2018年 09月 29日
和賀山塊・マンダノ沢 ~ 2018年9月22日~24日
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マンダノ沢は8月上旬にN井田さんが計画したのだが、事情により延期となっていた沢だ。9月のシルバーウィークにゆっくり3日間かけて歩く計画となったのだが、またしても台風の影響で雨が残りそうな予報で悩ましい。結局、初日は雨が残るだろうと考え、入渓は避けて現地への移動のみとすることにした。実質2日間での遡行となるので、ゆったりと遡行するわけにはいかないが、今回は足並みがそろったパーティーなので特に問題はないだろう。



山域山名   和賀山塊 堀内沢マンダノ沢下天狗沢(遡行)部名垂沢(下降)
山行期間   2018年9月22日(土)~24日(月)
山行形態   沢登り
天候     22日曇り時々雨 23日 曇り時々晴れ 24日 曇り時々晴れ
参加者    3人(L:N井田・S木・トラ山)
行程     22日 白石14:00=夏瀬温泉18:30
       23日 夏瀬温泉5:26~堀内沢入渓6:25~朝日沢出合7:38~シャチアシ沢8:08~マンダノ沢出合9:00-9:28~蛇体淵12:03~
          上天狗沢出合12:48~テン場12:55
       24日 テン場6:13~898m二俣6:38~奥の二俣8:10~朝日岳9:22-9:38~部名垂沢下降点10:30~二俣11:38-11:53~
          林道末端13:47~林道分岐14:10~堀内沢渡渉点15:00~夏瀬温泉15:17
行動時間   23日 7時間29分 24日 9時間4分
移動距離   23日 13.0km 24日 14.3km 計27.3km
標高     最低点150m 最高点1,376m
装備     ロープ30m×1





23日
             夏瀬温泉手前の駐車場から出発
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             新奥の細道ということらしい
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             玉川にかかる夏瀬橋を渡る
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             踏み跡程度の道を辿る
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             堀内沢の沈下橋
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             夏瀬ダムの取水施設
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             堀内沢の遡行開始
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             右に左に渡渉を繰り返す
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             滝はあっても小滝程度
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             イワイ沢出合
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22日は午後2時に白石に集合して1台に乗り合わせて高速に乗った。盛岡インターで降りると国道46号で夏瀬温泉へ。山中の一軒宿で癒しの宿として人気らしい。あの明かりの向こうではきっと美味い料理に酒もなどと想像しつつ、我々は観光用の駐車場でテント泊である。軽く一杯やって8時前には寝た。翌23日早朝起床するとテントを撤収して出発する。玉川に架かる吊り橋を渡り対岸の踏み跡を辿るが、一部不明瞭なところもあり分かりにくい。途中からしっかりした林道になり、堀内沢の沈下橋を渡ってしばらく歩くと取水施設があり堀内沢に入渓する。幅があるので沢というより川と呼びたくなるほどだ。平瀬が続き右へ左へと渡渉を繰り返しながら遡行する。曇り空なので清流も今ひとつ冴えない色だが晴れていれば美しいだろう。



               マンダノ沢出合
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             10ⅿ滝
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             大岩のゴーロ
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             2条8m滝
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             枝沢から小さく巻く
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             12ⅿ滝の上部で左壁をトラバース
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堀内沢は特に難しいところもなく遡行開始2時間半ほどで二俣のマンダノ沢出合に着いた。他の記録にもよく出てくるように、三角錐岩が現れればマンダノ沢出合が近いと思っていたのだが、3人とも三角錐岩に気づかず出合まで来てしまったようだ。二俣は左俣がマンダノ沢で右俣は和賀岳から流れ下る八龍沢だ。早目についたのでゆっくり休憩してからマンダノ沢へ入る。始めのうちは緩いゴーロだが、やがて傾斜が増してきて大岩の折り重なる10ⅿ滝となり水流脇を登る。次に2条8m滝が現れる。水流右から登れるかと思ったが水流にはじかれそうで厳しい。安全策で右岸枝沢から巻くことにしたが、取り付けるところがあり小さく巻いて沢に戻ることができた。一手がちょっと悪いところに残置ハーケンあり。次の12m滝は水流左から取り付いたが、やはり水流が強く直登は諦める。左壁をトラバースしてクリアしたが、トラバースの最初の一手が悪かった。メンバーによってはロープを出したいところだ。



