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2013年 05月 02日
![]() 月山は山頂から四方にルートが延びているが、その中でも肘折ルートは屈指のロングルートだ。通常は姥沢から肘折までの縦走なのだが、車を利用するにしても公共交通機関を利用するにしても、かなり時間がかかるのが難点となる。縦走には丸1日かかるので、車を利用する場合は肘折温泉に1台デポしておき、もう1台で姥沢に移動してツアーに出発し、肘折に到着後に姥沢にデポ車で車回収に向かうということになる。肘折~姥沢間はルートにもよるが100~110kmほどあり、車での移動に2時間はかかる。このため、縦走は1日で終えても前後の移動があるので、全体で2~3日間かかることとなる。あるいは、あえて縦走に2日間かけ、前後の移動時間を取るという方法もある。もしくは何らかの形で、車を回送するという手もある。いずれにしても時間と費用のどちらか、あるいは両方が必要となるのだ。 とにかく思いつきで簡単に実行できるルートではない。このため、肘折から月山山頂までの日帰りピストンを試みる方もいて、かなりの長距離と長時間行動ながら成功している事例がネットでも散見されるが、脚力と持久力に優れた人だけの領域だろう。今回は東京の山友、あんみつさんが来るということで、飯豊と月山の山スキーをいろいろ検討したが、簡単に帰らせては申し訳ないということと、自分も以前からやってみたいと思っていたこともあり、思い切って肘折ルートにチャレンジすることにした。肘折にあるアメダスの積雪深データを見ると1mほど。まだ十分な積雪量があるが、時間単位でどんどん減っていくのが分かる。やるのはいつ?いまでしょ!と思い決行することにした。2人だけでもやるつもりでいたが、車に余裕があるので急遽呼びかけたところ3人が呼応してくれ、5人パーティーで臨むこととなったのは嬉しい。 他の記録も参考にして、今回の行動計画は「月山リフト上駅8:30~月山山頂10:30~念仏ヶ原避難小屋13:00~小岳14:00~大森山16:15~肘折17:30」とし、行動予定時間を9時間と見込んだ。 ================================================================================ 山域山名 月山(1,984m) 山行期間 2013年4月29日(月) 山行形態 山スキー 天候 晴れ 参加者 5人(L:トラ山・あんみつさん・Yoshikiさん・加○さん・odamakiさん) 行程 肘折4:45=姥沢P7:05=リフト上駅8:32-8:41~月山10:35-10:48~千本桜11:10~立谷沢11:42-12:01~ 念仏ヶ原避難小屋12:46-12:54~小岳13:52-13:58~赤沢川二俣14:17-14:24~978m14:33-14:55~ ネコマタ沢源頭15:00~大森山基部15:46-15:54~大森山頂16:20-16:28~林道16:47~ 朝日台(肘折)17:20-17:33=姥沢P19:50-20:02=水沢温泉=自宅23:07 行動時間 8時間39分 移動距離 21.2km (計測:GPS10m毎) 累積標高差 +1,300m -2,453m (計測:GPS10m毎) 参考データ 肘折積雪深90cm(4月28日アメダス) ================================================================================ 車のデポ地点 ![]() リフト上駅より登高開始 ![]() 午前4時に目を覚ます。前日は湯殿山をやった後に肘折温泉に2台で移動してきた。車をデポするのは肘折温泉から見ると、川をはさんで西側の高台になる朝日台である。登っていくとちょうど2台分の駐車スペースがあったので、ここをデポ地点と決め車中泊である。自分が作ってきた葉ワサビの醤油漬けをつまみに軽く呑み、腹ごしらえをしてから寝た。空には満天の星であった。今日はここに自分の車をデポし、あんみつさんの車で姥沢へ移動する。朝食を済ませ4:45頃出発。7時過ぎには姥沢に到着し、今朝向かってきた他の3人と無事合流。この時期になると滑るところも限られてくるのか、駐車場では次々と知ってる人にばったり(KYOさんご一行・ラッコさんご一行)。今回はリフトを利用する。歩いて登っても15~20分程度しか違わないのだが、270mを登る体力を温存したいがためだ。早朝から行動したい場合はリフトは当然使えないが、そうしているパーティーもある。準備をしてリフト上駅から歩き始めたのは8:41だった。快晴で風もなく最高のツアー日和だ。今日1日この好天が続いてくれることを祈る。 