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2020年 07月 13日
吾妻・松川温海沢 ~ 2020年7月12日
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温海沢は最上川上流の松川の一支流であり大平集落から1キロほど上で松川と出合う。当会の1978年の遡行記録(当時は沢の名称を横川として記録)に「出合の平凡さからは想像できない意外な滝の連続に十分満足する沢登り」とあり、42年前の先輩がそういうからには行ってみたいと思っていた。とはいえ地形図を見ると源頭は不忘閣ヒュッテ跡付近の道沿いのようにも見え、どう見ても流程短く水量の少ない小沢レベルのように思える。この沢について1978年以降の遡行記録は見当たらない。釣り師も含めると部分的な遡行はあったにしても、通しての遡行はおそらく42年間なかったのではないだろうか。そんなわけで遡行してみたいと思い機会をうかがっていたのだが、しばらく雨模様の天候に近場の沢でトレーニングと考えた時にこの沢が思いついた。降雨で少々増水しても遡行できそうなこと、滝は多いが困難な滝はなさそうなことから、トレーニングとして遡行するのにもいいのではないかと考え計画した。参加メンバーはO島・E藤の2名だがO島リーダーで3人で遡行するという設定とした。私は後ろから見ていて原則口出ししないつもりだ。


山域山名   吾妻山・松川支流温海沢
山行期間   2020年7月12日(日)
山行形態   沢登り
天候     曇り一時雨
参加者    3人(L:トラ山・O島・E藤)
行程     大平地区公民館7:50=車デポ=駐車地点8:40-8:54~松川入渓8:58~温海沢出合9:45~橋9:57~
       堰堤10:05~堰堤10:13~8m滝10:31~12m滝11:52-13:30~石垣(右岸)14:12~石垣(左岸)14:18~
       不忘閣ヒュッテ跡14:34=駐車地点15:30
行動時間   5時間40分
移動距離   4.5kⅿ
標高     最低点480m 最高点1,120m
装備     ロープ 30ⅿ×2





            杉林を抜けて松川へ
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            松川の遡行開始
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            増水している
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            慎重かつ順調に遡行
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            温海沢出合に到着
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            穏やかな流れだ
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            林道の橋
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大平地区公民館集合し遡行終了点の不忘閣ヒュッテ跡に1台デポした。大平集落の外れから林道へと入りすぐ駐車。もっと先で温海沢に入ることができるのだが、トレーニングとして松川を温海沢出合まで遡行することにしたのだ。杉林を西に進んで松川に降りる。思ったとおり松川はやや増水しているが遡行は可能。早速O島トップで遡行開始。流れが強いので慎重に進む。スクラム渡渉もしながら50分ほどで温海沢出合に到着。ナメで出合っている温海沢へと入ると穏やかな流れである。10分ほどで林道の橋の下をくぐる。車を止めた林道進めばこの橋まで来るのでここから入渓すこともできる。



            最初の堰堤
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            次の堰堤
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            ナメになる
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            4m斜滝
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            すだれ状の8m滝
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            シャワーで直登する
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橋から10分ほどで高さ5mほどの堰堤がある。昭和50年竣工の名板を見て越える。また10分で次の堰堤がありこちらは昭和51年だ。沢は杉の植林地の中を穏やかに流れる。ごく平凡な小沢でありまだ滝が現れそうな感じはしない。堰堤から10分ほどで右岸に枝沢の滝を見送ると最初の滝が現れる。緩い傾斜の4m斜滝を越えると次は8m滝が現れる。ちょっと変わった形状の滝でハングした岩棚から手前の大岩に水を落としている。右岸を巻くのは容易。だがここは直登だろうと思っていたらO島が登り始めた。もろに水を被りながらシャワークライミング。いいね!と我々も続く。ちょっと寒いが爽快だ。この後は滝が次々と出てくるようになる。



            5m2段斜滝
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            6m幅広滝
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            6m滝ではロープ練習
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            5m滝
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            のっぺり岩の6m滝
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            4mナメ滝
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            12m滝
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            高巻きルートを探る
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5m2段斜滝を越えると6m幅広滝も容易。次も6m滝でフリーで登れそうだが2人は練習にとロープを出した。続く5m滝と細い4m斜滝は容易。のっぺりした岩の6m滝は右岸を小さく巻いた。4mナメ滝を越えると12m滝だ。幅広く幾条もの水を落としている。見るからに直登は困難であり昔の記録では左岸を巻いたと簡単に記されている。滝手前の両岸はどちらも立っているが、左岸は比較的樹木が多く右岸は露岩が目立つ。2人は相談して右岸からの巻きを選択した。折しも雨が少し強くなってきたが構わず高巻きに入ることにした。