             3段10ⅿ滝
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             左岸から巻く
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             穏やかな流れになる
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             大岩のゴーロが続く
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             穏やかな河原になる
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             蛇体淵だったところ
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小滝をいくつか越えていくと3段10m滝。水流左のバンドの直登を試みたが取り付きが難しく断念。N井田さんはさっさと左岸の大岩を攀じ登っていたので後を追って越えた。滝の上は穏やかな流れになるが相変わらず大岩のゴーロが続く。昼食を取り小滝を越えていくと穏やかな流れの雰囲気の良い河原になった。蛇体淵手前のようだが流木が酷い。以前の記録では格好のテン場だとされているがその面影はない。蛇体淵と思われるところに来たが、岩屑で淵は埋まり滝も流木で覆われ荒れ果てた姿となっている。近年連続している大雨が原因のようだ。蛇体淵は美しい場所とされていたが、もはやその姿が復活することはないように思われる。蛇体淵の滝は左岸巻きだったらしいが現在は簡単に登ることができる。



             6ⅿ滝
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             多段滝
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             上天狗沢出合
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             出合のテン場
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             我々のテン場
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             ブナハリタケの炊き込みご飯
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             焚火こそ最高のごちそう
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その後も小滝と大岩を越えていくが難しいところはない。先行パーティーの後ろ姿が見えてきて追いついたが、逍遙溪稜会 の2人で22日から沢に入ったのだという。東北の沢で他パーティーに会うことは少ないので何か嬉しい。やがて上天狗沢と下天狗沢の二俣となる。上天狗沢を遡行し1,100m辺りで泊まる予定という逍遙溪稜会と別れて下天狗沢へと進む。二俣にテン場はあるのだがリーダーは日の当たるテン場にしたいらしい。10分と歩かず右岸におあつらえ向きの場所があり、まだ13時前だがザックを降ろすことにした。タープを張るとキノコを探したが期待したマイタケは見つけられず、あったのはブナハリタケだけ。途中で採っておいたミズコブのめんつゆ付けと天ぷらに加え、ブナハリタケは炊き込みご飯にし、他にも現地調達の食材で我々は満腹に。焚火をしばらく眺めてから満ち足りた気分でシュラフに入った。



24日
             二日目の朝
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             出発してほどなくナメになる
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             特に難しいところはなく遡行する
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             右から滝で出合う898ⅿ二俣
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             4mトイ状滝は右岸側壁を小さく巻く
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             5ⅿ滝
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             流木の小滝
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             この小滝は右岸を高巻く
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             スダレ状5ⅿ滝
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             3段8m滝
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炊きたて飯で朝食をすますと出発する。しばらくは小滝とナメ程度で快調に遡行していく。地形図で898mの二俣は右から枝沢が4m滝で合わせる。やがて両岸が迫りシャワーでなければ登れなさそうな4mトイ状滝が現れた。右岸側壁を小さく巻いたがちょっと悪い。5m滝を直登し小滝を越え釜をへつっていく。淵の先に2mほどの滝が見えたが泳ぐ気にはなれず右岸を高巻き、スダレ状5ⅿ滝の手前で沢に戻る。なおここは右岸をへつっている記録もある。その後も小滝を次々と越えていくと3段8m滝の上で左岸から枝沢が滝で合わせる。大荒沢岳と朝日岳の鞍部に突き上げる枝沢だ。



               5ⅿ滝は左右壁とも悪い
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             8ⅿ滝は容易
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             次の8ⅿ滝も容易
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             源頭を詰めていく
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             草原の中を登る
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             山頂近くは笹ヤブ
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             朝日岳(羽後朝日岳)山頂
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両岸は狭まり沢は細くなってくる。ちょっと厄介そうな5m滝はN井田さんが右壁に取り付くが結構悪い。それを見て自分は左壁を登るが最後で右に移る一足が踏ん切れず、上からお助けを垂らしてもらった。この頃になると日が当たるようになり気分も良くなる。次の8m滝とその次の8m滝も快適に直登していく。源頭の様相となり高度を上げていくと周囲は草付きとなり水が涸れる。見上げると山頂までは草原だ。振り返ると和賀岳も見える。斜度のある草原を休み休み登っていく。低い潅木のヤブがあったが左にかわしてすぐ抜けることができた。笹を少し漕ぐと朝日岳山頂に到達した。所用時間は出発してから3時間ちょっとだった。



