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2012年 06月 05日
飯豊石転び沢で今シーズンの板納め ~ 2012年6月3日
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(Tobyさん提供画像)
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山域山名   飯豊連峰 石転び沢
山行期間   2012年6月3日(日)
山行形態   山スキー
天候      晴れ時々曇り一時雨
参加者    3人(L:トラ山・あんみつさん、Tobyさん)
行程      梅花皮荘5:36~飯豊山荘6:41~温身平7:13~雪渓末端8:36-8:52~石転ビノ出合9:30~梅花皮小屋12:21-13:06~
         石転ビノ出合13:33~雪渓末端13:47-14:00~温身平15:19~飯豊山荘15:42~梅花皮荘16:56
行動時間   11時間20分
移動距離   25.7km(GPS計測)
累積標高差 ±1,930m(GPS計測)
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今シーズンの板納めは飯豊の石転び沢にした。昨年の板納めも石転び沢だったが、この時期になると滑ることのできる場所も限られてくるし、最後にたっぷり楽しんで終わりたいということで、自分としてはおのずとこうなってくる。何人かに声をかけたら呼応してくれる奇特な方?がいらして、ゲスト2名を案内しての石転び沢ツアーとなった。ゲスト2名とは八甲田で一緒したあんみつ女史と、山では何度か遇っているものの一緒に歩くのは初めてとなるTobyさんだ。2人とも山スキーは2シーズン目程度だが、あちこちガシガシ登っては滑っているので石転び沢も問題ないだろう。




                         梅花皮荘から徒歩で
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                         町道はまだ車両通行止め
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                         痛々しい飯豊山荘
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                         新緑のブナ林を歩く  (Tobyさん提供画像)
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                         温見平より
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あんみつさんと午前3時に合流すると、白み始めてきた空を見ながら車を走らせ午前5時過ぎに梅花皮荘に到着。前夜に来て仮眠していたTobyさんに挨拶。梅花皮荘分岐から先の町道は、まだ開通していないので歩くしかない。小国町のホームページでは6月中旬開通予定となっている。しかし、通行止めのゲート前には軽トラが何台も止まっていて、何やら待っている雰囲気の人達とゲート番のような人がいる。おそらく地元の山菜採りにだけは通行させるのではないだろうか。こちらは遊びなので頼んでも無理だろうと、スキーを担いで歩きだす。歩き始めると町道には雪もなく、ガードレール等も取り付けられていて、なぜまだ通行止めなのか不思議だ。(その後、8日17:00に通行止めが解除された)1時間ちょっとで飯豊山荘まで来ると、道路側になる旧館の屋根が激しく壊れている。おそらく今年の大雪の影響だろう。湯ノ沢の橋を渡ると未舗装の林道となり、新緑のブナ林歩きが続く。温見平の看板のあるところからは、石転び沢の上部と小さく梅花皮小屋が見えるので、飯豊自体が初めてというあんみつさんに説明する。

                         堰堤の階段が登山道
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                         木の下をくぐり
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                         ヤブを抜けて
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                         梅花皮沢の下つぶて石と上つぶて石
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                         おっかなびっくりの「婆マクレ」
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さらに大きな堰堤まで歩くとやっと登山口となる。ここまで7km近く歩いたが、まだ標高500mで梅花皮荘から200m程しか高度を上げていない。堰堤脇の階段を登ると、ここからが本当の登山道で細い山道になる。梅花皮沢の左岸沿いに続く登山道は、整備されているわけではなく、ある程度自然にまかせているような道なので木の枝も被っている。背中に担いだスキーは頭の上に数10㎝も突き出ているので、しょっちゅう木の幹や枝に引っかかり歩きにくい。その度かがんだり腰を曲げたりと結構大変だ。スキーを担いでのこんな歩きは2人とも初めてのようだ。

                         雪渓にいったん下りてまた上がる
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                         ようやくスキーで歩き始める
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                         まだ石転び沢は見えない
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                         青空の雪渓歩きは気持ちがいい
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                         石転びの出合が近づく
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                         ここから1000mの標高差を登る
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梅花皮沢の雪渓には、いつもと同じポイントから乗ることができた。各自履いていた長靴や運動靴をデポし、スキーで登り始める。さすがに6月ともなると、雪渓の上には木の枝や土が散乱しているうえ小石がかなり目立つ。復路での滑りの時はよほど注意しないと、スキーのソールを傷つけてしまいそうだ。しばらく緩やかな登りが続く。日差しは強いが気温はそれほど上がっていないので助かる。梅花皮沢は石転びの出合で右の門内沢、左の石転び沢と分ける。この出合から先で石転び沢は勾配を増す。いよいよ石転び沢の本番。雪渓は稜線まで1000mの高低差を一気に駆け上がっていて、遥か上を見上げながらの登高が続く。それにしてもゲスト2名は元気だ。あんみつさんは山スキー2年目にして、先々週は針ノ木雪渓を滑っている。しかも昨夜は東京からの自走で寝ていない。Tobyさんにしても、スキー歴自体は長いようだが山スキーは2年目である。

