2011年 02月 12日
====================================================================== 山域山名 安達太良連峰 箕輪山(1,728m) 山行期間 2011年2月11日(金) 山行形態 山スキー 地形図 安達太良山 天候 曇り 参加者 2人(L:加○さん、トラ山) 行程 白石7:40=箕輪スキー場9:00=Cリフト終点9:30-9:44~箕輪山10:55-11:05~コル11:35~ 鉄山避難小屋12:14-12:50~迷沢14:18~国道115号14:44~箕輪スキー場15:19 行動時間 5時間49分 移動距離 約10.5km 累積標高差 約+850m 約-1,200m ====================================================================== 箕輪山は昨年山スキーに行きたいと思いながら結局実行出来なかった山だ。特にこの頃は迷沢ルートが気になっていたのだが、やっと11日にいつもの加○さんと行くことが出来た。箕輪山は2年前に初めて登ったが、その時はスノーシューだった。箕輪山の北側を国道115号の土湯トンネルが貫通していて、度々通って箕輪山はその度見ているわりには「遠い」山だったわけだ。さて箕輪山~鉄山周辺は風が強いこと、ガスがかかると迷いやすいことでも知られていて、ホワイトアウトで下山方向を見失うことも多い。今年は1月16日に箕輪山に向かった山スキーヤー2名が、行動不能になり2晩ビバークして救出されるということもあった。表面には出ないが遭難もどきも結構あるのかもしれない。今日のリーダー加○さんは何度か迷沢ルートに来ている。私としては百人力の気分で箕輪山へと向かった。 箕輪スキー場は土日休日でも駐車場無料なのが嬉しい。Cリフト券(600円)を購入し登山届を提出する。何時に下山予定ですかとわざわざ聞いてくるのは、先日の遭難騒ぎがあってのことだろうか。受付のおねーさんに午後3時半頃ですと告げる。山スキーヤーはスキー場の駐車場を丸一日利用しながら、リフトは登りの1回しか使わず、遭難なんてしようものなら大変な迷惑をかけてしまうことになるのだから、スキー場の言うことには協力的にしなければと思う。今日乗るCリフトは箕輪スキー場の一番左側のリフトになる。さらにJバーのDリフトでもう少し上まで登れる。駐車場からシャトルバスでホテル側に移動し、Bリフト・Aリフトを乗り継ぐと標高1,500m近くまで運んでくれ、位置的にも600mは箕輪山に近くなる。しかし我々には1,379mまで登れるCリフトで十分。リフトに乗り周囲の樹木を見ると霧氷がキラキラと美しい。風はほとんど無く、気温も低いようで雪質に期待出来そうだ。 リフト沿いの霧氷が美しい まだうっすらと山頂が見える 手前に鬼面山、向こうに高山が見える ハイマツとシュカブラで歩きにくい 山頂の道標も雪の固まりになっている Cリフトを降りてスキーにシールを貼り準備をする。加○さんをトップに斜面に取り付く。左手には先月登った高山が見えていて、山頂の反射板も確認出来る。風の当たる西斜面は樹木の間にうねりがあり歩きにくい。しばらく我慢したがどうにも歩きづらいので、左に回り込りこむと幾分良くなった。登っていると加○さんのシールが片方ずれて剥がれてしまった。ジャケットに中にシールを入れて体温で暖め、張り直してからさらにスキー板と一緒にテープで2箇所巻いた。山頂まで持ってくれればいいのだが。高度を上げるとハイマツとシュカブラでこれまた歩きにくい。右に左に登りやすい場所を探しながらの登高となった。加○さんはテレマークだがスキーアイゼンを付けているせいかサクサク登っていく。こちらは山スキーだが、シールだけではズリズリと後退することもあり今日はちょっと分が悪い。鬼面山がちょうど真北に見える位置まで回り込む。直下に見えるオープンバーンは、美味しそうだが雪崩れやすそうでもある。登るにつれ徐々にガスがかかってきた。山頂に近づく頃にはほとんどホワイトアウトになった。エビのしっぽの固まりになった夏道の案内板が現れたので、ここを山頂として一息入れる。幸いなことに風が弱いので、立ち休憩していても寒くはない。2年前はあまりの強風と寒さに、鉄山避難小屋を目指したもののコルの手前で引き返したことを思い出す。 南東斜面を滑る 一面真っ白で酔いそうだ 鉄山避難小屋 出来れば箕輪山の南東斜面のオープンバーンも偵察しようと思ってきた。しかし、ホワイトアウトで山頂からの滑り出しが見えないため、南に少し下りてから回り込んでみることにした。シールを付けたままハイマツとシュカブラに難儀しながら回り込むと、オープンバーンの中腹に出た。視界が少し利くのでシールを外して滑降することにした。私は勿体ないので少し登り返して滑ることにした。いざ滑り出すとシュカブラの上に薄く雪がのっているような感じで、凸凹もありなんとも滑りにくい。下りすぎないように右へトラバースして鉄山とのコルを目指す。視界も良くないので加○さんはコルを乗っ越し、手慣れた鉄山避難小屋へのトラバースルートを取ることを選択した(次回は夏道ルートも試してみたい)。シュカブラに苦労しながら乗っ越しすとやれやれだ(後から確認するとここまでで、Aリフトから素直にコルまで来る距離の3倍以上移動していた)。再度シールを付けて鉄山避難小屋を目指す。GPSをあてにすることもなく登っていくと、白一色の中からおぼろげに小屋らしきものが見えてきた。