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2016年 02月 14日
蔵王・南屏風岳東壁の滑降 ~ 2016年2月11日
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厳冬期の南屏風岳東壁滑降はタイミングが難しい。先月31日にトライしたものの、ガスと強風にアクシデントもあり、不忘山止まりであえなく敗退した。天気予報を見ると、建国記念日の11日はまずまず安定した天候のようだ。しかも、その後の週末は気温が急上昇するとのこと。この機会を逃すと2月中のチャンスは無いかもしれない。これはもう何としても行くしかないとリトライすることにした。


  山域山名   蔵王連峰 不忘山(1,705.3m) 南屏風岳(1,810m)
  山行期間   2016年2月11日(木)
  山行形態   山スキー
  天候      曇り
  参加者    5人(L:トラ山・藤◯・黒◯・森◯・羽◯)
  行程      白石スキー場8:00=ゲレンデトップ9:00-9:10~不忘山11:00~南屏風岳12:10~東壁滑降12:35~
          昼食休憩13:00-13:38~権現沢出合下14:00~東尾根16:00-16:13~白石スキー場16:50
  行動時間   7時間40分
  移動距離   10.1km (GPS計測)
  累積標高差 +1,140m -1,427m(GPS計測)





                         東尾根を登る
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                         右手に見える水引入道
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                         下界は晴れている
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                         ここからはツボ足で
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                         不忘山頂直下
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                         愉快な皆さん
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予報によると朝のうちは風が残るが昼過ぎからは収まるようだ。とすれば急いで登ることはないので集合は8時にした。仕事を終えてから来る羽◯さんを待ってリフトに乗る。いつもはリフトを使わないのだが今日はスタートが遅いし、たまには使わないとスキー場に申し訳ない。リフト2本でEコースゲレンデトップから東尾根を登る。前回はヤブが少々うるさかったので、右のコガ沢寄りを登ることにする。始めは自分がトップで軽いラッセルが続く。しばらく登ってから20代の黒○君にバトンタッチする。今日の参加メンバーだが、50代の自分(57歳)以外は20代・30代・40代と若い。この頃はさすがに、若者と一緒のペースで歩くのは大変と思うようになってきた。やがて樹林帯から抜け出たが、前回のように風に叩かれることも無く快調に登っていく。しかし、下界は晴れ渡り太平洋の船まで見えるが、上を見ると不忘山と南屏風岳はガスの中で見えない。右手の水引入道はかろうじて山頂が見えているので、予報を信じて登ってから判断するとしよう。不忘山頂のピストンなのか、早くも山スキーヤーがひとり下ってきた。1630m地点からはでスキーを担いでツボ足だ。不忘山頂へ登ってもガスで南屏風の壁は全く見えない。先に進むか中途退却とするか逡巡するが、時間はまだ余裕があるので先に進むことにする。

                         尾根の下降
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                         今度は登る
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                         日が差してきた
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                         青空だ!
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                         斜面もしっかり見えてきた                         
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                         斜面を慎重に観察する
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不忘山からはコルへは凍り付いた岩尾根を慎重に下降する。南屏風岳の壁が難しい場合は、コルから権現沢の滑降も考えてはいた。権現沢の源頭部斜面を観察すると、ある程度視界もあり特に問題がないようではある。滑降しようかと迷ったが、やはり南屏風岳まで行くことにする。そこまで行ってダメであれば滑降は諦め、水引入道を経由しての周回ルートで下山しよう。そうと決めれば急斜面をキックステップで登り、南屏風岳の肩から再びスキーでシール登高だ。登っていくと平坦になりそろそろ山頂かという辺りで、ガスが薄れて突然青空が現れ斜面も見えるようになった。よしと言うことで東壁の状態を観察しながら移動し、雪質をチェックしてドロップポイントを定めた。

                         森◯さんが下降
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                         黒◯くん
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                         羽◯さんの滑り(森◯さん撮影)



