2015年 05月 29日
今シーズンの板納めは飯豊の石転び沢とした。石転び沢は17日にも行ったのだが、思いのほか雪面がきれいで好印象だった。また普通に石転び沢を滑るのでは物足りないので、滝沢とホン石転び沢を滑ることにした。滝沢を滑るのは初めてだが、時間と体力の関係で適当なところで登り返し、ホン石転び沢を滑る計画とした。これで半年に及ぶ山スキーシーズンもいったん休みになり、夏山のシーズンに入る。 山域山名 飯豊連峰 梅花皮岳(2,000m) 石転び沢 烏帽子岳(2,017.8m) 滝沢 山行期間 2015年5月23日(土) 山行形態 山スキー 天候 晴れ 参加者 2人(L:トラ山・KIYO) 行程 大淵(梅花皮荘P)5:00~飯豊山荘5:27~温身平5:39~自転車デポ地点5:44~うまい水6:31-6:42~ 靴デポ地点7:08-7:23~石転ビノ出合8:02-8:10~梅花皮小屋10:32-10:58~梅花皮岳11:23~ 烏帽子岳11:43-12:10~滝沢登り返し地点(1610m)12:18-12:28~梅花皮岳13:57-14:18~ホン石転び沢出合15:00~ 石転ビノ出合15:21~靴デポ地点15:48-15:59~自転車デポ地点17:03~飯豊山荘17:17~大淵(梅花皮荘P)17:32 行動時間 12時間32分 ※自転車走行含む(以下同じ) 移動距離 29.1km (GPS計測) 累積標高差 ±2,830m (GPS計測) 梅花皮荘からの梶川峰と主稜線 通行止めの町道を自転車で走る 温身平から見える稜線 薄く踏み跡のある崩壊箇所 小沢の雪渓も崩壊が進んでいる 地竹原手前の河原は雪渓が消えた 滝沢出合(この沢の源頭部を滑る) 梅花皮沢の雪渓は崩壊が進んでいる 梶川出合も一部穴が空き流芯部が凹み始めた 午前5時に梅花皮荘の駐車場から自転車でスタート。大淵の通行止めゲートの脇を通りペダルを漕ぐ。温身平の看板より100mほど進んだところに自転車をデポし、スキーを担いで歩く。登山道の崩壊箇所をクリアし、小沢の崩れかけた雪渓を慎重に通過すると「うまい水」でひと息ついてから先に進む。梅花皮沢に残っている雪渓は6日前よりかなり減っていたが、「地竹原」の先で雪渓に乗ることができた。少し先まで歩いてスキーに切り替える。雪渓はあちこちで窪み割れ始めているので、ラインを選んで歩いていく。 石転ビノ出合 石転び沢へ進む ホン石転び沢出合 山頂部アップ 元気なKIYOちゃん ステップを切って登る 梅花皮小屋 KIYOちゃんとAさん到着 梅花皮岳からの北股岳 梅花皮岳山頂直下の状況 梶川出合を過ぎるとやっと少し安心できる。石転ビノ出合から石転び沢へと進み登っていく。今日は我々がトップのようだ。同行のKIYOちゃんはこの1年で体力をつけ、グイグイ登っていくので置いていかれそうだ。6日前と比べてもデブリは増えておらず、石転び沢の雪渓はきれいだ。斜度がさらに増したところでつぼ足に切り替える。もちろん斜面にまだステップはないので、ブーツを蹴り込んで登っていく。この頃なぜかトップでステップを切ることが多い。一歩一歩数えるようにして登ると梅花皮小屋に到着。泊り装備ながら早くも追いついてきた山形のAさんと小屋前で話す。Aさんは数々のロングルートをこなしている強者だ。水場で補給すると梅花皮岳へと登り、ホン石転び沢の状況を確認。山頂直下の雪はかなり細くなり切れ始めており、ちょっと厳しいかなという感じだ。 烏帽子岳その先は飯豊本山 大日岳が近い 滝沢を俯瞰する ご機嫌に滑るKIYOちゃん フラットで快適な斜面 素晴らしいロケーションだ 梅花皮岳へ登り返す 山頂より南へ烏帽子岳へと移動する。滝沢は右俣が梅花皮岳へ左俣が烏帽子岳へと繋がり、その間は大斜面になっている。快晴で風も穏やかな烏帽子岳山頂で昼食。本山や大日岳が近く見える。2人以外には人影さえ見えない。登山者の多い石転び沢とは違いまったく静かなものだ。斜面は縦溝もほとんど無くフラットで状態が良い。