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2020年 11月 24日
蔵王・濁川(行方不明者捜索) ~ 2020年11月15日
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今年(2020年)2月に蔵王の熊野岳周辺で行方不明になり、未だに所在が確認されていない男性がいる。組織的な捜索は6月21日が最後となっていた。しかし6月に捜索した沢とは方向の違う沢(濁川の支沢の振子沢)で7月に、複数の沢登りパーティーにより所持品が数点発見されており、その特徴から行方不明者本人のものと特定されていた。その後、遭対協(山岳遭難防止対策協議会)の隊長は個人的に濁川を捜索していたようで、ついに先日本人のものと思われる着衣と靴片方を濁川で発見した。行方不明者の家族からの依頼もあり、雪に埋もれ翌春の雪解けで流されてしまう前に急ぎ捜索することになった。当日は警察署と山遭協に県警機動隊も加わった総勢17人。峩々温泉の少し手前、スノーシェッドの脇から濁川沿いの道を上流へと辿ると、わずかだが数日前の雪が残っている。丸山沢出合の先から濁川に入った。捜索を開始してあまり時間が経たないうちにジャケットが発見され、色とメーカーが一致したことからほぼ本人のものであろうと思われた。さらに数百メートル上流では人骨などが発見された。状況的に本人と思われるが警察でDNA鑑定で判別するようになる。機動隊の若い隊員達が回収作業をし終えたのを見届けて合掌する。なお、2018年に道迷いの挙句滑落したと思われる遭難者が倒れていたところは、この場所のすぐ近くであった。その後は登山道の渡渉点の少し上流の振子沢出合まで捜索し引き返すことになった。下りながら再度捜索していくと、丸山沢出合より数百m下流でリュックサックが見つかった。登山用ではなく軽いハイキングに使う様なデイパックだが、本人の持っていたものと柄が一致することから本人のものである可能性が高い。以上で捜索を終了し下山した。今回の捜索では様々なものを発見することが出来たが、いつ本格的に雪が降ってもおかしくない時期であり、積雪前に捜索できたことは運が良かった。いずれにしてもラストチャンスだったと言える。来年になればこれほど発見することは出来なかっただろう。なんとかご家族のもとに帰してあげることが出来てひと安心である。おそらく本人は気軽なスノーハイクのつもりだったのであろう。不用意に踏み込んだ者を時として自然は容赦してくれない。それが自然であり現実なのだ。
※追記 2021.02.08にDNA鑑定結果のメールをいただいた。本人と確定したとのこと。合掌


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by torasan-819 | 2020-11-24 18:58 | | Comments(0)


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