2018年 07月 29日
朝日・荒川大石沢左俣 ~ 2018年7月29日
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7月最後の土日は蔵王の小屋ノ沢で沢合宿を計画していた。参加者は6人から諸々の事情により4人になったが、予定どおり実施することにした。しかし、珍しい進路となった台風12号の接近により天気が読めない。とりあえず沢の中で泊まるのは危険と判断し、土曜日の遡行は取りやめ日曜日に状況を見て日帰り遡行することにした。小屋ノ沢は日帰り軽装なら最大12時間程度での遡行が可能だ。土曜日は午後出発とし、小雨の降るなかブドウ沢登山口にテントを張った。いちおう合宿ということで真面目に飯を炊き男4人で食らう。酒を飲めば話は尽きないが、いつの間にか寝てしまった。夜半激しくテントを叩く雨音に気が付いた。4時半過ぎに起きて状況を確認する。雨は小ぶりとなっていたが、小屋ノ沢が流れ込む名乗川は濁流となっていた。今日の遡行はきっぱり諦め、思い切って山形方面に転進することにした。沢は2年前に遡行したことのある朝日・祝瓶山の大石沢とし、会長の承認を得て下山担当にも連絡をする。地形図がないので、スマホで自分のブログ記事からGPSトラック図をダウンロードしてネットプリントに送信し、途中のセブンイレブンでプリントアウトし準備完了。全部E藤さんにやってもらったのだが便利な時代になったものだと思う。何しろ自分はいまだにガラケーなのだ。


山域山名   朝日連峰 荒川支流 大石沢左俣
山行期間   2018年7月29日(日)
山行形態   沢登り
天候     晴れ時々曇り
参加者    4人(L:トラ山・S木・W井・E藤)
行程     登山口9:14~入渓9:18~3m滝10:28~2段15m滝10:46~760m二俣12:47~登山道15:20-15:36~登山口17:11
行動時間   7時間57分
移動距離   7.2kⅿ
標高     最低点430m 最高点1,120m
装備     ロープ 30ⅿ×2







             吊り橋を渡る
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             遡行開始
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             3m滝
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針生登山口に車を停め仕度していると早速メジロの群れにまとわりつかれる。転進したことで歩き始めたのは9時14分になっていた。吊り橋を渡り大石沢に入渓する。大石沢は小沢で下部は傾斜のない緩い流れが続く。入渓から1時間以上歩き単調な遡行に飽きたころ、やっと倒木ダムの3m滝が現れる。ここは普通には登れないが、沢登り3年目のW井さんと2年目のE藤さんに攻略を任せる。S木さんのアドバイスもあり越えることができた。



             2段15m滝
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             左壁を登る
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             3m滝は突っ張りで
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             2段12m滝
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次の2段15m滝もW井さんトップで左壁を登ってもらう。後続は途中の灌木からお助けロープを垂らしてもらいゴボウで登る。2段目を越えるとすぐの4mトイ状滝を左岸から越えると、狭い3mトイ状滝がある。W井さんは高巻きを考えたようだが突っ張りを提案する。体の硬い中年男4人だが、何とか全員突っ張りで突破した。沢が開けると2段12m滝が現れる。左岸の急斜面を巻いているとアッという声が聞こえ、先行していたS木さんが目の前を滑り落ちていくではないか。声をかけると大丈夫と返事があった。掴んだ枝が枯れ木で折れてしまい、たまらずに滑り落ちてしまったとのこと。高さで10mほどあったが、運よく重大事故にならずホッとする。本人いわく沢登りを始めて30年以上だが初めてとのことだという。気が付くといつの間にかメジロはいなくなりアブが主役となって刺してくる。



             雪渓が現れた
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             ブリッジ下を駆け抜ける
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             5分後に崩壊