滑り始めると程よいザラメの斜面にシュプールを刻む。開放的で気持ち良い斜面に、2人ともごすっかり機嫌になってしまう。登り返しは気になったが、二俣で斜面が狭まるまでの400mを一気に滑り降りた。滝沢をこのまま下降すれば梅花皮滝があるはずだ。見てみたいとは思うが、それは次回の課題に取っておこう。梅花皮小屋に泊まって滑るのも楽しそうだ。登り返しは右俣を梅花皮岳へシール登高する。最後の20mほどはツボ足で登り、稜線登山道に出るとすぐ梅花皮岳山頂だ。 梅花皮岳山頂より北股岳方向 ホン石転び沢を見下ろす ドロップして見上げる 止まった地点から見上げる 滑ることができなかった斜面 さっそく山頂直下の雪を観察。今年は雪消えが早く、斜面にへばりついている残雪もかなり少なくなっている。2人であれこれ相談し、残雪の幅が1mもないところを突破すれば後は大丈夫だろうと目星をつけた。スキーを落として何とか核心部分を無事通過し、最初のターンをし始めたところで突然スラフが背中から降ってきた。スラフととも自分も流され、慌てて止めようとしたが止まらない。やっとスラフの流れから横に逃れて止めてホッとする。後でGPSの記録を見ると80m以上落とされていた。怪我はないが右のスキーは外れてしまい見当たらない。少ししてKIYOちゃんが滑り降りてきたが、上に板は見当たらなかったという。仕方なく1本スキーで急斜面を下る。スラフは遥か下まで流れ落ちていたが、結局板は見つからなかった。もはや登り返して捜索する体力も時間もないので諦めるしかない。スキーを1本だけ担ぎツボ足で下ることとした。今日は今シーズン最後の山スキーで板納めとするつもりだったが、本当に「板納め」してしまうとは思いもよらなかった。滑ればあっという間の雪渓も、歩くとやけに長く感じる。デポしておいた長靴に履き替えて下山した。 今回は怪我がなかったとはいえ、かなりヒヤッとした出来事だった。気温が上がっていたので、当然スラフの発生を予測しなければならなかったのだが。急斜面を前にして少々舞い上がっていたのかもしれない。しかも、自分が発生させたスラフの流れに、自分からターンして巻き込まれたというのはかなりお粗末。自分の未熟さを思い知らされた。振り返ればこの頃の山行、少々慎重さに欠けていたようにも思われる。山には謙虚さが大事だと再認識したホン石転び沢だった。 ※大淵(梅花皮荘分岐)~飯豊山荘間の町道は5月30日から通行可能になりました。 ※「うまい水」手前の登山道崩壊箇所は、滑落などに十分注意が必要です。一般登山者にはリスクの大きい状況といえます。 ※梶川出合までの雪渓がかなり薄くなっていて、あちこち崩落の危険があります。、往路では通れても帰路では崩れているかもしれません。慎重な判断が必要です。 GPSトラック ( 烏帽子岳まで:赤 烏帽子岳より:青 )
by torasan-819
| 2015-05-29 20:30
| 山スキー
|
Comments(6)
Commented
by
utinopetika2 at 2015-05-30 18:32
久々に正座して拝読いたしました。
スキー板は残念ですが、無事で何よりかと思われます。 飯豊は、そろそろ花の季節を迎えるのでしょう。 トラさんは、沢を意識されているのでしょうね。
0
Commented
by
torasan-819 at 2015-05-30 21:49
utinopetika2さん
そうなんです無事で何よりでした。 ワタクシもそろそろ年齢を考えなければなりませんね。 今年は雪消えが早いので花も早いですよ。 既に不忘山でもハクサンイチゲがかなり咲いているとの情報です。
Commented
at 2015-05-31 17:29
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
mt.racco
at 2015-05-31 18:03
x
お久しぶりです。
