2012年 11月 28日
![]() 白石市には白峰会という山岳会がある。自分も地元だけに会員さんには顔なじみの方も多く、度々山行を伴にさせてもらっている。その白峰会の会山行が25日にあるというので、特に山行計画を立てていなかった自分はパーティーに入れていただくことにした。行動予定は峩々温泉から登山道を名号峰に登り、様子を見て可能であれば熊野岳方面に足を延ばし、カモシカ温泉跡へ下りて濁川沿いを峩々温泉に戻るという、左回りの周回ルートだ。蔵王も既に上の方は白くなっているが、登ってみなければ雪の状況はわからない。積雪が多ければラッセルになるだろう。 ====================================================================== 山域山名 蔵王連峰 名号峰(1,490.9m) 山行期間 2012年11月25日(日) 山行形態 積雪期一般登山 天候 晴れ 参加者 11名(白峰会10名+トラ山) 行程 峩々温泉7:17~猫鼻8:12~名号峰10:04-10:16~追分10:55~昼食休憩11:04-11:45~ カモシカ温泉跡12:44~左エ門小屋13:01~濁川出合13:30~峩々温泉14:25 行動時間 7時間8分 移動距離 11.4km (GPS計測:自動記録) 累積標高差 ±984m (GPS計測:自動記録) 装備 日帰り冬装備 ====================================================================== 登山口をスタートする ![]() 徐々に雪が増えてくる ![]() 猫鼻の分岐に到着 ![]() まだ薄暗い午前6時に集合し、乗り合わせて峩々温泉へと向かう。エコーラインから峩々温泉までの道は、ごく薄っすらと雪があるが陽が昇ればすぐ消える程度で問題ない。濁川に向かって下り、橋を渡ると峩々温泉のすぐ先が登山口だ。道の脇に何台か駐車可能なスペースがあり、その先で通行止めとなっている。昨年秋の土砂崩れにより、未だに道(県道蔵王青根線)は復旧していないのだ。標高780mほどの登山口からはすぐ急登になり、峩々温泉の後を回り込むように登っていく。登り始めは無かった雪だが、標高を上げるにつれ徐々に増えてくる。落ち葉や笹の葉にうっすらと被るようになり、やがて登山道も雪に覆われ真っ白になってくる。雪をゆっくりと踏みしめるように歩くと、小一時間で猫鼻の分岐に到着したので小休憩。猫鼻とは珍しい名称だが、分岐の形がY字の猫の鼻周りに似ているからという説がある。さて本日のパーティーは自分を含めて11人。30代前半の入会間もない新人さんから、80歳も近い白峰会の太斎会長までと幅広い。実は会長は自分の親父と同級生なのだが、今も現役でこうして山登りを続けていることは、素晴らしいことではないだろうか。 標高1240mの積雪は数センチ程度 ![]() 霧氷の森が美しい ![]() 名号峰山頂に到着 ![]() 白峰会の皆さん ![]() 猫鼻からは尾根の緩斜面が続く。周囲の森にはブナやミズナラの大木が見られるようになる。時折雲間から日が差すと、雪が白く輝きまぶしいくらいだ。標高を上げるとダケカンバの木が増えてくる。勾配が増した後また緩斜面となり、植生は灌木と笹が増え見通せるようになってくる。名号峰のピークが近づくと、周囲の木々は枝に霧氷が付き、白く美しい森となっている。北蔵王縦走路の分岐を右に折れると、ほどなく名号峰のピークだ。ピークとはいっても平坦で山名板がなければ、それとはわからず通り過ぎてしまうかもしれない。ここは風の通り道で、以前登ったときはあまりの強風に立っていることができず、這って歩いたことが思い出される。しかし今日はほとんど風が無く、無風といってもいい天候なのだ。この時期の蔵王にあって、こんなにも穏やかな日は本当に珍しい。冷たい風に吹かれることなく、ゆっくりと集合写真を撮ることができる。徐々に雲が切れて陽が差すことが多くなってきたが、まだ熊野岳などの県境尾根は雲に覆われている。時間的なこともあり、熊野岳は目指さずに下山することになった。 