月山へと登っていく ![]() 大勢の登山者が斜面に取り付いている ![]() 氷化しているところもあり注意が必要 ![]() あんみつさんは初月山 ![]() 月見ヶ原の大斜面(向こうの山は葉山) ![]() 今年の月山は豊富な雪で、真っ白に輝き神々しいほどだ。見上げると多くの登山者が、砂糖の山に群がる蟻のように点々と続いている。この時期、山頂へ夏道ルートで登ろうとすると、上部でガチガチのアイスバーンに悩まされることがある。スキーアイゼンの無いodamakiさんと慣れていないあんみつさんに配慮し、右から大きく回り込むルートを取ることにしたが、調子よく登っているといつの間にか自分だけのひとり旅に。後続はさらに大きく回り込んだようで、稜線に出て後続を待ち合流する。山頂は賑わっていて、皆さん快晴の月山からの眺めを楽しんでいる様子。集合写真を1枚撮ると、先が長い我々は休憩もそこそこにシールを剥がした。これから滑り込む月見ヶ原の大斜面を眺めると、何人か滑り込むのが見える。肘折ツアーだろうか、それとも登り返すのだろうか。 加○さんが広大な斜面に滑り込む ![]() 気持ちよさそうに滑るodamakiさん(今回はテレマーク) ![]() スキーはまだ3年のあんみつさん ![]() 軽快に飛ばすYshikiさん ![]() 沢を滑り降りる ![]() 千本桜にて ![]() 千本桜から見える肘折ルート(トップ画像と同じ位置からグーグルアースで作成) ![]() 千本桜の急坂 ![]() 雪が重くなってきたがそれでも楽しい ![]() 月見ヶ原の大斜面は最高の一言。広すぎてどこを滑って良いのか分からないほど。雪も思いのほか良く、広大な自然のゲレンデに飛び込むと、歓声が自然に出てくる。ひと滑りして振り返ると、上部にsharizakaさんがいるらしい。自分は気付かなかったがスライドしたようだ。後で分かったが、東斜面を滑って登り返していたらしい。こちらはこのまま沢に滑り込む。一気に滑るのがもったいなく、何度も立ち止まり振り返り画像を撮る。山頂から約2kmの滑降を楽しみ、右の尾根にトラバースすると千本桜の急斜面となる。滑り降りて緩斜面になると、雪が重く感じターンしにくくなる。山頂から700mほども標高を下げているのだから、この好天では雪も腐って当たり前だろう。 1221mピーク先 ![]() 立谷沢川へと下る(右側が雪崩れた) ![]() まだ雪で埋まっている立谷沢川 ![]() 1221mピークを右から巻くと、念仏ヶ原の雪原が近く見えてきた。右下に見える立谷沢川の沢床には、先行パーティーの姿も見える。急斜面を立谷沢川に下り始め、安定していない新雪をカットすると、ズルズルと表層が雪崩れていく。ラインを変えて雪崩れ斜面の脇を滑り、立谷沢川に降り立つ。事前に調べた記録では、沢が口を開け橋が現れている画像を目にするが、今年はもう5月になろうというのに、沢はすっかり埋まっていて橋がどこかも分からない。おそらく橋だろうと思われる辺りで昼食休憩とする。 シールを貼って130mの登り ![]() 念仏ヶ原からの月山 ![]() 避難小屋を目指して進む ![]() 2階建ての避難小屋もまだ雪の下 ![]() 立谷沢川からはシールを貼り、約150mの登り返しとなる。太陽に照りつけられながら、大汗をかいて登ると念仏ヶ原だ。先行する3人パーティーが、左前方に小さく見えてきた。月山に盛んに巡礼が行われていた頃、巡礼者は何を考え念仏ヶ原を歩いたのだろうか。今我々の頭にあるのは、まだまだ先は長いということと休憩はまだかということだ。振り返れば、神々しい月山がたたずんでいる。月山が我々を眺めているような、もしかすると見守ってくれているような気がしたのは自分だけだろうか。念仏ヶ原の避難小屋は2階建てなのだが、まだ屋根が1.2mほど出ているだけだった。この小屋辺りではまだ5~6mの積雪があるのだろう。他の記録ではこの時期に、1階まですっかり現れた画像もあったが、まったく今年の雪の多さには驚くばかりだ。 先行パーティーに続き小岳へと向かう ![]() 赤沢川の支流を滑る ![]() 3度目のシールを貼る ![]() 978mピークでひと休み(正面に大森山が見える) ![]() 小屋での小休憩後にちょっと遠回りしてしまったが、尾根の夏道沿いに復帰する。ほどなくほぼ北へと進路を変え、少し下って1199mピークに登り返す。ここで3人パーティーに追いつく。次のピークの小岳(1,225.7m)は右から巻くように登り、立谷沢川から貼りっぱなしだったシールをようやく剥がすことができた。地形図を見ると、赤沢川の支流が滑りやすそうだったので沢に下りることにする。小岳から先は地形が複雑なので、しっかり地図を読むことが必要だ。