ドンピシャ避難小屋に到着。ホワイトアウトの場合は小屋を探せないこともあると聞くが、我々はラッキーだったのか加○さんのカンが冴えているのか。 通称プロペラの碑 ルートを探りながら下る やっと開けた斜面に 避難小屋には誰もいなかった。パンとカップラーメンの昼食で暖まる。小屋を出てプロペラと呼ばれる石楠花の塔(慰霊碑らしい)を目指す。視界が良くなってきたこともあり難なくプロペラを見つけることが出来た。しかしエビのしっぽで太ったその形は動物の顔のようでもあった。加○さんが少し右手に向かって下り出す。さてこれからが迷沢ルートになる。何度か右に左に修正しながら下っていく。樹木の間のうねりがわずらわしいところに入り込んでしまったようで滑りにくい。そのうち加○さんが、障子岩がこんなに近く見えるので左に寄りすぎたようだと言いだした。そこから右に方向修正をしていくと、標高1500m近くになってやっと樹木の少ないバーンに出ることができホッとする。ここにきてやっと自分たち以外のトレースも見つけることが出来た。ここからは快適な滑降が続く。 加○さんもノリノリ ひゃっほ~という感じ こんな美味しい斜面が続く 迷沢の渡渉点 仏沢の橋を渡る 雪は軽いパウダーで浮游感がすこぶる気持ちが良い。山スキーをやって良かったと思える瞬間だ。先行するトレースが何本かあり、時には追いかけ時には外れてノントレースの斜面を滑ったりと、自在な滑降を楽しむ。斜面から作業道に滑り込むとほどなく迷沢に出た。2人パーティーが沢の手前でシールを付けていた。我々はシールを付けるのを面倒がって沢を渡り、その後の作業道にあるちょっとした登りも力任せに歩いていく。すぐ仏沢の橋が現れる渡ったが、対岸の手前で危なっかしいのでスキーを脱いでツボ足に。結局その先でシールを付けることとなり、こんな事なら迷沢でシールを付けた方が楽だったと思う。そこから国道115号はすぐだ。国道115号に出たところで右手の斜面を登り、旧道をショートカットしながら送電線の脇を歩いてスキー場の駐車場を目指す。国道下をくぐり駐車場に着いたのは15:19だった。スキーを片づけレストハウスに下山報告したのは、予定どおりのほぼ15:30分だった。いろいろあったが足並みのそろった2人なので、何とか計画通りの時刻に下山出来た。雪質の良い箕輪の味を占めてしまった私は、ルートを覚えるためにもまた来ようと思いながら帰路についた。 ルート図(赤:登り 青:下り) ※点線は記録漏れのため推定した部分
by torasan-819
| 2011-02-12 14:53
| 山スキー
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Comments(18)
天気と雪質が良くて何よりでした。
山スキーの醍醐味です。 箕輪山の南東斜面を滑ったんですね 天気がいいと素晴らしいオープンバーンなんですが。 今朝起きたら郡山は雲ひとつ無い快晴でした。 天気予報では箕輪山周辺は大荒れだったんですが もしやと出かけてみました。 箕輪に着いて見ればやはり猛吹雪でした。 やはり天気予報は正しかったです。
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虚弱体質の我らは、同じ日、Cリフトでシールで少し登り樹氷見物して、シール外して、リフト脇の霧氷帯(横向登山コース滑降しました。
午後は、箕輪山へ心持ち登り、鉄山方向へ行って、箕輪山西尾根を滑降しました、 先日遭難騒ぎは、リフト終点から南に400mって言ってましたから、まさに、この地点でした、 あんまりって言うばあんまりですが、あの日パウダーの楽しさは充分伝わって来ましたと言う事でコメントしました、 箕輪山東南斜面から塩沢スキー場へ滑り込むロングコースも一度はお奨めです、ポイントは読図から湯川の馬返しの橋ですね、
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torasan-819 at 2011-02-13 22:10
煙突おじさんさん
1回良い雪質に出会ってしまうと、今度はどうかな今度こそどうかなと訪れてみたくなりますね。 ビギナーズラックでハマってしまうギャンブルのようです(笑) 今日13日は吾妻山の五色沼に行ってきました。 稜線はかなりの強風でしたが、それ以外は思いのほか穏やかでしたよ。
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torasan-819 at 2011-02-13 22:30
サダっぺさん
皆様が虚弱体質なんてとんでもない! タネ馬軍団に勝るとも劣らない牝馬も2頭いらっしゃるし(爆) ところで塩沢スキー場へ滑り込むコースも考えていました。 登高会では2008年に滑っていますが、私はもちろんまだなので。 それにしても行きたいところが沢山あり、今シーズン中にいくつ実行出来るものか…
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加ト幹事長
at 2011-02-14 12:15
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なんだいオラの写真多くておしょすいごだ、やめでけさいん(後ろ姿くらいにしてください)。今シーズンは樹氷見物に行ってないので・・・私を蔵王に連れてって!