滝の上に出てやれやれと思っていると、W井さんが水が急に濁ってきたと言う。その原因は上流に進むとすぐわかった。雪渓がありブリッジの一部が崩れたのだ。2年前「730mで左岸からガレた枝沢を合わせる」と記録したところだ。雪渓の上を巻くのも容易ではないので、ひとりずつブリッジの下を駆け抜けた。全員雪渓の上流に出て見ていると、ブリッジが変形し始め轟音とともに崩壊した。通過後5分ほどのことだった。これまで雪渓崩壊の音を聞くことはあったが、目の前で見るのは初めてのことだ。巻いて時間をかけていれば巻き添えを食ったかもしれない。ではブリッジを潜るのが正解だったかというと何とも言えない。沢登りの中でも雪渓処理は危険で難しい。4m滝が現れたが、落ち口に倒木の根が乗っていて越えるのはちょっと厄介そうだ。2年前は根の下をくぐり抜けて滝上に出たことを思い出したが、今はその空間がなくなっている。S木さんが右壁から登り自分も続いたが、スリップしそうでかなり嫌らしい。後続の2人は倒木を支点にロープで確保した。



             4m滝
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             10m滝
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             源頭を詰め上げる
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             1時間以上のヤブ漕ぎ
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             登山道で下山
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760mで二俣に出合う。2年前は本流の右俣へ進んだが、今回は時間短縮のため左俣に進むことにした。少し上ると15m滝が現れる。滝の直登は無理だが左壁を灌木頼りに登れそうだ。自分がロープを引いて取り付くと、実際はリッジ状の岩で足がかりに乏しい。少し苦労したが腕力任せに落ち口まで登り切る。後続はロープを2本使い3人とも確保して引き上げた。以後は滝も現れず傾斜を増した源頭を詰め上げる。途中で水を補給するとほどなく水流は途切れた。やがて沢型も定かではなくなり、急斜面を灌木に頼って体の引き上げが続く。かなり暑いこともありW井さんはキツかったようだが、細身のE藤さんは意外に飄々としている。最後は藪を漕いで左へトラバースし登山道に出た。ひと息つくとゆっくり下山して登山口に戻った。

急きょ転進しての大石沢だったが、無事下山したとはいえ危ない場面もあった。大石沢は朝日の沢としては易しい沢なのだが、沢の難度にかかわらずアクシデントはどこでも起きる可能性がある。自然相手の行動では、注意力散漫になり油断すれば簡単に足元をすくわれてしまうことになる。その点では初級者もベテランもないのだ。登らせてもらっているという謙虚な気持ちを忘れてはならない。



             GPSトラック ( 登り:赤 下り:青 )
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by torasan-819 | 2018-07-29 23:12 | 沢登り | Comments(2)
Commented by 米沢の高橋です at 2018-08-06 22:29 x
トラ山さん、お晩でございます。
私は29日に初心者9名連れで蔵王の新滝沢に沢トレーニングの計画でしたが、行ってみるとカフェオレが流れているような濁流でした。
流域面積が狭いので大したことはないだろうと思っていましたが、余程大雨だったのか見込み違いでした。荒川はきれいだったようですね。
こちらも転戦して(というかダメモト気分で)笹谷の仙人沢に向かいました。こちらの方が流域も広いのですが、カフェオレにはなっていず
緑茶程度でした。でも、いつもの渓相とはまるで違う急流で、コケたらどこまで流されるかわからないところもあり、経験者を下流に配置
しながら渡渉を繰り返し、最初の大滝までで戻ってきましたがいい訓練になりました。
それにしてもスノーブリッジの崩壊、危機一髪でしたし、よく撮影できたものです。貴重なシーンを拝見させていただきました。
Commented by torasan-819 at 2018-08-07 21:42
米沢の高橋さん
ご無沙汰です。29日は新滝沢ですか。わざわざ宮城側に来ていただいたんですね。濁流だったとのことでお疲れ様でした。たぶん少し待っていれば遡行できたのではないかと思いますが、無理はせずに仙人沢に転進が正解ですね。流量が増えたことによって難度も増して経験値も上がったのではないでしょうか。
スノーブリッジは潜り抜けてひと息ついて眺めていたところ、ブリッジが変形してきていることに気づきました。その後一部が崩壊し、見ていたら動画のように崩壊したというわけです。潜り抜ける時にグズグズしていたら危ないところでしたが、潜って良かったのか退却すべきだったのか、それともどうすればよかったのかは難しいところです。その後遡行を再開すると、雪渓が見えなくなってから轟音が響き、左岸の残りの部分の雪渓も崩落した様でした。くわばらくわばらです(^^;)

※ところでメールデータがクラッシュしてしまい。高橋さんのアドレスが分からなくなってしまいました。一度からメールでも送信していただければと思います。宜しくお願いします。


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