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2010年 12月 30日
映画「武士の家計簿」
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昨日映画「武士の家計簿」を見てきたが、私としてはなかなか面白い映画だった。代々加賀藩で御算用者を務める猪山家の三世代に渡る物語だ。御算用者は武士の中でも下級武士で毎日幕府の金の出入りをひたすらそろばんで計算している。だから「そろばん侍」と呼ばれている。今で言えば会社の経理課みたいなものだが、武士なのでそろばんをはじくのは男ばかりである。

猪山家は武士としての付き合いなどによる借金も多く、そろばん侍とはいえ家計は火の車であった。一念発起した八代目の直之(堺雅人)は徹底して無駄を省き質素倹約に徹し家計の立て直しを決意する。そこから涙ぐましい努力が始まる。家財道具を始め衣服や什器など売れるものはすべて売り払う。見栄を張らず、しかしそのことで卑屈になることなく正々堂々と胸を張って明るく貧乏している。やがて物語は明治維新を迎え九代目が政府の会計職となり、直之が亡くなるところで幕となる。

地味な題材の映画で派手なシーンは一切無いが、森田監督により笑いありホロリとする場面ありと非常に味のある映画になっている。当時の下級武士の生活のありようが面白い。下級とはいえ使用人を何人か雇わなければならないこと、食事の内容、親戚との付き合いなど当時の生活が描かれ興味深かった。それにしても今の時代を考えさせられる映画だった。この映画を見た人はそれぞれに堅実とか誠実という言葉、本当に大切なものとは何かなど考えさせられることだろう。

この映画は「金沢藩士猪山家文書」という古文書を見つけ研究した方の著作が原作になっているという。その文書に記された入出金記録から、当時の生活の事細かな部分までわかるのだそうだ。我々も世界経済がどうの政府がどうのという事も大事だが、我が家の家計の「仕分け」と堅実な生活も大切だなと思った次第。

by torasan-819 | 2010-12-30 17:24 | 映画 | Comments(4)
Commented by NON at 2010-12-30 21:00 x
鯛じゃ!鯛じゃ!元服の折、絵に描いた鯛ではしゃぐ息子

試写会で「武士の家計簿」見ました。
剣術がだめなら、算術がある、江戸時代にそうような堅実な生き方があったとは驚きでした。
Commented by utinopetika2 at 2010-12-30 21:12
今も昔もその点は変わらない、人の営みなのでしょうか。

今年もブログを通して様々な出来事を拝見でき、またご一緒させていただいた飯豊の登山で貴重な時間を共有できた事、終始笑いながら沢登が出来た事、とても嬉しく思います。
一日早いのですが、来年もどうかよろしくお願いします。
Commented by torasan-819 at 2010-12-31 10:00
NONさん
見ましたか~あの絵鯛を。
歴史に残るような出来事だけでなく、こういった生活史のようなものは自分に当てはめてみることもできるので興味深いですね。
そしてその清々しいというか潔いというか筋の通った生き方に学ばされます。
山もそうですね堅実に着実に足下を見つめて歩もうではないですか!
Commented by torasan-819 at 2010-12-31 10:05
utinopetika2さん
こちらこそutinopetika2さんの画像に対する視点など学ばせて頂きました。
お互い触発しあえるというのは素晴らしいことです。
来年もぜひ山旅に行きましょう!


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