            右岸を高巻く
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            泥と濡れた岩が滑る
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            2ピッチ目の嫌らしい個所
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            落ち口へと抜ける
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            すぐ上にも10m滝
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            水流を飛び越える
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O島リードでロープを伸ばす。少し直上してルートを探しながら右に曲がり立ち木でピッチを切った。岩にへばりつく木の根元にギリギリ3人が立つ。次もO島リードでやや難儀しながらも立ち木でピッチを切った。セカンドで自分が続いたが泥壁を登り手掛かり乏しくい濡れた岩場の横断はロープがあってもヒヤヒヤもの。クライミングのトレーニングを重ねてきた身軽なO島ならではのラインだ。3ピッチ目は落ち口への比較的容易なトラバースでE藤リードだ。彼はここまでも長身と長い手足でひょいひょいと登ってきた。最後はフリーで落ち口へと斜上するといつしか雨も止んでいた。所要時間1時間30分の高巻きだったが良いトレーニングになったと思う。なお右岸をもっと登り傾斜が落ちたところで巻くのは楽かもしれないが大高巻きになり時間はかかるだろう。次回があれば左岸の高巻きを試してみたい。沢に戻ると落ち口のすぐ上にも10m滝があった。流れを横切り左岸をトラバース気味に斜上して越える。



            長いナメが始まる
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            4m滝
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            日も差してきた
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            右岸の石積
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            右岸にも石積
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            不忘閣ヒュッテ跡で遡行終了
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10m滝の上はナメが続いている。始めは傾斜も強くU字型なので、今日のように水流の強いときは足をすくわれないよう注意したい。ナメは4m滝まで300m以上続く。次の4m斜滝を越えるとまたナメが200m以上続く。ふと気づくと右岸が石垣になっている。その石垣はいったんなくなり今度は左岸に石垣が現れる。この石垣は以前の記録にもあるのでかなり古いものと思われる。沢に沿って積んであるので沢の補修に積んだようにも思われるが、本当のところは不明である。もはや終了点は近いはずと思っていると左手すぐに道が近づいてきた様子。沢から上がると不忘閣ヒュッテ跡のすぐ前だった。予定の個所なのでここで遡行を打ち切る。沢はまだ先に続いているので、どこまで行くのだろうと確認したくなり道を登ってみた。すると約500m先で暗渠で道路を横断し尾根の方へと続いているようだった。この先は今後機会があれば確認することにして引き返す。デポしておいた車で出発点まで戻り解散した。
温海沢は林道の橋から入渓すれば半日で遡行が可能となる。12m滝を別にすれば滝の多くは直登できるので、初心者から中級者まで楽しめる沢だといえる。12m滝の高巻きはやはり左岸の方が楽に巻けると思われる。しっかりしたリーダーがいれば特に問題ないだろう。なお魚影は下流域でそこそこあった。

※今回の沢は国土地理院地形図には名称が記されていない。当会の1978年の遡行記録では横川とされているので、今回も横川として計画し遡行した。しかし、現在の地形図には同じ松川の支流で横川という別の川があることから、近接して同じ名称があるのも不思議に思われたので米沢市役所に確認してみた。すると米沢市作成の地図には温海沢と記されていることが判明した。林道の橋も温海橋と記されている。そうであれば訂正するしかない。今回からは温海沢として記録することにした。



            GPSトラック
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by torasan-819 | 2020-07-13 23:31 | 沢登り | Comments(2)
Commented by 米沢の高橋です at 2020-07-28 21:43 x
お晩でございます。
さすがですと言いますか、こっちがお恥ずかしいと言うべきか、
この沢は、聞いたことがなかった隠れた良渓ですね。
地元民がホント恥ずかしいですが、後追いで遡行させていただきます。
まったくもって遅ればせながら、やっとこの週末に
今季沢初めに行けそうです。
Commented by torasan-819 at 2020-07-28 21:59
米沢の高橋さん
この沢はおそらく釣り師が少し入るかなという程度で、沢登りの対象とはされていませんね。
でもわが会の40年以上前の記録をあれこれ見ている中でもしかしてと思った次第です。
山頂はひとつでも沢はいくつもありますから、まだまだ知られていない良渓名渓はあるのでしょうね。
遡行される場合は水量多めの方が楽しめると思います。


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