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2023年 05月 29日
月山 ~ 2023年4月25日
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山域山名 月山 紫灯森・ 姥ヶ岳(1,670.1m)
山行期間 2023年4月25日(火)
山行形態 山スキー
天候 晴れ
参加者 2人(L:トラ山・K地)
行程 志津野営場駐車場7:50=姥沢駐車場8:10-8:21=リフト上駅8:53-9:00~紫灯森9:35~滑降開始点9:50~田麦川11:01~枝沢出合11:06-11:28~1479m標高点12:42~1619m標高点13:15~紫灯森13:50~姥ヶ岳鞍部14:22~石跳川14:46~志津野営場駐車場15:26
行動時間 6時間26分 移動距離 14.1km 累積標高差 +1,066m -1,808m





 月山の地形図を見ながら、紫灯森から品倉山へ繋がる尾根のどこかで田麦川へ落としてみようと計画した。最有力は1,619m峰のように思えたが、雪の状況などにより斜面を選ぼうと考えた。志津野営場前の駐車場に1台デポしてリフト上駅から歩きだす。紫灯森までは姥ヶ岳東斜面をトラバースした。紫灯森から向きを変えて北西に派生する尾根に進む。まだ雪は緩んでおらずかなり固くガリガリである。横滑りの要領で進み標高を100mほど下げると、やや雪が緩んできた。斜面を観察しながら進んでいくと、1,619m標高点の300mほど手前の右手に良さそうな斜面が見えた。ここを落としてみようかと観察すると、大丈夫そうなので滑ることにした。雪が少し緩んでいることもあり、急斜面だが滑り始めはまずまずの感触。快適に落としていくと笹ヤブと岩が露出している部分があり、間を抜けられそうだが日陰の凹部がかなり固い急斜面のようで、さらに起伏で斜面が下まで見通せない。これを避けるため左方向へのトラバースすることにした。
 するとザザザッという音が後ろから聞こえ、振り返るとK地さんが滑落していく姿が目に入った。斜面下まで見通せる場所まで移動すると、だいぶ下で止まっているK地さんが見えた。急ぎ滑り降りてK地さんに合流し状況を確認する。骨折など大きな怪我はなく行動は出来そうなのでホッとする。ストックが片方無くなっていたので登り返して捜したが見つからなかった。その際に確認するとK地さんが滑落した場所は45度ほどありそうな急斜面だった。滑落した標高差はGPSで確認すると約100mだったが、途中に岩やクラックなどがなかったので軽傷ですんだのだろう。もしそうでなかったら大きな怪我になったかもしれない。
 少し休んで落ち着いてから残りの斜面を田麦川まで下降した。沢まで落ちたかと思ったストックだが、やはり見つけられなかった。K地さんは1本ストックで滑降と登高をすることとなり、疲れも倍加するだろうと思われた。田麦川を距離にして1キロほど下降すると、尾根に戻るため左岸に現れた枝沢を登って広い台地に上がった。台地を少し下って左手尾根に斜度の緩いところから取り付く。登っていくと三角大斜面などと呼ばれている広いゲレンデのような斜面になる。その頂点が1,479m標高点で紫灯森につながる尾根になる。
 尾根を辿り1,619m標高点そして紫灯森まで戻ったが、雪面は朝よりだいぶ緩んでいて歩きやすくなっていた。紫灯森を少し滑り降りてからトラバースして姥ヶ岳の鞍部に登り返す。乗っ越して西側斜面に出ると石跳川の源頭へと滑り降りた。結局ここがこの日一番気持ちよく滑ることができた斜面だった。石跳川沿いに下降してネイチャーセンターの前を通り、デポしておいた駐車場へと戻った。今回ばかりは無事到着出来て良かったと心底思った。

 滑落の原因はK地さんによると、トラバース中に突然谷側のビンディングが外れて転倒したからだという。バランスを失い成すすべもなく落ちたということらしい。ビンディングを何かにぶつけたとかではないので、外れた直接の原因は不明だ。もしかすると、ビンディングのセットが不十分だったということも考えられる。セットしたように見えて実は中途半端な状態だったのかもしれない。トラバースなので片側に体重がかかり、ビンディングを捻じるような方向に力が働いた結果、ビンディングが解放したということも考えられる。もちろん通常ならその程度では解放しないはずだが、やはり何らかの問題があったのだろうと思う。いずれにしても外れてはならない場面で外れてしまったというわけだ。K地さんによれば、ビンディングは以前から稀に調子の悪い時があったという。その都度ショップでは点検してもらっていたというが、今回のことを踏まえて、解放値の設定など再点検はすべきだろう。また、自分でもセットの都度、しっかり固定されているか確認すべきと思われる。



姥ヶ岳東斜面をトラバース
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35分で紫灯森に着く
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月山西斜面
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尾根へ入る
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雪面はかなり固い
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この辺りの斜面が良さそうだ
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斜面に入る
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少し雪が緩み始めていた
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フラットで滑りやすい
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笹ヤブと岩をトラバース回避
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田麦川に滑り込む
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沢床を下降する
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枝沢を登り台地上の雪原に
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左端に鳥海山 中央に雨告山
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ストック1本で登るK地さん
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月山~1,619m峰~姥ヶ岳~湯殿山~遠くに朝日連峰
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場所によってはシートラーゲン
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紫灯森に戻る
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尾根を振り返る
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紫灯森からひと滑り
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姥ヶ岳へ登り返す
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ヤブを越えて西側へ
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快適斜面
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石跳川左岸はあちこち口を開けている
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GPSトラック
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by torasan-819 | 2023-05-29 21:56 | 山スキー | Comments(0)


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