                         きつい登りが続く
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                         最後の急斜面はツボ足で
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                         振り返ると石転び沢の全景が眼下に
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最後の急斜面の下でいったん勾配が緩むので、ここでスキーからツボに切り替えることにする。準備をしているとやけに登り足の速い、忍者のような風体の単独男性が上がってきた。聞くと7:10に梅花皮荘をスタートしたというから驚く。我々より1時間30分も後にスタートして追いついてしまったのだ。さて我々も頑張らねば。Tobyさんは慎重にアイゼンを装着。自分とあんみつさんはアイゼン無し。同時に登り始めた先ほどの男性は、駆け上がるような勢いのキックステップで登っていくと、たちまち小さくなってしまった。年齢は自分より結構上(後で知ったが68歳!)のようなのに、世の中にはなんとも凄い人がいるものだ。こちらはマイペースで登っていくが、それでもかなり足にこたえる。振り返れば眼下に1000mの高度差で、石転び沢雪渓が一望できる。登ってきてよかったと感じる瞬間だ。

                         到着!
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                         北股岳を眺めてのランチタイム
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                         大日岳
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                         一番飛べてないワタクシ(笑)
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ようやく梅花皮小屋直下に到着。続いてあんみつさんTobyさんと年齢順?に到着。皆で無事登頂を祝う。面倒なので小屋には入らず、そのまま雪渓の上で昼食休憩。見ると北股岳山頂を滑り降りてくる人が見える。なんとあの忍者おじさんではないか。何ともスーパーな人がいるものだ。小屋近くにはミヤマキンバイの黄色い花が咲いていた。雄大な大日岳を眺め、さて滑ろうとしたら小屋からぞろぞろと人が出てきた。新潟の山岳会の人たちで、ツボとスキーの混成パーティーだ。彼らと相前後するように、小屋前の斜面から滑り降りることにする。

                         いよいよ滑降
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                         たちまち小さくなる2人
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                         あんみつさんは今シーズンみるみる上達
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                         Tobyさんはストックにカメラを付けて動画撮り
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                         デブリや小石を避けて滑る
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                         Tobyさんはスキーが上手い
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急斜面を眼下にしても、石転び沢を初めて滑ったときのような緊張感は無い。しかし、このぞくぞくするような高度感のある石転び沢は、山岳スキーの斜面として国内有数であり、ここを滑ることが出来ることに感謝したい。
お先にどうぞと言うと、スキーの上手いTobyさんが真っ先に斜面に飛び込んでいく。針ノ木雪渓の急斜面もこなしてきたあんみつさんも追随していく。間をおいて自分も斜面に入る。雪はザラメだがその下は少し固めの雪面。何ターンかしたあとエッジを引っかけて転倒。頭を下にして10mほど落ちたが、体勢を立て直して制動し立ち上がる。雪面が少し荒れているので、板を抑える足が疲れる。何度か休みながら滑り降りたが、たちまち石転びの出合まで下りた。1000mの高度差も滑ればあっという間だ。ここからは勾配も緩くなり、枝だけでなく小石まで落ちているのでゆっくり滑っていく。靴のデポ地点まで来ると滑降の部は終了。後は長い歩きが待っている。

                         帰りは雨にやられた
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                         雨も止み山菜も採れた
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                         ここまで来ればあと少し
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下山していると雷が聞こえ、とうとう雨が降ってきてカッパを着ることになる。スキーを担いでの歩きは楽ではないが、この時期は途中の道すがらウドやコシアブラなどを採る楽しみもある。そんな道草を食ってばかりいるものだから、後続のパーティーからはどんどん抜かれてしまう。まだかまだかと歩き、やっと梅花皮荘に到着したのは17:30。梅花皮荘の温泉にゆったりと浸かり、汗を流してから家路についた。これで板納めができたので気持ちの区切りがついた。お付き合いいただいた2人には感謝。来シーズンもパーティーを組んで、さらに楽しい(きつい?)ところに行きたいものだ。さて沢登りへと切り替えよう。

Tobyさんの記録 → Toby's blog
過去の石転び沢 2010年 2011年

by torasan-819 | 2012-06-05 19:11 | 山スキー | Comments(11)
Commented by Mt.Racco at 2012-06-08 22:24 x
こんばんは。石転に行かれたんですね~。
実は、私もちょっと考えたんです。在京テレマーカーでツアーを組んで。
でも、確か土砂崩れだか雪崩だかで徒歩でも通行できないと聞いていたのですが、ガセだったようですね・・・・う~ん残念。