             生保内川源頭を見ながら下る
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             朝日沢源頭
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             踏み跡は尾根の西側についている
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             下降点より踏み跡が続く
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             急な下りが続く
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             滝にはロープがある
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             部名垂沢は一般登山者のレベルではない
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             二俣を見上げる
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山頂から360度のパノラマを楽しむ。田沢湖が近く見える。秋田駒ケ岳と岩手山は雲ではっきりしなかった。まだ遡行したことのない生保内川も眺める。紅葉も始まってきたようだ。見渡す限り周囲の尾根には高木が無い。標高が低いのに森林限界を超えているのはそれだけ多雪地域ということなのだろう。朝日岳からは部名垂沢を下降する計画だ。下降点までは1キロ弱だが道はなく踏み跡程度らしい。朝日岳は登山道の無い山なのだ。地形図では大荒沢岳から点線で道があるように記されているが、現在はヤブに埋もれてしまっているようだ。下降点のほうを見ると小さく人影が見えてすぐ消えた。昨日の2人だろう。朝日岳から北へ続く踏み跡を辿ると所々不明瞭になり、外しては探すとまたあるという状況。テープも当てになるほどは付いていないが、向かう方向をよく見ると何となく分かる。鞍部の下降点には明瞭な踏み跡がある。手前で下ってしまうと部名垂沢の右俣を下降することになり、懸垂下降などで時間がかかるらしい。下降点のある鞍部までしっかり移動するのがポイントだ。急斜面を下降していくと滝になり突然水流が現れる。右岸にロープがあり使わせてもらう。これ以降も滝がいくつも現れるがロープが張ってあり楽に下降できる。部名垂沢は朝日岳への登路に使われているのでロープがあるらしい。しかし、とても一般登山者が登下高できるルートとは思えない。1時間強で二俣に着いたので休憩とする。



             ひたすらガレ場を下降する
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             最初の堰堤
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             足の裏が痛くなる
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             部名垂林道を歩く
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             林道からの分岐にある標識
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             玉川を対岸へ渡渉する
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             夏瀬温泉で汗を流す
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その後は斜度が緩みひたすらゴーロというかガレ場歩きが続く。ゴロ石の上をずっと歩くので疲れるし、特にフェルトの薄い沢タビは足裏も痛くなりペースが落ちる。やがて土石流・流木対策らしい透過型の堰堤が現れる。その後も堰堤がいくつも現れるが、いずれも左岸に巻き道や残存林道がある。340mの二俣からさらに800mほどで右岸に崩れた林道の末端を見つけて上がる。林道をしばらく歩くと夏瀬温泉まで3.9キロとの表示のある分岐になり、さらに50分歩くと堀内沢の沈下橋だ。ここからは往路のルートではなく玉川を対岸の夏瀬ダム発電所へと渡渉し夏瀬温泉へ戻った。こちらの方が断然楽で速かったのでお勧めである。しかも発電所手前に駐車することも可能のようである(許可の要否は確認していないが)。夏瀬温泉の日帰り入浴は15時までのようだがだいぶ過ぎていた。ダメもとで聞いてみると快く入浴させてくれた。しかも540円と高級旅館なのに安いし感謝である。

マンダノ沢は味わい深い沢だった。何と言ってもほとんど手つかずの原生林である。深い森の中を遡行すると人間の本能が呼び覚まされるようで格別の感慨がある。今回は足並みのそろった3人ということもあり、結局ロープを出すことはなかった。もちろん必要ないということはなく、メンバーやルート取りによっては積極的に出したほうが良いと思う。聞くところによると80代の方で今回のルートを遡行した方がいるという。そんな超人には及びもつかないが、また機会があれば、いや機会を作って生保内川も含めたこの山域を訪れてみたいと思うのであった。



             GPSトラック ( 23日:赤 24日 登り:赤 下り:青 )
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by torasan-819 | 2018-09-29 23:17 | 沢登り | Comments(4)
Commented by tabilogue2 at 2018-10-07 09:26
読み終えました。なんか今までの、、、沢を攻めまくるといったような感がなく「紀行」的な内容ですね。何か心境に変化でもあったかな? 
マンダ、ヘナタレ、ホリナイ、アサヒは「沢遊びの沢」というイメージですが トラさんのブログではなかなかお目にかかれなかった「沢旅」の味がしてきましたよ 笑。

今後は 年相応のノンビリ沢が良いんじゃないですか?(´艸`)

Commented by torasan-819 at 2018-10-07 22:38
tabilogue2さん
以前より紀行文的だと自分では思っていましたが、よりそうなったということでしょうか。
まあ人間は歳も取るし変化するものですから、読まれる方がそう感じるのであればそうなんでしょうね。
自分的には昨年あたりから沢旅テイストが強くなってきたと思っていました。
今後も細く長く(笑)沢登りを続けたいものです。
Commented at 2018-10-08 07:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by torasan-819 at 2018-10-08 21:18
通りすがりさん
確認不足でした。確かにご指摘のとおりでした。
教えていただき有り難うございました。
今後十分注意いたします。


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