お怪我がなく何よりでした。 80mであれば、かなり加速してスピードが出たのではないかと思います。岩とかにヒットしなかったのが幸いだったのでしょうか。 また、考えようによっては厳冬期でなくても良かった。 恐ろしい…
Commented
by
torasan-819 at 2015-06-01 18:36
Commented
by
torasan-819 at 2015-06-01 18:48
mt.raccoさん
頭が下になれば真っ逆さまだったでしょう。実は体勢が崩れそうになるのを、手や足を使って必死に修正しました。 落ちているときは夢中ですが、後で恐ろしさがこみ上げてきました(^0^;) |
アバウト
カテゴリ
以前の記事
2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 more... お気に入りブログ
お山遊び 裏のお山で雪とたわむる ... 山より道具 草花と自然Blog Digital phot... ebiyanの南東北 山... 駅風呂やめました本舗 白石まちづくり Mixture アルコールストーブを創ろう 思い出を残して歩け。 フォトハウス in 福島 Six O'Clock kaiの気ままに山系アウ... mellow life 植野稔の自然遊悠学 イワ... 山について語るときに僕の... マウンテン・ソング・ブック ☆ Happy Pho... 日々是精進也 山ノート S H O P H O T O バイクで行く旅。2 山の子 ことりはうすブログ マロのページⅡ 山と野と ほわほわ山登り THE NATURE T... 宮城南部便り 農家の嫁の事件簿 +(ぷらす) yamaoyazy?の山歩記 ちょいと川へ のんびり写真館 水戸葵山岳会(会員による... tabi & photo... Mountain Rose -Enjoy Natur... Climb & Ride 新・自然遊悠学 伊藤知之のスキー通信 mountain nev... 船形山からブナの便り(ブ... 仙台山想会 紺碧の空へ あんだんて♪の、人生の忘... tabi & photo... 蔓兵衛の山と庭の日々 点描3 最新のコメント
メモ帳
マロのページⅢ
あの山に登ろう 自然に飛び込む~山形の自然満喫日記 すうじいの時々アウトドア みちのく遊山 はなゴンの中年まったり山登り みやぎ山・スキー日誌 いんちょの山登り Coffee Break 福島登高会(新) 福島登高会(旧) 白峰会 大江山岳会 本庄山の会 西川山岳会 フィエスタの谷 エコプロ のんびり~な日々 山田沢田岩田 petit message Toby's blog 煙突おじさんの山スキーと釣り 地図センター 飯豊朝日連峰の登山者情報 飯豊朝日連峰の麓から それゆけ とーちゃん ほんねのね 東北の山遊び 豊後ピートのブログ しぎはらの山々日誌 福島フォーラム ウォッちず きのこ専科 hebereke様の本格的登山隊 HITOIKI Blog 山と海の記録 あかねずみの月山だより 目指せ!立派なテレマーカー 東北の山~鳥海山 東北アルパインスキー日誌 専門天気図アーカイブ soloist 山道具道楽 まったりアウトドア 沢の風と空 その空の下で。。。 沢胡桃 登山用品店teku_teku ぶなの会 扉のページ 山で会えたら 山人小屋 逍遙溪稜会 山めし礼賛 熊プーの生活 山釣り紀行 東風の雑記帖☆「あしたはあした」 sanpei.soragoto まったりアウトドア 山の天気 飯豊族 山スキー・山登りと徒然日記 朋友会 fwix-rope 四季の山野草 春夏秋冬~東北の山巡り~ YASUHIROのマウンテンワールド 阿部氏のページ オドサマの採集食生活 野人に戻ろ 恒さんの"気ままに山歩き 山形の山や自然を写真で紹介 逍遙の四方沢話 那須の山だより ぽこけん WINDY EXCURSION 最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||