                         ワタクシ
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                         藤◯さん
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                         壁を見上げながら昼食
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シールを剥がしてブーツをスキーモードにする。自分の気持ちも滑降モードにチェンジだ。稜線直下は斜度が立っているので、斜面チェックも兼ねて20mほど滑り降りていったん止まる。雪は昨日の風で運ばれたと思われるウインドパック手前の固めの雪質だ。パウダーではなかったが不満はない。自然の中で滑ること自体が自分の喜びなのだから。メンバーにも続いて降りてもらうと、ノートラックの斜面を見定めてスキーを落としこむ。大斜面にターン弧を刻むと、またたく間に高度は落ちていく。メンバーもどんどん追随して滑り降りてくる。羽○さんはボード歴は長いがスキーは始めたばかりだ。しかし、危なげなく滑ってくるから大したものだ。もちろん彼女なら大丈夫と見込んで連れてきたのだから、当然と言えば当然ではある。東壁の基部まで400m以上の標高差を滑り降りた。自分達のシュプールを見上げるのは最高の気分である。

                         コガ沢を下降する
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                         口を開けている箇所をトラバース
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                         右岸にツボ足で取り付く
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                         登り返す
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                         東尾根に出た
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                         不忘山をバックに
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遅めの昼食を取ってからコガ沢を下降する。今年は雪が少ないこともあり沢は埋まりきっていない。窪んでいるところは要注意だ。口を開けている所もあり何箇所かトラバースでクリアする。このまま沢通しで下降すれば楽ではあるが、これ以上は危険と判断し登り返すことにした。登り返す場合は権現沢出合からと考えていたのだが、少し下りすぎてしまったようだ。スキーでは登れないほどの右岸急斜面にツボ足で取り付く。高さは10mほどしかないが、かなり時間を費やしてやっと登った。そこからも急斜面だがシール登高が可能な程度。そんなこんなで   mほどを登り返し、東尾根にやっと到達したがのだが、沢からは何と約2時間も要してしまった。もっとトラバース気味に登れば楽だったはずと思われ、今回の反省点となった。その後は少々ヤブのうるさい斜面を滑降し、リフトも止まって営業終了間近のスキー場へと戻った。

                         GPSトラック ( 登り:赤 下り:青 )
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by torasan-819 | 2016-02-14 10:02 | 山スキー | Comments(6)
Commented by fck_mototyan at 2016-02-17 19:17
記事のトップ写真に出していただきありがとうございますσ^_^;さぞ読者のみなさまはトラ山さん自身の画像と思った事でしょうね。ウェアが被ってますんでご注意を!

今回滅多に無いチャンスに潜り込めてラッキーでした。相変わらずのパワフルさに圧倒されたしたよー。

お世話になりました。ありがとうございました。
Commented by sharizaka at 2016-02-17 21:29
南屏風は未踏のルートで羨ましいです。元やん良かったですね。
こっちは呆れるほど雪がないです。もう半分スキーは諦めてます。
Commented by utinopetika2 at 2016-02-17 21:36
一枚目のお写真ステキですね。
若者の指南役、素晴らしいです。
Commented by torasan-819 at 2016-02-18 06:17
fck_mototyanさん
スリムなシルエットなので私とは違うかと(笑)
週末しか狙えないのでなかなかチャンスが無いんですよね。
平日は自宅や職場から指をくわえて蔵王を眺めているしかありませんから。
またよろしくお願いします。
Commented by torasan-819 at 2016-02-18 06:20
sharizakaさん
ご無沙汰してます。
そんなに雪が無いのですかそちらは?
雪が無い無いといっても何とか見つけて滑っているのは東北だからでしょうか。
是非滑りに来てくださいませ。
Commented by torasan-819 at 2016-02-18 06:32
utinopetika2さん
この頃はさすがに20代30代を相手にすると体力的にキツいです(笑)
蔵王にもこんな所があるということを次の世代にも伝えたいです。


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