2018年 10月 17日
蔵王・水引入道(ルートミス検証)~ 2018年10月14日
f0170180_21160738.jpg


山域山名   蔵王連峰 水引入道(1,656m)
山行期間   2018年10月14日(日)
山行形態   一般登山
天候     曇り時々小雨
参加者    2人(L:トラ山・K藤)
行程     白石スキー場12:48~コガ沢渡渉点14:12~水引コース分岐14:50~水引入道15:00~林道16:25~白石スキー場16:50
行動時間   4時間2分
移動距離   9.5km
累積標高差  ±940m





             ゲレンデから水引コースへ
f0170180_21210563.jpg


             紅葉に癒される
f0170180_21220897.jpg


             コガ沢渡渉点
f0170180_21231012.jpg


7日に蔵王・水引入道で救助されたA氏の発見現場は、水引入道の南東約1キロの沢の中だった。地形図では青い水線のある沢になっているが、7日はまったく水は流れていなかった。A氏は救助されるまで自分が水引コースにいると思っていたようだが、登山道までは最短でも水平距離200ⅿ以上、標高差で100ⅿ近くあり、どこでどう間違って沢に入り込んだのか検証したいと思っていた。週末の土日は所用があったのだが、日曜日は早めに終わったので急きょ登ることにした。同行者は急な誘いにも乗ってくれたK藤さん。白石スキー場に着いてみると車が結構多い。YMCAのマイクロバスが2台に乗用車が20台近くあり、紅葉狙いかとも思うがあいにく上のほうはガスで覆われている。雨が降ってこないだけマシという状況。天気は良くないが水引コースの紅葉と黄葉に癒されながら歩いていく。何組かの下山者とすれ違う。ずっしりとしたザックのキノコ採り2人組が下りてきたので声をかける。ナメコとムキタケを採ってきたとのこと。小学生の親子も下りてきたが、水引コースは親子連れにはあまり勧めたくないコースだ。特に下りは要注意である。



             大日向のザレ場
f0170180_21243378.jpg


             ペンキの剥げた案内標識
f0170180_21244068.jpg


             ルートミス地点(水引コース分岐と誤認したと思われる)
f0170180_22183646.jpg


             沢筋が道のように見える
f0170180_21282315.jpg


             枝に残されたタオル
f0170180_21293035.jpg


             靴の滑った跡があった
f0170180_21320666.jpg


             ルートミス想定図
f0170180_22011848.jpg


権現沢とコガ沢を渡り、急登でひと汗かいて大日向のガレ場に出ると10分ほどで水引入道の山頂だ。ガスで何も見えないのですぐ折り返す。ガレ場には道しるべとして岩にマーキングがあるのだが、だいぶ薄れているので再ペイントが必要と感じた。特に今日のようなガスの場合はマーキングが頼りになる。大日向のガレ場下部に水引コースとジャンボリーコースの分岐があるのだが、木製の案内標識はすっかりペンキが剥げてしまって文字が読めない。かろうじて岩と灌木にテープがあり、よく見れば分岐であることがわかるという状況だ。ジャンボリーコースに入るとロープのある急な下りになるが、両脇は樹林になのでコースを逸脱する心配はない。スリップに注意しながら下ると登山道がなだらかになる。どこから道を逸れたのだろうと思いながら歩いていくと、小さな沢が横切っているところに来た。沢に水は無く落ち葉が被っているので、見ようによっては道と思えなくもない。その沢に入ってみると踏んだような感じもあり、さらに下ると枝に何かが掛かっているのが見えた。近づくとタオルであることを確認。沢は少し段差になっていて、よく見ると土に靴の滑った跡がはっきりと付いていた。A氏のものであることはほぼ間違いないだろう。段差を降りる際にタオルを手掛かりにしたのではないだろうか。A氏の辿った痕跡を確認できたので登山道に戻り下山した。

あくまでも推測だが、A氏は大日向の水引コースへの分岐を見落とし、ジャンボリーコースを下りながら水引コースへの分岐が現れるのを探していたのではないだろうか。そのため沢が横切っている箇所で沢が道に見えてしまい、水引コースと思い込んでそのまま下ったのではないだろうか。足首を怪我(捻挫とのことだったが骨折と判明し手術したという)したまま何時間も動き、いよいよとなって110番したということらしい。
いずれにしても電波が通じるところで良かったというほかない。110番による位置情報と本人の説明により、大体の場所を掴めたので迅速な救助が出来たのだから。位置情報が無ければ捜索エリアは広範囲となり、登山道中心の捜索では見つけることは困難だっただろう。
また、6日から7日にかけては気温が高めで雨が降らなかったことも幸いだった。普通であればこの時期の山中で着の身着のままのビバークでは、寒くて低体温症の危険もあったと言わざるを得ない。ルートミス、道迷いの防止には、ちょっとでも変だと思ったら地図やGPSで現在地を確認し、安易には進まないことが重要になる。明日は我が身との言葉もある。まずは自らが気を付けなければならないと思う。



by torasan-819 | 2018-10-17 07:55 | | Comments(2)
Commented by HITOIKI at 2018-10-18 23:53 x
遭難の原因についての考察、とても有意義だと考えます。ルート・ミスの検証は自分に対する反省にもなります。僕もよく迷います。そのことこそ、詳しく記録するように心がけています。山行ブログの意義は山の素晴らしさより、山の怖さを伝えることにあるのかもしれません。
Commented by torasan-819 at 2018-10-19 07:19
HITOIKIさん
なぜそうなったのかというところに非常に関心があります。道迷いに限らず何事であっても失敗に学ばなければならないと思っています。再発抑止するためにも検証は必要です。ご本人から直接当時の状況について説明を聞くことができればなお良いのですが、なかなかそうはいかないので自分で検証し推測してみました。HITOIKIさんがミスを詳しく記録していることはとても良いことではないでしょうか。自分のミスを公表することは苦いものですが、自分だけでなく山に向かうすべての人にとってタメになると思います。


<< 安達太良山・東鴉川 ~ 201...      黒伏山・南壁中央ルンゼ ~ 2... >>