな天気だろうか。

day2へ続く

by torasan-819 | 2010-06-21 22:53 | | Comments(8)
Commented by 熊五郎 at 2010-06-25 08:02 x
やっぱりいい景色だなぁ!!
石転は聞いている以上に急坂ですね。

そしてなつかしの梅花皮小屋。外で幕営したとき強風で人が入っているテントごと転がされた光景を見たことがあります(笑

ちょっと遠回りですが新発田の湯の平温泉から北股経由梅花皮小屋
もなかなかのコースですよ。
Commented by ゆ~いち at 2010-06-25 21:34 x
うわ~なつかしい~
29歳のお盆休みに縦走したとき以来です~
カイラギ小屋も変わっちゃって・・・
Commented by utinopetika2 at 2010-06-25 22:02
首をなが~くして、記事をまってましたぁ~。
ホントお世話になりました~。
や○さんのトークにも救われました。
day2・・・お待ちしています。
Commented by torasan-819 at 2010-06-26 01:21
熊五郎さん
以前飯豊を縦走したことがあるんですね!
外で幕営とはよほど小屋が混んでいたのでしょうか?
新発田の湯の平温泉からのコースはいつか歩いてみたいです。
Commented by torasan-819 at 2010-06-26 01:23
ゆ~いちさん
そうか以前の梅花皮小屋の時に縦走したんですね。
ではもう一度いかがでしょうか。
Commented by torasan-819 at 2010-06-26 01:28
utinopetika2さん
良い山って登った後も余韻が残りますね。
飯豊はその最たるものかと思います。
utinopetika2さんと同じく次の飯豊の山旅のことを考え始めています。
Commented by lc4adv at 2010-06-26 11:35
涼しいそうですね。また飯豊縦走に行きたいなあ。
Commented by torasan-819 at 2010-06-27 07:22
lc4advさん
飯豊はしんどいですがまた行きたくなる魅力がありますね。
近いうちにまた石転びに行きたいと思ってます。


<< 飯豊day2(縦走篇) ~ 2...      飯豊連峰 >>