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torasan-819 at 2011-02-14 18:50
加ト幹事長さん
やっぱり絵になる男には登場願わねばです(^^)V ところで私も樹氷を見ていません! 早く行かないとまた来年になってしまいます。 なので行きたいんですが今度の週末は用事と仕事で行けないし(x_x)
このルートとってもよいですね!
今シーズン中に一度はチャレンジしたいと思っていたんですけど、なかなか天気があわなかったので見送っていたんですよね。 今週末晴れないかなぁ。あっ今週末仕事だ…(T_T)
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torasan-819 at 2011-02-15 04:35
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noncat at 2011-02-15 14:19
牝馬とは、私のこと(^O^)きゃはは
虚弱体質なのは私だけで、あとの3人は最強でした。 まさか、ホントにお会いできるとは思ってなかったので、嬉しかったです。 山スキー体験、とても楽しかったので、癖になりそうです。 いつかご一緒できるといいですね、その前にスキーの腕を磨かなくては!!
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ナマステ
at 2011-02-15 15:50
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少しばかりこの辺詳しいのでコメントさせて下さい、
箕輪南東斜面ですが、ガスってたので仕方ないですが美味しいのは、 滑降止めた(C1650 )辺から(C1300)の下斜面東鴨川までです、 東鴨川近くは結構な急斜面で今なら雪の状態を見極めないと誘発雪崩リスクもあります 強風の時は頂上へ行っても、直下C1600辺まではガサガサかアイスバーンです 最初からこの地点へ廻りこんで、美味しいところ取りで、そこから滑るのも方法です それから、夏道(シュカブラ道)を乗越して雪質の良い沢伝いに行ったのは、ロスではなく 大正解です、そこを辿さどるとおぼろげながら小屋が見えてきます ガスが濃いとき夏道行ったら、避難小屋見つけるのは大変だったと思います 私がそうでしたから、、 (まあ~こんな意見のあるかのかと軽く受取って下さい)
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torasan-819 at 2011-02-15 20:29
noncatさん
山スキーは慣れの問題でしょう(^。=) 来年はnoncatさんも「最強」になっていると思いますよ。 あの日はすんなりたどり着けるかどうかわからなかったのですが、なんとか予定どおり下れました。 次回は是非ご一緒しましょう♪ おっとナマステさんにお願いしておかなければ(笑)
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torasan-819 at 2011-02-15 20:36
ナマステ(サダっぺ)さん
>美味しいのは滑降止めた(C1650 )辺から(C1300)の下斜面東鴨川までです そうなんですよ下に美味しそうな斜面が見えていたのですが… たしか昨年か一昨年ナマステさんのブログに記事がありましたよね。 箕輪周辺をかなり滑り込んでいるナマステさんのご意見ありがたく頂戴いたします。 箕輪はいろいろなルートが取れて面白い山だなあと再認識しました。
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yossy1904 at 2011-02-15 23:41
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odamaki
at 2011-02-16 00:28
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加ト幹事長
at 2011-02-16 13:10
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odamakiさん、是非今度ご一緒しましょう!蔵王ダムコース並みの良い雪で勘違いしますよ~♪
いいコンビって、あくまで私はキープ(リザーブ?)らしいですので・・お相手がいないときは声をかけてくださいな(涙)。
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torasan-819 at 2011-02-17 07:00
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torasan-819 at 2011-02-17 07:05
odamakiさん
こちらもodamakiさんの笑顔に会えて嬉しかったですよ。 だって昨年の沢以来ですからね。 迷沢でもどこでもお供しますから声かけてくださいね~ ところで幹事長とはコンビというか…「相棒」です(笑)
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torasan-819 at 2011-02-17 07:07
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