先行者のトレースがあっても、それが効率的なルートかどうかは分からないのだ。沢ではスキーが走らず、ワックスを塗り忘れたことに気付く。赤沢川の二俣を回り込んだところで、978mピークに登るため本日3度目のシール装着となる。このピークは左から巻けば、シールでなくとも越せそうに見えるがどうだろうか。978mピークで小休憩し、あんみつさん持参の高いワックスを借りて塗る。もう先が見えてきたことで、どこまで続くのかと思っていたであろう女子2名も、ややホッとした表情になる。とにかく今回の女子は強い。男子と同等以上にやれる力量がある。 ネコマタ沢は結構な急斜面 ![]() Yoshikiさんは常に安定している ![]() 778mピーク下より左岸を登る ![]() 北斜面をトラバース ![]() 大森山の急斜面を登る ![]() 978mピークのすぐ北に見えるピークのコルに下り、右から東尾根を乗っ越すとネコマタ沢だ。沢の源頭部斜面は露出しつつあったが、沢床はデブリに埋まることもなく安定していたので滑り込む。そのまま下り、沢が二俣になる778mピークの直下で左岸に取り付く。自分はスキーのまま強引に30mほど登ったが、他のメンバーはツボ足で登ったようだ。尾根の北斜面をしばらくトラバースすると、大森山の基部に到着する。ここまでずっと雪は繋がっていたのだが、ここにきて見上げる大森山の西側急斜面に雪は付いていない。南斜面には雪が付いている(おそらく北斜面にも)が、急斜面でツリーホールもかなり開いているので、残雪をキックステップで登ることにする。急斜面に取り付くまで歩いた夏道の両脇には、ピンクのイワウチワが咲いていた。 大森山に到着 ![]() 急斜面を下る ![]() 下に林道が見えてきた ![]() 林道を歩く ![]() 朝日台へと最後の斜面 ![]() ゴール! ![]() 女子2名お疲れ様! ![]() 大森山の山頂まで、120mの登りは疲れた足にこたえるが、これが最後の登りと思うと足が動いてくれる。男子3名は競うようにくっついて登るが、後続の女子はトークが賑やかで余裕にさえ感じる。大森山から急斜面を夏道沿いに滑り降りると、まだ雪に覆われた林道に合わせる。平坦な林道をしばらく歩き、ショートカットして最後の急斜面に出ると、デポしておいた車が小さく見えた。再び林道に合わせ、平坦な朝日台の雪原を歩いていくと、ほどなくデポ車に到着。長かった肘折ツアーもゴールだ。時刻は17:20で、ほぼ計画どおりであった。お互いの健闘を讃え握手する。女子2名もよく頑張った。これまでの山行からあまり心配はしていなかったが、それにしてもよく頑張った。デポ車に5人分のスキーとザックを積み込むと、ちょうど向こうから3人パーティーが歩いてくるのが見えた。彼らに手を上げてエールを送り、姥沢へと車をスタートさせた。 今回はロングルートではあったが、ワンデイで距離・累積標高差ともに肘折ルート以上の山スキーは何度かやっていたので、大体の想定はできた。しかし、GPSがあるとはいえ、地形図に現れないような細かい地形の処理も含めたルートファインディングには、少々不安があった。その点では過去に1度肘折ルートを滑ったことがあり、ルートファインディングにも長けたYoshikiさんの存在は心強かった。ルート上にはある程度トレースが残っていたが、そのトレースばかりを追うのではなく、地形を見てその時点で最適と思えるラインを新しく引き直すことも必要だろう。いずれにしても今回は、好条件が揃い計画どおりのツアーとなった。同行者各氏に感謝したい。また今度肘折ルートをやるとしたら、途中で1泊してゆっくり歩いてみたいと思うと同時に、ワンデイでの肘折~月山ピストンのチャレンジも捨てきれないなと思うのであった。残念だったのは、時間が合わず、せっかく訪れた肘折温泉の湯につかることができなかったことと、途中で自分の携帯を落としてしまったことだが、特に携帯は痛かった。これも勉強代と受け止めておこう。 GPSトラック ( クリック拡大 ) ![]() ルート詳細図1 ![]() ルート詳細図2 ![]() ※記入漏れ、未掲載画像など、5/12頃までに追加するかもしれません
by torasan-819
| 2013-05-02 07:00
| 山スキー
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Comments(18)
しびれる景色ですね。
0
長いコース、機動力を生かしてクリアですね。
いやあ、一度はやってみたいですね、肘折コース。月山東斜面ですれ違った時は既に登り返しておりまして、失礼しました。
odamakiさんにあんみつさんもスゴイですね!私も来シーズン行けるように頑張ります(笑)。
お世話になりました!