余談ですが、石転はアイゼンなしで上がったのですね。
稜線に飛び出すまで滑落しそうで怖くありませんでしたか?
Commented by torasan-819 at 2012-06-09 07:59
Mt.Raccoさん
町がそういう判断をしたとの情報が「飯豊朝日連峰の登山者情報」に掲載されていたので、それを見て行くのを控えた方がいたようですね。
一時そういうことだったらしいのですが、現地では徒歩の規制はされてませんでしたし、町に問い合わせをした方によると町の回答も徒歩の規制はしていないとのことだったようです。
ワタクシも「飯豊朝日連峰の登山者情報」の情報は見ていたのですが、行けば何とかなるだろうと思って行きました。
ノー天気ですが結果オーライでした(笑)
Commented by torasan-819 at 2012-06-09 08:03
Mt.Raccoさん
アイゼンの件ですが、これまでスキーでは石転び沢2回、門内沢2回登っていますがアイゼンは1回も使用していません。
ツボで登ったこと自体今回が初めてで、以前はすべてシール登高です。
ちなみにスキーアイゼンも使っていません(^^ゞ
どのみちヒールリフターを目一杯上げると効かなくなってしまうので。
でも急斜面のシール登高は、大きくジグを切って水平移動ばかり多くてなかなか高度を上げられないこともありますよね。
シール登高にこだわりがなければ、さっさとツボにしたほうが結果的に早いようです。
アイゼンも持ってましたが、この日はキックステップで十分蹴り込めたので必要無しと判断し装着しませんでした。
でも安全のためにはアイゼンを付けた方がいいでしょうね。
滑落は雪の状態次第ですが、今回は時期も時期なので雪も柔らかくあまり不安はありませんでした。
一昨年と昨年、5月に行った時はかなりヒヤヒヤだったので、恐くなかったかといえば恐いです(笑)
Commented by utinopetika2 at 2012-06-09 08:28
出勤前だというのに拝読しただけで疲れてきました。(*゚ρ゚) ボー
飯豊の山は既に3度目でしょうか?
搔き立てるモノ・・・知りたいっす。
Commented by ranger3yuji at 2012-06-09 15:40
torasanさんの記事を見ると行ってみたくなります。
石転び沢、すごいところですね。
Commented by torasan-819 at 2012-06-09 15:43
utinopetika2さん
すみません読む人を疲れさせるような山行ばかりで(^◇^;)
今年飯豊はまだ2度目ですよ。
やはり飯豊はイイですね、行ったばかりなのにまた行きたくなってしまいます。
ワタクシを掻き立てるものですか?
それは山の魅力というか魔力かもしれません…なんてね(^_-)-☆
Commented by torasan-819 at 2012-06-09 15:57
ranger3yujiさん
ワタクシの場合、初めて飯豊は2009年7月11日でした。
http://torasan819.exblog.jp/11507847/
日帰りピストンで梶川尾根から門内岳を目指しましたが、途中の滝見場から石転び沢が見えました。
あんな急な雪渓を登ることが自分にできるのだろうかと思ったと同時に、自分も登りたいと思いました。
そして翌年の6月に石転び沢を登っている自分がいました。
http://torasan819.exblog.jp/14024267/
飯豊は結構近いですし、是非登ってみられてはいかがですか。
Commented by leviathan05 at 2012-06-10 11:15
今回もたっぷりと、リンク先や過去記事まで戻ったりしながら楽しく読ませていただきました。 <(_ _)>
今日もまたPCの前で写真を見ながら息を切らし、梅花皮小屋の前で大息をついている自分がいます。 (爆
Commented by torasan-819 at 2012-06-10 21:23
leviathan05さん
そうやって読んでいただくと嬉しいですね。
自分は遅筆なほうなので、場合によっては山行時間より、その記録を書く時間のほうが多くかかったりするんです(^◇^;)
なもので結構大変なんですが、やはり記録は自分のためということもあるので、これからもせっせと書きたいと思います。
Commented by Toby at 2012-06-14 13:49 x
いやぁ、ほんとにありがとうございました<(_ _)>
けっこう疲れましたけど、すんごく楽しかったです。
お二人の足を引っ張りそうだなぁと心配でしたけど、ギリ許容範囲ですよね(>人<;)
また来シーズンも一緒にあそんでください。もうちょい鍛えておきます。
Commented by torasan-819 at 2012-06-14 22:10
Tobyさん
許容範囲どころか、こちらは年々体力低下年齢ですから、来年はおそらく逆転ですよ(^^)v
必ずやまたご一緒しましょう!
ハニーさんもね(^_-)-☆


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