追分を左に下る ![]() 休憩時には陽が当たり暖かくなった ![]() 南にロバの耳、かろうじて五色岳が見えるが屏風岳は雲が被る ![]() カモシカ温泉跡 ![]() ロバの耳岩 ![]() 名号峰の山頂より引き返し、さらに追分の十字路まで南進する。追分より東に折れると短い区間だが道に灌木の枝が被り、這って進まなければならない所もある。そこを抜けて見晴らしの良いところで昼食休憩となる。標高は1500mほどだが、風もなく陽があたるとぽかぽかと暖かい。手袋を脱いで素手でおにぎりをパクついていても、まったく冷たいと感じない。なんと良い日に登ったのだろうと幸せな気持ちになってくる。いつの間にか雲は流れ空は抜けるような青さになり、雪と岩のモノトーンとの対比は目にしみるような美しさだ。田○さんの手作りビーフジャーキーなど、白峰会の皆さんから様々な食べ物が回ってきて、すっかりご馳走になってしまった。ゆっくりとした昼食休憩を終え下山を再開すると、下るにつれて雪が緩み少なくなってくる。カモシカ温泉跡まで下ると、ロバの耳は三角形のピラミダルな姿で、一瞬ここが蔵王ということを忘れてしまいそうだ。 東北大左エ門小屋 ![]() 小屋の外壁には熊の爪痕 ![]() 丸山沢の渡渉 ![]() 濁川への出合から見上げる稜線 ![]() 濁川沿いを峩々温泉へと歩く ![]() カモシカ温泉跡の分岐で左に折れて進むと、やがて東北大左エ門小屋だ。外壁の板があちこち割れているのでよく見ると爪痕がある。熊の仕業だ。小屋のすぐ脇の木には熊棚もある。小屋に居るときに外壁をガリガリやられたらと考えると、ゾッとする思いだ。小屋からは左エ門沢を渡り、丸山沢沿いの踏み跡をたどり、3回丸山沢の渡渉を繰り返すと濁川に合わせる。あとは濁川沿いのだらだらとした道を、ゆっくりと峩々温泉まで下る。14:25に峩々温泉に到着し、現地解散となった。 さすがにまだ積雪量は少なかったが、雪山シーズン始めの山行としては天候にも恵まれ、白峰会の皆さんのお陰で久しぶりの蔵王を楽しむことができた。それにしても、今日1日一緒に雪山を歩き、さほど遅れも取らない会長の脚力体力には、畏敬の念さえ覚えてしまう。ずっと見ていても、足下が危ういことがなかったのには驚くほか無い。岳人としてかくありたいとは思うが、こればかりは人それぞれでどうなるものでもあるまい。 GPSトラック ![]()
by torasan-819
| 2012-11-28 06:23
| 山
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Comments(12)
一枚目の写真はいい感じですね。
まるで山に誘われているようで、行ってみたくなります。 お馴染みのコースも景色は一変、ロバの耳もマッターホルンのようです。 80歳の岳人・・・憧れますね。
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utinopetika2さん
一緒に80歳の岳人を目指しませんか? そうなるかどうかは別にして目指すのだけは自由ですから(笑) やはりなんといっても継続こそ力なりだと思います。 ということでダイエット頑張ってますか? ![]()
こんにちは。
ようやく水→雪の季節ですね・・・・。私は一足先に既に雪上人間になりましたが。 それはともかく、天気が良ければ雪上ハイクは本当に気持ちがよいですね。 近くに蔵王のような山があるのなら私も週末毎に登ってみたいです。
山リタイアは65と決めていましたが、今は70に変更、80となると神業ですなぁ~。
当分里山へ…固まってから雪山へ入ろうかな。(^o^)
名号峰、白黒ですね。登山者が映えます。
山に行ったとき、そのときしか見ることのできない景色を楽しむことがいいですね。
maro4070さん
三浦敬三さんは99歳でモンブランを滑降しました。 三浦雄一郎さんは80歳で来春エベレストにチャレンジします。 65や70はまだまだ若いということです。 お互いできる限り継続しましょう!
シーズンインですねぇ\(^o^)/
いやぁいいですね。ときおりベランダから見える蔵王からお誘いは受けているんですけど、なかなかうまくいきません。今週こそは… |
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