トラさんのお蔭で滅多にないチャンスに参加しましたが 強者の男性陣、それに劣らぬあんみつさんだったので足を引っ張らないよう必死でしたがメンバーと雪に恵まれ何とか時間通りに辿り着け安堵しました。 KIYOさん見送りありがとうございました^^ それにしても仕事、山、ブログいずれもハードそうですがいつ寝ているんですか? 今度はやさしい所でよろしくお願いします。
odamakiさん
楽しかったですね肘折ツアー♪ いつの日か(還暦過ぎかな?)滑り降りて肘折温泉に泊まるというのやりたいですね。 いつ寝ているのかとご心配いただきましたが寝てません。 というのは冗談ですが、かなり睡眠時間削ってます(^^ゞ 記録まとめないとすぐ次の山行がやってきてしまうので必死ですよ(笑) スキーもあと残り1ヶ月ですから、企画したらお誘いしますね。 ハード、ソフト両方ありです(^。=)
当日はいきなりの遭遇でびっくりしました。
そして、肘折までのロングルートお疲れ様でした。 我々は10分くらい遅れて出発しましたが、少人数にもかかわらず山頂まで追いつけませんでした。さすが皆さん早いですね。 そうそう、山頂から皆さん滑り降りるのを見ていたんですよ・・・どなたか分かりませんが、最後の2名くらいの方が底に到着するくらいの時間帯です。山頂から「おーい」と声をかけて手を振っていたのに気づかれましたか? 我々の北月山(羽黒ルート)は、この日の入山者は他になくとても静かな山旅を堪能できました。 次回は、肘折に降りてみたいとも話していましたが、GWに行くには相当雪が多い年でないと苦戦しそうですね・・・今年がねらい目だったのかも知れませんね。 次回のチャンスを虎視眈々と狙います。
Mt.Raccoさん
白石スキー場でばったり以来ですから今年2回目でしたね。 そちらの北月山も楽しまれたようで何よりです。 ところで「おーい」には気付きませんでした~すみませんです(^^ゞ 肘折ツアーはなんといっても雪の状況がものをいいますが、こればかりはその時期になってみませんとなんともですね。 ワタクシは車回しも含めワンデイでやることも視野に入れてます。 付き合ってくれますか(笑)
噂に聞いてはいましたが、いやはや頑張っちゃったルートでした。
同行の方々のフォローが無かったらどうなっていたことやら。(汗 皆さん、本当にありがとうございました! 直前も直前に決まったルートだったので概要しかわからずに参加しましたが、 山をサボっていたせいでついて行くのが精一杯、ルーファイなんて余裕はとてもとても。 次回は、「途中で1泊してゆっくり歩いてみたい」方に参加希望。^^;
ん〜、これはすごいですねぇ。
お誘いいただいたときはてっきり念仏小屋近辺で1泊するものかと思っていました。まさかワンデイとは… みなさんすごいです。 ちょっとスキーを一休みしたので、今週末から最後のスキーシーズンを楽しみたいところです。機会があえばまた遊んでやってください。
あんみつさん
今度はもっと早く決めるようにしますね。 でも悩んだんだよねホント、病み上がりだしロングでイイかどうかと。 まあ結果オーライということで許してちょ。 次回はやはりワンデイで下りて、肘折温泉で宴会がいいかな(^o^)
Tobyさん
またお誘いしますのでその時はよろしくどうぞ。 ご存知のようにこのGWの鳥海山は天候不良で、ワタクシは山行を見送りました。 今週末も今ひとつのようですし…あの手を使うかな(^。=) 鳥海山のザラメ狙いは来週末からでしょうね。 |
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